後日ルールが決まった。
内容は対バン形式でネット配信されすみれと咲夜が演奏をする。という内容なのだがなんと司会としてこころが参加することとなった。
というのも公平さを保つためにこころのチャンネルで配信されることとなったからだ。
結果はUnreallyの会場、Dreamtubeの投票数の合計を競う。
合計の多い方が勝者として決まるようだ。
そして迎えた当日。
◆【対バン】小太刀咲夜ちゃんVSほむらすみれちゃん【勝つのはどちらか】
何十万もの視聴者がこころの配信を見る。
この対バンは告知がされており地味に話題になっていた。
またその会場にも一万人以上が来ていた。
「あなたの色は何色? わたしは虹色! 七色こころです! 今日はビッグイベント! なんとなんと音楽Uドリーマーとして人気の咲夜ちゃんとすみれちゃんが対バンをするよ! 司会配信チャンネルは公平さを保つためにわたしが受け持ちました! ルールは簡単! Unreallyの会場とこの配信を見ているみんなに投票権が与えられるよ。総合投票数が多かった方が勝ちだからたくさんの人に見てもらいたいな」
こころがルールを改めて説明をする。
一方その少し前、当の本人たちは舞台裏の廊下で顔を見合わせていた。
「やっとこっちでもやっと会えた……今日はよろしくね」
「うん……」
はにかむかすみことほむらすみれに対し咲夜はただ大人しく挨拶を交わした。
つむぎはその咲夜の隣に付き添っていた。
先行はまずすみれからだった。
挨拶をし終えるとすみれは自分の楽屋に向かおうと立ち去ろうとする。
「あのっ……!」
そんなすみれを呼び止めるつむぎ。
呼び止められて振り向くすみれ。
「いつも咲夜ちゃんと一緒にいるつむぎちゃんね……なに?」
「ちょっとお話をしませんか二人で」
◇
咲夜には先に楽屋に行ってもらいそのまま廊下で二人は話をすることとなった。
「話ってなに?」
すみれは少し不機嫌そうに言う。
つむぎはそんなすみれを少し怖く感じるが気に止めない彼女に言いたかったことを言った。
「すみれちゃん……さやちゃんのこと本当は友達だと思ってたんですよね?」
「どうして?」
「さやちゃんが作った曲をずっと覚えていたのって本当は大切な友達だからじゃ……友達だと思ってないなんて嘘ですよね?」
「あなたにわたしの気持ちがわかるって言うの?」
つむぎの考えに反対するかのようにすみれは睨んできた。
後ろに下がろうとしてしまうがその足を止める。逃げてはいけない。
「全てはわからないです……でもさやちゃんの才能に嫉妬する気持ちはわかります。わたしだってそう思う気持ちがないわけではないですから」
咲夜は音楽に関して天才だ。
凡人のつむぎからしたら本当に天にも上がる存在なのだ本来。
つむぎがデザインコンテストに入選しなかった傍ら咲夜は神咲レアからレーベルデビューのオファーをもらっていた。
分野は違えどそれだけ才能に差がある。
「でも……だからって縁を切るなんて間違ってる。本当の友達だったらどんな時でも側にいてあげるべきです」
咲夜には嫉妬する気持ちはある。
でも彼女のそばにいたいとつむぎは思う。
それはもちろん彼女の音楽が好きだから
それもあるが一番は彼女のことが大切なのだ。
「……そんなの……もう今さらわたしには遅いの……」
見切りをつけたのか、すみれはそれだけを言い残し自分の楽屋の方へと向かっていった。