エルフナインside
「やった……。ついに……」
「ああ。遂にあいつらを甦らせることができるな」
ボクとキャロルは先の戦いで大破してしまった
「よし、やるぞ」
最後の術式は皆の
見ただけでその力が伝わってくるほどのエネルギーを込めたその術式は四つに別れ、それぞれ皆の機体に組み込まれていく。
「よし、このまま……」
そう呟くとキャロルの術式に籠るエネルギーが更に大きくなった。これで皆に会える……そう胸を撫で下ろした瞬間、突如術式が赤く発光した。
「こ、これは!?」
「ば、馬鹿な!? 術式に不具合だと!?」
そ、そんな!? キャロルが失敗するだなんて……。も、もしかしたら連日の徹夜による無理が?
ボクたちの徹夜作業がこんな形で仇となるだなんて……。
するとキャロルの術式は爆発し、辺りは煙で真っ白となった。
「くそ、どうなった?」
「み、みんなは!?」
ボクたちの焦った声が部屋に響くなか、徐々に煙は晴れていき、そこには昔と何も変わらない皆の姿があった。
「……杞憂だったか。術式は成功したらしいな……」
「よかった皆……」
無事に復活した皆の姿をみて思わず涙ぐむ。するとガリィがキャロルの一歩手前に来て跪く。
「おはようございます。マスター。再びこうしてお会いできるとは思いませんでしたね」
…………ん?
「待てガリィ。なんだ? その口調は?」
「ど、どうしたんですか? ガリィ?」
あのガリィがこんな口調を言うだなんて……。ね、熱でもあるのかな(錯乱)
「ガリィ? 何を言っておるのですか? 私はファラですが……」
え?
まさかの返しに混乱するボクたち。
すると今度はレイアがボクたちに話しかけてきた。
「も~、マスターもエルフナインも間違えるだなんて酷いじゃないですか~。ガリィちゃんはこっちですよ」
え!? で、でもその見た目は間違いなくレイア……。
キャロルもガリィとレイアの思いもよらない返答に困惑している。
「それよりお腹がペコペコだぞ」
すると今度はファラがお腹をさすりながら空腹を訴える。……ってこのしゃべり方は!?
「も、もしかしてミカですか?」
「な、なんだこの派手な腕は!?」
次はミカがレイアみたいなしゃべり方でまじまじと腕を見つめている……いや、みたいじゃなくて多分レイアなんだ。
「チッ……なるほどな、あべこべな人格で定着してしまったのか……。不調とはいえ、このオレが失敗するなぞ……」
悔しそうに拳を握るキャロル。プライドの高いキャロルにとっては許せないことなんだろう。
「も、もう一度やりましょう。次こそは……」
「なんか爆発あったけど、大丈夫? キャロルちゃん、エルフナインちゃん!!」
「怪我はない!?」
「響さん? ドラえもんさん?」
バタンと扉が開く音とともにお二人がやってきた。どうやら心配させてしまったようですね。
あ、そうだ! ドラえもんさんならば……。
*******
ドラえもんside
「なるほど、そんなことが……」
突如二人の部屋から響いた爆発音に心配になった僕たちはとりあえずキャロルちゃんたちの部屋に突入したけど、まさか
「ドラえもんさん。どうにかできないでしょうか?」
「任せて。こういうときは……」
エルフナインちゃんの嘆願に応え、僕は四次元ポケットの中を探る。あ、あったあった。
「トッカエ・バー」
「なんなんですか? この道具は?」
興味深そうにトッカエ・バーを眺めるキャロルちゃんとエルフナインちゃん。
「この道具はその名の通り、人の体を取っ替えることができるんだ。この棒の端と端を二人でそれぞれつかむと体を取っ替える……つまり、心を入れ換えることができるんだ。
ロボット対応だから
「……ホント、なんでもありだなお前の道具は……」
僕の説明に呆れながらそう呟くキャロルちゃん。まあ、無理もないけど。
早速ガリィ(inレイア)ちゃんとファラ(inガリィ)ちゃんで試すと無事ガリィちゃんはもとの機体に戻った。
「次はミカ。お願いします」
「任せるんだぞ」
今度はファラちゃんの機体を持つミカちゃんと入れ換えることでファラちゃんがもとに戻った。
そして最後にレイア(inミカ)ちゃんとミカ(inレイア)ちゃんがトッカエ・バーを使うことで全員が元の機体に戻ったのだった。
「皆っ!!」
すると感極まったのか、エルフナインちゃんが
「あの時、助けてくれてありがとう。皆のお陰でボクは……」
「……気にしないでください。私達はエルフナインを守れと言うマスターの命に従ったまでですから」
あの時、拐われたエルフナインちゃんを助けるため、キャロルちゃんは遠隔から廃棄躯体だった皆を甦らせた。結果的に廃棄躯体だった皆はノーブルレッドにやられてしまったけど、皆が時間を稼いだお陰でキャロルちゃんはチフォージュ・シャトーまで間に合うことができた。その事をエルフナインはずっと気にしてたようだ。
「よかっだね。エルフナインぢゃん」
号泣しながらその光景を眺める僕と響ちゃん。キャロルちゃんもエルフナインちゃんのそばに寄り添いながら本当に嬉しそうに微笑んでいる。
……このとき、僕たちは二人のことを見ていたから気づかなかったんだ……。
トッカエ・バーを持ちながら邪悪な笑みを浮かべたガリィちゃんのことに……
「いやぁ~ホント、未来の道具って色々あるんですね……。ホント憧れちゃいますね~」
「まあね。なんていったって22世紀の秘密道具だからね」
ガリィちゃんの言葉に気をよくし、ドヤ顔を疲労する僕。その隙をガリィちゃんは見逃しはしなかった。
「アー、テガスベッター」
「へ?」
僕がドヤ顔をしてる隙にガリィちゃんはトッカエ・バーの端を僕の掌に滑り込ませた。すると、トッカエ・バーは光輝き、気付くと僕は……
「わぁ──!!!? ぼ、僕がガリィちゃんに!!!?」
「あ、ごめんなさい手が滑っちゃいました。でも、同じ青だし問題ないのでは?」
が、ガリィちゃんはそう言うけど、僕としては冗談じゃない!! 明日は久々にノラミャー子さんとデートする約束してたのに……。
「コラ! 何をやっているんだガリィ!」
「性根の腐ったガリィらしい……」
それを見たキャロルちゃんは怒ってガリィ(in僕)ちゃんを叱ろうとした。
いいぞ、その調子だ。
「まあまあ、マスターもどうですか?」
そう言いながらトッカエ・バーの端を差し出すガリィ(in僕)ちゃん。すると、キャロルちゃんは差し出されたトッカエ・バーをつい反射的につかんでしまった。
「あ」
「あ」
時既に遅し、トッカエ・バーはまたも光輝き、今度はキャロルちゃんが僕の身体に入り、ガリィちゃんがキャロルちゃんの身体に入ってしまった。
「これがマスターの身体ですか……。人間の身体も意外に扱いやすいんですね……」
「オイガリィ!! 今すぐオレの身体を返せ!!!」
完全に怒ったキャロル(in僕)ちゃんがガリィ(inキャロル)ちゃんに掴みかかろうとする。するとガリィちゃんは……
「落ち着いてくださいよマスター。これもいい実験じゃないですか?
それに、マスター前々から未来のロボットに興味を持ってたんだし、調べるのにちょうどいい機会なのでは?」
「……確かにそうかもな」
いやいや、それは困るよ。
「納得しないでよキャロルちゃん!!」
「……なんか、ガリィの身体でそのような挙動は少し違和感があるな」
そんなこと言ったって……。ん?
なんだろう。気のせいじゃなければ響ちゃんがすごいうずうずした目でガリィちゃんを見てるんだけど……
ま、まさか……。
「私もやりたーい!」
「あ、ガングニールの脳内お花畑さん」
「立花響だよ!!!」
「やりたいんですか? いいですよ」
「だ、ダメー!!!」
止めはしたが時既に遅し、こんどは響ちゃんがキャロルちゃんの身体に入ってしまった。
「わーい。キャロルちゃんの身体だー」
「オレの身体で遊ぶな!!!」
身体が入れ替わってはしゃぐ響(inキャロル)ちゃんと響ちゃんに怒るキャロル(in僕)ちゃん……。
あー、もうすでにややこしいことに……。駄目だ。ガリィちゃんと響ちゃんにこの道具を持たせてはいけない。
早く回収しないと……。
「響ー。いるー?」
「
「おお。本当に皆いるのデス」
………………嫌な予感。
「あ、未来。これ持って」
「え? えっとキャロルちゃんだよね……。どうし……」
カッ
「え? 私の体がキャロルちゃんに?」
「わーい。こんどは未来の身体だー」
「はぁ? なんだこりゃ!」
「まあまあ、イチイバルの装者さんも折角なんで……」
そうこうしている内に二人はみるみる入れ替わっていく。
「なんじゃこりゃー!?」
「こ、これが奏の身体……。大きい……」
「あれ? 切ちゃんどこ?」
「調! 私は翼さんの身体にいるのデス。で、調はどこに……?」
ああ、どんどんややこしいことになっていく……。
一体どうすればいいんだ~。
後日、ちゃんと元の身体に(なんとか)戻ることができましたとさ。
めでたしめでたし。