更識さんとの特訓が終わり、僕の戦闘スタイルの方も安定してきた。翌日には入試──と、言っても、入学は確定しているのだが──が控えている。
もうすぐ、親友に会える。
その感動が僕の心の大半以上を占めていた。
試験なんてどうとでもなる。更識さんや、亀田さんとの猛特訓のおかげで試験のハードルは越えれる実力は身に付けているらしい。
ベッドに転がると、自身の胸元にあるロザリオが視界に入る。
これが、守るための力。僕にとってあの最悪の未来を回避するために打った手のなかで最大の切り札。
『──君は彼にとっても執着してるように見えるけれど…それはどうしてなのかしら?』
更識さんが放った言葉が頭のなかで再生される。
何故かと聞かれると、親友だから、としか答えられない。
いや、違う。僕にとって彼と言う存在は運命のようなもので、漠然と守らなければならないものとして刻み込まれているような、そんな感覚。
勿論それだけではない。彼の何もかもを導き、彼の苦難を彼の望むように救う。
それが、彼の望む"僕"であると思うのだ。
僕と彼との出会いは本当に唐突なものだったが、いつの日だったか何てコトは、すぐに思い出せる。
君と初めて出会ったのは小学生の頃だ。
クラスが一緒になったわけでは無いし、それ以前から何か関わりがあったわけでもない。見ることも、触れることもできなかった。
けれど、僕は運命に出会った。そう感じたんだ。
きっかけは、そう。君がイジメの現場を見つけたとき、だったよね。
あの時は凄かったよ。尋常ではないくらい怒ってたもん。
けど、そうだね。あの時だ。
僕と君が出会ったのも、二度と君との差を埋められないと感じたのもあの時。
僕は見ていることしか出来なかった、いや、助けようとなんてこれっぽっちも思わなかった!いくら罵詈雑言を吐かれていても、連中が手を上げようとした時も!僕は何もしなかった。
だけど、君は違ったね。
『──何やってんだ、お前ら!』
知り合いだったから、何てコトはどうでもよかったのだろう。目の前に困っている人が居たら、すぐに助けようと飛び込むのが君だ。
そういえば、こんなこともあったかな。
通学前に人助けをしていたね。
クラスの中では皆のため、と言ってひたすら雑務を引き受けていたり、中学生活の最大の楽しみとでも言える部活さえ捧げて姉さんが帰ってきたときのために、料理だったり、洗濯だったり、姉に出来ないことを自分が引き受けて楽をさせてあげようとしていたね。
そんな君のことを、生き方を、その綺麗すぎて反吐が出そうなそんな心を、
美しいと、思ったんだ。