Unreally   作:羅糸

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親友以上恋人未満

 一つの動画が撮影される。

 

 

◆咲夜くんに告白ドッキリ!? 成功なるか?│鹿羽ひそかの秘密の砦

 

「やぁひそかだよ」

 

「エレオノーラでありんす」

 

「ひそかたちは今、公園に来ているよ」

 

 

 自己紹介をしてから状況を説明する二人。

 しかしひそかたちのまわりは暗くなにがあるか見えない状態だ。

 

 

「なぜ暗い場所にいるのかって? それは今から起きるドッキリを見守るためさ」

 

 

 そう言ってから画面は小さな公園へと視点が変わった。

 そこにはつむぎがポツリと立っていた。

 

 

「……」

 

 

 つむぎは胸に手を当て緊張していた。

 果たして今からやることは成功するのか否か。

 

 するとしばらくして咲夜がやってきた。

 

 

「つむぎおまたせ。待った?」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

 

 咲夜はこちらに来ると微笑みつむぎを見てきた。その笑みを見ると今からすることに少し罪悪感を感じる。

 

 

「それでここに呼び出した用ってなに? とくになんともない普通の公園みたいだけど」

 

 

 咲夜は周りを見渡す。

 今回の目的はこの公園である必要はない。

 しかしできるだけ人目につかない場所を選んだ結果。ここを使うことにした。

 

 

「じ、実はね大事な話があるんだー」

 

「なに?」

 

 

 首を傾げる咲夜。

 そんな咲夜に対してつむぎは目を合わせることが出来なかった。

 

 そしてつむぎは目を泳がして言う。

 

 

「じ、ジツハワタシ咲夜ちゃんのことがす、スキナンダー」

 

「うん、私もつむぎのこと好きだよ……」

 

「うっ……」

 

 

 純粋に答え微笑む咲夜につむぎは心が痛くなる。

 同時に好きと言われることに胸が苦しめられた。

 

 だが首を振り本題に入るために冷静さを取り戻そうとする。

 

 

「そ、そうじゃなくてえーっとその……わたし咲夜ちゃんのことがれれ恋愛対象として好きなのっ……だ、だからわたしと付き合ってホシイナーなんて」

 

「つむぎ……」

 

 

 咲夜はただつむぎを見て黙っていた。

 言ってしまった。

 これでどう反応がされるか。

 咲夜がつむぎのことをどう思っているのかそれが分かる……

 同時にそれが怖かった。

 

 

 そして咲夜が答えを言う。

 

 

「気持ちは嬉しい……けど、言わされた言葉じゃなければ良かったな」

 

 

 咲夜は銃を右手に召喚した。

 そしてトンネル型の遊具に銃弾を発砲する。

 遊具には銃弾がめり込んだ。

 

 

「そこにいるんでしょひそか……」

 

 

 咲夜の目は冷たく怒っているような目をしていた。

 咲夜はこれがひそかのたくらんだドッキリであるとわかったようだ。

 それを察してかひそかとエレオノーラが恐る恐る現れる。

 

 

「やぁ咲夜くん……」

 

「どうしてバレたでありんすか」

 

「つむぎのしゃべり方が不自然、すぎたから。どうせひそかのドッキリだと思った」

 

 

 どうやらつむぎの演技力が問題だったようだ。

 どうしても今回のことは告白をしたことのないつむぎにとってはハードルが高く棒読みになりがちだった。

 

 

「私にドッキリを仕掛けるのは構わないけど、こういうドッキリはやめてほしいな……つむぎを巻き込まないでほしい」

 

 

 その時の咲夜はまるではじめてさやとまともに会話をした公園での出来事のような、そんな目付きをしていた。

 言葉では落ち着いていても心の中でなにかが怒っているようなそんな感じだ。

 

 

「わかったよ。もうこれからはこういうドッキリはやめるさ。撮影も今回のは没にする」

 

「わたくしも少し配慮が足らなかったでありんす……」

 

 

 この企画を提案した二人は反省した顔を見せていた。二人がこのような表情を見せるのは珍しいことだった。

 

 

「それじゃあひそかたちは行くよ。つむぎくん今回は君にも本当に悪かったね」

 

 

 そう言ってひそか達は立ち去って行った。

 そして二人きりになるつむぎと咲夜。

 しばらく沈黙が続いた。気まずい。

 

 

「えっとごめんね咲夜ちゃんこんなことして……」

 

 

 最初に口を開いたのはつむぎだった。

 

 

「別にいいよ……どうせひそかたちにそそのかされたんでしょ? それにもしあれが本当だったら気が気でないし」

 

「そ、そうだね」 

 

 

 咲夜が目をそらし言った。咲夜の頬は少し照れているのか赤く見えている気がした。

 

 

「でも、もし本当にわたしと付き合うってなったらどうする? な、なんてねー」

 

「……」

 

 

 つむぎは苦笑いをしながら冗談っぽく言った。

 すると咲夜は数秒硬直し黙っていた。

 それから咲夜は我を取り戻し、背中を向け言葉を発する。

 

 

「それは……私たちは親友であってそういう関係にはならないよ」

 

「そうだね……」

 

 

 つむぎは咲夜の言う事に頷く。

 そうだ。つむぎと咲夜は親友なのだ。

 そこに恋愛感情など存在しない…はずだ。

 

 つむぎは顔を真っ赤にしてる咲夜を知りもせずただ自分に言い聞かせ納得していた。

 

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