Unreally   作:羅糸

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映画撮影をしよう

 つむぎと咲夜たちはひそかの秘密結社、ブルローネの拠点にいた。

 

 そこでは定期集会が行われている。定期集会のお知らせに今日はちょっとした大事な話があるからよかったら来てくれたまえと書いてあったため、あまり参加しない咲夜としきも連れて一緒に来ていた。

 

 今は映画を見ているところだ。

 

 タイトルはサメ人間シリーズ『チェーンソータイフーンVSサメ人間』だ。

 意味不明なサメ人間の映画。その続編だ。

 

 

 舞台は巨大な竜巻が猛威を振るっていた。

 

 

「あぁー! 世界遺産マリーアントワネットのフランスパン像が破壊された!」

 

 

 竜巻に複数のチェーンソーが合体したそれはフランスパンの石像を一瞬にして粉々にしてしまった。

 

 

「隊長あれはなんですか!」

 

「あれはチェーンソータイフーンだ!」

 

 

 自衛隊の隊長が部下に説明をする。

 巨大な竜巻にチェーンソー工場のチェーンソーが大量に混ざり融合したそれは大きな被害を出していた。

 

 自衛隊がそれに立ち向かうが太刀打ちできない。

 

 そこに太刀打ちできる唯一の存在がやってきた。

 

 

「あ、あれは!?」

 

 

 それは人間の手足を持ち胴体がサメでできた不思議な生物。数年前不法侵入、器物破損罪で捕まった世間では変質者扱いされた生物。

 

 

「あれは……サメ人間だ!!」

 

「サメー!」

 

 

 サメ人間は片腕を上に上げると巨大化した。

 サメ人間は体を自由自在の大きさに変えることができるのだ。

 

 そしてサメ人間はチェーンソータイフーンに向かってパンチを放った。

 

 

「サメ人間がチェーンソータイフーンと戦っている!?」

 

 

 サメ人間は世間では変質者だった。しかし彼の真の姿は人を守る正義の心を持った正義のヒーローだったのだ!

 

 

「サメェ!」

 

 

 しかしチェーンソータイフーンの猛威は凄まじい。チェーンソータイフーンの攻撃によりサメ人間は倒れてしまう。

 

 

「サメ人間頑張れ! 負けるなサメ人間!」

 

 

 いつしか自衛隊の皆がサメ人間を応援していた。この状況でチェーンソータイフーンに対抗できるのは彼しかいないと皆が悟ったのだ。

 

 

 そしてサメ人間は決意する。

 

 

「サメェ!!」

 

 

 サメ人間は体を極限まで小さくしてチェーンソータイフーンの中心に入った。

 そして巨大な大爆発が起きる。

 

 サメ人間は自らを犠牲にして自爆によりチェーンソータイフーンを打ち倒したのだ。

 チェーンソータイフーンはチェーンソーごと爆発により散り散りとなり消えていった。

 

 

「ありがとうサメ人間! 君はヒーローだ!」

 

 

 こうして平和が訪れサメ人間は自らの命を犠牲にして一躍ヒーローになったのだ。

 

 そしてエンドロールが流れる。

 

 

 ◇

 

 

「やはりサメ人間シリーズ屈指の名作だねVSチェーンソータイフーンは」

 

 

 秘密結社の団長であるひそかは感動して涙を流していた。

 そこまで感動する要素があったかはつむぎには分からなかった。

 

 

「さて、今日は知ってる人もいるかもだけどとある発表があるよ」

 

 

 気分を切り替えたひそかは演説台に立ち話始めた。

 

 

「実は今度映画を作ろうと思うんだ。脚本監督はひそか、映画の出演者、裏方を募集しているよ。もし興味がある人がいたらこの後残ってくれないかい?」

 

 

 それから秘密結社の活動は終わり解散の時間となった。

 つむぎは映画の出演に興味があったため残っていた。

 

 残っていたのは10人にも満たない。

 フードをつけているため誰が誰なのかは今の状況だと分からなかった。

 

 

「よし、じゃあフードを脱いでいいよ」

 

 

 つむぎはひそかの許可をもらうとフードを装備から外した。

 

 

「ふむ、君たちか」

 

 

 ひそかはステージから降りるとこちらをじろじろ見てきた。

 

 残っている人をつむぎは確認する。

 隣に咲夜少し後ろにしきがいた。

 

 

「シナリオはひそかが考えるとして誰か主演に立候補する人はいるかい? その人に合わせてシナリオを作る予定だよ」

 

「はいはーい! ウチが! ウチが主演やるーる!」

 

 

 案の定テンションの高いしきが立候補してきた。彼女は目立つのが好きだ。予想はできていた。

 すると思いがけない人物が声を上げた。

 

 

「ミーも立候補する……のだ」

 

「ミーちゃんいたの!? というかミーちゃんが主演をつとめようとするなんて意外!」

 

 

 立候補してきたのはミーシェルだった。

 どういう経由でブルローネの合言葉を知り仲間入りしたのだろうという疑問があるが、それよりもミーシェルは今まで動画出演すらNGだったのに映画に出演しようと思うとは予想外だった。

 

 

「ミーはやるからには上に立つ……のだ」

 

 

 いろいろ吹っ切れたミーシェルだった。

 しかしミーシェルの正体はひなただ。

 性格的にはしきと似ていて盛り上がることは好きな性格をしている。そのため不思議でもないことだ。

 

 

「ふむ、じゃあミーシェル君、君に主演を頼めるかい?」

 

「えーなんでウチじゃないのー!?」

 

「君を主演にするのはどうしても気が乗らない」

 

「なんで!?」

 

 

 ひそかはしきに対しての扱いが雑だ。それは裏返せばしきにだけは他の人よりも心を開いているからなのかもしれない。

 

 

「まぁ君にはふさわしい役を与えるよ」

 

 

 そう言ってひそかはしきの耳元でなにかを囁いた。するとしきはテンションが上がり元気になった。

 

 

「なにそれやるーる! かっこいいしーウチにピッタリー!」

 

 

 切り替えの速いしきはずいぶんとやる気に道溢れていた。

 しきに配役を伝えたあとひそかはつむぎの方へやって来る。

 

 

「衣装についてだがつむぎ君にデザインをお願いしたい。いいかな?」

 

「わたし!? う、うんわたしでよければいいよ」

 

 

 つむぎは急なことに少し驚いたが承認する。

 

 衣装をデザインするのは好きだし将来の夢のためにも今のうちにいろんな衣装をデザインしてみたいと思っていた。

 

 つむぎは心の中で映画の出演と衣装デザインをどちらも頑張ろうと決心した。

 

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