ドラえもん 響と戦姫絶唱シンフォギア   作:はんたー

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映画ドラえもん 響とひみつ道具博物館⑤

 響side

 

 

 

 

 

「ガードロボ……」

 

「うん。これは初期につくれた警備用のロボットでね、博物館も最初はこれを使ってたんだ」

 

「なんだかとても強そうですわ」

 

「あ、アニメの敵が使うロボみたい」

 

 確かに……大きな一つ目に、牛みたいな角。何より、タイタニックロボと同じか、それよりも大きい機体。

 弓美ちゃんの言うとおり、悪者の使うロボみたいだ。

 

「これはアダムを参考に作られたロボなんだ」

 

「なっ!? アダムを……!?」

 

 驚きの声を上げるサンジェルマンさんにこたえるように、クルト君は目の前のロボットについての説明を始める。

 

「そう。アダムの僅かな残骸や映像などからデータを計測して、さらに強力なロボットとして作られたのが、こいつってわけさ。あくまでもただのロボットだから、錬金術とかが使えるわけじゃないけど、単純なスペックなら“アダム・ヴァイスハウプト”の倍以上はある」

 

「あ、アダムの倍以上デスか?」

 

「なんだよそのトンデモは! 警備にしたってやりすぎだろ!」

 

 確かに……最後に戦ったアダムはとんでもない強敵だった。それの倍以上のスペックとなると、とんでもないのがよくわかる。

 クリスちゃんの言葉を着たクルト君は頬を掻いて、説明を続ける。

 

「おっしゃる通り。ガードとしては優秀かもだけど、強すぎるがゆえに過剰戦力とされてね……危険すぎて使われなくなり、今では展示用のこれ一体しか残ってないんだ」

 

 すると、私達の周りに一つ目の小さなロボットがふよふよと浮きながら、私達のほうへと近づいてきた。

 これって、タイムパトロールが使っていた……確か……“パトボール”だっけ? なんでも、今はこれが博物館の警備をしてるみたい。

 

「さてと、じゃあ、さっそく次の館に案内するよ」

 

「うん」

 

 クルト君に言われ、私達はガードロボの檻を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 **************************

 

 

 

 

 

「次の館に行く前に、これを食べてほしいんだ」

 

 そういって、クルト君は私たちにタブレット菓子みたいなのを渡してきた。

 あれ? これ、何処かで見たような……多分、ひみつ道具なんだろうけど。とりあえず、食べてみよう。

 

「あ、美味しい」

 

「これは?」

 

「……なるほど。これを食べるということは次の館は……」

 

「え? ドラえもん、次の館がわかるの?」

 

 このお菓子と関係あるのかな? 

 そうこう考えているうちに、クルト君は“抜け穴ボールペン”であたりを囲みだす────あれ? 確か、これって丸を描くことで抜け穴を作るひみつ道具……だよね? それで囲ったりしたら────

 

「それでは皆さん。落ちる際はくれぐれもご注意を」

 

「「「「落ちる?」」」」

 

 皆がそう言った次の瞬間、地面が突如として消えた! 

 一瞬皆呆けるけど、すぐに顔を青くして真っ逆さまに落ちていった! 

 

「「「「わあああああああ!?」」」」

 

「またか!? 未来人はどうしてこう落下させたがるんだっ!?」

 

 私達はそのまま下へと落ちていく。でも、しばらくすると、空間がうねって滑り台のようになった。

 そのまま私たちは滑り台を滑り、やがて出口のほうへと放り出された! 

 

「うわあ!」

 

「大丈夫?」

 

 出口へと放り出された私達だけど、地面に落っこちる……なんてことはなかった。なぜなら────

 

「ここは……宇宙か?」

 

 私達はキラキラ輝く星がきれいに漂う宇宙の中にいたのだから。

 

「わあ、綺麗ですね」

 

「うん。とても……」

 

「マリアにも見せたかったデス」

 

 セレナちゃんたちもそのきれいな光景に心奪われてるみたい。

 辺りにはロケットやゴムでできた星、本物みたいな地球みたいに宇宙に関連したひみつ道具が漂ってるみたいだ。

 

 ボォォォォォ!! 

 

 汽笛の音がして、振り向くと、そこには宇宙の中を走る“銀河超特急(ぎんがエクスプレス)”の姿があった! 

 懐かしい! 昔、皆と乗って“ドリーマーズランド”で大冒険したんだよね。あの時の電車とは少し違うみたいだけど、それでも懐かしいや! 車掌さん達元気かなー? 

 

「ここは“宇宙館”。宇宙にまつわる道具を展示してるコーナーさ」

 

「宇宙……」

 

「ちなみに、さっき食べてもらったのは“食用宇宙服”! 食べるだけで宇宙服と同じ効果が得られるんだ」

 

「それはすごいわね。わずか100年程度で、文明がここまで進歩するなんて……」

 

「異端技術が表に広まった結果だね」

 

 サンジェルマンさん達が感慨深そうに眺めていると、大きな地球の模型が近づいてくる。

 

「クルト君、これは?」

 

「これは星の一生を見るための道具さ。見てて……」

 

 クルト君が端末を操作すると、地球やほかの星々が消え、大きな渦巻きが現れる。

 やがて、渦巻きは圧縮され、よく知る太陽が私たちの前に現れた。へ~、太陽ってこうやって生まれたんだ。太陽が生まれたことで、他の星々もどんどん生まれ、地球や火星みたいな星も誕生し始めた。

 

『太陽は今から50億年以上前に生まれ、今なお膨張しています。これから先、60億年がたつ頃には太陽は赤色巨星となるでしょう』

 

 アナウンスの声が宇宙空間で響き渡り、太陽はどんどん大きく────って

 

「巻き込まれる────!?」

 

「落ち着け、立花響。ただのホログラムだろ」

 

「え? あ、ほんとだ。熱くない」

 

「そもそも、本当に太陽ならこの距離でも大惨事になるだろう」

 

「そうね~。ファウストローブを纏えばある程度は持つかもだけど……」

 

 確かに、シンフォギアを纏ってないと、この距離でも燃えちゃいそうだよ。見ただけでそんな感じがする。ホログラムでよかった~。

 そんなことを考える私にクスリとして、クルト君はドアを指さし、大声でいう。

 

「じゃあ、どんどん案内するよ! しっかりついてきて!」

 

「「「「おお!」」」

 

 次はどんな道具があるのかな? とても楽しみだよ! 

 

 

 

 

 **************************

 

 

 

「わあ、ここは?」

 

「ここは“カメラ館”。カメラに関連したひみつ道具が飾ってあるんだ」

 

 へぇ~。確かに、すごい数のカメラだな。

 豪華そうなカメラがたくさんあるや~。未来と一緒に写真撮ろうかな? でも、少し不安だな……。

 

「……ねえ、ドラえもん」

 

「ん? どうしたの? 未来ちゃん」

 

 ん? 何だろう? ドラえもんと未来が何やらごにょごにょ話してる。

 しばらくすると、ドラえもんは少し疲れた表情をしながらも大きくうなずいて、未来を撮影用の台に乗せる。

 

「よ、よし、響ちゃん! 未来ちゃんと一緒に並んで~」

 

「響! 早く早く♪」

 

「え? うん、わかったよ~」

 

 どうやら、未来も同じこと考えてたみたい。

 ……でも、何でドラえもん、疲れた表情してたんだろう? 不思議に思いながらもドラえもんに促され、私と未来は撮影用の台の上に立つ。

 22世紀のカメラ……“呪いのカメラ”みたいな怖いのもあるから、ちょっと悩んでたけど、ドラえもんが撮るなら安心だね。

 

「ハイ、チーズ!」

 

 パシャア! 

 

 ドラえもんとクルト君がカメラを切ると同時に、私達の衣装が変わる。

 私は“シャーロックホームズセット”から、びしっと決まったタキシードに……未来はお嫁さんが着る純白のウェディングドレス姿になっていた。

 

「わあ~、すっごい似合ってるよ、未来」

 

「ふふ、響も似合ってるよ」

 

 どうやら、ドラえもんが使ったのは“着せ替えカメラ”だったみたい。少し古い感じだし、昔の奴かな? 

 写真を見せてもらうと、私の服も相まって、なんだか結婚式みたい! 

 ……あれ? なんで、私がタキシードなんだろう? こういう場合、私もドレスにするのが普通なんじゃ……まあ、いいか。未来も綺麗だし、楽しそうだし。

 

「ありがとうドラえもん。後でどら焼き奢ってあげるね」

 

「う、うん。ありがとう……」

 

 ドラえもん、何かあったのかな? なんか疲れてるみたいだけど……そうか、鈴が見つからなくて不安になってるんだ。

 ドラえもんのために、速く怪盗デラックスを見つけないと……。私は元のシャーロックホームズ姿に戻り、ドラえもんを励ますことにした。

 

「大丈夫だよドラえもん。絶対に鈴は見つかるよ!」

 

「え? ……あ~、うん、そうだね」

 

 その為にも、この博物館のどこかにいる怪盗デラックスを早く見つけないと! 

 

 

 

 

 

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「おお、雲の上なのに立てるデス!」

 

「ふわふわしてるね」

 

「ここは空館。空にまつわるひみつ道具を展示してるよ」

 

 ああ〜、お日様がポカポカしてて、気持ちいいな〜。雲の上を歩くなんて久しぶりだよ〜。昔はよく雲の上で遊んだっけ……。

 

「たくさんの人が空を飛んでいますね」

 

「空を飛ぶ道具だけでも、これだけの数があるんだね」

 

 そう言いながら、セレナちゃんと調ちゃんが空を飛んでいた。

 調ちゃんは“フワフワおび”、セレナちゃんは……手にタブレットを持ってるから、“ふわふわぐすり”かな? 

 で、切歌ちゃんは────

 

「このストロー、凄い……デースー!?」

 

 “ロケットストロー”を使ってたみたい。でも、ストローから口を離して落っこちちゃってる。

 下は雲だから痛くはないみたいだけど……大丈夫かな……? 

 

「団扇仰ぐだけで空を飛べるだなんて、本当に面白い時代になるものですね〜」

 

「あっ! ガリィちゃん!」

 

 ガリィちゃんは“強力うちわ風神”を使って空を飛んでいる! 

 しかも、団扇を仰ぐたびに調ちゃんとセレナちゃんに被害が出てる!? 

 

「「キャ────!?」」

 

「あ、ごめんなさいね〜。でも、この団扇が強すぎるのが悪いと思うんで大目に見てくださいな」

 

「……アイツ、本当に俺の人格から生まれてるのか……?」

 

 その光景を見てキャロルちゃんは何やら複雑そうにしてる。だ、大丈夫なのかな? 

 

「じゃーん! 雲だるま作ってみた!」

 

「おお! 流石ユメ! 凄いじゃん!」

 

「ナイスですわ!」

 

 弓美ちゃん達は平和そうだな。“雲粘土”を捏ねて、いろいろな形の雲だるまを作ってる。“雲”って、冷たくない雪みたいな感じだし、手が冷えることとか気にせずガンガン作ってるみたいだね。私も後で作ろうかな? 

 

「あっ、ちょうどいい時間だ。もうすぐ、“タケコプター”の歴史についての上映をやるから、よかってら、よかったら見に行かない?」

 

「タケコプターの歴史だと?」

 

「立花響達がよく使う竹とんぼのような形状のひみつ道具か。確かに興味はあるな」

 

 サンジェルマンさんの言葉にうなずきながら、皆どこでもドアの中に入っていく。もう上映は始まっているらしく、タケコプターの設計図みたいなのがスクリーンいっぱいに広がっている。

 うへぇ……難しくて全然わかんないや。でも、サンジェルマンさん達やキャロルちゃんはすごく興味深そうにスクリーンを眺めている。

 

「ふむ。確かにこの設計ならば、頭部への負担を気にせず、宙に浮くことができそうだな」

 

「でも、これじゃあ空気抵抗の問題とか解決できないんじゃない?」

 

「いや、宙に浮くと同時に空気抵抗を軽減する術式が展開され、身を守っているワケだ」

 

「しかも、外からでは俺達ですら感知できん隠蔽術式だな。まさか錬金術の技術が使われているとは、興味深い」

 

 なんかすごく難しそうな話をしている。さすがは錬金術師の皆さんだな……。でも、失敗も多くあって、こんな苦労のもと、タケコプターができたんだなと思うと、なんだか感慨深いね。

 そんな事を考えながら、タケコプターを使って空を飛ぶ人たちの映像を眺めるのだった。

 

 

 

 

 

 **************************

 

 

 

 

「わあ、なんだかとても素敵な場所です」

 

 あたりに広がる雄大な大自然を見ながら、セレナちゃんは感嘆の声を上げた。気持ちはわかるよ~。なんだかポカポカしててとても気持ちいいもん! こんなところでみんなとピクニックができたら最高だろうな~。

 

「ここは“自然館”。自然にまつわるひみつ道具がたくさん展示してあるんだ」

 

「へ~、どんなのがあるんだろう?」

 

 自然にまつわるひみつ道具。色々ありそうだな。

 

「な、な、なんデスか? これは!?」

 

「カブの中からカレーライスが出てきた……?」

 

「あ、それ“畑のレストラン”じゃん」

 

「昔、ビッキーたちと一緒に石器時代に行ったとき、作ったんだよね」

 

「中学生の時のことですね。とても懐かしいですわ」

 

 ああ。以前、家が大変な時に、ドラえもんが静かな場所で少しのんびりしようと提案してくれた時の奴だね。お父さんとお母さんも快く送り出してくれて、申し訳ない反面、楽しくもあったな。まあ、そのあととんでもない戦いに巻き込まれるんだけど……思えばあれが、ガングニールを初めてまとった時だったんだよなあ。

 

「これは、生きたプラモデル? “自動人形(オートスコアラー)”とも違う……確かな生命の息吹を感じる」

 

「“自然観察プラモデル”か。以前、ドラえもんが遊んでいたのを見たことがあるぞ。俺としても、興味深い道具だ」

 

「それにしても広いわね。山の向こうまで続いてそう」

 

「これほどの空間拡張……興味深いワケだ……それはそうと、その姿は何だ? キャロル?」

 

「……聞くなぁ!」

 

 キャロルちゃんは恥ずかしそうにそっぽを向く。その耳には、猫の耳のようなものが生えている。しかも、お尻からは長い尻尾もあるみたい。

 あ、あれって“動物変身ビスケット”! なるほど、それで猫人間みたいになっちゃったのか~。すごくかわいいよ! キャロルちゃん!

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

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 ???side

 

 

 

 

 

「あと四つ……あと四つじゃ……」

 

 

 ここは博物館の何処か。館長すらも知らない室内にて、一人の老人が研究を行っていた。

 老人は笑う。あと四つのパーツが揃えば自らの研究が実を結ぶ。そうなれば、世界を変えることができるのだと。

 

「フハハハハハ!!」

 

 老人は嗤う。研究の完成はもう間近であるのだと。

 

「お祖父ちゃん。ケーキ置くから邪魔! 早く退けて!」

 

「あ、はいはい只今!」

 

 

 

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