ドラえもん 響と戦姫絶唱シンフォギア   作:はんたー

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ミステリーX'マス大作戦! 中編

 翼side

 

 

 

 

「はあ!」

 

 ザンッ! 

 

 私は自前の木刀で竹を割る。私たちは今、立花と小日向の誘いを受け、奏とともに王ドラの住む中国に来ていた。

 

「ふぅ、竹割りってのも中々大変だな」

 

「だが、いい修行になりそうだ。きちんと均等に……はあ!」

 

 ザンッ! ザンッ! ザンッ! 

 

「翼は真面目だねぇ……おりゃ!」

 

 ザシュッ! 

 

 奏とともに竹を割り、割った竹はひとまとめに集める。かれこれ、一時間ほどそんな作業をしている。

 簡単な作業故、ギアは纏っていないのだが、やはり時間が経てば疲れも増えてくるな。体力の向上にもなりそうだ。

 

「アチョ────!!」

 

 バキィバキィバキィバキィバキィィィィィィッ! 

 

 数多の音と共に王ドラの掛け声が聞こえる。

 そちらに視線をやると、王ドラは一蹴りで十数本もの竹を割っていた! 

 

「……こりゃすげえ。素手だってのに、刃物で切ったかのような跡になってらぁ」

 

 奏の言う通り、王ドラの割った竹は私の木刀で斬ったものと同等……いや、それ以上に洗練された切り口になっていた。

 

「なっ、おい翼! あれを見ろよ!」

 

「え……なっ!?」

 

 奏の指さした方向には、横幅にして十数メートルはある、超巨大な竹が高々と聳え立っていた。

 見ると、てっぺんが見えない。一体、どれだけの歳を重ねれば、コレだけの大きさになるというんだ!? 

 

「ホゥ……アチョチョチョチョアーッ!」

 

 ガッ! ビシュッ! ビュカッ! バシィッ! 

 

 王ドラはその竹に目にも留まらぬ速さで攻撃する! 

 彼はあっという間に竹の頂まで駆け上がり、やがて静かに着地する。それと同時に、竹は幾重もの輪切りとなり、バラバラになったのだ! 

 

「す、すげえ……」

 

「ああ……」

 

 なんという早業! 流石は叔父様と対等に渡り合える拳法の達人といったところか。

 

 ガシィィィンッ! 

 

「ぎゃっ!?」

 

 王ドラがこちらに歩み寄ろうとすると同時に竹の輪切りの一つが彼の頭上に落ちてきた。

 ……やはり、どこか少し抜けているな。私はそれを微笑ましく思いながら、彼に手を差し伸ばす。

 

「大丈夫か? 王ドラ?」

 

「あ、い、いえいえ……だ、大丈夫で、ですよ……」

 

 相変わらず緊張しているな。これでも初対面よりかはマシになったが、それでも目に見えて動揺している様子だ。

 

「あ、ありがとうございます! あれにはこれが必要不可欠ですからね」

 

 そういいながら、王ドラは私達の斬った竹と自ら手で砕いた竹を組み合わせ、何かを作り出した。

 どうやら、彼らのするあれとやらに関連するようだが、何をしているのだろうか? 

 

「王ドラサン、イチュモ修行大変ネ」

 

 ふと、誰かが声をかける。見ると、そこには中華服を着た女性が中華まんらしきものを持ちながら、こちらに近づいてきていた。

 

「あ、ちゃ、チャオチャオさん」

 

 どうやら知り合いのようだな。女性は此方に気づいたらしく、微笑みながら挨拶をする。

 

「ドモ、初メマシテ。コノ近クノ村ニ住ムチャオチャオ言イマス。ヨロシクネ」

 

「風鳴翼だ。よろしく頼む」

 

「天羽奏。ま、よろしくな」

 

 チャオチャオさんはどうやら、王ドラに餡饅の差し入れをしに来たらしく、できたての餡饅を私たちにくれた。たくさん蒸かしたから、おすそ分けとのことらしく、私もいただくことにした。

 

「これは」

 

「うん。滅茶苦茶美味しいな」

 

 奏の言うとおりだ。美味い。流石、本場の中華といったところか。

 こんな美味しいものを無償で頂いたと思うと、少し申し訳ない気持ちになるな。

 

「よし、チャオチャオさんのために、お礼の品を作りましょう!」

 

「そうだな! こんな美味いものをもらったのに、礼もしないなんて後味悪いしな!」

 

 奏の言う通りだな。私も何かをすべきだろう。

 

「ああ。では、なにをするんだ?」

 

「私は竹細工を作りましょう! お二人は、歌を歌ってあげる……なんていかがでしょうか?」

 

「そりゃいいや! ツヴァイウイングの歌、聞かせてやろうぜ!」

 

「うん! そうだね、奏!」

 

 早速私たちはチャオチャオさんへのお礼の歌の振り付けの練習を始めるのだった……しかし、何かを忘れているような……? 

 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 調side

 

 

 

 

 

 

 私と切ちゃんはドラメッド三世さんと一緒にアラビアの砂漠にいた。

 

「ふぅ、ふぅ……あれをやるには準備が大変であ〜る」

 

「デース……」

 

「暑い……」

 

 私達は砂漠のど真ん中にモミの木を植えている。

 なんでも、砂漠でも成長する特別なモミの木らしい。

 高級品らしく、ドラメッドさんも僅か数本しか調達できなかったみたいだけど、なんでわざわざ砂漠の中に植える必要があるんだろう。

 

「……ん? って、うわぁ!?」

 

「も、もう枯れかけてるデース!?」

 

「た、大変……!」

 

 少し目を離した隙に、モミの木はさんさんと日照るお日様の暑さで既に枯れようとしていた。

 私たちは慌てて液状の“成長促進剤”が入ったじょうろをかける。すると、モミの木は力を取り戻し、少しずつ成長していった。

 

「ふう、こうも暑いと成長も遅いであるな……」

 

 なら、なんで砂漠の真ん中に植えたんだろう? 

 でも、この調子ならあと数日もあれば大きくなりそう。

 

「楽しみだね。切ちゃん」

 

「ハイ! 楽しみデスね、調!」

 

 私たちはお互いのモミの木を見ながら、一緒に笑い合う。切ちゃんのモミの木も、私のモミの木もどんな成長をするのかすごく楽しみだ。

 

 ビュゴォォォォォォッ!! 

 

 ん? なんだろう? 何かすごい音が聞こえる。

 気になって音のする方向を向くと、大変な光景が広がっていた! 

 

「し、調……あ、あれって」

 

「ま、まさか……」

 

「砂嵐であーる────!?」

 

 そこにあったのは大きな砂嵐! ビュウビュウ風吹く音とともに、凄まじい風圧が私たちを襲う……! この距離でも吹き飛ばされそう……! 

 

「し、調、マズイデース! 後ろにはモミの木が……」

 

「……一緒にモミの木を守ろう」

 

 私たちはお互いに頷きあうと、ペンダントを取り出し、戦いのための歌を紡ぐ。

 

Zeios igalima raizen tron(夜を引き裂く曙光のごとく)

 

Various shul shagana tron(純心は突き立つ牙となり)

 

 聖唱を歌い終えると同時に私たちの服が爆ぜる。ペンダントは光り輝き、心象変化でお互いにアラビア風のギアへと変化する。

 以前魔神によって変化させられたアラビアンギアだ。どうやら、切ちゃんも同じ形態になれたみたい。砂漠での戦いに有利だし、ちょうどいいや。

 

「おお……これがアラビアンナイトというやつデスか?」

 

「とっても似合ってるであーる!」

 

 ドラメッドさんも褒めてくれている。実際、すごく似合ってるな。流石は切ちゃん。でも、そうも言っていられなさそうだ。

 

「ドラメッドさんはモミの木を守って……行くよ切ちゃん!」

 

殺X式 砂潜急襲斬

 

「はい、調!」

 

砂刃・荒baん無異トォ

 

 私は大きな二つのチャクラム、切ちゃんはランプのような装飾を持った大鎌を振るって斬撃を砂漠に浴びせる! 

 

 ズガァァァァァァンッ!! 

 

 その一撃で砂嵐は消し飛んで、霧散した。やった。これで、モミの木は助かったはずだ。

 

「やったデスね! 調!」

 

「うん……よかった、切ちゃん!」

 

「2人とも、本当に助かったのであーる!」

 

 ドラメッドさんは私たちに抱きつき、祝福する。

 

「……でも、もし次来たら、果たして守りきれるかどうか」

 

「ふむ、確かにそうであるな……」

 

 今回はなんとか守れたけど、ここは砂漠の真ん中だし、次に砂嵐が起きたら、果たして守りきれるかどうか。そう考えていると、ドラメッドさんが何かを思いついた様子だ。

 

「そうだ! 吾輩の魔法で結界を貼ればいいのであーる!」

 

「デス!? そ、そんなことができるんデスか!?」

 

「勿論であーる。吾輩は子守ロボットであると同時に、魔法使いであるからな」

 

 そう言いながら、ドラメッドさんが魔法で結界を貼ってくれた。す、すごい。私達が攻撃しても、傷一つつかないや……。

 ドラメッドさんの結界のお陰で次に砂嵐が来ても移動も迎撃もせずに済んだ。

 早く大きくならないかな。そう考えながら、私たちはモミの木をじっと見守るのだった。

 

 

 

 

 ****************************

 

 セレナside

 

 

 

 

 私とマリア姉さんはエル・マタドーラさんと一緒にスペインにいます。

 なんでも、ドラえもんさんやエル・マタドーラさんの通っていた学校の卒業生の行事があって、それの準備に取り掛かっているみたいです。

 

「助太刀感謝するぜ、セニョリータ達」

 

「いえいえ、エル・マタドーラさんにはいつも助けてもらってますから」

 

「ええ。これくらいならどうってことはないわ」

 

 今回はたくさんの薔薇を買って、それを加工して装飾にすると言う役割らしいです。

 ただ、たくさんの薔薇を買うお金がないとのことなので、エル・マタドーラさんと一緒に「焼肉屋カルミン」のお肉を配達するアルバイトをしてるんです。

 

「モオォォォォォッ!」

 

「た、大変だぁ! 闘牛用の牛が逃げ出したぞ!!」

 

「ん?」

 

 何か大騒ぎが起きてるみたい……後ろを振り向くと、そこには大きな牛さんが興奮してるみたいで、すごい目をしながら周囲を睨んでいました。

 

「ブモォォォォォォッ!!」

 

 ドドドドドドドドドドッ!! 

 

「わぁ!」

 

「ちょ、ちょっとエル・マタドーラ! こっちに来たわよ!?」

 

「まあまあ、慌てなさんな。セニョリータ達」

 

 牛さんは暴れながら、まっすぐにこっちに向かってきました。

 でも、エル・マタドーラさんはひらりマントを取り出すと、余裕の表情でマントをヒラヒラさせながら後ろを向いている。

 み、見もしないで、大丈夫なのかな? 

 

「ヒラ────ぶふぉ!?」

 

 ドゴォォォォンッ! 

 

 牛さんがぶつかる寸前にエル・マタドーラさんは振り向かながら、ひらりマントで牛さんを止めようとしましたが、タイミングが合ってなかったらしく、エル・マタドーラさんは牛さんに吹き飛ばされてしまいました! 

 

「え、エル・マタドーラさん! だ、大丈夫ですか!?」

 

「何やってんのよ! 変に余裕ぶるからこうなるのよ!?」

 

 エル・マタドーラさんは壁にめり込んでますが、自分でそれを無理やり引き剥がすと、すでに遠くに行ってしまった牛さんを睨みつけました。

 

「や、やりやがったなあん畜生め……ただの牛じゃねえなありゃ。待ちやがれっ!」

 

「わっ!?」

 

 エル・マタドーラさんは軽々と家の屋根まで飛び上がると、そのまますごいスピードで牛さんを追いかけていきました。

 

「流石はエル・マタドーラね。私たちも追いましょう!」

 

「はい、マリア姉さん!」

 

 マリア姉さんに言われながら、私たちもエル・マタドーラさんと牛さんを追いかける。

 でも、全然追いつけない! なんてスピードなんだろう! 

 

「あ、あの牛はただの牛じゃない! 品種改良で通常の十倍以上のパワーを持つ暴れ牛なんだ!」

 

 そ、そんなにすごい牛さんだったんですね。

 だからあんなに速いんだ。そもそもエル・マタドーラさんはシンフォギアを纏った装者でも勝つことが難しい人なんだから、そのエル・マタドーラさんが吹き飛ばされちゃった時点でただの牛さんじゃないことに気づくべきでしたね。

 

「仕方がないわ。やるわよセレナ!」

 

「ハイ、マリア姉さん!」

 

「「Seilien coffin airgetlamh tron(望み掴んだ力と誇り咲く笑顔)」」

 

 私とマリア姉さんはアガートラームのペンダントを取り出し、聖唱を歌う。

 ペンダントは光り輝いて、ギアとなり、私たちの身体を覆った! 

 

「待ちなさい!」

 

「止まってください!」

 

IGNIS十FATUUS

 

 私はアガートラームの剣を2本投げつけ、それをぶつけることで数多の光線を牛さんの進行上に放つ! 

 それを見た牛さんは急停止して、進路を変える。その隙をついて、マリア姉さんが蛇腹剣で牛さんの動きを拘束する。

 

「逃さないわ!」

 

EMPRESS十REBELLION

 

 マリア姉さんの蛇腹剣は牛さんに巻き付き、そのまま牛さんの動きを止める────そう思っていた。

 

「ブモォォォォォォッ!!」

 

「えっ!? きゃあ!?」

 

 蛇腹剣の巻き付いた牛さんはそのまま大暴れをして、蛇腹剣を持つマリア姉さんを吹き飛ばしてしまった! 

 な、なんてパワーなんだろう! マリア姉さんはそのまま壁にぶつかって、痛そうにしている。

 こ、このままじゃあ……。

 

「いや、よくやったぜ!」

 

 エル・マタドーラさんは自慢の角を牛さんに向け、そのまま牛さんに突撃しようとする! 

 それを見た牛さんも、角を向けながら、エル・マタドーラさんにぶつけようと突進する! 

 

 ガギィィィィィンッ! 

 

 牛さんの角と、エル・マタドーラさんの角が大きな音を響かせながら激突する。

 牛さんは、押しても引いてもびくともしないエル・マタドーラさんの力に困惑してるみたい。

 

「残念だったな……俺はドラえもんズ一の力持ちなんだよぉぉぉっ!」

 

 ドォォォォォォォンッ!!

 

 エル・マタドーラさんはそのまま角だけで牛さんを持ち上げて、地面に叩きつけてしまった! 

 

「へ、どうなもんだい!」

 

「さ、流石はエル・マタドーラね。シンフォギアの力でも抑えられない暴れ牛をねじ伏せるだなんて……」

 

 流石はエル・マタドーラさんだ。ネフィリムと力比べをして、やっつけちゃうほどのパワーを持ってるだけのことはある。

 感心していると、エル・マタドーラさんは大きなあくびをすると、そのまま芝生の上にごろりと横になってしまった。

 

「ふぁ〜、なんか眠くなっちまったし、シエスタシエスタ。お昼寝するか」

 

「えっ!? ちょ、ちょっと、焼肉の出前は!?」

 

「ふわぁ〜、まあ、後でいいだろ。出前先はジャントニオのところだし、アイツも少し遅れたぐらいじゃとやかく言わないだろ……」

 

 そう言って、エル・マタドーラさんはぐぅぐうと寝息を立ててしまった。

 ど、どうしよう……。

 

「全く、仕方がないわね! 私はエル・マタドーラの代わりにお肉を届けに行くから、セレナはエル・マタドーラと牛を見張っててちょうだい!」

 

「は、はい!」

 

 そう言ってギアを解除したマリア姉さんは焼肉をお花屋さんのジャントニオさんの元に届けに行ってしまった。

 

 コンコン

 

「ん?」

 

 すると、牛さんはエル・マタドーラさんを蹄で起こす。

 エル・マタドーラさんは少し困惑した様子だけど、すぐに真剣な顔になった。

 牛さんが泣いてるのを見たからだ。

 

「……なんだ? どうした、お前?」

 

「もぉ、もぉ……」

 

「ふむふむ。なんだ、お前。闘牛やるのが怖くて逃げ出したのか」

 

「えっ? エル・マタドーラさん、牛さんの言葉がわかるんですか?」

 

「まあ、闘牛士だしな」

 

 そ、そうなんだ。牛さんの言葉がわかるだなんて、闘牛士さんってすごい職業なんですね。

 

「もお! もお!」

 

「ふんふん。もう戻るのも嫌なのか……」

 

 エル・マタドーラさんはあきれながらも、優しげな笑みで泣いてる牛さんを慰めている。

 

「そんなに嫌なら、俺が別の仕事を紹介してやるよ。ちょうどいいし、協力してくれねえか?」

 

「もお! もおぉぉっ!」

 

 牛さんは嬉しそうにエル・マタドーラさんの手に蹄を置いている。

 もしかしたら、握手のつもりなのかもしれないな。そんなことを思いながら、私たちは牛さんに自己紹介をするのだった。

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 創世side

 

 

 

 

 私とテラジとユミはリニョと一緒にブラジルで果物を採っていた。

 

「えーい!」

 

 バシィィィィッ! 

 

 リニョはサッカーボールをシュートして、高いところにあるバナナを地面に落とす! 

 流石はプロサッカー選手のリニョだね! 

 

「おお、すごい! なんか、アニメみたい!」

 

「ナイスですわ!」

 

「うんうん。流石リニョだね」

 

 ユミとテラジは落ちてきたバナナを拾い集めてる。私は手が届きそうなところにあるミカンを手にとって籠に入れる。

 

「あ、ここに葡萄がありますわ」

 

「こんなところにパイナップルが!」

 

「おっ、林檎もあるじゃん。流石はブラジルのジャングル!」

 

 私たちはある程度果物を拾い集めると、リニョの家に戻る。

 

「ドラタッタ! ドラタッタ! ドラドラタッタ! ドラドララ!」

 

 リニョは嬉しそうに歌いながら、ホイップクリームを作り始める。以前、お菓子作りをやっただけあって、手際がいいな。

 

「あれ? 何を作ってるんだっけ?」

 

 ガクッ、と私たちは全員が崩れ落ちる。

 今作ってるのはホイップクリームでしょ!? なんで、作ってる最中で忘れちゃうの!? 

 

「今作ってるのはケーキのホイップクリームですわ。忘れてはいけませんわよ、ドラリーニョさん」

 

「あー、そうだったー!」

 

「全く、アニメのギャグキャラじゃないんだから、しっかりしてよね」

 

 そう言いながら、ユミはスポンジケーキを、テラジは飾り付け用の果物を、私はチョコレートでデコレーション用の飾り付けを作っていた。

 ジェドーラさん仕込みのお菓子作り、流石にジェドーラさんみたいにはできないけど、頑張って完成させないとね。

 

「よーし、頑張るぞー!」

 

「「「おー!」」」

 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 クリスside

 

 

 

 

 

 アメリカの荒野。アタシとドラ・ザ・キッドは目の前の鉄板を見つめていた。

 私は既にギアをまとっており、ドラ・ザ・キッドも自慢の空気大砲を構えている。

 

「行くぜ、クリス!」

 

「負けねえぞ……ドラ・ザ・キッド!」

 

 アタシとドラ・ザ・キッドはお互いに笑みを浮かべ、引き金を引いた! 

 

 ダァァァンッ! 

 

 ドガァァンッ! 

 

「「星!」」

 

 アタシとドラ・ザ・キッドの放った弾丸は、鉄板を貫く! 

 アタシとドラ・ザ・キッドの銃口は星型になっており、貫かれた鉄板はそのまま星型の装飾品となった。

 

「「月!」」

 

 ダァァァンッ! 

 

「「丸!」」

 

 ドガァァンッ! 

 

 アタシとドラ・ザ・キッドはお互いに銃口を変化させて、何度も何度も鉄板に撃ち続ける! アタシ達の弾丸で貫かれた鉄板は、そのまま色々な形の装飾品となっている! 

 

「へ、やるなクリス……だが、こんな複雑な形はどうだ? サンタクロース!」

 

 ドガァァァァンッ! 

 

 そう言いながら、ドラ・ザ・キッドは鉄板にサンタクロース型の装飾品を作り出した! ドラ・ザ・キッドの作り出した装飾品は袋を抱えており、ヒゲまでもわずかな窪みで再現されてやがる……。

 

「ふっ」

 

 カチーンッ! ドラ・ザ・キッドの勝ち誇った顔を見たアタシは頭に血が上り、即座に銃口の形を変え、鉄板に弾丸を撃ち付ける! 

 

 ダァァァァァンッ! 

 

 その形はトナカイだ! 複雑な角だけでなく、尻尾の形まで再現してやったぜ! 

 

「はっ、どうだ!」

 

「ぐぬぬ……負けるか! どかーん!」

 

 そう言いながら、ドラ・ザ・キッドが作ったのは、クリスマスツリーだ! 小さいながらも星まで再現されており、元が鉄板だってのにキラキラしてやがる! 

 

「くっ、負けるかよ!」

 

 アタシが作ったのはサンタクロース、でもただのサンタクロースじゃねえ! トナカイに引かれてソリに乗ってるサンタクロースだ! 手綱まで再現してやったぜ! 

 

「こなくそ!」

 

「これでどうだぁ!」

 

 ドォォォンッ! ダァァァァンッ! ドガァァァァァァァンッ! 

 

 アタシとドラ・ザ・キッドの装飾品づくりの対決は数時間にも及んだ! 

 

「あんさん達、あきまへんな……」

 

 エドの呆れたような言葉を聞き流しながら、私は鉄板に弾丸を撃ち続けるのだった! 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 キャロルside

 

 

 

 

 俺とエルフナインはロシアのドラニコフの家に来ていた。

 全く、なんで俺がこんな事に付き合わねばならんのやら……。

 

「一緒に頑張りましょう! キャロル!」

 

「ふん」

 

 全く、くだらないな。だが、引き受けてしまったからには仕方がない。

 それに、今から何を行うかは聞き及んでいる。それで手に入るものには価値があるからな。

 

「ドラニコフさん、準備万端です!」

 

 そう言いながら、エルフナインは鞄からボールを取り出す! 

 ボールを見たドラニコフは、目を血走らせ、痙攣を起こし、震え始める。

 気配が変わった。来るか! 

 

「グルルルッ……グオォォォォォォォッ!!」

 

 出たな! ドラニコフの野獣の姿! ドラニコフは丸いものを見ると、狼男に変身するという特異な機能を持つオートスコアラーだ! 

 ドラニコフは、狼男に変身するやいなや、自らの尻尾の毛を引っ張る! 

 

「グルァァ……」

 

 ドラニコフは哀愁漂う叫びをしながら、自分の毛を使って帽子を編み始めた。

 俺とエルフナインも、ドラニコフとともにドラニコフの毛で帽子を編み始める。

 編み物なんざ、何百年ぶりか……それこそ、パパと一緒にいた時以来かな? 

 

「でも、意外ですね。キャロルが編み物を引き受けてくれるだなんて……」

 

「ふん、勘違いするな。俺には俺の目的がある!」

 

 そう。俺の目的は、未来のオートスコアラーの一部を採取することだ! こうしてみると、この毛は本当に生物由来のものに見える! これが何故、オートスコアラーから生えてくるのか……クククッ、とても興味深い。

 

「くぅぅん……」

 

「ん?」

 

 なにやら、悲しそうな声が聞こえた。

 気になって、見てみると、ドラニコフは全身の毛を余すことなくすべて使い切っており、全身ツルッパゲになっていた。

 ……全く、何をやっているのやら。

 

「は、は、ハックションッ!」

 

 ドラニコフは寒そうにしながらくしゃみをする。全く、ここまでせんでもいいだろうに。

 ドラえもんズの連中は、あいも変わらずお人好しということか。

 そう考えながら、俺は治癒の術式をドラニコフにかけてやるのだった。

 

 




ミミ子さんは泣いていい(笑)
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