「遅れまして申し訳ございません、こちらが予定を認識していないようです今確認中でして。」
目の前にいる、継木家当主だと思われる病人と見まごうような少年が貼り付けた笑みを浮かべながら口調は淡々としてながらも奥底に怒りや呆れの感情を滲ませていた。
「あーいいよ、突然サプライズって奴。最強の五条が突然来たなんて驚いたでしょ。」
そんな中五条は、サプライズとして来たというが火に油を注ぐという行為がわかっているのだろうか?それともあえて神経を逆撫でするような行為しているのだろうか。
いや何も考えてないだろう。
静と動のように、一切動きのない相手の当主と動きが多い五条がそれぞれ軽い漫談のように話している。
「でどのようなご要件か簡潔に、ただ遊びに来たと?貴方様のことですそうではないでしょう?」
相手は早く話を切りたそうに話を進める。五条その態度にも我関せず………とういわけでもなさそうではあるが表情からは全く喜怒哀楽を読み取ることができない。
まるで能面を被っているようだ。
「面白くないなーもっとこうない?びっくりした~とか腰抜けたーとかさぁ。」
それに相反するように、表情豊かに会話を勧めていく…………結局俺が連れてこられた目的は何なのだろうか。
簡単には言われたが、ここに俺が意味が全くわからないので早く帰りたい。
「常識と言う事が基礎から抜けていることはちゃんと改めて認識できたことだけが収穫ですかね。」
「酷くねー、僕しょげちゃうよ。」
「勝手にしててください、カステラ時間が立つと乾いてしまいますので。早く頂いたらいかがですか?」
「さり気なく僕に黙れって言ってる?ねぇこれ。」
「で後そちらの方は?」
「聞いてる?」
漫談の様な二人のやり取りを、どこか遠目で見ていたが相手の目線がこちらへ向いた。
向いた目は虚空のように、底なしに黒く黒く濁っていた。死人の目はこんな感じなのだろうと思う程に。
「そりゃ知らないよね。恵って言うんだ、自己紹介よろしく。」
「伏黒恵です。」
五条に促され、自身の名前を名乗ったすると当主は各人それぞれに用意されたカステラを指さして。
「そうですか恵さんここに出した菓子は、遠慮せず食べてください。特に面白いことは無いですから。こんなくだらない話し合いより日々の勉学や娯楽優先したい年でしょうし。
後お茶無くなりましたら頼みますのでご遠慮なさらず。清涼飲料水は揃ってないですが、果実系のものはあると思うので…………」
そう話している、口調や態度は変わらないが何処か分厚い当主と言う皮が少しさけて年相応の幼い中身が見えたような感じを覚える。
ただほぼ無理に連れてこられたと察し、気を使っているだけかもしれない。
「特製献上五三焼佳好帝良っていうカステラみたいだから、遠慮せず貰ったほうがいいよ恵。」
………………結局どうしてこんな場所にいることになったのだろうか。
カステラに目を向け、誤魔化すように黒文字を手に取り菓子を一口に切って口に含んだ。
*************
「恵ー、ちょっと今日休みでしょ!連れていきたいところあってさー。」
時より五条によって連れ出されることがある、父が禪院家とやらに俺を売った時にそれを阻止する為にとあちこちの家に回って行ったときよりは落ち着いて入るが。
こういう風に突然来る。連絡ぐらい入れろ、津美紀が困るだろうが。
生活の資金や保護者の代わりの印その他諸々数え切れない恩人ではあるがそう思わざるおえない。
「なんですか急に、学校は休みですけど。」
俺は顔を顰めて、 学 校 は休みであるというが五条には関係のないこと。
常識等という、理論には縛られない。
「はい!ジャー決定、特になんにも予定ないでしょボートしてるより有意義だと思うよ。」
個人の都合など、取り分けて関係なく事を進める。たちの悪い嘘のような冗談のようだがそれを現実にする力は持っているのが五条という恩人だ。
俺は諦めて、そこへ向かうという車に乗り込んだ。五条は俺の横に乗る。
エンジン音を響かせ、住宅地から閑散とした静かな山を切り開いてできた道路へと入っていく中で五条が説明するように口を開いた。
「で今行くところだけど、ここから結構遠いんだよねー休みじゃないと到底行けない距離恵の家からざっと片道走りっぱなしで7時間。都心に近いなら新幹線でとか考えるけど、最寄りらしい駅からもクソ遠い。
継木家と言う呪術界でそれなりに名が広まってる一つの呪術師の家系なんだけどさ。
その当主と、君大体同じ年なんだよねーしかもなりたてほやほやだから顔合わせってやつ。」
片道7時間で、往復14時間と行って帰ってくると………さらっと一泊二日になるような感じがするのは気の所為だと信じたい。
呪術界御三家に関連した他の根回しのために呪術家を巡った時でも、ここまで辺鄙な場所は無かった事に違和感を感じる。あくまで御三家という大きな枠組みのうちの一つだからで、他にももっと辺鄙な場所で活動している呪術家もあるのだろうか。
「俺と同じ年ですか?普通そんなのが当主になんてなれるんですか?そもそも継木家の事を知りません。」
継木家に行く、という事は分かったが五条の話だとかなり交通便が悪い場所に継木家がある。呪術界ではそれなりに名の知れた呪術家である。今は俺とほぼ年が同じで当主になったばかりのやつが治めている。
事ぐらいしか継木家の事自体はわからない。
特に俺と同い年の奴が、一つの呪術家治めているとは普通はそんな事は無く………いや呪術の才がずば抜けているならあり得なくもない。
呪術界とはそういうものなのだから。
「あーそこからね、呪霊の生まれ方は僕君に教えたよね?復習ってやつ。」
五条は俺の話を聞くと、頭をかきながら一つ欠伸をついて呪霊の生まれ方について話してきた。呪術師としては基本的なことだが、そこにさっきの話の何処が関係がするのだろうと思いながら。
「………人から漏れ出た呪いが、蓄積してそこから呪霊が生まれる。呪いは呪いでしか祓えないと。」
「正解、流石恵飲み込みが早いね。話が早くて助かるよ、で継木家は呪霊を発生するプロセスの前段階から影響を与える。
人から出る呪いが蓄積し呪霊を発生させる前にこっちで漏れ出た呪いを処理してしまえばいいってね。」
普通の呪術師より、かなり独特らしい事が呪霊を発生するプロセスの前段階から影響を与えるという言葉からすぐに読み取れた。
呪術師は呪霊を祓い、呪いを祓い、呪詛師を無力化するのが主な仕事となるが………その中でも主だったものは呪霊を祓う事だろう。
人の負の感情から生まれ出る呪霊それはどこから来るかと言われれば。
「呪術師とかの呪を扱える人物が呪霊を生まない話もしたよね?」
「普通の非呪術よりも、溢れ出る呪力が遥かに少ないからですよね。」
非呪術師から漏れ出る呪力からと言われている、実際に人の負の感情が、溜まりやすい時期や人が大量に集まるイベント時には多くの呪霊が生まれそして集まる。
都会と田舎も人の数の差から、呪霊の多さや力に大きな差が生じる。
呪術師は、素質が物を言う数が少ない故に慢性的に人手不足でもある。
「溢れ出る呪力や、場所に溜まった呪力を雑巾で拭き取るように根こそぎ集める………言い換えれば、呪力操作が効かない非呪術師の代わりにある程度の呪力操作を行っていると言えばいいかな。
呪術師は、呪力を自らの体内に留めて溢れ出る呪力量が少なくなってるけど。
継木家いや当主は、周囲から呪力を集めて体内に留めて溢れさせない事で代わりを担う。非呪術師でも実質的に呪術師と同じ様な状況になるって感じだね。」
呪霊が生まれる前の、プロセスから影響すると話されてはいたが実際のやり方らしいものを聞くと異常としか言えず深い理解はできそうになかった。
呪力そのものを、吸い取る。
それは例え出来たとしても直に、呪力の害を受けるに他ならないような行為だろう。
自身の呪力だからこそ、呪術師は呪力を扱えるのであって反転術式で生まれるプラスの呪力ならともかく呪力は何もしなければマイナスの力………害にしかならない。
「呪術師からみたら、トンデモですね………漏れ出る呪力や溜まった呪力を吸い上げて自らの体に留めるとは。」
そんな多くの他者のマイナスの力を、自身に溜め込み平気なのであろうか?逆に平気いや人としての体を保てるのが当主とされるのだろうか。
「最初の質問への答えだけど、そういう体質の奴を当主に据えてるから僕の六眼と無下限の抱き合わせみたいなもん。まぁあっちの場合必ず一人はそういうの存在するけど。
当主が死んだら継木の血を持つ人間から一人ぽんって感じで補充される。」
最初に俺がした質問は、何故俺と同じぐらい幼く呪術師としての経験もない子供が当主とされてるのか………結論はそういう体質持ちを本人の適性背景関係なく当主として据えるからか………
「当主が死んだら次が現れるから、そういう体質持ちは血を持つ中から一人になるからそれを自動的に次の当主に据えるの繰り返しか。」
御三家に置き換えて考えると、相伝の術式持ちが家の血を持っている人必ず一人生まれそれを能力関係なく当主に据えて。当主が死んだらまた相伝の術式持ちが生まれるのが継木家
そこの所も、呪術家として異常なのか。
「そう、必ず 当主=そういう体質持ち
それが継木家ちなみ今言ったのは、すべての呪術師が簡単に知れるようになってる。他では機密として厳重に管理される事とかもね。」
「秘伝なんてなさそうですね、継木家には………」
…………情報を全部出すなんて縛りのひとつなのだろうか。それとも、純粋に公開してるだけなのだろうか。
「こういう事は、大体隠すか秘匿するからねぇ古臭くて陰気な奴らは。良くも悪くも呪術師の家としては方向性が珍しいんだ。ちょっと似てるのは狗巻家かな?
呪術師としてこれからやってく事になるなら、多かれ少なかれ関わることにはなるからね。早めに合っておいて損はないと思うよ。」
「…………………」
確かにこんなトンデモなら、呪術界でそれなりに名が通ることは十分に理解できる。
同い年故に活動時間がかぶるから、多かれ少なかれ関わることになると五条は考えているのだろう………それともまた別な事情なのか。
そう俺があーだこーだ考えていると。車がキキッととまり五条が車から降りて一つ息をすって次に出した言葉は。
「五条家当主 五条悟がきたよー。って当主櫻君に伝えてくれないかな?」
だった、かなり大きな声だったのか奥に見える屋敷の中から人が一人パタパタとかけていく音が聞こえた。
大きな門の横の人一人出れるような扉から、和服を着た女性がこちらを覗いたやいなや。
「五条家当主様でございますか!?少々お待ち下さい。当主にお伝えしてきます。」
とだけ言い残し、また世話しなく掛けていく様子が見える。あぁコレは確実に継木家は、五条 悟が今日来る事を知らされてなかったのだろう。
「………コレあらかじめ継木家の方に、連絡いれてないですよね?慌ててますし明らかに突然来た反応ですけど。」
「突然来るかもって言ったし、そうしてるだけだよ。」
五条は、特に悪びれもせずにそう言い放った。適当な部分が多い人であることは十分知っているが。
「………はぁ。」
思わず、少しため息をついてしまっても俺は悪くはないだろう。
中で急な来客について話しているだろう………普通の来客なら突っぱねれば良いが今日来た相手は 五条 悟 である。
二十分程度たち、先程扉から俺達の様子を覗いていた着物の女性が綺麗なお辞儀をしながら。
「遅くなりまして申し訳ありません。お上がりくださいご案内いたします。」
門を鍵を取り出し開け開く。
そこには、呪術界御三家には大きさ等は劣るがしっかりと綺羅びやかさや華やかさが削ぎ落とされた様な洗練された屋敷が一つあった。
中に入ると五条は、慣れたように靴を脱いで上がり俺もそれについていく。
奥へ奥へ屋敷を進んで行くのかと思いきや、割と浅い場所で案内人の女性は立ち止まった。
「こちらに継木家当主 継木 櫻様がいらっしゃいます……。」
立ち止まった先にあるのは、一つの襖。
そこの先に継木家当主はいるのだろう。
「どーもー僕来たよー。」
「…………………」
五条が最初に、襖を開け部屋に勢いよく入る。
あぁ俺はこうしてここにいるんだった。
カステラの下にある溶け残ったザラメをガリっと歯で潰しながら、今の現状へ意識を戻す。
「で、僕が君に言いたかったことは恵に良くしてほしいなぁって感じかな?同年代だしー」
「同年代だからって必ず交流があるわけではありませんけどね。」
突然カステラをすべて食べきったと思えば五条は立ち上がり襖に手を付けた。
「というわけで、後暫く二人でよろしく!こういう話は僕みたいな年長は邪魔になっちゃうからね☆」
「突然、えっ?」
「……………あ”?」
突然五条 悟は、部屋から出ていった。あとに残るのは呆然と口を開けた当主と困惑で頭が回らなくなった俺の二人だった。
伏黒恵君と初めて接触、お友達になれるといいね。
原作キャラ難しい、大丈夫かなこれ。
どの組み合わせがみたいですか?(展開影響アリ)
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継木&虎杖
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継木&釘崎
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継木&伏黒
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一年ズ+継木
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継木単体