Unreally   作:羅糸

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真っ白からの一歩

 一つの動画が投稿される。

 

◆【真っ白からの一歩】これからはじまるわたしのチャンネル! |麗白つむぎ

 

「はい、こんにちは! アンリアルドリーマーの麗白つむぎです」 

 

 白いクリーム色の少女麗白つむぎの動画だ。

 これが二本目の彼女の動画である。

 背景にはお菓子の家や山が立っている。

 

「えっとね、わたし思ったんだ。これからわたしのチャンネルをどうしようかってさ」

 

 すこし義故知ながらもつむぎは会話を進める。 まだトークをするのに慣れてないのがうかがえる。

 

「でね、結局決まらなかったんだ」

 

 ポヨーンとした効果音とともに、あははと笑みを見せるつむぎ。

 それは後ろ向きでなく前向きに笑っているように見える。

 

 

「わたしは真っ白でなににでもなれる。

 だからこれからいろんなことに挑戦したいんだ。

 憧れのUドリーマーさんみたいに歌やダンス

 やってみた、ゲーム実況いろんなことをやってみたい!

 そしてUnreallyの楽しいところを広めたいんだ!」

 

 

 今度はぱぁと明るく答えた。

 

 

「みんなUnreallyってなんなのか知ってる? 

 わたしがいるこの空間がUnreallyって世界なんだ! ここにいればなりたい姿になれて憧れのUドリーマーさんにも会える夢の世界……

 

 今日はね友達の咲夜ちゃんとスイーツプラネットに遊びに来たんだよ。

 咲夜ちゃんこっちきて!」

 

 

 つむぎは画面外を見て手招きをする。

 すると白髪のボブの少女がゆっくりと歩いてきた。

 

 

「どうも、はじめまして一応音楽活動をメインにしてるアンリアルドリーマー、小太刀咲夜だよ……」

 

 ちょっと気恥ずかしそうに少し小さな声で挨拶する咲夜。

 つむぎは隣に来た咲夜の瞳を見た後、カメラに視線を戻す。

 

 

「咲夜ちゃんはUnreallyに来てはじめて友達になった子なんだ! アンリアルドリーマーになるきっかけをくれてわたしの大切な友達なの!それと歌がすっごく上手くてかっこよくてかわいくて「つむぎわたしのことはいいから」ご、ごめんごめん」

 

 

 目を光らせて言ってたつむぎだが、そんなつむぎを前に顔を少し赤くさせた咲夜が会話を遮る。

 

 

「それでね、Unreallyはリアルじゃありえないことが沢山あって凄いんだ! 

 美味しいものを沢山食べても太らないし

 空高くだってとべちゃうアトラクションだってあるんだ。

 

 そういったたのしいって思うときが

 最高に輝いてるって思えて

 わたしはそんな瞬間を届けたい。

 わたしがたのしいって瞬間をみんなにわけたい。

 

 そんな動画や配信を作りたいなぁって

 なんて思ってるけど

 正直よくできるかわかりません。

 

 ただ、とりあえず今日は咲夜ちゃんと一緒に過ごした時間を撮影した動画があるから

 それを見て欲しいな」

 

 

 一通り話した後スクリーンが現れ映像が流れる。

 

 その映像はスイーツプラネットでの、つむぎと咲夜の過ごした一日をまとめた動画だった。

 

 

 つむぎがショートケーキに顔を埋め面白おかしくなってるところや、お菓子の家を作る光景を流していった。

 

「どうだったかな?こんな事が今日あったんだ。

動画は咲夜ちゃんがこっそり撮ってたやつで、わたしは気づいてなかったんだけど」

 

 この動画は咲夜が撮っていた動画だ。

 

 ※

 

 時は遡る。

 キャンディとクマと別れた後の時間だ。

 

「作りたい方向性決まったの?」

 

「うん、いろんな動画を作りたいけどとりあえず

 Unreallyでの日々を動画として撮りたいんだ。

 出来れば今日のも動画にしたかったなぁ」

 

 こんなに楽しいことがあったんだ。

 どうせなら配信しておけばよかったと

 後悔するつむぎ。

 

「あるよ。動画」

「へ?」

 

 そんなつむぎを見てぽつりと呟く咲夜。

 一つの小さいスクリーンが出され今日あった出来事が映し出される。

 

「録画していたんだ。なにかのネタになると思って。良かったら使ってよ」

 

「ほんとに!? 咲夜ちゃんも出てるけどいいの?」

 

「私は別に……特に何も気にしないから大丈夫だよ」

「ありがとう咲夜ちゃん!」

 

 つむぎは満面の笑みで咲夜の手を握り感謝する。

 

 ※

 

 そして今に戻る。

 

 

「私はつむぎと一緒に遊べて楽しかったよ。誰かとコラボ動画とかはじめてだったけど。こんな動画も悪くないんじゃないかな」

 

「そっか、よかったぁ」

 

 

 二人で映像を見終わった後つむぎは安堵する。

 

「こういう風にいろんなところを、紹介していったりしたいな。良かったら咲夜ちゃんも付き合ってくれる?」

 

「まぁ都合が合うときは付き合ってあげるよ」

 

「ありがとう! それじゃあこれからわたしや咲夜ちゃんをよろしくね! ご視聴ありがとうございました!」

 

 そして動画は再生を終了した。

 

 

 ◇ 次の日

 

 

「おっはよーつーむぎー」

 

「わぁ!? ひなたちゃん!?」

 

 

 学校の朝のHR前。

 席についてたつむぎの背中をひなたがポンと叩いた。

 思わずビックリするつむぎ。

 

「新しい動画見たぞー。あれが噂の咲夜ちゃんか~あんな子とデートだなんてつむぎさんも悪よのぉ」

 

「デ、デートとかそういうのじゃないよ!? 咲夜ちゃんは普通に大事な友達なだけだよ!」

 

 ほんとに~とニヤニヤと笑いいじるひなた。

 それに対しそういうのじゃないのにといいつつ顔を少し赤くするつむぎ。

 

「それにしてもみんなと楽しいをわかちあいたいねぇ。結構いいんじゃない?あたしもUnreallyで……見れてない場所とか多いし……あぁ、ねむ…」 

 

 元気だったひなただが途中からあくびをし、眠そうだった。

 

「昨日眠れなかったの?」

「まぁギルド管理とダンジョン攻略で……ってなんでもない!」

 

 眠たそうにしていたのがハッとし

 理性を取り戻し言葉を取り止める。

 

「まぁ頑張りなよー。これからも見るからさ。あたしはホームルームまで寝てるからじゃねー」

 

 そういってひなたは自分の席へと戻っていった。

 

 暇になったのでつむぎは授業に使ってないノートを広げ、シャーペンを持ち考え事をしていた。

 

 

 次はどんな動画を撮ろう?

 

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