Unreally   作:羅糸

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お金の稼ぎ方

「はぁ……」

 

 放課後Unreallyにいたつむぎは溜め息を漏らす。

 隣には咲夜がいて、いつもの駅前で咲夜の演奏を聴いていた。

 

「どうしたの?」

「ちょっとリアルでいろいろあってね」

「そっか」

 

 つむぎは今日のさやとの会話を思い出していた。

 もう少し自分にコミュニケーションがあればとつくづく思う。

 彼女はいつも一人で寂しくないのかそういう思いがつむぎにはあった。

 

 咲夜は持っていたギターを優しく、撫でたあと片付ける。

 白と黒でデザインされた特徴的なそのギターは、咲夜がいつも愛用しているものでかっこいいなとつむぎは思う。

 

 

「ここはアンリアル……リアルで嫌なことがあっても上書きすればいいよ」

 

「そうだね」

 

「とりあえずわたしの家にでも来なよ。お菓子とかあるしゲームとか一緒にやろう」

 

「うん、ありがと」

 

 

 咲夜の言葉に従うように、この事は一旦保留にして今を楽しもう、そう考える。

 咲夜は歩き出し、そのあとについていきながらつむぎは歩く。

 

 ここから咲夜の家は遠くないため、ワープを使わず歩いて移動することが多い。

 

 なによりこの非現実的な現実の日常を少しでも味わいたいのだ。

 

 

 風景をみながら歩くつむぎは、そういえばと、あることを思い出す。

 

 

「咲夜ちゃんの家はおしゃれで素敵だよね」

 

「そうだね。私も気に入ってるよ」

 

「いいなぁ。わたしもあんな風な家に住みたいな」

 

 

 もちろんリアルの自分の家も嫌いではないが、理想のおしゃれな家に住んでみたいという願望はある。

 

 

「家、欲しいの?」

 

「まぁ買えたらね。でも今のユノの残りからして無理だよ」

 

 

 ユノはこの世界のお金に変わるものだ。初回に3万ユノもらっている。

 わずかだがログインプレゼントで貰える事もある。

 

 

「今いくらあるの?」

 

「2000ユノ」

 

「あー確かに……それは無理だね」

 

 

 喫茶店で食べたり、アクセサリーや服を買ってたら次第とお金が無くなっていた。

 減りはしても増えはしなかった。

 

 

「どうすればユノが増えるのかな?」

 

「ユノの稼ぎ方はいろいろあるよ」

 

 

 咲夜はそう言って、ユノの稼ぎ方について説明する。

 

 

 一つ目はアイテムの売買だ。

 ゴミ拾いをしたり、珍しいアイテムやいらないアイテムを売る事でお金になるゲームらしいやり方だ。

 

 

 二つ目はUnreallyで仕事をする、喫茶店や本屋での仕事など、現実で働くようなやり方で稼ぐ方法。

 

 

 三つ目が課金。

 それは言わずもがな現実のお金をチャージして

 ユノと交換する。しかしこのやり方を使う人はあまりいない。他の方法でも稼げるからだ。

 

 

「で、最後に教えるやり方はたぶん、つむぎに一番向いてると思うよ」

 

「わたしに?」

 

 

 きょとんとした顔をするつむぎ。

 

 

「最後に教えるやり方はアンリアルドリーマーとしてDreamtube経由でポイントを受けとること」

 

「アンリアルドリーマーとして?」

 

「うん、ドリーマーとして生計を立ててる人もいるでしょ? それと同じでアンリアルドリーマーはDreamtube経由でユノと交換することが出来るんだ。Dreamtubeのアカウント画面にユノと交換する項目があるよ」

 

 

 言われるがままつむぎはDreamtubeを開きUドリーマーのアカウント画面を見る。

 よく見てみるとポイントをユノと交換という項目があった。

 

 その項目を押すとアンリアルドリーマーとして活動したポイントをユノと交換しますか?

 

 という項目が出る。

 はいとつむぎはボタンを押した。

 

 ユノが加算されました!

 

 +132000ユノ

 

 

「あっ!? 一気に10万以上増えたよ!? こんな簡単に増えるのものなの?」

 

「リアルのドリーマーじゃ全然お金にはまだならないけどUnreallyは現実じゃなくてゲームだからね。少しの再生数とスマイルでもかなりユノが貯まるんだ。だからUnreallyにはアンリアルドリーマーがたくさんいたりもするね」

 

「へぇ」

 

 

 頑張ってきて良かったとつむぎは思う。趣味程度に始めたUドリーマーだが、ファンができて頑張って最近いろんな動画を撮りはじめてその成果としてユノを貰えたとなると、とてもやりがいがある。

 

 

「でも10万ユノで足りるかな?」

 

「私の家の隣の空き地なら10万ユノで家が建てられるよ。人が少ないからね」

 

「じゃあそこにするよ! さっそく咲夜ちゃんの家の隣にいこ!」

 

「あっ、ちょっと」

 

 

 つむぎは咲夜の前に行き、今すぐ建てたいと咲夜の家の方角へ向かって走っていった。

 

 気持ちが高ぶっていた。

 

 

 どんな家を立てようかそういった妄想で───

 

 

「へぶっ!?」

 

「つむぎ!?」

 

 

 電柱にぶつかるつむぎ。

 

 

「あはは……ついうっかりしてたよ」

 

 

 調子に乗って正面を見ないつむぎの悪い癖だった。

 

 これからどんな家ができるのか期待が高まる?

 

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