博士に別れをつげ次の町に向かうつむぎとこと。町の外へ出たつむぎたちは辺り一面を見渡した。
そこは広大な草原が広がっており、自然が豊かだ。野生のぷちモンがところどころにいて、住むのに適しているように思えた。
「オープンワールドみたいにフィールドが広がってて凄いね! ここ全部がぷちモンの世界で行ける場所なんだよ!」
つむぎはことに嬉しそうにつげる。
「そだね。前作もそこそこ凄かったけどこれはその比じゃないや」
ことも微笑みながら言う。
「フラピィ」
「ライライルゥ」
するとカプセルに入れずに一緒に歩いてきたライルーとフラピィは二匹で会話をするように追いかけ遊んでいた。
「二匹とももう仲良くなったかな? こうやって遊んでいる姿をみると癒されるね」
ことがライルーたちを観察していた。
するとふとつむぎはあることを思い出す。
「そう言えばぷちモン図鑑をもらったっけ。どんな感じなのか使ってみよう」
つむぎはぷちモン図鑑を取りだしフラピィを図鑑に収めた。
すると図鑑からは音声が聞こえる。
『フラピィ。ラブうさぎぷちモン。片耳がハートの形をしているのが特徴的なぷちモン。基本気ままで自己中心的だが気に入った相手にはとてもなつく』
「へぇこんな風にぷちモンの特徴を教えてくれるんだね。体重や身長、生息地域も書いてある」
「ゲームと一緒だね」
とくに前作までと変わった仕様はなかったが使い方はなんとなくわかった。
「フラピィ~」
ライルーを追い回すフラピィ。その姿は楽しそうで可愛い。
すると一匹の蝶のぷちモンが横を通りすぎていった。
「フラピ?」
フラピィはそれをみると興味が蝶のぷちモンへと代わり次第にそちらの方へ足を運んでいた。
「フラピィ~」
「あっフラピィ、こっちに戻ってきて!」
つむぎは何処かへいかないようにフラピィに指示を出す。
「フラピィ!」
フラピィはおとなしくこちらに戻ってくるように足を向いた。よかった、ちゃんと言うことは聞いてくれるようだ。
「フラッ!?」
「フラピィ!?」
だがフラピィは突然なにもないところで転び倒れた。
「なにもないところで倒れるなんて……ひながいたら飼い主に似たのかなって言ってきそうだね」
「あはは……たしかに言いそう」
つむぎはことの言うことに納得する。
つむぎはなにもないところで転んでいる印象はないがひなたならそういじってきそうだ。
「フラピィ……」
「大丈夫フラピィ?」
つむぎは戻ってきて落ち込んでいるフラピィの頭を撫でてあげた。とても柔らかくもふもふだ。
「フラピィ!」
撫でていると次第にフラピィは元気を取り戻し嬉しそうに鳴いた。
「よーしまずは次の町に行く前に一匹くらいぷちモンをゲットしよう!」
そう言ってつむぎは意気込み目的を決める。
ぷちモンをゲットして仲間にするのはこのゲームの基本だ。そうして図鑑を埋めていきコンプリートさせるぷちモンコレクターもいるくらいだ。
そうしてつむぎたちは仲間にするぷちモンを探しに歩き出した。
◇
「どこかにぷちモンいないかな?」
つむぎたちは森の中へと入っていった。
ここならもっと多くのぷちモンに会えると思ったからだ。
しかし思ったよりぷちモンはいないように見えた。どこかに隠れているのだろうか。
ガサッと音がした。
「あっ! ぷちモンだ!」
「アッポム!」
そこには一匹のぷちモンがいた。
ピンクのリンゴの形をしたぷちモンだ。
「ぷちモン図鑑でどんなぷちモンか見てみるよ」
するとことがリンゴのぷちモンを図鑑に撮り音声が流れる。
『アッポム。リンゴ爆弾ぷちモン。自らが爆弾を持っているため体を張った攻撃をし、時には生き残るために考えて戦う』
「爆弾なんだね。なんかリンゴに爆弾って面白そう! わたしこの子ゲットしてみるよ!」
つむぎはアッポムを気に入ったためゲットすることを決めた。
「アッポアッポム!」
するとひょこんとアッポムはこちらに向かってきて戦う態勢をとっていた。
「あっちもやる気だね。じゃあがんばっていってきてフラピィ!」
「フラピィ!」
外に出したままつれてきたフラピィに戦うように命じる。フラピィもやる気になっていて元気に返事をしてくれた。
「フラピィ、ラブラブファイアー!」
つむぎはまず先制攻撃としてフラピィにラブラブファイアーを放つよう命じた。
そこでフラピィからハートの炎が放たれる。
「アッポアッポ」
するとアッポムは高速で横回転していき直に攻撃を受けてきた。そしてラブラブファイアーは打ち消される。
「高速回転で無効果した!?」
「いや、ダメージは受けてるみたいだよ。でもこのアッポム結構賢いね」
アッポムの体は少し焦げていた。
ダメージ自体は普通に受けるより軽減されているようだが相手は恐らく草属性。火属性のフラピィの攻撃は抜群だ。
「アッポム!」
そこからアッポムは止まらずにまた高速回転をしていき突進するように向かってきた。
「フラピィ避けて!」
「フラッ!」
指示を出すとフラピィはタイミングよく攻撃をかわしてくれた。どうやら回避に成功したようだ。
「フラピィ大声!」
「フラァァァアアピイィィイ!」
そのままフラピィは大声を出す。
その声にアッポムは動きを止める。
「アッポ、アッポム!」
だがアッポムは声に臆することなくころりと回っていきフラピィに近づいた。
そして……
ドカーン!
「フラピィ!?」
アッポムは自爆し爆風が巻き起こる。
つむぎは心配してフラピィのことを呼んだ。
爆風が収まり次第に視界は見えてくる。
「フラ……」
「アポ……」
両者はお互い立っていた。しかし、立っているのが精一杯で攻撃する力は残っていないようにみえた。
「よし、今なら!」
そこでつむぎはぷちモンカプセルを手に取る。
そしてそれをアッポムに投げた。
瀕死の今ならゲットできる可能性が高い。
カプセルはアッポムに命中してアッポムはその中に入る。
カプセルは揺れる。この揺れがおさまり止まればゲット完了だ。
どうなるかはこの瞬間にかかっている。
揺れるのが一回、二回、三回……そして
ピコン!
カプセルは揺れが止まった。
「やったゲットだ!」
つむぎは投げたぷちモンカプセルを取りに行く。
「出てきてアッポム!」
「アッポム!」
アッポムは返事よく出てきてくれた。
そしてアッポムはつむぎを見た。
「アッポムこれから一緒に冒険してくれる?」
「アッポム!」
アッポムはつむぎの質問に嬉しそうに答えてくれた。
「ありがとう! それじゃあ戦いお疲れさま二匹とも。回復スプレーで回復してあげるね」
つむぎは回復用のスプレーを手に取り、それを傷ついた二匹にかけてあげることにした。
二匹は気持ち良さそうにスプレーを受ける。
その様子を見てつむぎは微笑ましそうに見る。
こうしてつむぎの手持ちのぷちモンが増えたのだった。