Unreally   作:羅糸

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秘密結社ブルローネ

 翌日つむぎはある場所にいた。

 あのてるてる坊主にするお化けの犯人、鹿羽ひそかに招待された場所だ。

 

 そこには紫のドームがあるだけで他に建物はなかった。そのドームもどこにも入り口のような扉らしきものはない。

 

 

「あっ、咲夜ちゃん! しきちゃん!」

 

 

 つむぎは昨日一緒に撮影を行った二人を見つけた。

 二人はフードを被っており一瞬誰だかわからない。

 

 しかしフレンドのネームプレートの特別表記のお陰で判別することができた。

 つむぎも同じくフードをしている。

 

 

「よく来るぇ二人とも。ウチ来ようか迷ってたのに……」

 

 

 若干呆れたような顔をするしき。

 

 

「私はつむぎが来るだろうと思ったから安全を確認するために」

 

「あはは……わたしは面白そうだったから」

 

 

 つむぎは興味本意だ。

 せっかく招待状を貰ったんだし行って損はないと思っていた。

 

 

「やぁ三人とも、昨日ぶりだね」

 

「ひそかちゃんだ!」

 

 

 ひそかがやって来た。ひそかは変わらずの姿でいる。彼女自身元からフードのようなものを着ているため必要ないのかもしれない。

 

 

「しき。君もやっと来てくれる気になってくれたか」

 

「違うしー。ウチは二人があんたの変な宗教ごっこに影響されないように見守るためだしー」

 

「宗教ごっことはひどいなぁ……こっちは真剣なんだよ」

 

 

 話をするしきとひそか。二人は仲がいいのか悪いのか微妙な関係だ。

 

 

「それじゃあ中へ入ってくれたまえ」

 

 

 ドームの側に寄りしゃべるひそか。

 

 

「でも、扉なんてどこにもないよ?」

 

「あぁ失礼、そう言えば合言葉を教えてなかったね。秘密結社に入るには合言葉が必要なんだ」

 

 

 そう言ってはひそかは壁の前にたつ。

 

 

「合言葉はルグーエ・ピスエだ」

 

 

 するとどうだろう。なにもなかったドームの壁に人が入れる四角い穴が開いた。

 

 

「どうぞ中へ、ひそかは準備があるから先に自由な席についててくれたまえ」

 

 

 ひそかは言った後先に進んでいく。

 中は地下への階段へと続いていた。

 階段を下りるとそこはドームよりも何倍も大きい地下広場があった。

 

 奥にはスクリーンとたくさんの席があり手前は自由に動けるスペースがあり、自販機もおいてある。

 

 地下には何十人もの人がいた。その全員がつむぎたちと同じフードを被っている。

 これら全員が秘密結社のメンバーなのだろうか。

 

 

『ごほん、恐縮に、今から秘密結社ブルローネの定期集会を始めるよ。みんな席につきたまえ』

 

 

 ひそかの声がアナウンスのように聞こえてきた。

 それを聞くと自由に会話をしていた人たちも静かに席につこうとしていた。

 

 つむぎたちもそれを見習い三人でならんで座る。

 

 

『みんないいね? では始めよう。私は秘密結社ブルローネ団長、鹿羽ひそかさ』

 

 スクリーンのある場所の演説台にぴょこんとひそかが現れた。そしてひそかは話始める。

 

 

『諸君、今回秘密結社で考えた企画、てるてる坊主作戦は残念ながら我々秘密結社がやったことがバレた。月にうさぎ作戦ではもふもふあにまるずに上手く情報が伝達し騙せたがなかなか上手くいかないものだな』

 

 

「あれをやったのもひそかちゃんたちなの!?」

 

 

 つむぎは思わず声を上げる。

 もふもふあにまるずが月へと行きうさぎに月見団子をもらってた動画をつむぎは見たことがある。まさかあれはブルローネの仕業だったとは。

 

 そんなつむぎをひそかは一度見てまた話始める。

 

 

『新しいメンバーもいることだし説明しよう。我々秘密結社は常日頃Unreallyの都市伝説や噂を集めたり自ら噂をでっちあげるのが目的だ』

 

「つまりほとんどいたずらみたいなもんだよ。あいつの考えることは」

 

「なにそのはた迷惑な行為……」

 

 

 小声でひそかたちがやってることを説明するしき。

 

 

『では次に定期集会の決まり映画鑑賞会だ。今回はサメ人間を見よう』

 

 

「げっ、よりによってB級映画の日かー」

 

 

 しきはなにかを悟ったように言う。その顔は地獄がはじまるかのような表情をしていた。

 

 スクリーンには映像が映し出される。

 サメ人間と書かれたタイトルが表示され映画が始まったことが分かる。

 

 内容はとんでもなく謎だった。

 

 ある日突然マッドサイエンティストがサメと融合を果たした。

 サメの全身に人間の手足がついた不気味な姿だ。鳴き声はサメー!で統一されている。

 

 後にサメ人間と呼ばれるようになるそれは民家を襲い、口に赤い液体が!

 

 その液体は血ではなくケチャップだった!

 お腹が空いたサメ人間は民家に不法侵入し冷蔵庫を漁っていたのだ。それをみた一般人と格闘戦になりボコボコに。

 

 それからいろいろな場所で死闘を繰り広げボコボコにされていったサメ人間、最終的には警察に捕まって手錠をされてEND。

 ちなみに持ち前のサメの牙で人を食うシーンは一切出てこなかった。

 

 

『いやぁやはりサメ人間シリーズ最初の一作目は感動するものがあるね。この一作目で悪役のようにかかれてたサメ人間が後に世界を救うヒーローにまで成り上がるサクセスストーリーは最後まで見ると涙が止まらないよ』

 

 

 見終えた後ひそかが感想を言った。

 ひそかは涙をこぼしてるようにも見えた。見えただけで実際にどうかはわからない。

 

 

『以上で定期集会は終わりだ。また次回の開催を楽しみにしたまえ』

 

 その言葉で集会は幕を開けた。

 

 

 ◇

 

「どうだいつむぎ君たち秘密結社ブルローネの活動は」

 

「う、うん……な、なんか楽しそうだね……」

 

 

 さすがのつむぎもこれには苦笑いだった。

 サメ人間の内容が謎過ぎて頭に入ってこない。

 だが一つだけ疑問があった。

 

 

「そう言えばどうしてフード着用が義務付けられるの?」

 

「一応ここは秘密結社だからね。団長であるひそか以外はこの地下では顔はわからないようにしてあるんだ。それと合言葉もこの秘密結社に入れる条件だね。この合言葉は知ってる知り合いから直接聞かないと知ることはできないのさ」

 

「直接?」

 

 

 咲夜が問う。

 

 

「このルグーエ・ピスエという合言葉はネット上の電話、文字に書き起こして送信することができないようになってるのさ。それらの行為はノイズや文字化けが発生してわからなくなっている」

 

「そんなことできるんだ」

 

「ひそか自身にそんな事できる権力はないよ。この世界、Unreallyの支配者。七色こころ君に頼んでようやくそれが実現できた」

 

 

 こころによる仕組みなら妙に納得できた。

 自称ネット上ならできないことはないと言い張っている彼女だからだ。

 

 

「まぁこれもなんかの縁さ。よかったらフレンドになってくれるかい?」

 

 

 フレンド申請の通知が来る。

 

 

「別にこいつに付き合う必要ないよー。変人だし」

 

 しきはいつの間にかポップコーンを片手に話していた。

 確かに動画の噂はでっちあげだったし映画はなぞだったりした。行動も謎と言えば謎だ。

 

 でも……

 

 

「ひそかちゃんと一緒ならきっと楽しそうだね。よろしくねひそかちゃん!」

 

 

 つむぎはフレンド申請を許可した。

 

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