形代の呪術師   作:夢食いバグ

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少年院の話に突入。


インク漏れ

曇り空の中、伊地知さんに車に送られ四人で林の中で今回請け負った任務の詳細を確認する。

 

事前に少年院等々のデータ自体は貰ってはいるが……

 

「今回の任務、かなりヤバイやつですよね?伊地知さん諸々の避難誘導などは済んでますか?」

 

コレはヤバイ案件だろうと、言う感覚がビシビシと感じてくる。

 

今回はもはや入らなくても空気で分かる、強大な呪力の中微かに宿難の指の呪力の感覚を感じる。ここからでも感じるんだ中に入ったらより強くなるだろう。

 

今回の受胎の呪霊が宿儺の指を取り込んでる可能性はまぁあるな、正直まだ呪霊に見つかってないといいけど。

 

少年院の内部地図は、もう読み込んだ。中々無いものではあるが、今回の案件の核となる呪霊が生得領域を少年院の内部に構成していなければ、迷うことはないだろう。

 

「えぇそうですね、今回は受胎が確認されました。中にいる人数は5名………その生存確認と存命していれば救出の任務となります。

 

受胎が変態した呪霊の場合特級になると想定されます。」

 

伊地知さんは、普段より深刻そうな面持ちで話を続ける。特級かぁ………特級と言っても上ブレしてるか下ブレしてるかの差が激しいんだよ。

 

特級って一級辺りの物差しで図れないのをまとめてぶちこむ分類だからなぁ………特級の中でも区分更に分けてくれればいいのに。そこまで個体数も居ないか。

 

生得が展開されていたら、中の人間はほぼ生きてないものとして認識していいだろう。生得領域を作ってると言うことはその場所全部胃袋みたいなものだ、居るだけで呪いに犯され呪霊に襲われるか襲われないか限らず死ぬだろう。

 

まぁごく少量の呪力の放出を一般人はしてるから、焼け石に水だろうが時間はほんのちょっと稼げて生きてるかもしれない後がどうかは僕は知らないけど。

 

「………確かに、等級と同じ呪術師が派遣されるんじゃねーの?俺達特級ではないと思うけど?五条先生は?」

 

「たしかにそうだが、今出張中なんだよ。高専内をブラブラしていい人材じゃない。」

 

特級を確実に倒せると思われ呪術高専で認定されてるのは、現時点で三人その内の二人が海外に行ってる。いや一番の発生地の日本置いておいて特級二人が海外って状況もどうなのさ。

 

強すぎて暴走時対処できない人達、とも言いかえられるけどさ。

 

そんなわけで、本当の意味で特級に当たるのは一級が多くなる。二級~三級複数人で相手することは、ないね。まさしく異常事態一級誰も居なくてで張ってるのかな。

 

一人ぐらい一級の待機者はいるもんかと、思ったけど。

 

家から直接伝えて、継木家の呪術師引っ張ってくるのもアリだけど、それは流石に職権乱用になりかねない突っ込まれたらそれはそれで後処理が面倒だ。

 

「この業界は人手不足がつね、身に余る任務を受けることも多々あります………ですが今回は緊急事態で異常事態です。

 

絶対に戦わないこと。特級と会敵した時は逃げるか死ぬかです。自身の恐怖に従って下さい。」

 

「あのっ正は大丈夫なんですか!」

 

逃げることなら、毎回してる。倒すことは僕は元々基本的に期待されてないしね………逃がすのは苦手というかやるとするなら初めてだけどやれるだけやろうか。

 

少年院の親御さんかな?

 

ここまで抜け出して走ってくるとはなかなかだなぁ、避難誘導はされているはずだけど。息子さん思いなのか、子離れできていないのかどっちでもいいか。

 

正さんは、交通事故二回目だったかなぁ。少年院の人は、大なり小なりそんなものだろうけど。

 

「釘崎、伏黒、継木 助けるぞ。」

 

「当然。」

 

「………」

 

恵は今回の捜索対象は大体引っくるめて嫌いなタイプだろうね、そもそも懐に居れた人間以外はそれなりって性質ではあるけど。野薔薇と悠二は………今回の案件、士気はバッチリって感じだね。

 

「やる気満々って感じだね、でも生きてこそだから逃げる選択は入れとくことは忘れずね。」

 

うんうんやる気はあることはいいことだ、正直に言えば今回の案件について………五人はもう死亡しているとして見ている。生存してたら幸運それぐらいに思った方がいい、只行方不明ではなく死んでいると言う結果また生きているという結果を示したい。

 

生きていれば、それはそれで次に行ける。死んでいればきちんと終わらせることが出来る。

 

行方不明の曖昧で終わらせるのは、個人的にはいただけない。あくまで個人的な感性のお話になるけど。

 

「お気をつけて………」

 

僕達の4人は、伊地知さんに見送られて少年院の内部に向かうため歩いていく。その後帳が降ろされる…………

 

「おー夜になってるー」

 

「帳だよ、市街地が近いからね。一般人迷い込んだら大変だし見られたら不味いからね。人が壁ぶっ壊したりなにもないところでシャドーボクシングしていたりするの見られたくないでしょ。

 

ビックリドッキリ人間としてワイドショーの人気者だよ。」

 

そういえば、悠二にある程度の事教えたけど帳の事忘れてたなぁ………基本帳使わない現場がほとんどだったし。僕に、とっても帳は久しぶりだ。

 

帳は、呪の秘匿を担保する一つの仕組みだ。

 

降ろさなければ、呪術師はバケモノとして排斥されるだろうね。普通の人間を守るためじゃない、馴染むための事だ。知性があるだけのいつ暴れるか分からないヒグマなんて迎え入れられるわけがないだろう?

 

にしても、毎回帳は夜だけど星が見えないのが残念だ。星があるからこその、夜なのに。

 

「継木、緊張感持て。そろそろ着くぞ。」

 

先頭を歩いていた、恵に悠二にした説明の例えがあんまりだってらしく少し怒りがこもったように言われてしまった。でも呪術に入ったばかりなんだしこういう風に堅苦しくなくやった方が頭に入りやすいと思うんだけどなぁ。

 

そう思いながら、恵の横にたって意識を向けて貰おうと肩を叩いたら無言で振り払われた。せめて、何か言葉の反応ほしかったな。

 

「今回は二つ手に分かれようか、四人で纏まるよりも分かれた方が早いし危険度は少ない。」

 

「どう分かれるのよ。」

 

「恵と悠二、僕と野薔薇ちゃんでいいんじゃないかな?今回は特級相手かも知れないからねまとめてお陀仏より会うかもしれない人数は減らした方がいい。

 

ねっ恵。」

 

今回の案件は呪霊の沈静化また祓う事ではなく、生死不明者の生死の確定と内部状況の確認等々普通の任務とは達成条件が異なる。それは恵も十分に理解しているだろう、五条や憂太さん相当呪術師が本来の当たるべき案件と言うことだし。

 

特級に今まで当たったことが無くても、対応する人である程度見積もることはできる。

 

僕から見てもここにいる僕含めて、特級はムリだろうし弱いって思ってるわけじゃないけどね。特級相手には下手すれば一級でも死ぬ呪霊だ時間稼ぎなら、相当の甘めに見積もって出来るとするなら僕と恵ぐらいかな………

 

悠二もまぁ僕の感覚で見て、時間稼ぎが可能な人に入るだろうけど宿儺の案件があるし下手に暴走させたらこっちの方が惨事になるだろう。爆弾解除に別の爆弾起爆させますは本末転倒だ。

 

戦力差が、離れすぎてるなら量が集まってもまとめて潰されるだけなら分散させた方が生存率は上がる。片方が危険ならそれを囮に、もう片方は逃亡確率は確実に上がるから。

 

それに純粋にいる時間が短ければ短いほど、合敵率は低くなる。

 

「継木

 

わかった、俺にお前の式神五つ寄越せ。こっちも黒い方の玉犬を渡す。

 

それを減らして、お前が見つけた数捜索対象の数をこっちに伝えてくれ。」

 

「もし五人発見して出る時や、特級相当の呪霊と会敵時にその黒い方の玉犬は恵に戻すね。逆に恵の方が特級にあったり合敵したときや出る時はそっちの方こっちの玉犬戻して。

 

それでお互いの状況は、見ていこう。」

 

「俺は、コレが弱まったら。継木の方が不味いとして虎杖と一緒に少年院から逃げる。

 

それいいんだな。」

 

「それでいいよ。まぁお互いの付き添いはちゃんとかえしていこうね。悠二は恵に任せる、野薔薇ちゃんは僕に任せておいて。」

 

恵は頷き、白と黒の二頭一対の式神玉犬を影から顕現させ。俺がやったんだからわかってるだろと言うように僕に連絡のための式神の譲渡を求めてくる。

 

外套に仕込んだ、一つの呪札を燃し式神をこちらも発生させ5つのみを恵の回りに漂わせた。

 

その後に簡単な、お互いの離脱の合図の確認などなどを行う。お互いが危険な状態になった時に、式神も同時に弱るそれも離脱のサインだ。助けに向かうのではない真っ先に逃げることをお互いに確認した。

 

見捨てるというのは確認がなければしにくい、僕も最初はそうだったからね。野薔薇や悠二はまだ違うと思うし…………恵なら悠仁の方に付かせたほうが心情的に気が乗らない任務でも、少しは気が入るだろう。

 

僕も野薔薇とはあんまり交流できている感じはしないけど、うん流石に仲間割れはする可能性はないよね………うんないってこんな危険な状態で多分。

 

「後宿儺の指に近い呪力がある、ここに近づいて更に感じてるからもし発見したらそれも見かけたら回収はしておいて。杞憂だといいけど。」

 

「!?あぁ分かった、継木見つけたら回収しろ。」

 

「二人で、ボソボソ話しているんだ?」

 

「さっさと行きましょうよ、ここで時間潰している暇なんて無いわよ?」

 

「うーん何でもない!緊張しちゃってね。」

 

「行くぞ。」

 

少年院の扉を開けて中に入れば、そこには身勝手に混沌に組み立てられたようなスラムのような空間が広がっていた。

 

踏むたびにぐちょりと音を立つ肉塊からできてるような、生生しい空間じゃなくてまだ良かったな………危険地帯練り歩くのが仕事だし色々なものは見た事自体あるけど。今回のはかなり大きいね。

 

そして全体から宿儺の指の呪力を感じる、核となる呪霊が喰ったとは思いたくはないけど………でもそのまま危ないから逃げますというのは、言い訳が立たなすぎる。

 

「生得領域か、術式は入ってないみたい。今回の核となる呪霊は一級は確実にあるね。」

 

………一級上位〜特級下位程度かな。二級や一級下位の可能性は限りなくなくなった。特級上位なら、むしろこんな生得領域なんか作らずに直接暴れまわる方がおおいし。

 

「生得領域ってこんなのに、なるんか?違法建築!?」

 

「私こんなの見たことないわよ!最初の廃ビルしかり東京ってこんなのばっかりなの!?」

 

「俺でもこんなに大きいものは、初めて見た………扉は!?」

 

それぞれが、方向性の違う困惑を口にする。こんなものに慣れてるのなかなかいないからね、呪術師でも生得領域内部に入るって三級辺りだったら基本的に死を意味するぐらいの実力差になるし。

 

恵はいくつか入ったことあるみたいけど、ここまで大きいのは始めてらしいね。強力な呪霊なのは恵から見てもわかってるようで良かった。

 

あぁ扉か。

 

「ないっ!?私達ここから入ってきたわよね?」

 

「うんうん!」

 

「まぁ落ち着いて落ち着いて。僕なんとなく入ってきた場所わかるし…………」

 

術式が組み込まれてない生得領域なら、ハリボテに近い物だ。組み込まれていたとしても、領域なら区切りが存在するましてや僕達は招かれたわけではなく自ら入ったのだから出口はもう現実世界に癒着するように存在してる。

 

基本的に生得領域は、核となる呪霊の腹の中だ。境は呪いの質が少し違うように感じている。

 

区切りはあるが、大抵は頑丈ではない。現実のものに影響を与える空間なら現実と隔離しすぎてはならないのだ。完全に隔離しているのならそれは影響を与えることすら出来ない存在になる。

 

「………こいつも、出口の臭い分かるから出られるぞ。」

 

恵の玉犬も呪力から生まれ現実に則している存在として似たようなものなのだろうか?分かるようでよかった。そう思いながら、野薔薇の方を見てから僕達が進む予定の道を指差して。

 

歩いていく。

 

「とりあえずこんな危険な場所に長居できないし、手筈通りに二手に別れて五人探そうか。

 

行こうか、野薔薇ちゃん。」

 

「継木いっちょまえに仕切るな、イラつく。しばらくしたら外で会いましょ、伏黒と虎杖四人全員揃ってね。」

 

「おうっ、継木と釘崎も頑張れよ。」

 

「さっさと行くぞ、着いてこい虎杖。」

 

さぁ早く終わらせようこんなこと。

 




アンケート投票ありがとうございました。
今回は二手に別れて野薔薇ちゃんと行動することになります。

どの組み合わせがみたいですか?(展開影響アリ)

  • 継木&虎杖
  • 継木&釘崎
  • 継木&伏黒
  • 一年ズ+継木
  • 継木単体
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