Unreally   作:羅糸

62 / 153
ある日の日常前編

 これはある日のUnreallyでの日常。

 

 

「ただいまー」

 

 

 つむぎはいつものように学校で授業を受けた後。家へと帰宅をした。

 

 学校での生活はいつもと変わらない。普通に授業を受け、休み時間ひなたやことねと会話をしてさやとお昼休みにご飯を食べる。そんな生活が続いている。

 

 

「おかえりつむちゃん」

 

「ただいまお母さん」

 

 

 リビングには母親がいた。

 テレビを見てくつろいでいる。この時間にやっているドラマの再放送を見ていたらしい。

 

 

「お母さん今日の夕飯何時?」

 

「7時、今晩はカレーよ。あまりゲームに熱中しすぎてご飯食べるの忘れちゃだめよ?」

 

「はーい。ちゃんとアラームかけるから大丈夫だよー」

 

 

 つむぎはそう言ってから自室のある二階の方へ向かう。

 

 親にはUnreallyのことは最新のゲーム機と言っている。ゲームをプレイしてるというだけでDreamtubeで動画配信をしていることは伝えてない。親に教えるのはさすがに恥ずかしかった。

 

 自分の部屋へと来たつむぎは鞄からノートを出し今日の課題を終わらせることにする。

 早く終わらせてUnreallyがやりたい。そういう気持ちでいっぱいだった。

 

 ただ課題をやるだけでは暇だった。そう思ったつむぎはスマホを取りだしとある動画を流す。

 

 

◆もふあにレイディオ│もふもふあにまるず

 

「もふあにレイディオ。さて今回もはじまったばい。もふあにレイディオの時間とよ」

 

 

 もふもふあにまるずのスゥの声が聞こえる。動画は静止画だ。これはラジオ感覚に聞こえる動画だった。

 

 もふあにレイディオはもふあにが週一で配信してるラジオ動画だ。トークテーマやお便りでもふあにの三人がトークしていく。

 

「さて今日のトークテーマは芸術でーすよー。おおかみさん、芸術といったらなんでーすかー?」

 

「芸術ってあれだろなんかドカーンズッシャッーンするやつ」

 

「芸術は爆発だっていいたいけんね」

 

 

 スゥが進行を務めウルがボケるように回答をし、シマリがツッコミを入れる。

 つむぎはそれをくすりと心の中で笑い微笑み、作業BGMとして使うように課題を進めながら聞いていった。

 

 

 ◇

 

 動画が終わる頃にはつむぎは課題を終わらせていた。だいたい30分。ちょうどいい時間だった。

 

 課題を片付けるとよし、とつむぎは呟きUnreallyのヘッドセットを手に取る。

 

 ヘッドセットを頭に装着してベッドに寝たつむぎはUnreallyへの世界へと導かれた。

 

 

 起きた先はつむぎのマイホーム。ここがリスポーン地点だ。つむぎはまずはじめにアラームを7時に設定する。

 

 Unreallyで食事をしてもリアルでの空腹が解消されるわけではない。なので食事をするときはちゃんとリアルに戻ってくるようにつむぎはいつもアラームをかけていた。

 

 アラームをかけた後つむぎは次にUnitterを見ることにした。

 

 麗白つむぎのアカウント名でUドリーマーとしてのアカウントがある。その日の出来事や動画配信のお知らせを告知するのにユニートするアカウントだ。

 

 そのアカウントでつむぎはエゴサをする。麗白つむぎというハッシュタグがありそこから自分がどんなことを言われてるか見ていた。

 

 

『つむぎちゃんちょっとドジなところあるけどそこがかわいいなぁ』

『つむりんの描く衣装とても素敵! ときどきUnreallyで着てる!』

『ツムツムカワイイヤッター』

 

 

 さまざまなユニートが呟かれている。

 つむぎのファンの間ではいつの間にかつむりんやつむつむなどつむぎのことを愛称で呼ぶ人が現れてきた。

 

 これはUドリーマーならよくあることだ。

 そんなユニートたちをつむぎはいいねを押していく。

 

 そこであるユニートに目が止まる。

 

 

『つむぎちゃんを描いてみました!』

 

 ユニートには画像がついておりつむぎを描いたファンアートが載っていた。可愛らしくデフォルメ二頭身のイラスト。描いた人物はときどきUnreallyで会ったことのある紅あかねだった。

 

 つむぎはその画像を保存するといいねとリユニートした。つむぎはファンアートをそれなりにもらったことがある。

 そのすべてをつむぎは大切にしておりお気に入りの画像ファイルを作っているほどだ。

 

 自分のことを応援してくれるだけでなくなにかをしてくれるのは凄く嬉しい。その気持ちだけでつむぎの心は一杯になる。

 

 

 一通りUnitterを見ているとビデオ通話の通知が来た。相手はミーシェルだった。

 

 

「ミーちゃんどうしたの?」

 

「いや、今日はダンジョン攻略は休みでな。そっちの方はどうしたものかと思ったのだ」

 

 

 小さなモニターにミーシェルの顔が映し出される。

 

 

「わたしは今日Uドリーマーの活動はなしでUnreallyを満喫する予定だよ。そうだ! なら一緒に遊ばない? 友達が経営してる喫茶店があるからそこでお茶しようよ!」

 

 

 つむぎは提案をする。

 

 ミーシェルはUnreally内にあるゲーム、アンリミテッドファンタジアのトップランカーで常にダンジョン攻略などに励んでいる。

 

 なのでミーシェルとはあまりUnreallyで一緒に遊ぶ機会はそこまでない。

 

 

「ミ……動画で紹介していたところか。うむ、気になってたから悪くはない……のだ」

 

「動画見てくれたんだね!」

 

「ま、まぁな。友の動画に目を通すのも友人のつとめ……なのだ」

 

 

 右目を閉じながらミーシェルは言う。

 するとビデオ通話に一つモニターが追加された。それは咲夜だった。

 

 咲夜とは今日一緒にUnreallyで遊ぶ予定だった。

 

 

「おまたせつむぎ。あ、ミーちゃんもいたんだ」

 

「だからミーちゃん言うのは……! もう勝手に呼べ!」

 

 

 否定しようとしたミーシェルだがこれ以上やっても無意味と思って諦めたのか認めたようだ。

 

 

「あはは、それじゃ三人でノーラちゃんのお店に行こっか」

 

 

 つむぎは苦笑いをしながら三人でエレオノーラの店に行くことにした。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。