戦闘者は死の超越者と共に   作:プリン製造工場

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今回は独自設定と40K用語が多めです。


第六話

「まさか異種族(ゼノ)風情が我等の車輌に乗るとはな」

 

「ナンダト?貴様ノ言葉、私ヲ創造シテ下サッタ武人建御雷様…ヒイテハナザリック全テヘノ侮辱ト知ルガイイ!」

 

移動中に聞こえた蔑む声にコキュートスの身体から凄まじい冷気と怒気を放ちながら声の主を見下ろす様に睨み付ける、対する戦闘者は喉を震わせながら笑う、兵団の主力となる戦闘者のレベルは60台でコキュートスとは40もの差があり普通はこうも笑う事は出来ないが、彼等は恐れを知らぬ者故だから出来るのだろう。

 

「レギオン様ノ配下デアリナガラ実力差ガ分カラヌトハナ」

 

「実力差があれば無様に頭を下げろと?弱者の考えだな」

 

「イウデハナイカ…!」

 

「貴様らの下らない言い争いで陛下の名誉を傷付けるつもりか?」

 

一触即発の二人を制したのはオナーガードを率いる隊長だった、止めなければあのまま決闘になっていたかも知れなかった、それはレギオンの名誉に関わるからだろうと考える。

 

オナーガードは洞察力や判断力そして指揮能力は各兵団の中隊長又は各階級守護者に匹敵する程でもあり、寡黙で厳粛な人物で構成されている…それ故に滅多に口を開かない、軽はずみに口を開く事は司令官の尊厳と権威を傷つける危険性があるからだ、その為彼等は尊厳の守り手(オナーガード)と呼ばれている。

 

「隊長の言う通りだ、戯れはやめろ…気分を害させてすまなかった」

 

「イエ、一度カノ大戦(ホルスの大逆)デカレラト共闘シタ事ガアリマス…彼等ハ皮肉屋ナノハ知ッテイマシタ」

 

ホルスの大逆とはウォーハンマー40Kの作品でも非常に重要な出来事で、人類の皇帝が銀河中に散在する百万もの人類惑星を帝国(インペリウム)の元に統合する、人類史で最も偉大な伝説的な征戦…大征戦(グレート・クルセイド)の最中に混沌の悪魔(ディーモン)の誘惑に負け堕落した18人の総主長(プライマーク)と兵団の内、9兵団がホルスと呼ばれるもっとも偉大な総主長に率いられ帝国を二分した反乱である、反乱の結末は首謀者であるホルスは皇帝により魂を消滅させられ死亡し残党は恐怖の目(アイ・オヴ・テラー)と呼ばれる領域に退却していった。だが皇帝も帝国も無事では済まず超古代機械〈黄金の玉座〉と言う生命維持装置に接続され植物状態となりその後の帝国は偉大な指導者を失いかつての栄光ある姿が見る影も無いほどに落ちぶれた。

 

そして、ユグドラシル内でホルスの大逆を再現しようと発案したプレイヤーにより同じ事が起こった…異業種プレイヤーを引き連れたホルス達と人間種を味方に付けた皇帝達でユグドラシル全てのワールドを巻き込んだ前代未聞の大戦争が起こったのだ。

 

この戦争に両陣営共に多数のプレイヤーやギルド…2ch連合の残党で結成された5ch連合、トリニティ、セラフィム、ヤルダバオート、メカニト、グァァァグ!連合そしてアインズ・ウール・ゴウン等の数多のギルド等が参加し凄まじい戦争があちこちで巻き起こりそれが実に一週間にも及び、結末は原作と同じく両陣営のギルド長の相討ちで幕を閉じた。

 

その戦いにコキュートス、アルベド、シャルティア、セバス等も参加していた事を思い出す…特にコキュートスとセバスは武人建御雷とたっち・みーが最前線で戦っていた為、護衛として連れていった事を思い出す。

 

「あの戦いに居たんだったな…とは言え私達の皮肉は少々きつかった様だな」

 

レギオンの言葉に車内の戦闘者達が笑う。

 

「だがその純粋さ、そして先程の怒りは素晴らしい… 第12兵団(ワールドイーター)とアングロさんを思い出す……その怒りを忘れるなコキュートス」

 

「ハッ!コノコキュートス、決シテ忘レマセン」

 

「閣下、コキュートス殿到着しました」

 

戦闘者の呼びかけと共にマストドンの後部ハッチが開かれ、騒々しい足音を立てながら続々と降り、整列して行く。

 

レギオンはオナーガードとコキュートスを引き連れ外に出る。

 

「オォ…!」

 

コキュートスが驚きの声を上げる、視線の先には凄まじい数の戦闘者達が整列していた彼等の中にはアルファ・レギオンだけではなく、第16、3、4、8、12、14、15、17兵団の姿と自分の所属兵団の旗を掲げ、彼等の先には一目見れば他プレイヤーが作った拠点と見間違える程の荘厳な佇まいかつ非常に強固な要塞…戦闘者の拠点として知られる要塞院が姿を見せる。

 

 

ーーー

 

 

「ニグン隊長…偽装部隊が行動を開始しました」

 

「そうか」

 

草原に統一された装備をした45名程の特殊部隊員が油断なく進軍している。部下の言葉に隊長は小さく頷いた、彼の装備している鎧は戦闘者が身に付けている機動装甲服(パワーアーマ)と非常に酷似している鎧を装着しているが、彼等とは違い常人にも使用できるタイプを使用している。

 

この装備はスレイン法国の前身の国…神たる六大神とは違う神々である、四人の戦神(カルテット・オブ・ウォーロード)達が作り上げた人間の為の国『第二帝国(セカンド・エンパイア)』が残した数多な遺産の一つでもある。

 

「しかし上手くいくのでしょうか?」

 

「ガゼフ・ストロノーフとランポッサⅢ世殿は優秀な人物だ……それに死骸に近い王国の現状だ、我等の言葉は聞くしかないだろう。」

 

そう言いながら王国の現状を思い出す、腐敗にカルト宗教が蔓延している…特にカルト関係は酷く、貴族にも蔓延している程だ。

 

その様な現状の為、法国は一度王国を滅ぼし真に人類の守護者を生み出す国にしようと計画している。

 

この計画も王国の英雄たるガゼフ・ストロノーフを誘き出し説得する為でもある。

 

「やーやー仕事熱心ですねー」

 

そう聞き覚えのある声が背後から聞こえる。

 

「連絡には風花聖典を寄越す手筈では?クレマンティーヌ殿」

 

奇妙な縁のせいか何かと関わりのある目の前でケラケラと笑っている、第二帝国の負の遺産とも言える帝国暗殺局(オフィシオ・アサシノルム)に在籍経験がある漆黒聖典第九席に対して呆れた目で見る。

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