Unreally   作:羅糸

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新たな日常

「さやちゃん一緒にご飯食べよ」

 

「ん……」

 

 

 ある日のお昼休み。つむぎはいつものようにさやとお昼ご飯を食べることにする。屋上で食べるのがもはや日課となっていた。

 お弁当を持って教室を出ようとする二人。

 すると声をかけられた。

 

 

「つむぎー、さやーあたしも連れてってよ!」

 

「こともいいかな?」

 

 

 ひなたとことねだった。

 ひなたはコンビニのサンドイッチを手に持ちことねは手作りのお弁当を手にしている。 

 

 

「せっかくあたしら四人とも友達同士なんだからさもう別々に食べなくても良いでしょ? ねっ」

 

 

 にやりと笑うように言うひなた。

 これまではお昼の時つむぎはさやと食べるときはひなたたちとは別々に食べていた。

 

 しかしさやは体育祭ではひなたと文化祭ではことねたちと友達になっている。

 

 それだけでなく文化祭以降さやは他のクラスメイトや別の生徒にまでブルーシルでの演奏で声を掛けられることが多くなっていた。

 それはまだ慣れていなくていつもつむぎの後ろに隠れているが。

 

 

 ぽつりと一人でいたはずのさやのまわりにはいつの間にか人が集まるようになっていた。

 

 

「そうだね。さやちゃんもそれでいい?」

 

 

 そんなことを思い返しながらつむぎはさやに言う。

 

 

「ひなたは一人で食べて……」

 

「あたしだけハブるの!?」

 

「冗談……」

 

 

 さやはいたずらっぽく言った。

 それを見てあははとつむぎは笑う。

 

 文化祭の後、さやたちの日常は色鮮やかとなり変わりつつあった。

 

 

 ◇

 

 

「ふー、こんなもんでいいかな?」

 

 

 放課後のUnreallyでの出来事。

 つむぎは自分の家で次にやる動画の企画を考えていた。

 

 企画内容は様々だ。

 絶景スポットを観光するものから最新ゲームのゲーム実況、新しい趣味を見つけようとする企画など出来ることから出来ないことまで思い付くものを紙に書いていった。

 

 その中からいいと思ったものを選別して動画として撮影するのがつむぎのやり方だった。

 

 アイデアを出すのは疲れる。休憩をしようとつむぎはDreamtubeを開いた。

 

 アプリを開くとつむぎはそこから今話題の動画を見てみようとする。すると思いがけない人物のサムネがあった。

 

 

「ノーラちゃん!?」

 

 

 話題の動画のなかにエレオノーラが表示されている動画がある。サムネを見る感じそれはエレオノーラのチャンネルの動画だった。

 

 再生数はまさかの100万回。一体なにがおきたのか。

 

 つむぎはすぐにその動画を見ることにした。

 

 

◆空中でキャベツを千切りにするでありんす│エレオノーラ

 

 

「Здравствуйте ごきげんようでありんす。喫茶雪月花の店主エレオノーラでありんすよ」

 

 

 動画には腰に刀を付けたエレオノーラが映し出されていた。目の前にはテーブルにお皿が置いてある。

 

 

「今日はキャベツの千切りをするでありんすよ。ただ千切りするだけではないでありんす。キャベツを投げて落下し終わる前にこの刀で全て斬るでありんす。一瞬なので目を離しちゃダメでありんすよ」

 

 

 そう言ってエレオノーラはキャベツをまるごと取り出す。そのキャベツを空へと投げた。

 キャベツが空中へと上がり重さにより落下し始めたときエレオノーラは行動に移した。

 

 

「はっ!」

 

 

 瞬間、エレオノーラは腰の刀を抜き目にも止まらない早さでキャベツを切り刻んでいく。

 皿に落ちる頃にはキャベツは全部千切りとなり綺麗な山盛りとなっていた。

 

 

「До свидания またのお越しを」

 

 

 エレオノーラは綺麗に刀を収め動画は終了した。

 

 その神業にネット上でバズったようであった。

 

 

『0.25倍速にしてもなにがなんだかわからなかったよ……』『人間の所業じゃない』『アンリアルだから』

 

 

 といったコメントで動画は埋め尽くされていた。

 

 

 

 

「凄いなぁノーラちゃん」

 

 

 ノーラの動画の凄さにつむぎは感心する。ノーラのほうがアンリアルドリーマーになったばかりなのにもう100万再生されるような凄い動画を上げている。

 

 自分も負けていられないなとつむぎは思った。

 

 

 そんなことを思っていると一件のビデオ通話の通知が来た。

 相手は咲夜だった。つむぎはなんだろうと思いながら通話を許可した。

 

 

「なに咲夜ちゃん?」

 

「大変だつむぎ……私身バレした」

 

 

 緊迫した表情で咲夜は言った。

 

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