「あのモモンガ様…もしかして」
アルベトの羽で顔を叩かれながら何とか押し戻し、はふぅと息を吐いた後マーレがチラチラとレギオンの方を見ながらモモンガに問い掛ける。
「あぁそうか、お前達はあの姿のレギオンさんを知らないのか」
視線をセバスとレギオンに移す、ゆっくりと降ろされ此方にテテテと駆け寄る姿を見ながら言う。
「一応この身体には『ケモケモ』と言う名前があるのだがね、まぁ良いか…さて守護者諸君久しぶりと言うべきかな?いや…ただいまかな、それに長らくナザリックを留守にしてモモンガさんを一人にさせて皆に寂しい思いをさせてごめん…もし私や他の人達を恨んでいるなら気が済むまで私を好きに嬲ると良い」
『ちょっ…何言ってるんですか⁉︎もし本当に恨んでてたりしたら…!』
『その時はその時です』
さて…とケモケモが言えばこの場に集まった守護者全員が跪く、そして彼女はニコリと笑いながら両手を広げ無抵抗を示す、それに慌てながらすかさずモモンガが伝言を飛ばすが彼女は引かない。
ずっとモモンガを一人ぼっちにしてたのにノコノコと現れるのは、シモベであろうと許せないだろう…それなら償いとして犠牲になるのが良いだろう。
だがその言葉を聞いた守護者全員が涙を流す、至高の四十一人の一人である彼女がシモベである自分達に対して何たる寛大で慈悲のあるお言葉なのだろう!そしてそれ以上に彼女にその様な事を言わせた自分達が憎い!ましてや恨む等と!もしその様な恥晒しを見付ければすぐ様に斬り捨てると静かな怒気を放ちながら考えた。
「どうやら居ないらしいな我が友よ」
「如何やらまた皆と過ごす事が出来るようだね、じゃあ寛大なる君達に答え私は此処で宣言しよう!ナザリックこそ私の居場所であり我が家である…そして私は二度と君達を見捨てない事を誓おう!」
ケモケモは慈愛のある笑みを浮かべながら声高らかに宣言した、まるで此処こそが自分のいる場所だと言うように。
その問いにモモンガは歓喜した、彼女は現実世界ではぶくぶく茶釜さんと同じく有名な声優であり、自分とは違いリアルでも居場所がある人だ…きっと帰りたがる筈だと…だがそんな気持ちや考えは一瞬にして消え去った。
「……では忠誠の儀を始めようか」
第九階層の通路…其処では項垂れているモモンガを心底可笑しそうにケモケモが笑っていた。
「それにしても『賢明な判断力と、瞬時に実行される行動力も有された方。まさに端倪すべからざる』ね……んふふ、今のモモンガ君をデミウルゴスが見たらどう反応するか気になるね」
「うぐ……それだけはやめて下さいよ?ケモケモさんだって凄かったじゃないですか!」
「あぁ確か『人間の守護者から
「アイツら…ガチですよ」
モモンガの悲壮感のある嘆きにケモケモはポンポンと膝を叩く。
「頑張るしかないようだね…」
「ですねー……それとさっきみたいな危ない事しないで下さいよ?ケモケモさんは大切な人なんですから…」
「…ッ!んふふふ、そうかそうか!君にとって私は大切な人か!」
「……あっいえそれは…その」
「分かってるともモモンガ君、でもまぁ此処からは新たな人生みたいなものではないじゃないか?それなら少しは前に出来なかった事や楽しい事をした方が良いじゃないか」
恐らく何か勘違いしたのだろうと慌てて弁解しようとするが、そう言われ「そろそろ要塞院に行かなきゃ」と言いその場から去って行った。
その後ろ姿を見ながらモモンガは今日一番の溜息を吐き項垂れた。