ドラえもん 響と戦姫絶唱シンフォギア   作:はんたー

3 / 34
三人の歌姫とカンヅメカン

 ドラえもんside

 

 

 

 

 

 明日は翼ちゃんと奏さん、マリアさんによる三人のライブがある。響ちゃんたちも楽しみにしてるし、もちろん僕もすごく楽しみだ。

 今は強大な敵なんてものは存在しないはずだから、何の憂いもなく純粋にライブを楽しむことができる。特等席のチケットも貰ったし、いいライブになるといいな……。

 

「ん?」

 

 ライブ会場の下見が終わった後、明日に備えて家に帰ろうとすると、練習室からなにやら声が聞こえてきた。

 なんだろう? 僕は好奇心にかられ、練習室の中を覗いてみた。するとそこには汗だくとなっているツヴァイウィングとマリアさんの姿があった。緒川さんが見るなか真剣な目付きで練習をしている。

 

「くっそ……。本番は明日だってのに……」

 

「だが、どうしてもここの部分が納得いかない……」

 

「大丈夫。まだ時間はあるわ。やれるところまでやりましょう」

 

「焦らずじっくりやりましょう」

 

 な、なんて凄い気合いなんだ……。本番ギリギリまでずっと練習しているだなんて……。

 これがプロの意地というやつなのか……。僕から見ればその振り付けはまさにプロの仕事とも言うべき完璧なものに見える。それでも本人からすれば納得のいくものに仕上がっていないみたい……。

 

「三人とも、大丈夫? 何か手伝えることはない?」

 

「!? ドラえもん……」

 

「来ていたんですね……」

 

 僕は思いきって彼女達に何か手伝えることはないかを聞くことにした。三人がこれだけ頑張っているんだ。友達として僕も手伝いたい。

 

「この部分の振り付けが上手く行かないんだよ……」

 

「ここは私たちの動きが完璧にシンクロしなくてはならないのだが、どうしても僅かにズレが生じてしまっている」

 

「だけどほら……。この間はぐれ錬金術師を捕縛する任務があったじゃない……。おかげで練習する時間があまりとれてないの……」

 

 なるほど。確かにそんな任務が最近あった。とにかく隠れるのが上手くてパヴァリア光明結社の現局長であるサンジェルマンさん達が手伝ってくれたおかげでなんとか捕らえるこたができたけれど、そのせいで練習する時間がとれなかったと……。

 

「本来、そういったものを管理するのも僕の仕事だと言うのに……ふがいない……」

 

「緒川さん……」

 

 悲痛な表情をする緒川さんを見て、何かいい秘密道具はないものかと僕は考える……。

 練習する時間を確保……、それだけじゃない。体力の問題も考えて休憩する時間とかも確保しないと……。

 

 あ。

 

「あの道具なら……」

 

「? 何かだしてくれんのか」

 

「うん。ちょっと待ってて三人とも」

 

 僕は四次元ポケットの中に手を突っ込み、目的の道具を探す。……しかし、ガラクタが多くてなかなか見つからない……。

 え~と、あれでもない。これでもない……。

 

 あ、あった!!! 

 

 

 

 

 

 

「カンヅメカンと専用缶切り」

 

 

 

 

「なんだい? それは……?」

 

「大きい……缶詰め?」

 

「これは……どういう道具なのかしら?」

 

「カンヅメカンは集中して作業ができるように作られた道具で蓋をしめると缶切りでしか開けることができない。しかも、中と外とで時間の流れが違っていて、この缶詰の中での一日は外での一時間になるんだ。これなら練習する時間も休む時間もとることができるよ」

 

「すごいですね……。未来ではこんな道具もあるんですね……」

 

「さすがドラえもん! 頼りになるな!」

 

「ええ、本当に……」

 

「ありがとうドラえもん」

 

 皆どうやら気に入ってくれたみたいだ。本番まであと十時間だから10日分の時間を確保することができたわけだ。

 

「本当にありがとな。ライブ楽しみにしてくれ」

 

「缶切りは責任持って僕が預かります」

 

 そういうやいなや三人は缶詰の中に入って蓋を閉じた。

 缶切りは緒川さんが使うことになり、僕は明日に備えて帰ることになった。

 これならきっと凄いライブになりそうだ。

 頑張れ。三人とも……。

 

 

 

 

 

 ******************************************

 

 奏side

 

 

 

 

「料理の出前なんかも取れるのか……本当すごいな……」

 

「彼の道具にいちいち驚くだけ疲れるだけじゃないの?」

 

 思わず呟いた言葉に呆れながら返すマリア……。

 本当、ドラえもんの未来の道具には驚かされてばかりだな……。あいつと出会ってもう四年になるけどいまだ持っている道具の底が知れない。

 

 まあ、それは今は置いといて……。

 

「ドラえもんが作ってくれた貴重な時間だ。二人とも、絶対無駄にはするなよ!」

 

「「当然!!」」

 

 ダンスの振り付けをしながら私はドラえもんと初めて出会ったときのことを思い出す。

 あれはツヴァイウィングのライブ中、ノイズが発生したときだったっけ……。

 当時まだ一般人だった響が私のガングニールの破片に貫かれ、重症を負ったのを見て、彼女を助けるためには絶唱を放つしかないと私は絶唱を放とうとした……。

 そんな矢先、ドラえもんは仲間たち(ザ・ドラえもんズ)と共に空から大きな涙を流しながらやってきた。

 もしあの時彼らが来てくれなければ私はあのまま絶唱を使って死んでいたのかもしれない。

 今、こうして翼と、マリアと歌を歌うことができるのは全部あいつのおかげだと私は思っている。

 私はドラえもんに感謝の気持ちを伝えたい。

 そのためにも、明日は絶対に最高のライブにするぞ……。

 

 ん? まてよ、ここでは時間が違うから10日後か……。

 

 

 ******************************************

 

 ドラえもんside

 

 

 

 

 

「楽しみだね。奏さんたちのライブ」

 

「そうだね……」

 

 超満員の会場の中、特等席ということで特別見やすい席にいる僕たち。

 なんだか予感がする。きっと今日は思い出に残る最高のライブとなるだろう。

 

 ライトが消え、天使みたいに空から降り立った三人の姿を見て僕はそう思った。




ドラえもんは響ちゃんがヅヴァイウィングのライブにて大怪我を負うということ神の干渉で忘れて未来におり、ドラミにその事を言われ思い出し、偶々一緒にいたザ・ドラえもんズの面々と共に大急ぎで戻り、結果、響の大怪我には間に合わなかったけどなんとか奏の絶唱前には到着することができた。という設定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。