Unreally   作:羅糸

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夏だ!雪だ!

 動画が撮影される。

 画面はまず青空を写し出した。

 

 

「夏だ! 夏といったら……! そう、雪です!」

 

 

 つむぎが言う。すると画面にはつむぎが写りまわりは雪に囲まれていた。

 今は夏の7月。だがつむぎがいるそこは雪が積もった現実世界とは真逆の季節で肌寒い。

 

 

「夏の暑さからさよなら! Unreallyなら夏でも雪を満喫できるんだよ。今わたしたちはアイスプラネットって言う年中雪で覆われた惑星に来ているんだ!」

 

 

 防寒具を来ているつむぎが言う。

 つむぎは咲夜やミーシェルたちUドリーマー友達とこのアイスプラネットで動画撮影をしていた。

 

 

「雪を見るとお母様の故郷を思い出すでありんす……」

 

 

 積もった雪をすくいその雪をなにかを懐かしむように見ながら言うエレオノーラ。彼女はロシアと日本のハーフだ。

 ロシアへ行ったときの思い出を振り返っているのだろうか。

 

 

「今年もサメは出るかな?」

 

 

 ひそかはなにかワクワクしたように周りを見て言う。

 ちょうど去年の夏に海に行ったときは巨大なサメに出くわしたのだ。

 

 

「出るわけないでしょ。ここ雪山よ」

 

「サメ映画に常識は通用しないから……」

 

 

 当たり前のことをつっこむねねこ。

 しかしひそかに付き合わされてサメ映画をみてたしきにはあり得ないとは言えないようだった。

 実際ここはアンリアル。なにが起こっても不思議ではない。

 

 

「ふん……たとえサメだろうとクマだろうといざ来たらミーが全力で相手になるのだ」

 

 

 ミーシェルが手のひらに拳を当て自信満々に言った。戦闘能力の高いミーシェルがいればたとえなにが来ても大丈夫だろう。

 

 

 それからつむぎたちは何人かに別れそれぞれ自分のやりたいことをすることにした。

 

 

「それじゃあわたしたちはスキーをしよっか」

 

「うん、そうだね」

 

 

 つむぎと咲夜は二人でスキー道具を手にして雪山を滑ることにした。

 

 

「つむぎはスキーの経験はあるの?」

 

「中学の時やったことあるくらいかな。でもあんまりできた記憶ないよ」

 

「私も何回かやったことあるくらい。あまり無理せずやろう」

 

 

 二人はスキー用具を装着しそして雪山を滑っていく。斜面はそこまできつくなく比較的初心者向けのコースだった。

 そして二人は雪山を滑っていく。

 はじめは身を任せるように滑っていた。

 久しぶりのスキーはとても楽しい。

 つむぎは楽しくて棒をこぎ加速させた。

 だがある問題に気づく。

 

 

「あれっどうやって止まればいいんだっけ!? 覚えてないよ!?」

 

 

 つむぎはスキーの止まり方を完全に忘れていた。

 バランスが崩れそうになる。

 

 

「ハの字だよつむぎ!」

 

 

 後ろにいた咲夜が心配して隣に来きた。

 

 

「ハの字? ……ハッ!」

 

 

 つむぎは思い描くハの字にした。

 スキーの棒を。スキー板はまっすぐのままだ。

 

 

「違う腕をハの字にするんじゃなくて足を……」

 

「へぶっ!?」

 

「つむぎ!?」

 

 

 バランスを崩したつむぎは顔面から雪に直撃し倒れた。

 そんなつむぎを心配して近寄る咲夜。

 安全を確認するため咲夜がつむぎに触れようとするとその前に雪に埋もれたつむぎが顔を上げた。

 

 

「あははっ! 久しぶりにスキーやると楽しいね!」

 

 

 つむぎはなんてことないようにこの状況を楽しみ笑っていた。咲夜はそんなつむぎを見て微笑む。

 

 

「次からはもうちょっと慎重にやろうか」

 

 

 ◇

 

 

 一方その頃しきはと言うと、上級者向けの急な斜面をスノーボードで滑っていた。

 

 

「ふんふんふん~この日のために作ったマシィン第一号シキチャンボード!」

 

「その名前のセンスはどうにかならないのかい……」

 

 

 付き添いにいたひそかがしきを見てあきれていた。しきのスノーボードは特注でしきの自作のマシンらしい。それはすごいのだがネーミングセンスはどうにかならないのだろうか。

 

 

「科学者が自分の名前を単位につけるのと同じだしー。ほっえいっ!」

 

 

 自分のネーミングセンスには気にしていないようでしきは華麗に斜面を滑っていた。

 

 

「君、意外と運動神経いいよね」

 

「そりゃウチ天才アンドロイドだもん!」

 

 

 自信満々に言うしき。

 しきはなんだかんだ言って運動神経がよかった。そうでなければ空中を自在に移動できたりはしないのだろう。

 

 

「それにここからが本番! ジェットエンジン放出! これで加速するーる!」

 

 

 しきのスノーボードにはターボエンジンがついておりそれが火を吹き加速した。

 

 その速さは普通に滑る何倍もの速さになっていた。

 

 

「そこからスピン!」

 

 

 そのまましきは加速したまま一回転する。

 だが…… 

 

 

「ってちょ! 回りすぎ! 加速しすぎいいい!」

 

 

 加速したしきのスノーボードは言うことを聞かずものすごい速さで回転していく。

 それは次第に渦を巻き竜巻にへとなりしきは木がある方へ突っ込んで木々を破壊して行った。

 

 

「やれやれ天災アンドロイドだねこれは」

 

 

 ひそかは肩をすくめ呆れたように天災を見ていた。

 

 

 ◇

 

 

 スキーをした後つむぎはミーシェルのいる方へと向かった。

 するとそこには大きな雪で出来た像ができていた。

 

 

「こうでありんすか」

 

「うむ」

 

 

 そこにはミーシェルの指示に従いながら雪像の形を整えているエレオノーラの姿があった。  

 

 

「何してるの二人とも?」

 

 

 つむぎはミーシェルに質問する。

 

 

「なに、ミーの雪像をエレオノーラに作ってもらってる……のだ」

 

 

 ミーシェルがえっへんといったポーズをして言った。それは確かにミーシェルの形をした雪の像だった。

 

 

「すごーい。ノーラちゃんいつの間にそんな特技を?」

 

「もふあにどのとのコラボで培った経験を活かしてるでありんすよ。それにもともと雪は好きでありんすからね」 

 

 

 エレオノーラが答える。エレオノーラは結構器用だ。料理の飾り付けも上手いしもふあにとのコラボではその飾り付けのセンスが活きていいものが出来た。

 

 

「にゃっ」

 

「あっブランちゃん!?」

 

 

 するとねねこがブランを追いかけてこちらにやってきた。ブランは雪の中を歩き楽しそうに雪遊びをしている。

 

 

「もう寒いから家で待っててもいいのに……着いてきちゃってほんとかわいいんだから」

 

 

 ねねこは微笑みながら言った。

 雪で遊ぶブランが見えて幸せなようだ。

 それぞれが楽しい時間を過ごしていた。

 

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