Unreally   作:羅糸

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ドキドキ!噂の心霊スポット行ってみました!

◆【ドキドキ!】噂の心霊スポット行ってみました! │麗白つむぎ

 

 

「はい、みなさんこんばんは! アンリアルドリーマーの麗白つむぎです!」

 

「同じく小太刀咲夜だよ」

 

 

 暗い森の中。

 撮影画面にはつむぎと咲夜がいる。咲夜はもうつむぎの動画ではレギュラー同然だ。

 

 つむぎの話の進め方も明るさも前よりも格段に上がっており、Uドリーマーとしての成長がうかがえる。

 

 

「そして今日はこのチャンネルに新しいゲストが来てます。それはー」

 

「しゅびっと参上! 試作品ナンバー000、零式! しきちゃんって呼んでねー!」

 

 

 ドーンと登場したしきは真ん中に出てきて決めポーズをした。

 

 

「ってことで同じUドリーマーのしきちゃんです!今日は三人で心霊スポットを探索しようと思ってます」

 

 

 そしてつむぎは説明する。

 この森で噂される、てるてる坊主にされ吊るされるという心霊現象について。

 

 

「心霊スポットだけど二人は大丈夫? 怖くない?」

 

「ウチはへーきへーき! 幽霊でもなんでもバッチこーい!」

 

 

 怖さとは無縁のように元気に返事をするしき。その持ち前の明るさが今は頼もしい。

 

 

「私も大丈夫、いざとなったらこれで倒す」

 

「幽霊に銃は効くのかな!?」

 

 

 アンリミテッドファンタジアでも使用した銃を咲夜は手に取り構える。相手はゾンビではない。

 

 

 

「わたしはね……やっぱり怖いよ……」

 

 

 体が震えるつむぎ。昼間はワクワクとどきどきだったがいざ夜となり森へくるともし幽霊にあったらどうしようという不安がよぎった。

 

 

「だからね事前にマテリアライズペンで作ったアイテムがあるんだ」

 

 

 そこで一つのアイテムを取り出す。

 それは白い紙がついた棒だ。

 

 

「お祓い棒! これで幽霊がでたらお祓いするんだ! そうすればきっと徐霊できるよっ」

 

「ボケてるの……本気なの……?」

 

 

 お祓い棒を振り回すつむぎに戸惑う咲夜。

 

 

「それじゃあ心霊スポットめぐりへ、しゅっぱ~つ」

 

「おー!」

 

「お、おー……」

 

 

 つむぎの掛け声と共に元気に言うしきと逆に静かに返事をする咲夜。

 

 こうして心霊スポット探索へと三人は向かった。

 

 

 探索はつむぎが先頭で懐中電灯を取り前を照らす。そのあとに続く咲夜としき。

 

 

「ま、まだなにも出てないよね!?」

 

「つむぎ、まだ出発して三分も経ってないよ。先頭変わる?」

 

「大丈夫。でも怖いから手繋いで欲しいな……」

 

「……わかったよ」

 

 

 つむぎは空いてる左手で咲夜の右手を握る。

 このとき咲夜の頬が赤くなってることを暗い森の中でつむぎは知るよしもない。

 

 

 そのときだった──。

 

 懐中電灯の光から突然ばさぁと黒い物体が現れてきた!

 

 キー、キー!

 

「きゃっ」

 

 

 つむぎはいきなりのことに驚き懐中電灯を落としそうになる。そんなつむぎを支えるように咲夜がつむぎの肩を持つ。

 

 

「大丈夫つむぎ!?」

 

「わたしは大丈夫だよ。幽霊かと思ったけどコウモリだったからほっとしたよー」

 

 

 ライトの方を見る。それは一匹のコウモリで光ってるあたりを飛び回っていた。

 しばらくするとコウモリは姿を消していく。

 

 

「あはは、ちょっとびっくりしたね。しきちゃんはだいじょ──」

 

「怖い怖い怖い怖い」

 

 

 しきの方を見ると彼女は頭を抱えて座り込んでいた。

 

 

「しきちゃんやっぱり怖いの苦手?」

 

「違うよ怖いのは鳥だよ! いつもウチのこといじめてきてトラウマなんだもん!」

 

「コウモリは正確には哺乳類で……」

 

「へーそうなんだ! ……じゃない! そんなの関係ないないなーい! 飛んで襲ってくるもの全部ウチの敵!」

 

 

 咲夜の指摘に納得しかけたしきだがそう怖いものは変わらないだろう。

 

 

 ◇

 

 

「ねーまだ幽霊かなんか出てこないのー?」

 

 しきが言う。

 探索してから数十分が経過していた。

 あたりは静かでライトを照らしても木だけがそこらじゅうにあるだけだ。

 

 吊るされた人間らしきものも一切でてこない。

 

 

「おかしいなー。確かに動画ではこの森に出るって言ってたのになぁ。噂は所詮噂だったのかな?」

 

 

 今回の動画は上手くいけばよい動画になると思っていた。逆によくなければボツになるだろう。

 

 

 そろそろ諦め時か、そう思っていたとき──

 

 

「けて……助けて……」

 

「え? なんか言った咲夜ちゃん?」

 

「なにも言ってないけど……まさか?」

 

 

 助けて……助けてと声がする。声はもっと奥の方だ。

 

 

「い、いってみよう……」

 

 

 つむぎはごくりと唾を飲み、三人は奥へと進む。怖さと好奇心、二つが入り交じっていた。

 

 

 奥には一人の少女がいた。

 黒い髪の後ろ姿が見える。

 

 

「助けて……」

 

「あの、どうしたの?」

 

 

 つむぎは少女の元にかけより質問する。

 念のため距離を置いていた。彼女が何者かはわからない。

 

 

「雨を止ませなきゃいけないの……」

 

「雨なんて降ってないよ?」

 

 

 つむぎは少女の言葉であたりを見渡すがなにも降ってなどいない。

 

 

「もうすぐ降るよ……」

 

 

 するとぽつり、と雨が降ってくる。

 豪雨ではない。少量の雨だ。

 少女は天気予報ができるのか、そう思ったがこの雨なにかがおかしい。

 

 

「これっ血じゃん……」

 

 

 しきが呟く。服についてた雨を振り払おうとしぬちゃ、という水にしてはおかしい違和感で手を見たのだ。

 手のひらは赤く染まっていた。

 

 こんなこと噂で聞いていない。

 

 

「血の雨……止ませ方は簡単だよ……」

 

「……どうすればいいの?」

 

 

 つむぎは恐る恐る聞く。

 すると少女はこちらへ振り向く。

 

 

「あなた達がてるてる坊主になればいいの……!」

 

 

 少女の顔は目が包帯で覆われ口が裂けそこから血がだらだらと流れていた!

 

 

『で、でたぁぁぁぁ!』

 

 

 つむぎとしきが叫びその場から走り出す。

 咲夜は言葉には発しなかったが驚いており二人の後を追った。

 

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