Unreally   作:羅糸

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見守る竜

 無事巨大ザメからの被害を免れたつむぎたち。

 

 それからつむぎたちは安全を確認しつつ、海を満喫することにした。

 

 定番のビーチフラッグで競走をして、スイカ割り、砂遊びをしたり充実した一日を送った。

 

 そして夕方にへとなっていき、バーベキューが始まる。

 

 ジュージューと肉や野菜、魚が焼ける音がする。美味しそうな臭いが漂っていた。

 

 

「いろいろあったけど今日一日たのしかったねー」

 

 

 つむぎは片手にコップを持ち咲夜に言った。

 

 

「ここがサメの出るやばいところじゃなければもっとよかったのにねー」

 

「ふふっ、まぁいいじゃあないか。今日一日を撮影しているのだろう? Uドリーマーとして最高の取れ高じゃあないか!」

 

 

 しきは焼いた肉を皿に取り、じーっとひそかの方へ目線をやる。だがそれに特に罪悪感もないように会話をするひそか。

 

 実際のところ今回の被害者は自家製バイクを破壊されたしきだけだ。

 

 

「ふー……ふー……」

 

 

 ねねこは猫舌なのか焼かれた海老をふーふーと冷ませながらちょっとずつ美味しそうに食べていく。

 

 

 紫に色に染まりつつある空を見上げつむぎは思う。

 

 

「ミーちゃんも来れば良かったのになぁ……こんなに楽しいのに」

 

「でも断ったんでしょ?」 

 

「うん、顔出しNGだからねぇ。撮影しなければ来てくれたかな?」

 

 

 そうである。ミーちゃんことミーシェルにも海へ行く誘いのメールを送っていた。

 

 だが返事は『ミーは一般の目に触れる場所には行けぬ……のだ。貴様らだけで楽しんでいくといい』と断られている。

 

 いたら絶対楽しいだろうと思っていた。

 リアルの彼女はお祭り事を盛り上げてくれる存在でそういったことに目がない。

 

 今回は撮影もかねての海へのお出掛けだったため仕方ない。つむぎはそう割りきることにした。

 

 そんなこんなで今日の動画撮影は幕を閉じた。

 

 

 ◇

 

 

 仮面をつけた一人の少女が空高く浮いている。

 その仮面は顔こそ隠せても全身までは隠せはしない。特徴的な彼女の姿はあまりにも隠しきれない。

 

 彼女はエメラルドグリーンの海を見渡し安堵した。

 

 

「ふぅ……どうにか今日一日終わった……のだ」

 

 

 仮面を付けていた少女、ミーシェルは仮面を外して独り言を呟いた。

 下にいる小さく見える人影を見ていた。つむぎたちだ。

 

 そう、ミーシェルはつむぎたちが来ていた海に遠くからずっと見ていたのだ。

 つむぎたちは撮影してるため顔出しNGのミーシェルはどうどうとあの場に行けず、行くのは断っていた。

 

 それでも気になっていて今日一日ずっと遠くから見守っていたということだ。

 

 

「しかし焦った……のだ。あのデカイサメが出てきたときは……思わず助けにシュヴァルトブリッツを放ってしまった。……まぁあれくらいいいが」

 

 

 巨大なサメを撃退したのはミーシェルの黒い稲妻だった。威力を弱めた一撃だったがそれでもすごい破壊力だった。

 本気で撃っていたらあのサメは倒していただろう。

 

 楽しそうにしているつむぎたちを見つめる。

 今日一日つむぎたちの様子を見ていたがほんとうに楽しそうであった。

 

 なによりあのつむぎが自分以外の誰かとあそこまで仲良くやっているのを実際に見てほほえましく思う。

 

 そして同時に羨ましくも思う。

 

 

「ミーもアンリアルドリーマーだったらな……なんてな……」

  

 

 ミーシェルは最後にぽつりと言い残し羽を広げてその場を去って行った。

 

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