Unreally   作:羅糸

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文化祭の終わり

 そまりたちの演劇が終わってからしばらくイベントは続きついに軽音部の出番になった。

 

 緞帳が開かれていく。

 そこにいる軽音部もといブルーシルのメンバーたち。彼女たちの衣装はいつも通りの制服を着ていた。

 はじめはしっかりとした衣装を用意しようかみんなで検討したがブルーシルらしさを考えたとき女子高生であることを強調するために制服にした。

 

 

「どうもブルーシルです。私たちメンバー全員が三年生でこれが最後の文化祭です……なので精一杯全力で演奏させてもらいます!」

 

 

 ことねは笑顔で挨拶をする。

 その後メンバー全員にアイコンタクトを取る。

 正面を向きことねは一度目を閉じ集中する。

 

 そしてひびきのドラムスティックの合図により演奏が開始された。

 

 

 その曲は終わりを迎える青春を唄った歌だった。切なくもエモいその曲はメンバー全員の意見を込めて作られたブルーシルの集大成。

 

 この日のために何度も練習した。

 最後の文化祭。

 その悔いが残らない演奏を披露するために。

 

 ありのままのすべてを全力で出しきった。

 

 

 演奏が終わりを迎え壮大な拍手が巻き起こる。

 

 

「……ありがとうございました!!」

 

 

 最後にことねが汗をかきながら笑顔で挨拶をし幕を閉じた。

 

 

 ◇

 

 

『文化祭成功を祝ってかんぱーい!!』

 

 

 文化祭が終わり、つむぎたちはファミレスで軽音部の打ち上げをしていた。

 それぞれジュースを持って乾杯をする。

 

 

「いやーよかったね文化祭。わたし軽音部じゃないけどほんとに来てよかったのかな?」

 

 

 つむぎは誘われて打ち上げに来ていた。

 

 

「つむがいなかったら軽音部は成立しなかったかもだし歓迎するよ」

 

 

 ことねが微笑み言う。

 

 

「そうそう楽しも楽しも」

 

「そう言うひなたは完全に無縁だと思う……」

 

「なんだと!?」

 

 

 一緒についてきたひなたが遠慮なくメロンソーダを飲んでいるとさやがつっこみを入れる。

 

 ひびきとかなではフライドポテトを食べながら何をつけて食べるかで二人で話していた。

 

 

「あっ、先輩たち!」

 

「そまりちゃん! そまりちゃんたちも来てたんだね」

 

 

 つむぎたちが和気あいあいと話をしているとそまりとその友達のせつとまいかが一緒にこちらの方を見ていた。

 

 

「演劇良かったよ! ひなたちゃんなんて泣いて「あーあーあー聞こえない!!」

 

 

 つむぎが感想を述べているとひなたがそれを妨害するように騒ぎ立てた。

 泣いてたことがよほど知られたくないようだった。

 

 

「その……ひなた先輩のおかげであたしはあがり症を克服できてその……ありがとうございました!」

 

 

 そまりが大きくお辞儀をする。

 ひなたに演劇のアドバイスを貰ってたと聞いたがそれほどまでに彼女に影響を与えたのだろう。

 

 

「ししっ……ま、あたしにかかればそれくらいなんてことないさ」

 

 

 片目を閉じひなたは笑うように言う。

 

 

「それでその演技をする中であたし……夢が出来たんです!」

 

「夢?」

 

 

 するとそまりは顔を赤くした。

 つむぎはそまりの言葉に興味を持った。

 春には夢がなかった彼女に出来た夢。

 果たしてそれはなんなのだろうか。

 

 

「声優になること……です。元からティンクルスターは好きだったしその中の人たちみたいな声優にあたしもなりたいとか考えてたり……はぅ//誰にも言ってなかったのに言っちゃった//」

 

 

 最後は顔を真っ赤に染めて顔を両手で隠すそまり。

 

 

「いいね声優! そまりちゃん頑張って!」

 

 

 つむぎは笑顔で応援する。

 そまりが声優になりたいというのはあがり症という彼女の性格を考えれば意外ではあった。

 しかし彼女はどうやら本気らしい。

 その上でのカミングアウトだろう。

 

 

「言ったからにはちゃーんとなりなさいよ」

 

 

 するとひなたがストローに口を離してから言う。その目は真剣な表情だ。それに答えるようにそまりも真剣な目付きでひなたを見つめる。

 

 

「……はい! 頑張ります!」

 

 

 それは新たなそまりの人生の一歩とも言える日だった。

 

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