短時間で二話も投稿しちゃってるから、多分少しずつ誤字報告も来るかもしれないので初投稿です()
休み明けの任務でいきなりの大型ハートレス。全身真っ黒で胸にハートマークの貫通穴。こいつは、ダークサイドか。前に一度だけ戦ったことがある。その時はあまり強くないと感じたが、どうやら今回は違うらしい。ピリピリとプレッシャーが肌を鋭利に撫でる。前とは威圧感が桁違いだ。
攻撃が来る。右手を振り上げたな、パンチ攻撃か。前と同じならただのパンチ攻撃だったが、拳にエネルギーが溜まっている。ちょっと距離を取るか。
ダークサイドの振りかぶった拳が自分目掛けて、ではなく地面に向かって放たれる。地面に拳を打つのと同時に溜められていたエネルギーが放出され、辺りに衝撃波が走り抜ける。
「チッ……! あのエネルギーは衝撃波攻撃か……!」
しかも、それだけじゃない。
ダークサイドが殴った地面を中心に闇が広がり、小型ハートレスのシャドウが出てくる。単体であればかなり弱いが、数が多ければ話は別だ。
「クソっ! 量が多すぎる……!」
全部で二十体ほどはいる。恐らくラグナロクじゃあ倒しきれない。仮に倒せたとしても、その後の隙にダークサイドにやられてしまう。
どうする、今練習している未完成の技が上手く決まれば何とかなるかもしれないが。いや、迷ってる場合じゃない、必ず成功させる。
体の捻れによって生まれる力を利用した超広範囲技……!
いくぞっ!
「光よ!」
〝ホーリーライズ〟
掛け声と共に体を勢いよく回転させ、力を放出させる。俺を中心に光の輪が生まれ、天へと昇る光芒が数多のシャドウを消滅させる。この技の利点は高威力、広範囲攻撃で、ハートレス消滅時にエネルギーを発生させ自身を小回復させる大技。だが反対に使いにくい点として、溜めるのに時間がかかりすぎることが挙げられる。今回は相手が雑魚で、溜め時に発生した僅かな光に怯んでくれたから成功した。
「よし! なんとか上手くいった!」
雑魚シャドウが大方消滅したのを確認して、ダークサイドを見据える。ダークサイドの気配からして、恐らく装甲はかなり硬いだろうな。
「それなら、前に出来たあの技で決める!」
俺はその辺の壁を足で力いっぱい蹴る。弾かれたように体は前に、瞬く間にダークサイドとの距離が詰まる。
〝光一閃〟
ダークサイドを光のような速さで貫き、倒すことが出来た。と、俺は思っていた。
俺が貫いた場所は急所を少し外して、ダークサイドはすぐに立ち上がり既に攻撃態勢に入っていた。
「っ、まずい……! 技を短時間で二つも使ったから、反動で体が……」
ホーリーライズも光一閃も大技であるが故に、連続して使った反動は割とでかい。ダークサイドの攻撃を避けようにも、俺の体は金縛りにあったかのように動かないでいた。
クソっ、ここまでか……!
「守りよ!」
〝リフレク〟
凛とした声が突然響いた。何らかの力で俺に向けられたダークサイドの攻撃が跳ね返させる。
「雷よ!」
〝サンダガン〟
再び声が響いたと思うと、雷鳴が轟く。霆が空気を裂き、ダークサイドを穿ち抜いた。
「い、一体なにが……?」
「大丈夫? 危機一髪だったね、ステラ」
振り返ると、そこには肩で息をしているルナの姿があった。
「まったく、またこんなボロボロになって。今治すから」
呆れながらルナは俺に向けてキーブレードを掲げる。
「癒しを」
〝ケアル〟
「あ、ありがとう。助かったよルナ」
「無理しすぎ。ダークサイド、私も戦ったことあるけど、あれ亜種でしょ。普通のよりもかなり強いって噂の」
「え、なにそれしらないわ」
「イラ様からチリシィ通して連絡来てたはずだけどな」
「すいません……。そういえばさっきの魔法すごい威力だったけど」
「ああ、あれは防御魔法と強化魔法。強くなるために密かに練習してたんだよねぇ」
「そうだったのか。とりあえず助かったよ」
ルナは軽くため息をついてから、避難させた住民の元に一緒に向かった。
住民たちに魔物を倒したことを報告すると、物凄く感謝され、この街のアイス屋さんをやっているおばあさんからお礼にあるアイスをもらった。
「それじゃあアイス貰ったし、食べてから帰りましょ」
「そうだな」
俺とルナはアイスを食べに時計に向かった。
時計塔の下に着いたあたりでルナが口を開く。
「ここの時計台って、ただの時計台じゃなくて上に登れるやつらしいんだよね」
「へぇ、でも登ってどうするんだ? 外には出れないだろ?」
「実は、この街の私たちと同じくらいの子から聞いたんだよね。本来はダメだけど、外に出れる場所。そこから見える景色がすごい綺麗なんだって」
そうこう説明を聞いてるうちに、上にたどり着いた。だが、辺りをどう見ても外に出れる場所はない。
「どこから出るんだこれ」
「まあちょっと待ってなって。聞いた話によれば多分この辺の壁を……」
ルナが手探りに壁の木の板を押していると、突然壁が扉のように開き、外への道が現れた。
「おお、すげぇ。まるでからくり屋敷だな」
「さ、早く出てアイス食べよ」
ルナについて行き、出た先はオレンジ色に染まる世界。時計台の上から見える夕日とその色に染った空とトワイライトタウンはとても幻想的だった。
「すごい綺麗だな」
「ほんとに、すごくいい景色」
景色に見とれていたルナは我に返ったかのように続ける。
「その辺に座って食べよう。危ないからほんとはだめだけど、せっかくだからね」
時計台の辺に座り、俺とルナは一口齧り、同じ言葉を口にする。
「「しょっぱい、でも甘い」」
ルナと互いに顔を見合わせながらクスッと笑う。しょっぱくて甘い、でも美味しいアイス。恐らく生まれて初めて食べた味で、ここ以外ではこの味は味わえない気がする。
「このアイスなんて名前なんだ?」
「えーと、たしかシーソルトアイスって言ってたかな。あ、あと当たりが出たらもう一本って言ってた」
「当たり?」
当たりかぁ、多分あんまり当たらないだろうなぁ。とか言ってたら当たったりして。
「あ、当たった」
「えぇ!?」
まさかのルナが当たった。そして俺はと言うと、ハズレ。コントかよ。
「当たり出たならまた貰いに行くか?」
「いや、しばらくとっておくよ。それじゃあ帰ろうか」
「そうだな」
そう言ってゲートを開き、二人でデイブレイクタウンにもどる。
報告は戻ってからチリシィに頼んでイラ様にしてもらった。
「……以上が報告になります。」
「そうか。ご苦労だったなチリシィ」
「いえいえ、ステラたちもすごく強くなってて、僕も誇らしいです!」
「そうだな、私としても我がユニオンのキーブレード使いの代表と言ってもいいくらいだ。……今我がユニオンで一番の実力者はステラとルナだ。近いうちに大きな任務を任せるかもしれないから、そのうち私が稽古をつける。ステラとルナのチリシィにそう伝えてくれるか」
「分かりました、それじゃあ失礼します」
チリシィにイラ様からの伝言を聞いた。
「大きな任務ってなんだろうな。しかもイラ様直々の稽古だなんて。珍しすぎるな」
「まあたしかに、ちょっと気になるね。でも稽古してくれるなら、その機会無駄にする訳にはいかないよね。頑張らなきゃ」
ルナはとてもやる気があった。俺もイラ様直々の稽古となれば、やる気を出さないわけにはいかない、大きな任務に向けても。
大きな任務。これによって二人の運命が大きく変わることを、俺たちはまだ知る由もなかった。
はい、どうだったかな
戦闘描写って難しすぎて、結構下手な文章かもしれないけど頑張ったよ。このシリーズもあと二話ほどで完結です。
完結だけど、話自体はまだまだ続くよ。きっと