ドラえもん 響と戦姫絶唱シンフォギア   作:はんたー

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ドラえもん誕生日スペシャル 走れ!銀河グランプリ⑤

響side

 

ワームホールの激しい光のまぶしさで思わず目を細めてしまう。

ちらっと見ると、デポンさんは慣れているのか平然としている。

そうこうしているうちにワームホールの終点が見えて……

 

「「へ?」」

 

突如私たちを襲った浮遊感。状況を理解する間もなく、私たちは勢いよく岩だらけの世界に落っこちていった。

 

「「うわあああああああああ!?」」

 

ど、どうしよう。ブレーキをかけているのに全然止まらないよ!?

まるで森みたいに景気良く生えている大きな岩。このままじゃぶつかっちゃう。

そうこうしているうちに目の前に大きな岩が迫ってきた。

 

「ど、どうしよう!」

 

「ひ、響ちゃん!」

 

ドラえもんが私の名を呼び首にかけている鈴を指さす…あ、そうか!

私はシートベルトをとって車体の上に立ち上がる。

眼前に迫る岩を見据えながらペンダントを掲げ、胸の歌を口ずさむ。

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

瞬間、私のペンダントが先ほどのワームホールにも負けないまばゆい光を放ちだす。光はみるみる私の体を包み込み、私の腕には大きな籠手が装着され、衣装もまた、オレンジ基調のスーツに代わっていく。

 

『ま、まさかこれはあの伝説の!』

 

「はあ!」

 

ガングニールのシンフォギア。

数々の戦いを支えてきた私のシンフォギアだ。

これがあれば岩なんてへっちゃらだ…。

 

「響ちゃん!」

 

「うん。わかってるよドラえもん。」

 

私は歌を歌いながら岩に向かって拳を構え、力をためる。

 

「おりゃあああ!」

 

私は岩を思いきりぶん殴る。

ドンとすさまじい音が鳴り響き、岩は見事に爆散、パラパラと瓦礫が降り注ぐ。

 

『なんというパワーだ!これがガングニールの力なのかあ!?』

 

「響ちゃん、大丈夫?」

 

「うん。平気へっちゃらだよ。岩は私に任せて、ドラえもんは運転よろしく。」

 

ドラえもんは時たま乗り物の操縦もするし、きっとこの車の運転だって大丈夫。ドラえもんの運転ならほかの誰よりも信頼できる。ならば私はドラえもんの道を切り開けばいい。

 

「最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に!」

 

岩ぐらいなんだ。私たちが切り開いてきた道は、こんなものじゃものともしないよ。

 

 

**********

 

翼side

 

 

「ふむ、立花はガングニールを纏ったようだな。」

 

「響らしいや。私もそうしようかな?」

 

私の言葉に笑いながら奏は答えた。

確かにこうも障害物が多いとこちらとしてもいささかやりずらいな…。

案外奏の提案に乗るのもいいかもしれない。

 

「まかせるよ奏。」

 

「待ってました。」

 

奏はサイドカーの車体から立ち上がり、聖詠を口ずさむ。

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl(人と死しても、戦士と生きる)

 

ガングニールを纏った奏は撃槍を構え、眼前の岩を破壊する。

 

「へへ…って危ない!?」

 

奏が岩を貫くが、その破片が別のレーサーに向かって落ちていく。

見た限りではドラえもんと同じネコ型ロボットのようだ。

まずい、このままでは…。

私たちはそのロボットを助けようと思ったが…。

 

W(ホワイト)ドリフト!」

 

そのレーサーはまるでW字のようなジグザグの軌道を描きながら岩の破片をすべてよけて見せた。

なんという技術だ…。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「余計なお世話だ。」

 

そういうとそのレーサーはこちらに見向きもせずそのまま進んでいく。

その純白の車体には何やら文字が刻んであるのが見てとれた…。アラカワ…?

 

「荒川ホワイターズ…さっき司会の言っていた野球選手ってやつか…。」

 

なんと、あの腕前で本職ではないというのか…。

すさまじいな…。

油断をしていたつもりはないが、どうやらこのレース、一筋縄ではいかなそうだな。

こちらとしても、防人の血が騒ぐというものだ。

 

「負けていられない…。いこう、奏!」

 

「ああ、私たちツヴァイウイングの力、見せてやる。」

 

奏の言葉にうなずき、私たちは再び戦場(レース)へと飛び出した。

 

 

**********

 

響side

 

「響ちゃん。もうすぐで第3ステージだ。何が出るかわからないから気を付けて。」

 

「うん、わかってる。」

 

岩場の多い第2ステージでは私が岩をぶん殴りながら進んでいたけど途中で小さく鋭利な瓦礫の破片がタイヤにぶっ刺さってアヒル号がパンクしちゃうという事故が起きちゃって、そのせいでかなりの時間をロスしちゃった。

びりじゃないのが幸いだけど、それでも順位はかなり下のほうに落ちてしまった。

ドラえもんが古かったタイヤをタイム風呂敷で新品同然にしたからもうパンクはしないと思うけど、どんな星に行くかはわからないから油断しないようにしないと…。

 

「ワームホールに突入するよ!響ちゃん!シートベルトをしっかりして!」

 

「う、うんわかった。」

 

さっきのようにいきなり投げ出されることもありうるし、そろそろ車体に戻らないと…。

そう考えながら私は急いでシートベルトを締める。

再びワームホールに突っ込むと、今度の星は…な、なにこれ?

 

『第3ステージはマグマが水のように流れる灼熱の星だあ!』

 

あ、暑い!

実況の人が言っている通り、マグマが水みたいに流れていてとんでもなく暑いよう…。

 

「車なんだし冷房を入れよう。」

 

「あ、そうだね…。」

 

そう言って私はハンドルの隣にいくつかあるボタンを見つめる…。

どれが冷房何だろう。そう思いながら一つのボタンを押す。

するとアヒル号の首が変形し、ビヨーンとかなりに長さに伸びていった。

 

「「・・・・・・・・。」」

 

え~と、なにこれ?

 

『秘密兵器のろくろ首だ。六六三十六なんつてなアハハハ。』

 

ゴンスケさんからの通信が入り、私たちに教えてくれる。

これが一体何の役に立つんだろう…いや、それよりも。

 

「ゴンスケさん、この車クーラーってあります?」

 

まあ、一応車なんだしきっとあるはずだ。

そう思って聞いてみたが、現実は非常である。

 

『そんなハイカラなものはいらねえ!自転車ってのは汗かきながらこぐものだべ!』

 

「「・・・・・・・・。」」

 

うう、そんな。

もしかして私呪われてる?

 

『ザーザー…。』

 

「え!?ご、ゴンスケさん!?」

 

そうこうしているうちにゴンスケさんからの通信も途絶えてしまった。

 

「ど、どうして?」

 

「たぶん、暑さでショートしたんだ。」

 

な、なるほど…。確かにこの暑さじゃあ仕方ないか…。私もショートしそうだよう。

このままじゃあ暑さで死んじゃうかも…。未来に会いたいよう。未来の冷たい手を触って涼みたいよう。

 

「あ、そうだ。」

 

そういうとドラえもんは四次元ポケットに手を突っ込んで何かを探し始めた。

何かひみつ道具を出してくれるのかな?

 

「あべこべクリーム!!」

 

あ、それ知ってる。

確か暑さと寒さがあべこべになるやつ。

確か昔それを使って水に飛び込んで凍っちゃったんだっけ。懐かしいな。

 

「ん?ドラえもん。あれ…。」

 

「ムっ!」

 

ドラえもんは私の指さした方向を見ると、すごい表情になって向こうを睨む。

そこにいたのは先日少しお話をしたデポンさんだ。

何やら車をいじくって難しい表情をしている。

 

「どうかしたんですか?」

 

デポンさんは話しかけてみると少し驚いたような表情を見せるが、すぐに態度を改めた。

 

「君には関係ない。何か用かい…?」

 

「これ使ってください。暑さが和らぎますよ。」

 

「響ちゃん、こんな奴に…。」

 

「困ったときはお互いさま。確かにドラえもんにひどいことを言ったのは許せない…。

それでも、私はあなたとも手をつなぎたい…。あなたと仲良くなりたいんです。」

 

「響ちゃん…。」

 

私はデポンさんにあべこべクリームを差し出す。

でも、デポンさんは気に入らなかったみたいであべこべクリームをはじいてしまった。

 

「なにをするんだ!せっかく響ちゃんが…。」

 

「悪いな。俺は誰も助けないし、だれにも助けられたくないんだ。」

 

そういってデポンさんは車を走らせ先へと進んでしまった。

 

「本当に嫌な奴!」

 

「…だとしても。私はこの手を伸ばし続ける。」

 

私にはあの人が悪い人だと思えない。

直観だけど、本当は優しい人なんだと思う。

私はそれを信じたい。

 

 

**********

 

切歌side

 

 

「調のお肌は冷たくて気持ちいいのデス。」

 

「切ちゃんも…。」

 

それにしてもここはとても暑いのデス。

私たちの車には冷房があるから涼しいけど、なんていうか見てるだけで熱いというか…。

うう、早くこんなところとはおさらばしたいデス。

 

「あ、切ちゃん。あれ…。」

 

「およ?…あ、次のステージのゲートデス。」

 

ふう、長く険しい道のりでした。

でも、ココを抜ければこんな熱い場所とはおさらばなのデス。

私は思い切りアクセルを踏んで車を加速させた。

そのまま、ワープホールに突入し、新たなステージへと降り立つ。

そこはまるで事故でもあったかのような古びた建物の中…。

うう、薄気味悪いデス。

 

「ここはどこデスかね…。」

 

「地図を開いてみよう。」

 

そういいながら私と調は車についているタブレットを操作しようとする…ってアレ?

 

「つかない?」

 

タブレットはいくらタッチしてもうんともすんとも言わない。それどころか、ザーザーと砂嵐みたいになっているデス。

 

「いったい、どうなっているのデスか?」

 

そういいながら私たちは不穏な空気を纏うタブレットを見ることしかできなかった…デス。

次の長編は?

  • 響の恐竜
  • 響のひみつ道具博物館
  • その他
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