Unreally   作:羅糸

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変わる覚悟

 家を出た後つむぎは咲夜と合流しミーシェルの指定した場所へと二人で向かった。

 指定された場所に転移したときつむぎはその光景に驚いた。

 

 

「でっかいお城!? どこかの王国かな?」

 

 

 それは大きくそびえ立つ巨大な城だった。

 RPGによくあるお城だ。

 

 

「ここってたしか……」

 

 

 咲夜はなにかを知っているようなそぶりを見せる。ミーシェルがここに連れてきた理由はなんだろうか。

 

 

「よく来たな」

 

 

 すると空から悪魔の翼で飛んでいる天使の輪っかと竜の尻尾をもつミーシェルが現れた。

 その姿は輝いて見える気がした。

 

 

「ミーちゃん。凄いお城だけどここって?」

 

「ミーの家だ」

 

「家!?」

 

「正確にはミーのギルド、ドラゴメディウムの拠点なのだ」

 

 

 ミーシェルが驚くつむぎに対して訂正するように言う。しかしギルドの拠点とはいえ城を丸々一個持つとはとんでもない凄さだ。

 

 

「大規模ギルドって聞いてたけどまさか本当に城一個持ってるとはね……」

 

 

 咲夜もやはり噂で聞いていたのだろう。それを実際に見て驚いている。

 さすがトップランカーのギルドは伊達じゃない。

 

 

「まぁついてこい。案内する……のだ」

 

 

 ミーシェルが背を向け城の門の前へと歩いて行った。つむぎたちはその後をついていく。

 

 

「ミーシェル様! そちらの方たちは?」

 

「ミーの友だ、通せ」

 

「はっ! わかりました!」

 

 

 ギルドの警備をしているギルドメンバーらしき少女がミーシェルを見て敬礼している。

 その少女が許可を出すと城の扉が開いた。

 

 中で最初に見たのは広い玄関ホールで複数の扉と左右にある二階へと繋がる階段が目につく。

 

 装飾品も豪華でドラゴンらしき像が置かれてあった。

 

 

「ミーシェル様だ!」

 

「ミーシェル様、やはり今日もお美しい!」

 

 

 玄関ホールにいた何人かのギルドメンバーがミーシェルを見て歓声をあげている。ギルドメンバーはミーシェルにあやかってかドラゴン、天使、悪魔のいずれかの容姿に近い姿の者が多かった。

 

 

「ミーちゃんは慕われてるんだね!」

 

「まぁ一応、これでもギルドのボスなのだ」

 

 

 まるで一国のお姫様のようだ。このギルドのボスと言うことはあながち間違ってはいないが。

 

 ミーシェルの後をついていくと多くの人とすれ違いミーシェルを見て敬礼や歓声をあげていた。

 

 そうして行くうちに一つの場所に移った。

 

 それはお城で最も目を引き重要となる場所。

 

 玉座だ。

 

 たった一つだけ置かれているその一際目立つ玉座の椅子に来るとミーシェルはさも当然のようにその玉座の椅子に座った。

 

 その風格はまるで凛々しい王の者だった。

 その圧倒的風格につむぎもひざまづいてしまいそうだ。

 

 

「で、用件だが」

 

 

 左手で頬杖をつきミーシェルはつむぎたちに言った。その後ミーシェルは次第に少し照れ、一度深呼吸をして落ち着かせ会話を続ける。

 

 

「そのな……ミーもアンリアルドリーマーになってみたいのだ」

 

「ミーちゃんがアンリアルドリーマーに!? 今まで顔出しNGだったのに!?」

 

 

 ミーシェルの予想外な発言につむぎは驚いた。

 ミーシェルは今の今まで自分が動画に移ることを苦手としていた。そのためUnreallyではアンリミテッドファンタジアに凄い強い竜の女の子がトップランカーとしていると噂だけが広がっていたのだ。

 

 

 するとミーシェルは再び顔を赤く染め言った。

 

 

「ミーも貴様らの輪の中に入っていきたいのだ……貴様らを見ていると楽しそうで……でもミーが入るのは、ミーのキャラを全世界に届けなくてはいけない……恥ずかしいと思ってた」

 

 

 ミーシェルはずっとそれで動画に出るのを拒んでいた。しかしそんな彼女がアンリアルドリーマーになりたいと思った理由。それは

 

 

「でもそれ以上に貴様らと一緒にいたい。そう願いが強くなった。ミーと一緒にこれからたくさんの時間を過ごしてくれないか?」

 

 

 ただ友達と一緒の時間を過ごしたいという、ささやかな少女の願いだった。

 

 つむぎはそれに対し答えは決まっていた。

 

 

「もちろん。ミーちゃんがUドリーマー仲間になってくれたらとっても嬉しいよ!」

 

「ミーちゃんがそうしたいならそれでいいんじゃない」

 

 

 つむぎは笑顔で答える。咲夜も同様に少し微笑み言った。

 

 それを見てミーシェルは笑みを見せた。

 それから玉座から立ち上がりマントをバサァっと広げる。

 

 

「ふっ……ならば決まりだ! 我がギルドのメンバーよ! 配信の準備をしろ!」

 

「はっ!」

 

「今から!?」

 

 

 その部屋にいたミーシェルのギルドメンバーが配信の準備をしはじめた。

 

 

「一人だとはずいのだ……我が友よ、一緒にデビュー配信を飾ってくれ」

 

 

 片目を閉じて少し頬を赤くしたミーシェルが言った。彼女がそう言うことは心の中ではよほどデビューするのが不安なのだろう。

 

 

「うん、そばにいてあげるよ! ねっ咲夜ちゃん」

 

「まぁミーちゃんがどんな黒歴史を作りあげるか気になるしいいよ」

 

「誰が黒歴史だ誰が!」

 

 

 咲夜が冗談混じりに言いミーシェルが突っ込む。しかし小さく「ありがとう……なのだ」と彼女は呟いた。

 

 そして配信が始まろうとする。

 

 しかしつむぎたちは分かってなかった。ミーシェルほどの存在がアンリアルドリーマーとしてデビューすることがどれだけ凄いことになるのかを。

 

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