ドラえもん視点
「ちょっとお兄ちゃん!どういうことなのよ‼」
「そうだぞ!説明しろよドラえもん‼」
「だから、僕は知らないってば‼わからないのは僕も同じなんだよ‼」
本当…、なんで僕がギャラクシーカーレースに参加することになったんだ?
だれかの推薦って話だけど、テレビでの放送を見たくらいで関わりなんて一切ないはずなんだけど…。
「とにかく、私は反対よ‼みんなもこれを見て…。」
そういうとドラミは僕たちにタブレット画像を見せる。
そこにはかつてのレースで大けがを負った人や事故にあった際の写真映像が映っていた。
「ギャラクシーカーレースは様々な星を経由してゴールを目指すレース。それゆえに危険もとっても多いのよ。」
僕もテレビで見ていたけど巨大怪獣の出る星や氷河期のような極寒の星などいろいろと危険な星も通過することがある。
誰か友達の危機とかで行くならともかくできればあまり近づきたくない星ばかりなんだよな…。
今年はどんな星を通るのかわからないから対策のしようもないし。
「うう…。なんだか恐ろしくなってきたデス。」
「ハッ。その程度恐れるに足らん。」
キャロルちゃんは強気だな…。まあ怖がるキャロルちゃんとか想像つかないけど…。
「怖いんだったらやめときな。タヌキや子供が参加するには危険なレースだ。」
ムっ、この声は…。
「デポン‼」
忘れもしない…。苦労してワックスを塗った僕の体に泥をぶつけた挙句謝りもしないで僕のことをタヌキと呼んだいけ好かないレーサー型ネコ型ロボット「デポン・アレックス」がそこに立っていた。
「世界を救った英雄といっても所詮子供と歌手にタヌキ…。全員素人だ。
このレースはレースの素人が簡単に勝てるようなお遊びじゃないんでね…。」
本当いけ好かない奴。見れば他のみんなも嫌な表情をしている。キャロルちゃんなんか青筋立てて怒っているし。それに僕はタヌキじゃないと何度も言っているのに…。
「僕はタヌキじゃn」
「ドラえもんはタヌキじゃない。立派なネコ型ロボットだよ。」
すると響ちゃんは僕の前に立ってデポン相手に言い返した。
「それに、確かに私たちは素人だけど、レースなんだから勝負はわからないよ‼」
「なるほど一理ある…。ほら、ご褒美。」
そういうとデポンは響ちゃんに何かを渡して去っていった。
「何渡されたビッキー?」
「パンの耳…。」
ムカ、耳のない僕への当てつけか!
「嫌な奴…。」
「許せないデス。」
ほんと…。絶対に許せない‼僕だって耳さえあれば!
…耳さえあれば。
「あいつに一泡吹かせるためにもレースに参加するわよ!」
デポンの物言いに憤慨する弓美ちゃんは立ち上がりこぶしを握り締める。…でもダメなんだ。
「…無理だよ弓美ちゃん。」
「な、なんでよ?悔しくないの⁉」
悔しいし僕だって一泡吹かせたいとは思う。でも現実問題とある理由で僕たちはレースに参加できないんだ。
「僕たちは車を持っていないんだ。」
「「「「「え?」」」」」
「私やお兄ちゃんの使う道具は全部デパートで買った特売品などが主だから、こういうレース向きじゃないの。だから参加できないのよ。」
「そんな…。」
「私はバイクを結構な数持ってはいるが、ここにいる全員分となるとさすがにないな…。」
車がないんじゃ参加できない。みんなは気分が沈んでどうしたものかと考え始めた。
そんな中、響ちゃんが何かを思い立ったように立ち上がり、何処へと走り出した。
「あ、待って響。」
そんな響ちゃんを心配してか未来ちゃんも響ちゃんを追って走り出す。
「響さん…。何かかなえたい願いでもあるのかな?」
するとキャロルちゃんも立ち上がり、何処かへすたすたと歩きだした。
「どこへ行くんですか?キャロル?」
「どこへ行こうが俺の勝手だ。」
そういって何処かへ行ってしまったキャロルちゃん。エルフナインちゃんも少し迷った後会釈をしながらキャロルちゃんについて行ってしまった。
「まあ、よくわからねえけどあのレーサーにはオレもムカついているし、できることがあれば協力するぜドラえもん。」
「ありがとう…。でも大丈夫だよキッド。それより響ちゃんたち探しに行かないと。」
そう言うと僕は何処かへ行ってしまった響ちゃんと未来ちゃんを探しに外へ出た。
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未来side
「響──!」
私は部屋を出ていってしまった響を探すため未来の街に繰り出していた。
未来の街には何度か来ているけど全てを把握することは難しいほど広大だ。見失うと再び見つけるのは難しい。
一体どこにいるんだろう…。
「お願いです。そこをなんとか…。」
「しつこいぞ!無理なものは無理だ!」
探している最中、響の声が聞こえてきたので私は声の方向へ走り出した。
「なにやってるの?響…。」
「あ、未来。」
響と合流した私たちはその場を後にし、とりあえず近くのベンチに腰かけた。
しばらくすると響が何故ここまでこのレースに執着するのかを語り出した。
「未来は知ってると思うけど、ドラえもんには昔耳があったの知ってるでしょ。」
「うん。たしか、ネズミに食べられちゃったんたっけ?それでネズミが嫌いになったって。」
「うん。多分ドラえもんはずっと気にしてたんだと思う。ネコ型ロボットなのに耳がないことを…。
それなのに、あのとき、私はドラえもんの作った耳をおにぎりだなんて言っちゃった。きっとすごい傷ついたんだと思う。」
「………」
「でも、このレースで優勝すればどんな願いも叶えられる。だったら耳だってもらえるはず。」
そうか。響はドラえもんに耳をプレゼントするためにあんなにレースに執着していたんだ。
ドラえもんを意図せずとはいえ傷つけてしまった贖罪をするために。そしてなにより、ドラえもんを喜ばせたいがために。
「そう…。ドラえもんの耳を…。」
「うん。絶対プレゼントしてあげたいんだ。
だからお願い。未来も一緒に手伝って。」
そう響は強い意思を秘めた目で私を見つめる。
こんな目をされたら断れるわけがない。まあ、元々響の頼みを断る理由はないんだけど…。
「…まったくもう。しょうがないな。」
「ありがとう未来~!流石私の日だまりだよ~。」
私は微笑みながら響と一緒に車を探すことにした。まずは目の前にあるあのお店にしよう。
私たちは目の前にあった『ゴンスケ自車』と書かれた看板に向かって歩き出した。
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ドラえもんside
「響ちゃ──ん‼」
あたりも結構暗くなった中、響ちゃんと未来ちゃんはいまだに見つからなかった。
二人は未来の世界に何度も来ているから地理は大丈夫なはずなのに…、いったいどこに行ったんだ?
「ドラえも~ん」
あ、やっと見つけた。
全くどこに行っていたのやら。
そこには満面の笑みで手を振る響ちゃんとそれにつきそう未来ちゃん、そしてなぜか見知らぬゴンスケロボがいた。
「聞いてドラえもん。車のめどが立ったんだ‼」
「ええ⁉本当⁉」
噓でしょ⁉いくら響ちゃんでもこんな短時間で車を用意できるだなんて…
「正確には自転車だけどね。」
ゑ?自転車?
未来ちゃんに詳しく聞いてみたところ、響ちゃんが車を探しているところ、このゴンスケが経営しているという自転車屋にたどり着いたらしい。
最初は自転車ということでレースには使えないと思ったが、翼さんもバイクを使うというし、見た目をそれらしくすれば参加できるかもと考え、彼に協力してもらうことになったらしい。
・・・・・・・・・いいのかな??
まあ、でも、響ちゃんは喜んでいるみたいだし指摘するのは無粋かな…。
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side???
ここはギャラクシーカーレース観客席…そのなかでも限られた富裕層にしか入ることを許されないVIP席である。
この場所に響たちをギャラクシーカーレースに参加させた女性…カレンがグラスにワインを注いでいた。
「準備は全て整ったわ…。あとはあなた次第。」
そういいながらカレンは暗闇のなかにいる男と乾杯をした。
暗闇のなかには長い猫耳が怪しげに揺れていた。
走って5分と結構離れてるであろう距離からでも響の声を察知できる未来さん。
遅くなりました。
対面始まるから悪いんや。
次の長編は?
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響の恐竜
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響のひみつ道具博物館
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その他