偽りの英雄~彼女に振られて異世界転生~《改訂版》   作:オクたんじろう

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とある転生者の視点1

 俺の名前はアレン、転生者であり、FOの元トップランカーだ。

 

 そんな俺は今年10歳になる。

 

「あれ知ってるか? 亜人殺しの剣神」

「亜人殺しの剣神? なんだそれ?」

 

 俺の言葉にボブが答える。こちらも元ランカーの転生者だ。

 

 こいつも同じ町に転生していてたまたま出会った。

 転生者の特徴がいくつかあるため、すぐにお互い分かった。

 

「やっぱり知らないよな……FOにそんなキャラいないよな?」

 

 この世界はやはりおかしい。明らかにFOの世界であることは確かだが俺たちの知っている歴史といくつも違う点があるのだ。FOのストーリーを周回しているはずの俺たちでも知らない歴史がいくつもある。

 

 例えば、この世界では髪の色によって魔法の適性がわかる。俺であれば赤髪なので火属性の適性を持つ、目の前のボブであれば雷の色のような紫や青白い髪の色だと雷属性を持つといった具合だ。

 

 そして、この世界では何故か、大器晩成の属性である白髪が無属性と呼ばれている。ありえない。白髪といえば使えこなせれば最強と言われる属性だろ? それに最強の白髪である『謙虚』の力を持つ純白の魔女ことクロノニアは何故歴史から消されている? 何故、最強の亜人である『傲慢』も歴史から消されているんだ? その他にも違う点がいくつもある。

 

 明らかに俺たちの知るゲームの歴史から外れているだろう。イレギュラーに対応するためにも強くならなくてはいけないな……

 

「ところでアレン。今、ステータスはどんな感じだ?」

 

 ボブが聞いてくる。

 

「少し待ってろ、確認してみる――ステータス」

 

 俺の目の前に画面が開いた。

 

 アレン

 魔力量:F

 身体能力:F

 魔力操作:D

 精神力:E

 魔法:加護無し

 武術:G-

 

「ほら、見てみろボブ、だいぶ上がったぞ! 成人までに全部のステータスをE以上に出来そうだ。身体が出来上がっていけば身体能力や武術のステータスは上がっていくだろ」

 

 俺のステータスをボブが覗き込む。これが転生者の特徴の一つでステータスを表示することが出来るというものだ。ちなみにこれは転生者同士なら見せ合うことが出来る。そして、何故か転生者以外には見えない。

 

「おーいい感じに上がってきてるな。やっぱストーリーの開始までには魔力操作をCにはしておきたいな」

「まあ、序盤で魔力操作は一番重要だし、終盤になっても魔力操作は重要だから上げておいて損はないな、というよりも今は魔力量は上げようがないし、身体が出来上がってないから身体能力と武術を上げるにも効率が悪いし、この世界での精神力の上げ方はよくわかんないから、消去的に魔力操作を上げるしかないもんな」

 

 俺の言葉を聞いてボブが納得したようだった。

 

「でも、ほとんど同じ訓練をしているはずなのに、才能によってステータスにも個人差が出るよな……俺なんて魔力操作がDになってないよ。アレンずるいぞ」

「いや、ボブの雷属性は近距離戦強いんだし、少しくらい魔力操作が出来なくてもなんとかなるだろ」

 

 この世界で、ステータスを上げていくのは大変なことだった。何故ならレベルとかはないので、身体能力、魔力操作、武術の三つはひたすらに訓練をしてあげるしかないのだ。だが、特殊な方法でしか上がらない魔力量、精神力、魔法の三つはそれ以上に上げるのが大変だ。

 

 

 ゲームのストーリーが始まるまであと約5年。それまでにステータスを上げておかないと、過酷なFOの世界では生きられない。どうやらイレギュラーもあるようだしな……

 

「そういえば、あと三年もしないうちに帝国との戦争が始まるよな? ワンちゃん戦場に行って名声値とか稼いじゃうか?」

「馬鹿かよ、帝国との戦争ってストーリー開始前最大の戦争でゴモス平原の太陽事件だろ? 俺たちが行ったところで王国側の焼死体が増えるだけだろ」

 

 ボブが俺に冗談を言うが、帝国との戦争で王国側は負けるのだ。それも圧倒的に。

 

「もちろん、冗談だよ。だけど、せめて15歳の成人前までに魔法を手に入れたいな」

「なんとかして名声値を集めないといけないことは俺のわかってるよ……あーあ、貴族の生まれなら成人したら、すぐに名声値が多く貰えたのにな」

 

 帝国との戦争まで2年と半年、そしてストーリーの開始まで5年と半年ともうそこまで、無理ゲーと言われる地獄のカウントダウンは始まっているのだ。

 

 強くならなくてはいけないな……

 

 俺は心の中で呟いた。

 

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