キーブレード使い――。
俺がその力に目覚めたとき、同時にユニオンという組織に入った。
この世界では五つのユニオン、ウニコルニス、アングイス、レオパルドス、ウルペウス、ウルススに別れてそれぞれ闇、ハートレスを打ち払い、光を回収している。
イラ様、インヴィ様、グウラ様、アヴァ様、アセッド様。ユニオンにはそれぞれマスターがいて、それぞれのやり方でユニオンを統治している。正直ユニオンなんてなんでもいいなとか思っていたが、今になって少し迷っている。イラ様はかっこいいし、アヴァ様はめっちゃかわいいし。そんなこんなで結局イラ様率いるウニコルニスに入ることにした。
とある日、自分に与えられた任務をこなし、いつも通り帰りがてらにデイブレイクタウンの噴水広場でのんびりしていた。そこで目の前にいきなりゲートが開いた。
「ちょっとステラ、またこんなとこにいた。報告には行ったの?」
中から女の子、ルナが出てきた。ルナとは同じ日に目覚め、同じユニオンに入った。いわゆる同級生的ななんかだ。たまにコンビで任務に行ったりもする。
「まだ行ってないよ。別にいいだろちょっとくらいのんびりしたってさ」
「別にダメとは言ってないけど、さっさと行きなさいよ」
そう言いながらルナが俺の隣に座る。
「へいへい」
ぶっきらぼうに返事をする。
ルナは優秀で真面目な性格だった。それに比べて俺は実力はあるけど不真面目。性格に関しては真反対だ。それ故に互いに興味があるのか、ルナとはすぐ仲良くなった。
「今日の任務はどうだったの?」
「アグラバーになんか中型ハートレスが出たらしくて、その偵察、出来たら倒せって任務。まあ簡単に倒せたな」
「ふーん、さすがだねぇ」
「そっちは?」
そんなたわいもない話を俺らは毎日していた。そこへもう一人、いや一匹か?
「そろそろ報告にかないとだめだよぉ」
キーブレード使いに目覚めたものには一人一匹チリシィがお供として与えられる。まあお目付け役的なものだ。
「おっと、じゃあ行かないとな。じゃあな、ルナ」
「うん、じゃあねまたあした」
次の日、イラ様に噴水広場に来いと呼び出しをくらった。俺なんかやらかしたっけ。とか思いながら向かったが特にそういうわけでもないらしい。
「例の中型ハートレスを倒してくれたようだな。それも単騎で。感謝するよ、ステラ」
「あ、ありがとうございます」
そんなことを褒めるためにわざわざ時間を割いて呼んでくださったのか? それともほかに何か用があるのだろうか。
「君の実力は確かだ、ほかのキーブレード使いより格段に強い。そこで君に頼みがある」
やっぱりそういう感じか、頼みってなんだろうか。大型ハートレスか?
「アレンデールのノースマウンテンにある人型のなにかが出現したようだ。ハートレスとは違う気がするがなにか禍々しいものを感じる。それを確認、出来れば討伐してきて欲しい。頼めるか?」
アレンデールに正体不明のなにか、か。興味はあるな。
「分かりました。偵察、あわよくば討伐してきます」
「ああ、頼んだ」
「うう、さぶ。アレンデールって雪すごすぎて寒いんだよなぁ。コート持ってくればよかったな」
ノースマウンテンに出た正体不明のなにか。少し嫌な予感がするが任務は任務、しっかりこなそう。
俺はそのままノースマウンテンに入り、しばらく黒い何かというやらを探していたが、なかなか見つからない。
「どこだー? 吹雪になるとほんとに寒すぎて死んじゃうから早く帰りたいんだけど」
そんな文句をボヤきながら探していると、なにかが見えた。伝えられていた通りの、黒い何か。
「あれは、なんだ? 人? いや、人じゃないな。一体なんだ」
少し黒い何かを観察していると――。
「あれぇ、思ったより早くバレちゃったんだねぇ。嬉しいよぉきてくれて」
突然背後から声がした。それも聞き覚えのある声だ。
振り返ると、そこには色は違うが見覚えのある姿があった。
「チリ…シィ? いや違う、なんだお前は」
「酷いなぁ、僕は間違いなくチリシィだよぉ。まあみんなとはちょっと違ってナイトメアの方だけどね」
「ナイトメア……?」
何の話か全く分からない。だがどこか闇を感じる。
「耳を貸さないで」
その声と一緒に俺のチリシィが出てきた。
「君は一体何者なんだ?」
明らかに色が違うが、見た目は瓜二つ。黒っぽいチリシィと白いチリシィ。イラ様になにか聞いたことあるような……。考えていると黒い方のチリシィが話し始めた。
「まあまあ、ちょっと話そうよ。僕から君に話すことがあるんだ」
黒いチリシィは俺たちの意思に関係なく、勝手に話し始めた。
「ある時から、君たちはストレングスバンクルを使ってこの世の''罪''を集め始めた」
そういえば、いつかにもらったなバングル。確か……闇をうち払えばさらに強くなれるよってチリシィがそれぞれのキーブレード使いに与えたんだっけ。
「罪という闇を力に変え始めたんだ」
罪? どういう事だ。
「君たちはギルトとその名を置き変えて闇の力を使っていたんだよ」
「そ、そんなはずない……!」
チリシィの顔色が悪くなっている。
「大丈夫、これも僕らを作ったマスターの意思、それはわかるでしょ?」
「違う、あのバングルは罪を集めて光へと浄化させるために……」
「じゃあ僕のこの姿はどう説明する? 何故僕は生まれたの? マスターは、そんなことも予測できてなかったの?」
「……っ」
よく分からないが、俺は知らない間に闇の力を利用していたのか? だとしたら、マスターはなにを考えて俺にこれを渡したんだ。
「ここまで言えば、僕が何者なのかわかったよね? そう、僕は君の闇から生まれた存在」
「嘘だ!」
「ここまで話して嘘をついてもしょうがないだろう? あ、でもそこのチリシィと違って君のそばにずっといるわけでもないし、僕は僕の意思で行動する。まあ、色々知ることができたご褒美に……」
黒いチリシィが合図すると、さっき見つけた黒い人型のなにかが襲ってきた。俺は咄嗟にキーブレードを出現させ攻撃を防ぐ。新型だけど攻撃は軽い。
俺は軽々と一撃を入れる。すると黒いなにかは後ろに下がる。
いける……!
「うーんやっぱりまだ早かったかなぁ。」
「? どういう意味だ!」
「さあ、まあ頑張ってね。じゃねー」
そういうと黒いチリシィはどっかへ去ってしまった。
「クソっ、結局よくわかんないままかよ。とりあえずこいつ倒さねぇと」
攻撃は軽いがタフだな。全然倒せない。
「しょうがない。あれを使うか。くらえ……!」
〝ラグナロク〟
キーブレードの剣先から無数の玉が出てきて、黒い何かを襲った。黒い何かは動かなくなり、やがて消滅した。
「ふう、これ威力は高いけど、隙もでかいからあんまり使いたくないんだよな。まっ、とりあえず報告しに帰るか」
初投稿だからみんな優しくしてね(´›ω‹`)フエエ…
次回もお楽しみに!