怪物と迷宮   作:迷宮の怪物1

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本日は2話連続投稿です。こちらは2話目です。ご注意ください


7話

「で、どうだったんだ?」

 

 今日一日の授業も終了し、帰るために教科書を鞄に仕舞っている堀北へ綾小路は声をかけた。

 

「……何のことかしら? 言い方が曖昧(あいまい)過ぎてよくわからないわ」

 

「須藤のことだ。昨日の今日でわからないはずないだろ」

 

 須藤の件について堀北が話し出す機会を綾小路は一日中待っていたが、放課後になっても一向にその機会が訪れる気配を感じられなかったので仕方なく彼から話を切り出したのであった。

 

「特に収穫と言えるものはなかったわ。わかったのは須藤くんが反省もできない情けない人物だったということを再認識した、それくらいね」

 

「……言い争いでもしたのか?」

 

「馬鹿言わないで。私と須藤くんとの間で言い争いは起こりえないわ。なぜなら、私が一方的に言い負かしてしまうからよ」

 

「争いよりも酷くなったな」

 

 余計な一言だったと反省した綾小路はとりあえず須藤のトラブルの詳細を説明してくれるように堀北へ頼んだ。しかし、彼女は昨日の須藤との話し合いで既に彼を見限っているらしく、今更説明なんて無意味なことはしたくない様子であった。それでも何度か綾小路がお願いをすると、堀北は彼を協力者として巻き込んだことに少しは責任を感じているのか、それとも彼の発想を期待しているのかはわからないが、渋々と話を始める。

 それを一通り聞き終えた綾小路は何かしら手がかりが残されている可能性のある現場を検証するために特別棟へ行くことを決めた。その検証に堀北にも同行してもらおうと考えた彼は彼女へ視線を向けると、そこには心の中の天気図が低気圧であることを容易に予測できる堀北がいた。一方的な話の要求に責められていると感じていた彼女は綾小路へ反撃を開始する。

 

「さっきから私ばかりに話をさせているけれど、あなたはどうなのかしらね。綾小路くん?」

 

「……佐倉のことか?」

 

「それ以外に何かあるの? 昨日の今日でわからないはずないでしょ」

 

 綾小路は今のやり取りにどこかデジャブのようなものを感じながらも、とりあえず目の前の相手を落ち着かせるために自己弁護に走る。

 

「佐倉とは順調に信頼関係を構築中だ」

 

「それはよかった。ところで、今日を含めて期限まであと六日しかないことは当然頭の中に入ってるわよね?」

 

「大丈夫だ……と思う」

 

「あなたの中の”順調”の定義を聞いてみたいものね。それに、手がかりが他にないとは言っても、同じクラスの事件関係者にどれほど価値があるのかは依然として疑問だわ」

 

 攻守が逆転した堀北と綾小路の絵面はまるで刑事責任を追及する検察官と返答に(きゅう)する被告人のようであった。そもそも、須藤とある程度の関係を構築している堀北と、ゼロから佐倉との関係を築かないといけない綾小路では難易度に差があって当然なのだが、堀北には関係ないらしい。相変わらず彼女は理不尽であった。

 そこへ突然、二人の話し合いの間へ入り込むように声がかかる。

 

「ねぇ君たち、ちょっといいかな?」

 

 綾小路と堀北が声の聞こえた方へ振り返ると、ストロベリーブロンドの髪色をしたロングヘア―の美少女がこちらを向いて立っていた。彼女の目元からは人懐っこさと優しそうな人柄が自然と感じられる。

 二人とも直接面識があるわけではないが、優秀さと容姿の可憐さによって一年生の間でもよく噂される彼女、Bクラス所属の一之瀬帆波(いちのせほなみ)の顔には見覚えがあった。

 

「ごめんね。急に呼び止めちゃって。須藤くんのお話が聞こえてきたから私も事情を聞かせてほしいなーって。駄目かな?」

 

「駄目も何もDクラスじゃないあなたには関係のない話でしょ」

 

 他クラスの一之瀬に対して警戒心を剥き出しにする堀北は彼女のお願いを拒絶する。

 

「んー、たしかに関係はあんまりないね。でも気になることがあって……実はうちのクラスとCクラスの生徒の間で一度だけちょっとした喧嘩があったの。ほとんど向こう側の言いがかりみたいなものだったから何ごともなかったけど、なんか不自然な感じで釈然としなかったんだよね。それでCクラスとDクラスで争いがあったって聞いたから、何か掴めるかもと思ってDクラスの友達に聞いて回ってるときに二人の話が聞こえてきたんだよ。あっ、でもCクラスの皆が悪いってわけじゃないよ? 仲いい子たちもいるから」

 

 一之瀬の話では純粋な興味本位というよりも、自分の中のちょっとした疑問を解消するために事情を聞きに来たことが窺えた。しかし、それを鵜呑みにするはずもない堀北は一刀両断で切り捨てる。

 

「それで話を聞きにきたと言われても、裏があるようにしか思えないわね」

 

「裏って? DクラスとCクラス両方を妨害するみたいな感じの?」

 

 心外だなぁと言いたげな愛想笑いを浮かべた一之瀬。そのやり取りを見ていた綾小路はこのまま堀北と二人だけで事件を捜査していても状況は変わらない可能性が高いと考え、条件付きで彼女に助け舟を出すことを決めた。

 

「堀北、CとDの争いを利用して妨害するメリットがBクラスにはあまりないんじゃないか? 下手に首を突っ込んでかき回した挙句、それがバレてしまえば学校側からペナルティを受けることになる。仮に上手くいったとしても労力に見合った対価が得られるとも思えない。……まぁ、とにかく興味本位みたいなものだろう。大丈夫なはずだ」

 

「私は他人の興味本位に付き合うつもりはないから勝手にすれば」

 

 そう言い捨てた堀北は鞄を肩にかけると教室の出口へと体を向けるが、綾小路に止められる。

 

「まぁ待て堀北。これから事件現場へ行こう。何かあるかもしれないし、須藤の話も目で確認したいからな」

 

 耳打ちされた内容を聞いた堀北は動きを止めたまま黙って綾小路へ視線を寄こした。それを彼女なりの承諾の意と捉えた彼は一之瀬のほうへ振り向く。

 

「一之瀬、俺たちはこれから事件現場へ行く。そこで話をしよう。ただし、話を聞くからにはDクラスへ協力してもらうことが条件になる、と堀北が言っている。それでもいいのか?」

 

「うーん、そうだね、あんまり無茶なことはできないけど、それでもいいなら大丈夫だよ。えーっと……」

 

「綾小路だ。で、こっちが──」

 

「堀北よ」

 

「私は一之瀬。よろしくね、綾小路くんと堀北さん」

 

 こうして、綾小路の提案によって三人は特別棟へ足を運ぶことになった。

 

 

 

 人の気配が感じられない物寂し気な特別棟。須藤が暴行されたという校舎三階の廊下に三人はいた。ここに向かう道中であらかた事情を聞き終えた一之瀬があたりを見回すも特に普段と変わった様子はない。

 

「ここで箕輪くんに酷いことされたんだよね……あの須藤くんが。それって、箕輪くんは手段を選ばない凶暴性とそれを実行できるくらいの暴力性も秘めた危険な人ってことになると思う。Bクラスも気をつけないと……ね」

 

「用心するに越したことはないけれど、箕輪くんについてはあくまで須藤くんの主観的な話を聞いただけだから参考程度にしておいたほうがいいわ。敗北した自分を肯定するために相手を過大評価する行為は別にめずらしいことでもないから。それに、彼は一種のパニック状態に陥ってるようなものよ」

 

 一之瀬と堀北のやり取りを余所(よそ)に綾小路は廊下の端から端まで歩き回り、壁から天井へと隅々まで目をやるが、期待できるようなものは見つからなかった。

 

「残念ながら監視カメラはないな」

 

「当たり前よ。須藤くんに殴られたCクラスの生徒がカメラを意識した発言をしていたのだから、この場所のカメラの存在も当然確認しているに決まってるでしょ」

 

「そんな発言をしてたなんて俺は聞いてないぞ」

 

 打つ手もなく負けが決まっている事を悟っているらしい堀北は全ての行動に積極性が見られない。かくいう綾小路も教室の暴行現場をカメラ映像として記録されている時点でほぼ負けを確信しているし、事情を聞いた一之瀬もかなり難しいと感じていた。残る頼みの綱は佐倉愛理という希望と呼ぶには(はかな)い存在のみ。

 

「今回の件で須藤くんの無実を証明することはできないわ。彼がCクラスの生徒を殴ったことは事実だし、できることと言えば、箕輪くんの暴力を証明して須藤くんへの訴えを取り下げさせることだけよ。まぁ、それもほとんど不可能でしょうけど」

 

「須藤くんが暴力ふるわれたことを訴えてたら、何か違ったのかな? 怪我してるのは見たらわかるし」

 

 純粋な一之瀬の疑問に堀北は疑わし気な表情で肩をすくめる。

 

「どうかしら。普通の学校であれば大怪我している生徒が登校すれば事情の一つでも聞くものよ。でも、この学校は何も聞かない。まるで自分たちで解決しろと言わんばかりにね。期待しないほうがいいわ」

 

 それを最後に会話もなくなり、三人はしばらくの間うろうろとしていたが、得るものはなく時間だけが過ぎていく。

 これ以上時間をかけても無駄になると考えた綾小路は自分が誘ったこともあり、切り上げることを提案する。

 

「限界だな。終わりにしよう」

 

「そうだね。あとはクラスの皆に聞き込みすることと個人的に調査するくらいかな。あんまり協力できることがなくて、ごめんね」

 

「そんなことはないぞ、一之瀬。十分助かる」

 

 言葉では感謝している綾小路ではあるが、この学校で目撃証言がどれだけの意味をもつのか甚だ疑問に思ってもいた。先ほどの堀北の発言を考慮すれば、普通の学校の対応とは程遠いらしく、一之瀬の協力も焼け石に水と言える。

 

「そういえばDクラスの他の子は協力してくれないの?」

 

「……まぁ色々とあってな」

 

 須藤の事情について知っているのは本人から話を聞いた堀北とその彼女から伝え聞いた綾小路だけ。櫛田は佐倉説得の協力者として頼んだ時に綾小路が少しだけ話をしたが、詳しいことまでは説明されていない。そして、須藤が他の人に状況を説明するつもりもなく、Dクラスの生徒たちが須藤の暴力性を目の前で見過ぎていることを考えれば、協力を得るのは難しかった。

 

「そっか……ごめんね、なんか変な事聞いちゃって」

 

「いや、他クラスの一之瀬からすれば当然の疑問だ」

 

「……綾小路くんは優しい人だね」

 

唐突な一之瀬の賞賛に綾小路は少しだけ困惑したような顔を彼女に向ける。

 

「……そうなのか? 自分ではそうは思わないけどな」

 

「余裕のないときに他人を気遣うのってさ、すごく難しいんだよ。Dクラスは今苦しい立場にいるけど、それでも綾小路くんは他人を気遣えるから優しい人だと思う。……それともこの状況でも余裕があったりするのかな?」

 

 一之瀬から問いかけられた綾小路は自分を探っているのかと不審な目を向けたが、彼女の目はただただ純粋な輝きを放っていた。

 

「……いや、余裕がなさすぎて今日の朝何を食べたのか思い出せないほどだ」

 

「あははは、綾小路くんって面白いね。そう思わない、堀北さん?」

 

「そうね。滑稽な存在という意味では面白いと思うわ」

 

 先ほどまで暗くなっていた雰囲気が薄れ、明るさを取り戻していた。

 

「じゃあ、今後も円滑に物事進めたいし、連絡先交換しよっか」

 

 そんな一之瀬の提案に乗り気ではない堀北は視線で綾小路に指示を出す。

 

「俺でよかったら交換しよう。何かあれば対応する」

 

「うん、わかった」

 

 Cクラスから訴えられて2日目。Dクラスの収穫は一之瀬との繋がりのみ。視界の先で広がる霧が晴れることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんでっ……どうして」

 

 (まなじり)から(こぼ)れ落ちる涙を拭いながら、どこかから逃げるように駆けていく少女がいた。

 彼女の名前は白波千尋。Bクラスに所属している1年生だ。ショートカットに整えられている髪型はボーイッシュな印象を与えるも、ワンポイントとなっている髪飾りが可愛らしさを演出している今時の女の子。

 なぜ彼女が目を腫らしながら走っているのか。それは、彼女が好意を寄せる相手に想いを告げ、あえなく断られてしまったからだ。

 白波にとって、その想い人は常にキラキラと眩しい笑顔でクラスの友人たちを明るく照らし、堂々とした振る舞いと溌剌(はつらつ)とした声で皆を勇気づけてくれる憧れの存在。彼女はこの出会いによって人生で初めて知ることになった。

 

 ──鮮烈で抗うことのできない"恋"という感情を

 

 一月(ひとつき)二月(ふたつき)と日々募っていくもどかしくも()せることのない彼女の熱情は今日という告白の日に独りよがりなものでないことをやっと証明できると思った。しかし、現実は非情で冷淡に彼女を心地よい夢から()ましてしまう。

 何を間違ったのか、どこで間違ったのか。白波の頭の中では巻き戻ることのない過去が堂々巡りを続ける。そうして辺りに対して注意散漫となっていた彼女は見知らぬ誰かに勢いよくぶつかってしまった。白波は地面に尻を突きながらも、泣き顔を見られたくないのか、顔を伏せて謝罪の言葉を口にする。

 

「すみません、周りを見てなくて……」

 

 白波はそれだけを告げると足早にこの場を離れようとするが、

 

「見てたぜ。お前の告白」

 

 突然、聞き逃すことのできない言葉を耳にした彼女はぴたりと動きを止めた。そして、緩慢な動きで身体の向きを変えると彼女は恐る恐る少しだけ顔を上げる。そこには肩にまで届きそうな長い茶髪の不良然とした男がいた。

 

「想いは届かず……か。残念だったなぁ」

 

 知った風な口で軽々しく語る相手の一言で白波の表情はかっと険しくなった。

 

「……誰なんですか、あなたは。わざわざ私を馬鹿にするために来たんですか?」

 

「Cクラスの龍園だ。別に馬鹿にしに来たわけじゃねぇ。お前にある提案をしようと思ってな。……一之瀬を手に入れる方法、知りたくないか?」

 

 白波が望んでやまない願いを簡単に口にする龍園。彼女は良い噂を聞かないCクラスに所属している龍園を訝しく思いつつも、心の奥底では芽生えた希望を拭えずにいた。抵抗感と期待感でない交ぜになった彼女の目の奥には欲望に対する執着心が垣間見える。それを読み取った龍園は彼女が期待を裏切らない駒に成りえることを感じていた。

 

「本題に入る前に言っておくが、この提案を受け入れるも、蹴るもお前の自由。そして、この場限りのものだと思え。チャンスはそう都合よく転がってはいないからな。返事は声に出すか、頷くかはっきりしろ。沈黙は肯定とも言うが、この場ではきっちりと意思表示してもらおうか」

 

 睨みつけるように龍園を見ていた白波はわずかに首を縦に振る。

 

「よし、話を戻すぞ。お前が一之瀬を手に入れる唯一の方法、それは……Bクラスを潰して一之瀬を精神的に破壊し、お前に依存させることだ」

 

「ちょっと待ってくださいっ。そんなことできるわけ……」

 

「黙って聞け。お前の無意味な感情論なんてどうでもいい。お前ができるのは提案を受け入れるか、蹴るかの二択だ」

 

 龍園の有無を言わさない圧力を持った言葉に白波は開いていた口を閉じた。

 

「Bクラスのお前に言うのもなんだが、一ノ瀬はBクラスのリーダーのような存在だ。クラスが堕ちていけば当然、奴は相応の責任を感じる。最下位なんてなった日には想像を絶するプレッシャーだろう。まして、あの人の良さそうな性格なら尚更な。

 そんな状況になれば、全体の仲が良好で団結力のあるBクラスといえど余裕が奪われ、雰囲気も悪化し、どこかしらから(ほころ)んでいく。負が負を呼ぶような悪循環が醸成(じょうせい)されていくわけだ。そして、負の連鎖を断ち切るために苦しむことになる一之瀬はリーダーとしてその苦悩を表に出さすことは許されず、クラスを不安にさせないために気丈な振る舞いが要求される。その相反する異常な精神状態が奴を疲弊させ壊していく。そこにお前のつけ入る隙が出てくる。

 人間上手くいかないときは何かに(すが)りたくなるものだ。その時にお前が一之瀬にとってのそんな存在になってやればいい。お膳立ては俺たちCクラスがしてやるよ」

 

 黙って話を聞いていた白波はこわごわと龍園の顔色を窺いながらも言葉を発する。

 

「……少し質問いいですか?」

 

「なんだ?」

 

「Bクラスがそれでも(くじ)けなかったらどうするんですか?」

 

「そうならないように俺がかき回してやるよ。そうだな……一之瀬の醜聞を流すなんてのはどうだ?」

 

「お前っ──」

 

「そんな噂で離れていくような奴ら、一之瀬の傍にいてほしくないだろ? 周りのゴミ掃除と一之瀬の追い込みで一石二鳥だ」

 

 スカートの裾をぎゅっと掴んだ白波は憮然とした表情で質問を再開する。

 

「……CクラスのメリットはBクラスが堕ちていくことですか?」

 

「そうだ。勿論お前にはBクラスを嵌めるために獅子身中(しししんちゅう)の虫として働いてもらうぜ。その対価としての一之瀬だ」

 

 話を聞いていた白波の心の中では良心と疑念の波が揺れ動く。龍園の言っていることには何の根拠も信用性もない。だからといって白波に他の方法が浮かぶわけでもない。できることと言えば潔く諦めることただそれだけ。フラれたままの彼女であれば時間がかかったとしても、全てを諦め、悟り、一之瀬の友人Aとしての現実を受け入れていただろう。

 だが、龍園の話を聞き、ほんの微かな希望を見出(みいだ)した今となっては潔さなど彼女の中から消え去っていた。どんな形でも想いを交わしたいと懇願し、自分の望む未来を渇望してしまう。

 

「何を悩んでるかは知らねぇが、愛のカタチなんて色々だ。依存もその一つに過ぎない。自分の中の良心が許さないというのなら、そのクソみたいな良心とやらがお前に何を与えてくれるのか考えればいい。クラス替えもなく、手が届くことのない相手の気まずそうな愛想笑いを登校するたびに毎日拝むことになる。そして、心の中で癒えることもない()んだ傷口の痛みを抱えながら、三年間の惨めな学校生活を送る。ただそれだけだ」

 

 彼の言葉によって暗い未来を脳裏に思い浮かべた白波は自分の視界が狭くなったことを感じ、焦燥感からか鼓動が早鐘を打つ。

 

「お前の一之瀬を誰かに汚されてもいいのか? こうしている間にも一之瀬を狙ってる男が一歩一歩近づいているかもしれないぞ」

 

 白波は思い出していた。告白の場に到着したとき、一之瀬の隣に一人の男子生徒がいたことを。その(うと)ましい生徒の名前は綾小路。言いようのない不快感が彼女に(まとわ)わりつく。

 

「難しく考えるな。程度の差こそあっても所詮人間のすべての行為は自分自身の(さが)を満たすためのものでしかない。Bクラスの奴らも同じ人間だ。お前が思い悩み苦しんでいるときに心配する素振りは見せるだろうが、内心は結局のところ他人事で自分の欲望に邁進(まいしん)してるんだ。お前が同じことをして何が悪い?」

 

「今のお前の存在なんてのは一之瀬にとっちゃ()みついた汚れみてーなもんだ。何度か洗われるうちに薄くなって最後には記憶の彼方へ消えていく。何も残らない」

 

 龍園が言葉を発するたびに彼女の瞳からは光が失われていき、既にドロリとした闇で(よど)んでいた。

 

「お前、名前は?」

 

「……白波です」

 

 生気が抜け落ちていくかわりに狂気を帯び始めた白波へ龍園は歩み寄る。

 

「一緒にBクラスを潰そうぜ、白波。お前の欲しいものはその先にある」

 

 白波の耳元に顔を寄せ、そう(ささや)いた龍園は悪魔のような笑みを浮かべた。そして、彼女は一歩踏み出す。暗闇の先でわずかに輝く消え入りそうな光を求め、辿りつけるかどうかもわからない落とし穴だらけの旅路へと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜も更け、凛とした静けさが舞い降りた時分。天で瞬く星々と(まば)らな街灯が辺りを照らすも、虫食いのように暗がりが点在している公園に一人の男がいた。さらりとした黒髪で、眼鏡をかけても和らぐことのない鷹のような鋭い目をしたその男は生徒会長を務める3年Aクラスの堀北学(ほりきたまなぶ)だ。文武両道に優れ、歴代の生徒会長で最も優秀と評されるほどの男であり、組織を率いるにふさわしい才覚を持っている。

 彼が深夜の公園にいる理由は日課としている武術の型稽古に励むためだ。今日は生徒会の業務やクラス運営のこともあり、このような時間になっていた。堀北はゆっくりと息を吐きだしながら流れるような動きで技を繰り出していく。一切のブレもなく安定した技と力強く流麗な動作は彼が武術の熟練者であることを窺わせた。もうかれこれ一時間ほどを鍛錬に費やした堀北はそろそろ終わりにするかと考え、近くのベンチへ歩み寄ると腰を下ろし、横に置かれているタオルへと手を伸ばす。

 

「こんな夜更けに鍛錬とはな。生徒会長さんは随分とお忙しいみたいだ」

 

 突如、背後の闇から声が飛んでくる。何が起きても対処できるように視線を声の方へ向けながら、堀北はベンチから立ち上がる。それが合図となったのか、陰の中から二人の男がゆっくりと姿を現した。

 

「1年Cクラスの龍園と箕輪か」

 

 東京都高度育成高等学校には全学年を合わせて400人ほどが在籍しているにもかかわらず、どうやら堀北は学年の違う二人のことを知っているらしい。そのことに少しの疑問を抱いた龍園は堀北へそれとなく水を向ける。

 

「生徒会長に顔を覚えてもらってるとは思いもしなかったぜ。光栄だな」

 

「入学したばかりの1年生が随分と派手なイベントを開催していたからな。生徒会長として中心人物くらいは頭の中に入れている」

 

「その割には参加してもらえなかったみたいだが?」

 

「興味がなかったからな」

 

 和やかとは言い難い会話が飛び交い、ぶつかり合った両者の視線には火花が散っているようにも見えた。

 

「ところで、お前たち二人はこんな時間にここで何をしていた?」

 

「それを答える義務も義理もこっちにはねぇな」

 

 堀北の質問に対し、龍園はおどけるように両手を広げて肩をすくめた。普通の人なら憤りを感じてもおかしくはない彼の振る舞いに堀北は表情を少しも変えることはない。

 

「確かにお前の言う通りだ。だが、目上に対する言葉遣いは改めた方がいい。社会に出てから苦労することになるぞ」

 

「言葉を飾ることに興味はねぇし、悪いが敬う気もないんだ」

 

「敬う、敬わないの問題ではない。敬語というのは他者との距離感を調節できる便利なツールであり、円滑な人間関係を築くためのものだ。社会においては場面に相応しい言葉の使いわけができない者など信用されるはずもない」

 

「求めてないご高説をどうも。ありがたすぎて眠くなっちまったじゃねぇか」

 

 この場を見ている限りでは堀北と龍園、この二人を表す言葉は”水と油”と言っていいだろう。どこまでも平行線で分かり合うことはない。

 

「それは悪いことをしたな」

 

 敬語の(くだり)は単なる皮肉で説得するつもりもない堀北は口元に微かな笑みを浮かべ、龍園の隣に立つ箕輪へと目を向ける。

 

「友人を背負って帰る準備はできているか?」

 

「ふへっ……そりゃどういう意味だ?」

 

「先輩として後輩に教示してやろうと思ってな……相手の了解を得ずとも情報を聞き出す手段と、ひと気のない夜に外を出歩くことの危険性をだ」

 

 そう言い終えた刹那、堀北の身体がブレる。そして次の瞬間、龍園の目には飛んでくる拳が映った。映像を何フレームかすっ飛ばしたように見えたのは人間の目の残像特性を利用した堀北のフェイントによるもの。ただでさえ速い拳が彼の(たく)みな技によって体感速度数倍にもなって龍園へと襲いかかる。

 相手の意識を容易に刈り取る力を内包したその打撃に龍園は動けない。──いや、()()()()()()()()()

 

「ひひ……そいつぁあれか? お前さんが自分の身を犠牲にして教えてくれる優しい先輩って解釈でいいのかぁ?」

 

 堀北の拳が龍園に到達することはなかった。横から無造作に伸ばされた箕輪の手に掴まれ、阻まれる。堀北が腰を落とし力を入れて押し込もうとするが、微動だにしない。まるで頑丈なコンクリートの壁に拳を押しつけているように錯覚させられる。

 

「へへっ、血の気の多い生徒会長さんだ。ボランティアは趣味じゃねぇが、この公園きれーいに掃除しちまうか。目の前にどでかい生ごみもあるみたいだしなぁ」

 

 堀北の拳を掴んだ指へ箕輪はゆっくりと力を加えていく。圧力が強まっていく中、箕輪の目にどす黒い光が宿り頬肉が唇に引き寄せられ不気味に歪む様を見た瞬間、堀北は脳裏によぎってしまう。理に適っていない不自然な膂力によって、自分の拳がグシャリと握り潰されるイメージを。

 

「いでっ」

 

 確証はないが、確信に近い不穏な予感を払拭(ふっしょく)するため、堀北は無意識に掴まれていた手を強引に振り払っていた。人を(あざけ)るような気味の悪い笑みを浮かべたまま箕輪は痛くもない手を大袈裟に(さす)る。

 

「ほへぇ~、つれないなぁ。繋いだ手と手は友好の証なんだぞぉ。そんなことでは社会に出てからやっていけないなぁ、堀北クン」

 

 箕輪は小馬鹿にしたような口調で堀北を煽る。しかし、当の堀北は反応する余裕もなく、何かしら得体の知れない怪物に睨みつけられているような不快感を覚えていた。彼は険しい顔のままに額から流れ出る脂汗を拭いもしないで箕輪の一挙手一投足に注意するように視線をそそぐ。

 両者の間には異常に緊迫した空気が漂っていたが、それをものともしない龍園が箕輪を制するように前へ進み出た

 

「生徒会長さんよぉ、俺らはあんたと事を構えるつもりはない。()()()

 

 龍園の行動と言葉によって堀北は少しだけ警戒を緩める。

 

「今は……か」

 

「そうだ。状況次第によっちゃ変わるぜ。まぁ、今はまだ始まったばかりだ。色々把握してもいないうちに他学年に手を出すつもりはない。ましてや現生徒会長を敵に回すつもりもない」

 

「その割には友好的とは程遠い対面だった気がするがな」

 

「こんなのは挨拶みてぇ―なもんだ。それに、先に手を出してきたのはお前だぜ。このままやり合うっていうなら付き合ってやってもいいがな」

 

 肩に手を当てながら首を回している箕輪へと龍園が目配せをする。その意図を察した堀北。

 

「……いや、やめておこう。この場はどうやら分が悪いらしい。今回のことは自分への(いまし)めとさせてもらおうか」

 

「さすがに生徒会長だけはあるな。下手なプライドで形勢を読み誤ったりはしないようだ」

 

 二人程度なら問題ないと自らの力を過信し、浅慮な行動に出た過ちを認める堀北。常ならば起こり得ない彼の行動はある一年生との邂逅(かいこう)が影響し、相手を試したい衝動に駆られてしまったがゆえに引き起こされたものであった。そして、軽はずみに(やぶ)をつついてみれば、出てきたのは蛇どころか異様な怪物だったのだから笑い話にもならない。堀北はこの苦い経験を己の(かて)とするために心に刻みつけた。

 

「先ほどの敵に回すつもりはないという話だが、それは協力する余地も残されているということだな?」

 

「話による」

 

 顎に手をやりながら考え込んでいた堀北はしばらくして視線を龍園たちのほうへ戻す。

 

「どうやら今年の一年生は面白そうなやつが多いらしい」

 

「その面白そうな奴とやらを参考までにお聞かせ願いたいものだな」

 

「それは自分の目で確かめるといい」

 

 その言葉を最後に堀北は自分の荷物を片付けて背負うと龍園の横を通り過ぎ、夜の闇へと消えていった。

 偶然の堀北生徒会長との遭遇に少しだけ楽しめた龍園は空いたベンチへ歩み寄ると落下するように座り、背もたれに体重をかけながら足を組む。それを見ていた箕輪はからかうような笑みを浮かべた。

 

「くくっ、ここで何してたのか……誰にも言えんわなぁ。こんな時間に俺と喧嘩の特訓してたなんて」

 

「特訓じゃねぇ。お前のにやけ面に一発ぶち込まないと気が済まないだけだ」

 

「龍園クン、そりゃ無理だ。あの生徒会長のレベルでも君だけだったらやばかったんだぞぉ。いい加減諦めてくれないかねぇ」

 

「……ちっ、考えておいてやるよ」

 

 箕輪の指摘を龍園はよく理解していた。もし、生徒会長と龍園が一対一で闘り合えば間違いなく負けていただろう。しかし、理解できることと納得できることは別の問題。龍園は機嫌を損ねた表情を隠してはいなかった。

 

「ところで、Bクラスの手駒はしっかり機能するのかい?」

 

「白波のことか。メールのやり取りが残ってるから今更辞めますなんてのは受け付けない。まぁ、こんな閉鎖的な学校で同性に告白するリスクを冒すような奴だから、その心配もいらないと思うがな。俺が期待した通りだったよ」

 

「一之瀬とかいう小娘を見張ってた甲斐があったってわけだ」

 

「ああ。携帯に友人同士で位置情報を閲覧できるサービスがあったから、それを利用して探らせていた。弱みを握るためにな。今回はそれが功を奏した形だ。だが、もうそろそろ使えなくなる。一之瀬が何やら嗅ぎまわってるようだからな。Cクラスがどういうクラスなのか調べていくうちに理解するだろうぜ」

 

 白波をBクラスのスパイにさせるために彼女と交渉した龍園だが、勿論約束なんて守る気は毛頭ない。利用するだけ利用した後に捨てるただの都合のいい駒。二人の立場の差を利用した奴隷契約であった。

 

「Aクラスは?」

 

「あそこは何やら対立してるようだから放置だ。下手に手を出して団結されたら馬鹿みたいだろ? しかるべき状況のときに仕掛ける」

 

 多少の疲れを感じた龍園はベンチの背もたれに頭をあずけ、重くなった(まぶた)をゆっくりと下ろす。彼の瞼の裏で広がるのは夜よりも深い漆黒の世界。その閉ざされた闇の中で端無(はしな)くも過去にあったある出来事がぼんやりと浮かんできた。そして、それが偶然にもある人物と結びついしまったことに彼自身驚き、嫌でも意識を覚醒させてしまう。目を見開いた龍園は内心を悟られないように一度深い呼吸をして気持ちを落ち着かせてから箕輪へ問いかける。

 

「なぁお前、宝泉和臣(ほうせんかずおみ)って奴を知ってるか?」

 

「……さぁーてな。突然どうした、龍園クン」

 

「そいつは俺とは違う地元なんだが、それでもその悪名高さは俺の耳にも入ってくるような生粋(きっすい)の不良だ。頭のネジのぶっ飛び具合と恵まれた大柄な体格で振るう暴力は負けなしだったみたいだぜ。……まぁ、それも()()()が訪れるまでの話でしかないがな」

 

 箕輪の一挙一動を見逃さないために観察する態勢をとった龍園は語り始める。

 

 その日、宝泉は十人ほどの不良たちに呼び出された。その不良たちはいずれも自身の地元では札付きとして有名で共通することは宝泉を目の敵にしていること。舞台となる場所は地元では誰も寄り付かない不良のたまり場となっている廃工場が連なった跡地で、宝泉は十人という数に怯むことはなく寧ろ嬉々としてその誘いに応じる。

 そうして喧嘩するために一つの場所に集まった不良たちが各々(おのおの)武器をちらつかせ、緊迫した状況を展開していたまさにそのとき、一人の男が現れた。その男は無精ひげを生やし、不快な笑みを浮かべ、不良たちが(たむろ)するほうへ躊躇(ちゅうちょ)することなく一直線に向かっていく。そんな馬鹿にしたような男の行動を許すはずもない不良たちは喧嘩に関係のない部外者を排除するために手荒な手段で襲いかかった。

 普通なら何もできずに場数を踏んできた不良たちによって大怪我を負わされる場面だっただろうが、結果は違った。なぜなら、その男が人間の想像の域を遥かに凌駕する暴力を有していたからだ。鎧袖一触(がいしゅういっしょく)で為すすべもなく蹂躙される不良たちはただ祈るしかなかった。天災が過ぎ去ることを。そして、その暴虐の嵐が吹き荒れた後には血塗(ちまみれ)れの非行少年たちが力なく地に打ち捨てられていた。もちろん、その中には宝泉も含まれていて、数か所骨折する重傷を負わされ入院生活を余儀なくされる。

 色々と悪さを働いていた不良たちは痛い腹を探られたくないので警察沙汰にはできない。そのうえ武器を使っても歯が立たなかった相手の万夫不当(ばんぷふとう)といえる異常な暴力に彼らの心が折れてしまう。退院後には宝泉を除いた全員が自分たちのやっていることに馬鹿らしさを覚えて不良を辞めてしまった。残る宝泉はというと自分が手も足も出なかった相手に異常な執着を見せ、現在も復讐のために血眼になって情報を探っているらしい。

 

 一通り話を終えた龍園だが、箕輪の様子は変わることなく笑みを浮かべたまま。こうして話を続けていても膠着状態を脱することはできないと判断した龍園は彼へ直接問うことを決めた。

 

「……しっかし、宝泉も運が悪い。なんせ今お目当ての人物は三年間外部と遮断された特殊な学校にいるんだからな」

 

 ベンチから立ち上がった龍園は箕輪の傍へと近づいていく。

 

「そうだろ、箕輪? さっき偶々(たまたま)思い出してたんだが、どう考えてもお前のことだったからな。驚いたぜ」

 

「ひっ……ひひっ、中々面白い話だったぜぇ、龍園クン」

 

 両手をポケットに突っ込んだ箕輪は龍園の横を通り過ぎると寮に向かって歩き始めた。龍園はそれを黙って見送る。

 

「そういやぁ、龍園クン」

 

 そう呟いた箕輪は立ち止まると、背中越しに顔だけを向ける。

 

夜道には気をつけた方がいい。いけすかねぇ生徒会長みたいな野郎がいるかもしれねぇからなぁ

 

 

【挿絵表示】

 

 

 いつもの揶揄(からか)いの調子が失せた箕輪の重々しく低い声はDNAレベルで刻まれた動物の本能的な恐怖を呼び覚ます肉食獣の唸り声を彷彿(ほうふつ)とさせた。そして、血を凍らせ身を(えぐ)るような容赦のない殺意を含んだ眼光は驚くほど静かで、彼が状況次第で凶暴な獣に変貌(へんぼう)しうることを容易に理解させた。箕輪によって(もたら)された凶悪な(かいな)の記憶が一瞬で龍園の頭の中を駆け巡り、思わず彼は首元に手をあてる。その無意識な自分の行動に驚きつつも羞恥を感じた龍園は笑った。そう、自分自身を(わら)うしかなかった。

 

「フッ、そのセリフ……俺にはお前が襲いかかってくるようにしか聞こえなかったんだが?」

 

「ひひっ、俺は心配してるだけだぜぇ」

 

 単純に龍園を心配したのか、それとも過去を詮索するなと警告しているのか。どちらとも取れるような言い回しであったが、龍園は後者だと確信している。

 彼の様子に満足気な箕輪はそのまま幽闇(ゆうあん)に溶け込むように消えていった。

 

「……クク、情けねぇな。一度染みついた恐怖ってのは簡単には拭えねぇらしい」

 

 震える手を抑えるためにもう片方の手で掴みながら、自嘲のような薄笑いを浮かべた龍園は自らを落ち着かせるために再び近くのベンチへと腰を下ろす。背もたれに力なく身を委ねた彼が空を見上げると、星々の光が瞬く光景が視界の端から端まで広がっていた。

 自分のちっぽけさを肌で感じ、いくらかの平静さを取り戻した龍園は箕輪について考える。自分と同じ年齢とは思えないような威圧感と得も言われぬ不気味さ。異常な身体能力が生み出す圧倒的な暴力とそれを使いこなすことができるだけの胆力。いったいどういう修羅場を潜り抜けてくれば身につくのか到底理解できない。仮に龍園と同じような不良であるなら、名が知られていないことが不自然だった。そして、箕輪がただの一般人というのはあり得ない。

 しばらく考え込んでいた龍園だが、満足できるような結論が出せるはずもなく、結んでいた口を開いて、ひとつ大きな息を吐いた。

 

「お前は何者なんだ……箕輪」

 

 ぽつりと(こぼ)した呟きとともに顔を伏せる龍園。彼の頭上では冴えざえとした瑠璃(るり)色を帯びた一条の光が尾をたなびかせ、黒い空の向こうを駆け抜けていった。




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