形代の呪術師   作:夢食いバグ

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今回は短め。


はじめまして、今晩は

………家入さんの手が空いていた為少し見てもらい、それなりには回復した好調とは流石にならないがだいぶマシにはなった。

 

授業や訓練は任務で起きた出来事の精神的負担も考慮され、今日は無かった。次に備えてしっかり休めとのお達しの意味も含まれているだろう。

 

なら早く寝よう。煩くなる前に。

 

そう考えて、部屋に戻ろうとすれば俺の部屋の近くに二人の人影が見える。近づけば、居たのは五条先生と虎杖の二人…………

 

「げっ隣かよ。」

 

俺の部屋の隣の扉が空いている、きっと二人はそこから廊下に出てきたのだろう。やかましいのは継木だけで十分なんだが………

 

「空室なんて、他にいくらでもあったでしょ。」

 

「おっ伏黒!今度こそ元気そうだな!!」

 

「だって賑やかな方がいいでしょ。」

 

俺が居ることを二人が認識すると、三者三様という熟語が似合うように。

 

虎杖は朝の俺の様子と比べて安心そして喜びを表現し、五条先生はその虎杖の方を一瞬見て何処か生暖かい様な気色の悪い笑顔で賑やかな方がいいと言い放った。

 

………あぁ鬱陶しい。

 

「もう隣りにいる煩いのでそれで十分です、ありがた迷惑。むしろあいつの部屋変えてください、夜カリカリカリカリ何やってんだかわからないですけど引っ掻くような音が煩いんですよ。

 

虎杖、お前も夜中には静かにしろよ案外薄いぞここの部屋同士の壁。ぐっすり眠れやしない。」

 

純粋に休んだほうがいいというのもあるが早く寝たいのも、そういう理由がある………物音が壁が薄いのもあってよく響くのだ。

 

一応音楽を大音量で流してる大音量ではなく、普通の生活音なのだが………明日から虎杖のも加わるとなると二人を移動させるのを諦めて、俺個人で防音対策でもした方がいいのだろうか。

 

そう思いながら、虎杖の方を向いて壁が薄っぺらい事を伝えた。知らずに生活していくよりはまだましにはなるだろうお互いに。

 

「………伏黒以外のもう一人って、五条先生が言ってた四人目か?」 

 

「うーん正確に言うと、伏黒が一人目で、今話してるもう一人が二人目。悠二、君が三人目で………一番最後の四人目は明日皆でお迎えに行くとこ。

 

っと恵、高専内部の建て付けの文句いうねー確かに少し古いからそうだけどさ。改修、あんまりしてないし。」

 

………壁が薄いいや、防音性皆無なのは襲撃を受けた際にすぐに気がつけるようにという意味もあるのだろうが、流石に色々と酷いと俺は思う。

 

今のところ新入生最後の一人は、明日来るのか………

 

今年度の呪術高専生は、計四名。呪術師としては、大分多い人数が揃ったな。そう感じながら虎杖にあいつが取っている部屋に指を指しながら。

 

すうっと一つ息を吸って。

 

「俺の部屋のもう一つの隣に、部屋取ってる。お前からみて俺挟んだ部屋だな………油断するといや油断しなくても個人情報ぶっこ抜いてくるから気をつけろ。」

 

あいつ継木の事について、注意喚起の意味を多く込めて口にした。

 

害をなすような、事はしないが油断すると何もかも隠していると思ってることさえ継木はひん剥いてくる。それも基本的にその事を知ろうとしてやってるわけではなく、ほぼ無尽蔵に無秩序に無作法にやった結果が故に目も当てられない。

 

継木がやってる闇雲に情報を集める方法も、呪力とか全く関係なく純粋に手間やスキルが必要なことを無視すれば普通の人間でも出来てしまう。

 

流石にシュレッダーゴミを、暇だからパズルで遊んでると言って細いカスを組み立てていた時には鵺の電撃で紙くずを焦がした。

 

………それに継木は、割と気にすることは出来る知るだけで無闇矢鱈に誰かに話すことは少ないだからこそ何処まで知っているのか?またはた知ったのか、知らないのか?が掴めないのだが。

 

正直言っても無駄とは思うが、事前の心構えができるのはいいだろう。

 

「今伏黒なんっつた!?」

 

信じがたいだろうが、俺が虎杖に言ったことは紛れもない事実だ。

 

「櫻ねー、僕から見てちょっと好奇心が旺盛な子でね。悪い子ではないよ。単純にいい子とは、はっきり僕には言えないけど。」

 

「継木 櫻のは、ちょっとで済まないですよ………そのたびにしばき回すのでいいですけど。」

 

確かに、継木は悪い奴ではない。揺るぎない善性持っているが、価値観やそこらへんが呪術師からみても独特に形成されている。家による教育の影響が、それとも真正のズレなのか理解はできない。

 

………今は確実に、少し精神が常時アッパーな状態になってるのだけはわかる。

 

最後だから、さしずめそういう理由で。

 

虎杖ならなんとか継木の性格についていけるか、とか考えながら五条先生の方を見る。

 

「まぁ同じ高専生として仲良くしてよねー」

 

相変わらず、おちゃらけて何を言うわけでもなく仲良くしてねの一言で終わらせた。

 

五条先生は基本こういうこと考えないから、期待するだけ損だったか………

 

「おっおう、それにしては高専今日回ったけど継木 櫻か?それらしい人見かけねぇけど。」

 

「継木今日は、任務か。」

 

虎杖は五条先生に、高専校内を案内されたのだからある程度はまわっているか………それで見つからないとなると、任務しかないだろう。

 

任務がなかったら探さなくても継木の方から、虎杖に接触してくるだろうしな。

 

会ったらすぐに継木だと、分かるはずだ外見含めて何もかも色々と癖が強い。

 

「ちょっと特殊だからね、櫻は明日わかると思うけど。それに夜会えると思うよ。きっと君に櫻の事だし、興味あるだろうしね。」

 

「今日は特に戸締まりちゃんとしておけよ、虎杖。気休めにしかならないが………」

 

きっと夜には帰校の予定か、絶対何かやらかすだろう………そういう変な信頼はある、そう言えば継木楽に開けられる鍵無くしたとか言って棒で鍵穴弄ってたな。

 

しかも普通に開けてたし。

 

「なんかこえーよ。まぁ見たことねぇー奴に会えるのは楽しみだけどな。」

 

悠二の方を見れば、覇気のない声を漏らしていた。

 

***************

 

はぁ、今日は任務入っていたからなぁ………恵が認めた善人いや恵が善人と認識した虎杖悠仁君に昼間から会いたかったんだけどなぁ………

 

とりあえず部屋が閉まっていたから、髪から色々開けられる鍵を取り出して穴に突っ込んでハマる場所を探る。まぁ手間はかかるけどアナログ式なら、大体開けられるから中々良いよね。

 

おじさんも、便利だって使っていた。

 

「コレでいいかな?流石に寝てるみたいだね、部屋も真っ暗だ………」

 

感覚で空いたのが分かった、手元が軽くなる。カランとドアを開ければ明かりはなくベットがもりあがっている。

 

僕は布団を少しめくり、しゃがむ。

 

ピンクの頭だ、やっぱり髪の色がファンキーな色がどうしても呪いに纒わると多くなってるのだろうか。

 

「今晩は、はじめまして虎杖悠二君 僕は継木櫻と呼ばれてるよ。」

 

あぁやっぱり最初は、自己紹介しないと何か何だかわからないよね?そこらへんは大切だし………そう寝起きなのかボケっとした悠仁であろう人。

 

「………えっ俺鍵閉めてたよな?なっ?」

 

そう困惑を口にしていた。僕は虎杖の顔を見ながら僕はそうか、鍵分からずに空いてたら怖いもんねと思った。理由知らなきゃ気分悪いし。

 

知らないことはひたすらに気持ち悪いに、変換されることは割とある。

 

「閉めてたよ、話したいことがあったから開けたけど………寝たいなら出るね。」

 

「いやどうやって入った!」

 

「ちょっとマスターキーで。」

 

無理やり起こしたのは、本当に悪かったからな今日も悠仁は色々あっただろうし。そう思いながら、髪からまた鍵を抜いてみせた。

 

まだ寝たいならすぐに出るつもりだ、顔だけでも見たいって思ってだしね。自己紹介して、起きなかったらそのまま出るつもりだったし。

 

「それ完全にピッキングしゃねーか!?」

 

「いやいや少し手順がいる万能鍵だよ、持ち運びもかなり楽だし。」

 

「だからそれピッキン」

 

「万能な鍵だよ。」

 

悠仁そんなに驚くと、疲れるよ?そんなことを僕は思いながらちょっと特殊な開け方をするだけだと言う。本当に便利なのにな………

 

「アーまぁいいや、俺に話ってなに?伏黒から高専一年生もう一人いるって聞いてたけど。お前が継木だよ………な?」

 

「うんそうだよ、ちょっと顔だけでも見たいと思って起きなかったらそのまま帰るつもりだったよ。」

 

あーと切り替えるように、頭を一つかいて僕を指さして恵から聞いたのだろうか?高専一年生のもう一人なのかと問う。

 

それに僕は、隠す理由もない。

 

そう思い、そのまま口に出した。実際に顔だけでも存在が確認できただけでも十分な収穫だと僕は思っているし。

 

「起こしちゃったしちょっとお話したいと思って、後ここ東京としても結構都会ではないからさ星見に行こうよ雲一つないみたいだし、きっと綺麗に見えるよ。」

 

でも起きたなら………正確には起こしてしまったなら、せっかくだしお話でもしようと僕は思う。そうだせっかくなら外に行こう、悠仁は仙台から来ていてど田舎というほどではない地域から出ていたはずだ。

 

高専は、東京といえども光は少ないから星がよく見える。それに今日は雲ひとつない空模様だ、格別の景色になるだろう。

 

そう思ってにっこり笑った。

 

「グイグイ来るな………悪い気はしねーけど、こういうのって」

 

「初対面だしね?」

 

初対面だから、僕は悠仁のことについて知らないことが多すぎる。だから知りたいと思って動いてる。

 

モゴモゴして引きこもっているのは何にもならないだろう、時間は人によって差異はあるが有限なのは確かなことだ。

 

今は継木家当主として周りの目を気にする必要は、まぁあるにはあるが………多めには見てもらえる。いつかはさようならがこの世界の理だなら、はじめましては記憶に残してほしい。

 

「寧ろ逆じゃね?」

 

「まぁそんなもんだよ。」

 

「そんなもんかーってならねぇよ!」

 

悠仁、割とツッコミの才覚あるね。

 

僕ボケてるつもりは全く無いけど、基本的に言ってることは真剣だよ。………伝わることは形作らないとあんまり無いけど。

 

「そっかぁ………まぁでも、これから仲良くしていきたいのは僕の本心だしね?」

 

「………なんか継木ノリが五条先生に似てんな。」

 

純粋に嫌だ、そう思われてんの。

 

「……………………」

 

思わず、目の前に悠仁がいるのに真顔になってちょっと考え込んでしまう。

 

確かに、五条のマネをしている部分は割とある。当主として使う言葉遣いだとどうしても固くなりすぎるし、友達に使うにはどうしても距離が遠い。

 

恵を参考にしても良かったけど、恵は恵で言葉がちょっとトゲトゲしている部分があるし…………

 

お兄さんは、当主として使う言葉遣いとどうしても似通ってしまうし。パンダさんはパンダだし、狗巻さんは語彙おにぎりだし………

 

消去法的に、五条から真似た。

 

多少不味いと思う部分に修正や調整は入れてるけど、ベースはソレだ………やっぱり髪の毛の色とかもふまえてそう見えるのだろうか、ストレスで白髪増えてるだけなんだけどなぁ。

 

「そんなに落ち込むことかぁ?」

 

「ハハハ、これから分かって貰えばいいか。明日のお迎えは10時頃からだしゆっくり話そ。」

 

まぁ、もうちょっと個性?みたいなのだしていかないとこう言われるのかなぁ………仕方ないかなぁ実際に参考にしたらそりゃ似るよね。

 

確か明日の新入生のお迎えは午前10時からだから夜ふかしも問題ないだろう。

 

ゆっくり話そう。

 

「忙しいって訳じゃねーしいいか、俺分かんねーから継木案内よろしく。誘ったのも、継木だしな。」

 

「外6月とはいえ、冬は肌寒いから上着は着てね。ちょっと今日の夜は風が強いみたいだから。」

 

「分かりましたよっと。」

 

さて僕も温かい飲み物の準備しないとなぁ、悠仁用にクッキーやせんべいでも持っていけばいいかな。




東堂割とやってることが、変わらないと思ってしまうのはきっと気のせいだろう。

どの組み合わせがみたいですか?(展開影響アリ)

  • 継木&虎杖
  • 継木&釘崎
  • 継木&伏黒
  • 一年ズ+継木
  • 継木単体
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