ドラえもんside
「あ、いたいた。お~い。ドラえも~ん」
「どうしたの? 翼ちゃん?」
近頃任務もあまりなく、平和になってきた。それゆえに翼ちゃんたちヅヴァイウィングもS.O.N.Gとしての仕事ではなく本業の、アーティストとしての仕事が多くなってきたように感じる。
「実は、コピーロボットを貸してほしいんだ?」
「コピーロボット?」
コピーロボットはもう一人の自分を作り出すロボットだ。あまり翼ちゃんが必要とするタイプのものとは思えないけど……。
「別にいいけど、なんでコピーロボットなんか?」
「ああ、実は私が剣士としてどれほどのものとなっているのかが知りたくてな……」
「?」
それとコピーロボット。一体なんの関係がある僕は首をひねった。
******************************************
「なるほど……こういうことだったのか」
僕は訓練用のシュミレーションルームにてコピーロボットと戦う翼ちゃんの姿を見ていた。
コピーロボットで自分自身のコピーを作り、それと戦う。確かにいい訓練になるだろう。
コピーとはいえ剣士として超一流の腕を持つ翼ちゃんだ。やはりかなりの苦戦を強いられている。
だが、その顔には笑みが浮かんでいた。
ここにいるシンフォギア装者たちは全員が異なる武器を使っている。
純粋な剣士同士での訓練なんてなかったから翼ちゃんも楽しそうだ。
「あれ? 翼さんが二人いる?」
「ど、どういうことデース?」
しばらく眺めていると調ちゃんと切歌ちゃんの二人が入ってきた。二人に事情を説明すると面白そうに話を聞いていた。
「コピーロボットを使って自分自身と戦う……。考えたこともなかった……」
「なんだか面白そうなのデース」
確かに面白そうだ。こういう使い方があるのなら響ちゃんvs響ちゃんみたいな前世のアプリみたいな戦いを擬似的に再現できそうだ。
もっとも人格はオリジナルと同じだから完全にではないけれど……。
「ハアー!!!」
バシッ
どうやら決着がついたようだ。
「おお、どっちの翼さんが勝ったんデスか?」
僕たちはドキドキしながら二人の翼ちゃんを見る。
すると攻撃を受けた翼ちゃんが元のコピーロボットへと姿を変えた。
どうやら本物が勝ったらしい。
「フゥー。我ながら強敵だったな……」
「お疲れ様です。翼さん」
「月読。それに暁も……。見ていたのか?」
「ハイ! とってもカッコよかったデスよ」
「そう言われるとなんだかむず痒いな……」
でも切歌ちゃんの言う通り本当にカッコよかったと思うよ。達人同士の真剣勝負って感じで手に汗握ったし。
まあ、途中お互い速すぎてどっちが本物なのかわからなくなっちゃったんだけどね……。
「私たちもやってみようかな?」
「おう、それは面白そうデース」
次は調ちゃんと切歌ちゃんの二人がやってみることに……。
どちらの二人もすごいコンビネーションを発揮していて面白い戦いになっている。
すごいと思えるのが調ちゃんも切歌ちゃんもコンビネーションの際にどちらが本物なのかがちゃんとわかっているという所だ。
普通全く同じ顔の人がいたら混乱すると思うけど、長年の積み重ねからか二人ともそんな気配は微塵も見せず連携を駆使してコピーと戦っている。
「へぇ~。そんなことやっているんだ」
「確かに面白そうではあるな……」
途中響ちゃんとクリスちゃんもやってきたので二人にも後で貸してあげることとなった。
しかし、この時僕たちはまだ知らなかった。
この訓練を思いもよらない人がやることになるとは……。そして、それが思いもよらない出来事を引き起こすとは……。
「く、こうしてやってみると……私もちゃんと強くなっているってのがわかるね!!」
「ああ、そうだな。自分と戦うってのもたまには悪くねぇ!!」
調ちゃんと切歌ちゃんの戦いが終わり(ちなみに勝ったのはオリジナルの方)、今やっているのは響ちゃんとクリスちゃんのコンビだ。
こちらも苦戦しつつもきちんと対応し、なんとか勝利を納めることに成功した。いやぁ~。どの戦いも手に汗握る名勝負だったな……。
「じゃあ、次は誰かやる?」
数々の名勝負を生んだvsコピーロボット。マリアさんや未来ちゃん、奏さんにセレナちゃんも続々とやってきたし、次はどんな戦いになるのだろうと少し楽しみにしながら訪ねてみる。
「ふむ、ならば俺にもやらせてはくれまいか?」
すると扉が開くやいなや、とある男の人が訓練室に入室してきた。
そこに現れたのは人類の最終兵器。歩く憲法違反。生きとし生けるものの中で最強の男。風鳴弦十郎司令その人であった。
*******
ドゴーン!!!
「た、大変だ!! 訓練室から凄まじい衝撃波が!!!」
S.O.N.Gオペレーター・藤尭朔也は衝撃波のあまりの破壊力に顔を青ざめながらそう叫んだ。
二人の弦十郎が激突したときに発した衝撃波により、S.O.N.G司令室の面々は皆戦々恐々としていた。
「こ、このままでは本部が持ちません!!!」
友里あおいもまた二人の戦いに顔を青ざめながら被害を確認する。映像内で二人の弦十郎が拳を交えるごとに発する衝撃波。その衝撃だけで訓練室の壁は崩壊寸前となり……。
「うわ!? な、なんだ!?」
S.O.N.G専属の研究員であるキャロルが研究している一部の聖遺物が破損し……。
「た、助けて──!!!」
まるで大地震のような振動が本部全体を襲っていた。
職員たちが逃げ惑うその光景はさながら地獄絵図のようだったとかなんとか……。
そして当の本人たちはというと……
「まだまだ行くぞ!!!」
「来い!!!」
「あわわ、ど、どうしようクリスちゃん!?」
「アタシに聞くなバカ!! ってああ、とうとう部屋の壁が完全に壊れちまったぞ!!」
「シンフォギアの攻撃とかにも耐えれるほど頑丈なのに……」
「と、とにかく退避──!!!」
久しくなかった強敵との戦いを楽しんでいた。
******************************************
その後、コピーした弦十郎のあまりの強さにロボ自体が耐えきれず自ら自壊したことによって一連の騒動に終止符が打たれ、S.O.N.G職員たちは皆後処理な追われていた。
「……もう二度とコピーロボットをこんなことに使わないでくれ……」
「はい……」
藤尭の懇願にドラえもんは頷くことしかできなかった……。
最初弦十郎とコピーロボットにするか悩んだけど最初この案を出したのは翼さんということで…。
ちなみにコピーロボットでシンフォギアまでコピーできるの?という疑問もあるかもしれませんが、コピーロボットは服などもコピーできるため、変身した状態でボタンを押せばシンフォギアもコピーできるというオリ設定。(ただし、本人の技術はともかく性能はオリジナルほどではないない。)
逆にOTONAはシンフォギアみたいな特別な装束もなく素で強いため完コピできる。(ただし、力が強すぎて自壊する可能性がある。)
矛盾はあるかもしれませんが、こういう設定だと無理やり納得してください。