ドラえもん 響と戦姫絶唱シンフォギア   作:はんたー

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ドラえもん誕生日スペシャル 走れ!銀河グランプリ⑥

マリアside

 

 

『第4ステージは廃棄された巨大宇宙ステーション!しかし、現在磁気嵐が発生しているため、中継映像に乱れがございます。今しばらく、お待ちください。』

 

砂嵐と化したモニターに向かって大勢の観客たちがブーイングをしている中、私たちは座席に座り、静かに参加者の表示されているモニターを眺めていた。

 

『おっと、リタイア。またまたリタイアだあ!』

 

「明らかにおかしいわ。モニターが付かなくなったと同時に次々リタイアが増えているなんて。」

 

「ああ、こいつは明らかに異常だ。」

 

そう。

先ほどから次々とリタイア者が続出している。

いくらこのレースが危険だからって、先ほどまでの障害を乗り越えて者たちがこうも次々脱落していくには違和感がある。

謎の磁気嵐といい、どう考えてもおかしいわ。

 

「お兄ちゃん…。」

 

「切歌さんや調さんたちは大丈夫でしょうか…?」

 

「くそ、見てるだけしかできねえのかよ…。」

 

「キャロル…。」

 

他の皆もだんだん心配になってきたようね…。

無理もない…。ここからモニターを眺めることしかできないだなんて…。

 

「心配いらねえよ…。」

 

ドラ・ザ・キッドのつぶやきに私たちはいっせいに彼に視線を向ける。

全員の視線が自分に向いたということを確認したのち、彼は静かに語り出した…。

 

「あいつらは、今まで数々の逆境や冒険を乗り越えてきたやつらだぜ…。ドラえもんだって、俺たちドラえもんズのリーダーなんだ。

たとえこのレースにどんな陰謀が絡んでようが、あいつらがそれに負けるわけがねえじゃねえか…。俺たちはあいつらのことを信じて待てばいいんだよ。」

 

「「「「・・・・・・・。」」」」

 

確かに、彼の言うとおりね…。

あの子たちがこんな逆境に負けるはずがない。

私たちはみんなの無事を信じればいいだけなのだ。

 

「どうか無事で…。」

 

 

 

**********

 

ドラえもんside

 

 

「わ、また行き止まりだよ!」

 

どうやらここは大昔に廃棄された宇宙ステーションみたいだな。

さっきっから通行止めや崩れた道といったものが大量にある。

もう一度Uターンして元いた方向に戻ると今度は分かれ道があった。

 

「どっちに行けば…。」

 

ここで時間を食っちゃうとあいつに負けてしまう…。

あのデポンってやつは本当にいけ好かない奴だ。

僕の耳を馬鹿にしたり、響ちゃんのやさしさを踏み握ったり…、絶対にギャフンといわせてやるんだから…。

 

「任せて響ちゃん。こういう時は…。」

 

僕は四次元ポケットに手を突っ込み、目当ての道具を探し出す。

え~と、どこにあったかな…、あ、あったあった。

 

「ミチサキステッキ!」

 

「これはどんな道具なの?」

 

「どちらの道に行けばいいか迷った時に使う道具で、正しい道の方向に倒れて、行くべき道を教えてくれるんだ。」

 

「尋ね人ステッキみたいな感じ?」

 

「そうそう、そんな感じ。」

 

響ちゃんに説明しながらミチサキステッキを地面に立て、手を放す。

すると、ぱたんとステッキは分かれ道の正しい方角を示した。

これに沿って進めばゴールできそうで。

 

「ん?ねえドラえもん…。なにかきこえない?」

 

「え?」

 

言われてみれば何か聞こえてくる。

いったいなんだろう…?

 

「ううう…。」

 

これは…誰かの泣いている声?

こんなところでいったい誰が…。

 

「行ってみよう!誰かがけがをしたのかもしれないよ。」

 

「そうだね。」

 

響ちゃんとともに泣き声のする方向へ行ってみる。

するとそこには大粒の涙を流す参加者と無残にも大破した車があった。

 

「ううう、俺の愛車がブウ…。お釈迦にされたブウ…。」

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「うわあ、ひどい事故だ…。」

 

パンク程度ならまだしもここまで大破してしまうとタイム風呂敷は使えない…。

このレースでは車を直接道具を使って修理することが禁止されているんだ…。例外はタイヤ。危険な環境で消耗の激しいという理由でタイヤだけは認められているらしい。

僕たちも気をつけなきゃ……。

 

「事故じゃないブウ!!」

 

「「え?」」

 

事故じゃない…?それじゃあいったいこれは…。

 

「変な猫耳に突き落とされたんだブウ!」

 

「「え?ねこ?」」

 

猫耳だって…?シロえもんはロボット時代の同級生で僕が元ドラーズということもあり、今も時たま会うことがある。

プライドの高い奴だけど、こんな卑怯な真似はしないはずだ…。

となると考えられるのは…デポンの仕業だ。

間違いない。

いくらレースに勝ちたいからってこんな卑怯な真似をするだなんて…。

 

「デポンめ!なんて卑怯なんだ…。」

 

「でも、本当にデポンさんなのかな?」

 

「あいつ意外に考えられない!行こう響ちゃん!」

 

「う、うん…。」

 

困惑する響ちゃんを乗せ、僕はペダルに足を付ける。

デポンめ…、必ずぎゃふんといわせてやる…。

 

 

**********

 

 

あれからしばらくの時間がたった…。

迷路のようなステーション内ではやはり行き止まりや分かれ道も多く、かなりの苦戦を強いられる。

でもミチサキステッキの通りに言ったおかげでだいぶゲートまで近づいたはずだ。

 

「ドラえもん。別の車の音がするよ。」

 

「ん?」

 

そんな中、別の車の走行音がこちらへ近づいてきた。

あの車は……デポン!!

 

「響ちゃんあいつだ!気をつけろ!」

 

「え、ええ?う、うん。」

 

なにやら少し困惑した表情で答える響ちゃんを尻目に僕も思い切りペダルをこぐ。

それに対し、デポンもスピードを上げるが、僕らに追いつけないでいるようだ。

 

「チッ、あいつらよりおそいとはな…。」

 

しかし、デポンもどんどんどんどんスピードを上げていく。

今この場は一本道だ。下手したらさっきの人みたいに突き飛ばされるかもしれない。

もっと早くこがないと…。

 

「ドラえもん!前見て!」

 

「え?ってうわああ!」

 

響ちゃんの言葉に前を向くとそこには分かれ道があった。

ガードレールがないため、このままの勢いだと落っこちてしまう。

 

「「うわああああああ!?」」

 

慌てて僕たちはブレーキをかける。

そのかいあって何とか僕たちは落っこちずに踏みとどまることができたのだった。

ふう、危ない危ない…。

しかしまた分かれ道か…。ここはミチサキステッキで…。

するとデポンは何やら耳を澄まして何かを聞き取ろうとしているようだ。

いったい何を企んでいるんだ?

 

「デポンさん、何してるんだろう?」

 

「さあ、でも油断しないで…。」

 

そして倒れるミチサキステッキ…。

倒れた方向は…左だ。

 

「急ごう!」

 

「待て!」

 

すると突然デポンが僕たちのことを制止してきた。

いったい何だっていうんだ。

 

「そっちはやめたほうがいい。嫌な音がする。」

 

「え?はい。わかりました。」

 

「響ちゃん!ミチサキステッキはこっちを向いてるんだ!」

 

「え?で、でも…。」

 

響ちゃんはデポンの言うことを信用したいらしいけど、僕は信用できない。

さっきの人を突き飛ばしたことといい、絶対何か企んでいるはずだ。

 

「意地を張るな。俺の耳は超高度なセンサーになっている。性能は確かだぜ。」

 

…また耳の自慢か。僕に耳がないことをいいことに。

 

「うるさい!だまされないぞ卑怯者目!お前なんかネコ型ロボットの恥だ!行こう響ちゃん!」

 

「え?う、うん…。」

 

悲しそうな表情をする響ちゃん。

でも僕にはそれをいたわる余裕がなかった。

僕たちはそのまま左へと進んでいった。

 

 

 

 

「しっかりつかまっていろ!!」

 

 

 

すると突然、デポンは僕たちのアヒル号に車ごと体当たりしてきた。

何やら大きな爆発音が鳴り響き、その衝撃でアヒル号の車体は倒れこんでしまった。

 

「何をするんだするんだ!」

 

「あれをみろ。」

 

「?…な、これは!?」

 

デポンの指さす方向を見ると、何か大爆発でもあったかのような跡が残っていた。

道は完全に崩れており、もしデポンが突っ込んでこなければ僕たちも爆発に巻き込まれていたかもしれない。

ロボットの僕はともかく、ギアを解除している響ちゃんが巻き込まれていたら…。

するとデポンは僕の首輪をつかみ、迫ってきた。

 

「お前、子守りロボットなんだろ!レースに勝つことに執着するよりも、大事なことがあるんじゃないのか!?」

 

その言葉にハッとする。

そうだ。僕は響ちゃんを守るという使命がある。

それなのにデポンに勝つことだけを考えて結果危険にさらしてしまった。

折角デポンが教えてくれたというのに…。僕は…。

 

「待って。」

 

すると響ちゃんもまたアヒル号の車体から降りてきた。

しかも足を抱えている…。

 

「響ちゃん怪我をしたの?」

 

「平気へっちゃら。たいしたことないよ。」

 

笑顔を作り、いつも通りのようにふるまうが足はかなり赤くはれている。

相当無理をしているようだ。

 

「ありがとうございますデポンさん。私たちを助けてくれて。」

 

もしもデポンが助けてくれなかったら響ちゃんのけがはこんなものじゃすまなかった。

デポン自身が巻き込まれる可能性だってあったのに…。

 

「…ごめんデポン。君のこと誤解してた。響ちゃんを助けてくれて本当にありがとう。」

 

「ふん。」

 

僕の謝罪と感謝の言葉を聞くとデポンは少し照れたように車のエンジンをかける。

 

「このレース普通じゃない。何かある。お前たちも気をつけろよ。」

 

そうしてデポンはさっそうと去っていった。

 

「…私たちも行こう。ドラえもん!」

 

「…うん!」

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