「お帰りなさいナイアーさん、どうでした?……ってちょ!なっナイアーさん!?」
モモンガの自室に転移して来たナイアーはそのまま椅子に座っているモモンガに近づき無言で膝の上に座る、その突拍子のない行動に精神抑制を発動させながら置き所のない手をバタバタとさせる。
「撫でて」
「えっ」
ぽつりと呟いた声に素っ頓狂な声を上げその声にムスッとした表情をしながらモモンガを見上げる。
「慣れないことして大変だったの!労って!頭撫でて!」
「えぇ……そもそも俺骨なんで撫でたら逆に痛いですよ?それに撫でる必要あります?」
「い い か ら な で て」
まるで駄々っ子のようにわー!と捲し立てるナイアーに困惑しながら種族的な問題とか諸々を言うがナイアーの有無を言わせない圧にモモンガは屈するしかなかった。
「はい…」
「んふふ…何というか支配者って大変だね、すっごい疲れたよ」
「そうですよね!?あの忠誠心は怖過ぎますよ…それよりそろそろ撫でるのやめても「だめ」はい…」
モモンガに頭を撫でられ嬉しそうになりながら、先程の要塞院での出来事をため息混じりに語りその様子にモモンガは共感を示しながら、取り敢えずそろそろ撫でるのをやめても良いか伝えるが一蹴され、モモンガは暫く大人しくナイアーの気が済むまで頭を撫でさせられた。
「
無数の武具が置いてある武具庫でモモンガは二人のメイドに見守られながら鏡の前で魔法を発動させる。
偉大なる死の支配者は瞬時に漆黒のフルプレートアーマーの騎士に早替わりした、その様子を第九階層にいる一般メイドと同じメイド服を着ているがメイドが茶化す様に拍手をしていた。
「十六夜さん…茶化さないで下さいよ、それより準備出来ましたよ」
そんなモモンガの言葉に十六夜と呼ばれた41人の専属メイドというRPの分身体が意地悪そうに笑った。
「んふふ…凄くお似合いですよモモンガ様」
「ありがとうございます…ナーベラル、私と十六夜さんで少し外に出る」
「近衛の準備が」
言葉を遮る様に十六夜の指がナーベラルの唇を抑える、その行動に金縛りを受けたかの様にピタっと動きを止め顔を真っ赤にさせる。
「良いナーベラル、今からモモンガ様と私で極秘任務をしないと行けないの、だから近衛はメッ…分かった?」
十六夜の言葉に顔を赤くしながらコクコクと頷くナーベラルに満足そうにしながら、二人はその場から転移していった。
第一階層に転移し終えて二人は無言でグータッチしそのまま歩き出した
「それじゃあ打ち合わせ通り俺はモモンガに創造された剣士ダーク・ウォリアーで十六夜さんは」
「ダーク・ウォリアー様の配下のメイドでございますね…ブイ」
歩きながら打ち合わせをしたお互いの設定を確認し合う、モモンガの後ろを歩く十六夜が当然とばかりにピースをする。
それにしても完璧な作戦だと、内心モモンガは頷いた。
こうやって変装すれば怪しまれずに行動出来るし忠誠心が高過ぎてどこに行こうとも着いてこようとする怖すぎるNPC達からも離れる事も出来る。
「十六夜さんあれって…デミウルゴスの親衛隊と本人…それに周りにいるのは」
「アイアン・ウォリアーのブリーチャー・スカッドにアイアン・ハヴォックそれにデスガードのタクティカル・マリーンですね……んふふ入口に陣地防衛に長けたアイアン・ウォリアーに粘り強さと防御力が売りのデスガード…流石
内心自画自賛するモモンガはふと前方を見れば、そこには本来シャルティア配下のアンデットが警備をしている筈だが、何故か其処にはデミウルゴス本人と彼の親衛隊、更にアルファリウスが配置した
むふっと自画自賛する十六夜と困惑するモモンガの前にデミウルゴスと三魔将そして二つの兵団の指揮官が胸を拳で叩く敬礼をする。
モモンガと十六夜の素っ頓狂な声を上げるのを尻目にデミウルゴスが声を上げる。
「これはモモンガ様、そしてナイアー様…近衛を付けずに一体何事ですか?それにお二人のそのお召し物…」
「モモンガ様自ら創造されたシモベ、ダーク・ウォリアー様で私はそのダーク・ウォリアー様の配下のメイド十六夜でございます」
デミウルゴスの問いに十六夜が打ち合わせ通りに答える、それに暫く考えこむが「なる程」と合点がいき顔を上げる。
「ですがダーク・ウォリアー様、十六夜様…やはり共を付けずにとなると私も見過ごすわけには参りません、それは彼等恐れを知らぬ者達とて同じ気持ちの筈」
「……一人だけ供を許す」
デミウルゴスの圧に深い溜息を吐き呟きながら歩き出したそれに続く様に十六夜がその後ろにデミウルゴスが続いた。
「おぉ…!」
ナザリックから出た瞬間モモンガは感嘆の声を上げた、透き通った空にはリアルでは一度も見た事がなかった、それこそギルドメンバーのブループラネットが再現しようとした第六層のの夜空しか見た事がなかった…だが
「これは想像以上だ」
「ブループラネット様にお見せしたかったですね…はぁ……ため息が出る程素晴らしい景色」
本当そうですねぇっと呟きながら首に飛行の魔法が込められているネックレスを付け空を飛び、それに続く様に十六夜とデミウルゴスが続く様に飛んだ。
「宝石箱みたいだ」
「ご許可頂ければナザリック全軍をもってこの宝石箱を全て手に入れて見せます」
「……この世界にどんな存在がいるか不明なのにか?」
地平線を眺めながら感極まりポツリと呟いた言葉にデミウルゴスが反応しおべっかを言うが水を刺された事に不機嫌になるが、自分の言葉にフッと笑う。
「未知の探求も悪くはないな」
「んふふ…世界征服よりもですか?」
「魅力的ですけど現実的ではないですしそれより未知の探求の方が楽しそうじゃないですか」
その言葉に二人はデミウルゴスがいる中笑い合った。