息抜きがてら投稿するつもりなので、完成度や文章の稚拙さ等は予めご了承くださいまし。
大切なのはフィーリングっす。足りない要素は貴方様の脳内でちゃ〜んと補完してくだせー。
「……今日は一段と日差しが厳しいな。あっ、そういえば知ってます?日本は世界で最も皮膚がんの少ない国なんですって。皮膚がんの最も多いオーストラリアやニュージランドと比べて罹患率はおよそ1/ 1 0 0 、死亡率でも1 /4 0 から1 /2 0なんです。だから太陽浴びて皮膚がんが〜ってやつは意外と迷信なんですってね」
俺はふと思い出した何かの本に書いてあった受け売りを偉そうに語っていた。いきなりこんなこと言われても訳わからんって思うかもしれないが、4月とはいえ狭い室内で面と向かって長時間オッさんと2人きり。暑さもそうだが気持ちが滅入らない方が不思議なくらいだ。が、そんなことにへこたれる俺じゃない。俺自身が経験を積むことで、例えどんな状況でも楽しいと思える人間になってしまったと思い返すといつもその結論に至る。
「…あのな、俺が聞きたいのは蘊蓄じゃねぇんだよ。俺だってさぁ、本当は今日非番だったわけよ。この仕事してっとさぁ、休みなんか申請したって殆ど取れないわけ。分かる?その偶の休みをね、君がぶち壊してくれたんだよ。でも俺怒んない、だってそれが俺の仕事だもん。だからね、お互い早く終わりにして帰りたいのは一緒なんだから………公園にテント張って野宿してた理由、教えてよ?」
「……スパシーバ ザ ザボートゥ。シルジェーチュナ ブラガーダリュ バス」
「……はっ?」
ありゃ?感謝の気持ちを込めてお礼を言ったつもりだったんだけど……ロシアではちゃんと通じたぞ?あっ、もしかしてジェスチャーが足りんかったか?もっとロシアっぽい動きとかすれば伝わるのか!
「わ…ワタシ、アナタ、アリガトウ。アナタ、ワタシ、カイホウセヨ!」
「テメェおちょくってんのかぁ!?いっぺん死に晒せやァアアア!!」
目の前のオッさんが腰に備え付けられたホルスターから拳銃を引き抜いて俺の額に銃口を押し付ける。おいおい、日本の警察血気盛んだなぁ、おい。
流石にこの狭い交番内でそれだけ騒げば、当然別の警官が向かってくるのは分かりきっていた。おっ、噂をすれば…。
「先輩〜、今度は何騒いでんですかぁ……って、先輩!?流石に銃はマズいっすよ!一般人に発砲なんかしたら懲戒免職っす〜!?」
「五月蝿ェ!!俺は警察人生掛けてもこのエセロシア人をぶっ潰さなきゃ気が済まねぇんだよ!!こんな奴の所為で俺の貴重な休日パァだぞ!こいつ殺して俺も死ぬーっ!!」
「だ、駄目っす駄目っす〜!?自分、先輩いなくなったら……生きていけないっす…」
「高田……お前……まさか…」
暴走するオッさん警官を止めに入ってくれたのは高田という女性警官だ。因みに身長も見た目も随分小柄でちんまりしてて、中学生みたいな可愛らしい人です。萌えって言葉が現実で当てはまる人ってああいうのを言うんだろうな、きっと。それにしても……あ〜あ、また始まったよ……茶番が。
「だって……先輩がいなくなったら、自分の仕事肩代わりしてくれる人がいなくなっちゃいますからっ!にゃわ!?」
「高田、テメェ……今日という今日はもう許さん!!その腐りきった性根を叩き直してやる!!こっち来い!」
怒りゲージがMAXになったのか、オッさん警官が高田さんにコブラツイストを決める。うわっ、それパワハラ&セクシャルバイオレット!若い子、知らないか。
「あぅ〜、先輩期待させてごめんなさい〜」
「するかそんなもん!おいお前、調書の書き方分かってんだろ?さっさとそれ書いて消えろ……ったく、今度警察に厄介になるような真似したら、ど頭に風穴空けてやっかんな!!覚悟しとけよ」
そう言って、俺1人を残してオッさんと高田さんは出て行ってしまった。なーんだ、ちゃんとロシア語って分かってたんじゃん。食えない人だなぁ……さてと、ちゃっちゃと書くもん書いてトンズラするか〜。
「……うしっ、これでオッケー。オッさんの机の上に置いとけばいっか〜。あっ、そうだそうだ没収された俺のテント……うわぁ!助かった〜、これ無いと生きていけねーもんなぁ!会いたかったぞ〜!」
オッさんに没収された愛用の折りたたみ式テントを回収し、俺はまたお天道様の下に姿を見せる。久方ぶりの太陽との対面、まさに生きてるって感じだ……大丈夫、あれが無くならない限り俺は死なない!
「それじゃ早速……また公園にテント設置しに行こうぜ〜!ヒャッホー♪」
俺は浮き足立つ気持ちを抑えきれずにひたすら駆け抜ける。生きてる心地がする、その事実だけが俺の生きがいだ。何者にも束縛されず風の向くまま気の向くまま……常軌を逸してるよな!
「……へぇ、また面白い子発見♪うふふ…っ」
「うは〜!良かったぁ!まだあの“
俺は不意に襲って来た睡魔に意識を持ってかれる。あれ、おかしいな……いつもなら夕方に眠くなることなんかないんだけど……俺、もしかしてどうかしちゃったのか?
「…この薬品は煙だけでも人間を眠らせる効力がある。これ研究の成果ね……ところで君、運命の出会いって信じてたりする?」
……はぁ?何言ってんだこいつ。ってか、誰だ俺に話しかけてんの……あぁ、駄目だ……これ完全にお陀仏のパターンだ……来世で会おう…!
「………んっ、うぅ…うぁ、あ、あれ?俺、どうしたんだ…?確か、公園でテント張ってたら急に眠気が襲って来て……でも、何で外じゃないんだ?ってか、そもそもここ何処?どっかの家…?」
目を覚ました俺の目の前に広がって来たのは、俺史上最高クラスの景色だった。冷暖房完備、布団あり冷蔵庫あり四方に壁あり!な、なんて贅沢な……!
「……あれ?もう起きたんだ。意外と効き目短かったなぁ〜、今回の」
すぐ横から何となく聞き覚えのある声が聞こえてくる。あれ、これ何処で聞いたんだっけか……うおっ!?
「んっ、どうしたのボーッとしちゃって……あっ、もしかしてあたしの裸見て興奮しちゃた〜?ぐふふ…やらしぃ〜♪」
こ、これは……どう反応すればいい!?目が覚めたらすぐ側に半裸の女がいた!この状況を第三者視点から見た場合、まず俺が通報されるのは不可避!それに俺が捕まった場合、真っ先に俺の前に現れるのは……
(よぉ〜……何時間ぶりだったっけなぁ?んなこたぁどーでもいいんだわ。拳銃も使わねぇと錆びちまうからよぉ……悪いが射撃訓練の的になってもらうぜぇ!!間違って頭貫通させちまったらゴメンなぁ〜!!ひゃははははっ!?)
マズい、やる。あのオッさんなら間違いなく殺る!どんな手を使ってでも俺を練習台にしてぶっ放すに決まったらぁ。なら、男がやるべきことはただ一つ。全世界よ、俺の勇姿を見よ……これが俺の生き様じゃあああっ!!!
「すいませんでしたァアアアッ!!!」
俺は渾身の力を込めてジャパニーズベストごめんなさいを決める。早い話、土下座だ。いや、無理だって……起きてすぐにこの状況、分かるわけないやん?俺、指詰めるしかないやん?軽めに言って、切腹もんやん?
だがこの状況、側から見たらどうだろうか?少なくとも上下関係は保たれているはずだ。この女が何処の誰で何者なのかはこの際どうでもいい!俺は今を凌ぎ今日を生きて、そして明日へ繋げる!それがN.E.E.T.(なんか エッジの効いた エキストラっぽい 立ち振る舞い方)じゃあァアアア!!
「君……やっぱり面白いっ!」
「へっ…?おわっ!?」
何を血迷ったのか、突然俺に抱きついてくるこの女。うわっ、ちょ待てよ!そんなことされたら俺の中のキムタクが覚醒すりゅ〜!?
「最初に見た時から思ってたけど、君って結構変人だよね!それに“孝士くん”とは違う意味で面白いし……うふふっ♪」
「孝士くん……誰だそれ?ハムスターかなんか?」
「それ、多分こうしくんじゃない?グレーの奴の、とっとこ的な奴」
おやおやぁ?何か話が噛み合わねぇな……だがまぁ、それでいい!俺としては話題を逸らせれば何でもいいんだわ。適当に話を合わせておいて隙を見て抜け出せば何ら問題ナッシングなわけよ。生憎逃げ足だけは自信がある、この身体1つで何年もシャバを生き抜いてきたからな!今更俺に死角は……。
「って、おわぁああ!?な、何で俺も裸!?お、お前俺の服どうした…!?」
「うふふふ、君は顔に似合わず立派なものを持ってるんだねぇ〜。じゅるり」
ひぃ!?く、食われた。間違いなく俺、食われた。何も知らない内に訳もわかんねぇまま……童貞食われた。俺、汚されちゃったよぉ〜!!
「まぁ、ただ服剥ぎ取っただけなんだけどね。何か汚れてたし、あと単純に臭ったから」
「俺の涙を返せ!!」
がるるるっ!!駄目だ、この女には油断も隙も与えられん!気を抜けば最後、自分でも気付かないうちに地獄に叩き落とされる……それくらいは平気でするだろうさ!平常心だ、クールになれ。俺は強い、俺最強…。
「そんなに怒んなくてもいいじゃない。もしよければうちのお風呂使っていいよ〜」
「な、何だと…!?」
お風呂、世間一般ではそれ以上でもそれ以下でもない。だが俺にとってはその存在は神の如く崇めるべき至高の存在!!お前らは1日1回風呂に浸かれることがどれだけ幸せなことが理解しているか!?いいや、してないね!俺に言わせれば3日4日風呂に入らないことなんてザラだし、下手すら1週間……果ては公園の水飲み場の水を使って深夜の行水!夏はまだいいけど冬にアレやるとマジで死にそうになるだよなぁ…。ともかく、年中宿無しの俺にとっても風呂は死活問題であり、同時に可能な限り浸からせて頂きたいです!←媚びた
「前向きに検討させて頂きます♡」
あぅ……俺ってめっちゃ都合のいい奴。だが、それでいい!生きていくのにプライドなんて邪魔なだけ!今日を生きる為なら土下座して靴舐めるくらいは二つ返事でするのが俺さ……超カッコ悪いけど。
「ふふ〜!素直でよろしい♪風呂は部屋を出てすぐにあるよ。あと……前を隠すものは要らないよねぇ?ちょ〜っと手で隠せるかどうかは心配みたいだけど」
こ、こいつ……俺のわんぱくな愚息をバカにしやがって………ふっ、だがまぁいいさ。久しぶりに風呂に浸かれるんだ。多少の粗相は目を瞑ろうじゃないかふはははっ!
「おい、この際調子に乗ってるお前にも見せてやる。普段女どもからは全く想像のできない俺の流儀をとくと堪能しやがれ!まず第一にィ……恥を捨てよ!!」
俺はその場に立ち上がり、布団で覆っていた俺の裸体を目の前の女に向けて晒す。ふっ…眩しくて見えないだろう。こうなったら恥ずかしがった方が負けだ。先に手を出して来たのはそっちなんだからなぁ?やったら最後、完膚なきまでに……叩き潰すっ!!
「第二にィ……浴室まではランウェイであると思え!!脱衣所は舞台袖だ、浴場はステージ!そしてその主役に選ばれたのはこの俺ェ!」
「うわぁ、変なスイッチ入っちゃったよ。やっぱ良いわぁ…」
半裸の女が何か言っている気がするがそんなの関係ねぇ!それになぁ……まだ最後の儀式が終わってねぇんだよ!!
「そして第三ッ!!周りの奴らに舐められるな。他者を蹴落とす覚悟で準備し戦いに臨め!!自分のポテンシャルを全て発揮しろぉオラァ!!」
俺は自分の身に起こっている変化が手にとるように分かる!あぁ、そうだ……男が舐められないようにすることって言ったらアレしかねぇもんな!!みるみる硬くなって来たゼェ!!臨戦態勢、しゃオラァいくゾォー!!
「オラオラァ!!死神様のお通り、だ……っ」
「へっ…?あ、あぁ…!」
俺はふと目の前の光景を見た瞬間、時間が止まったのを初めて体感した。えー、まず状況を説明しようか。浴場の扉を開けたら、中にさっきの女とは違う女がいたのね。それも複数人、多分4人かな。んで、みんな俺の方見てるわけ。そりゃいきなり扉開いたらそっち見るよね?学校で遅刻して来た奴が扉開けたらみんな一斉にそいつの方見る奴、アレと一緒よ。んで、今度俺の状況ね。イキってたからさ、タオルなんか要らねえよって何も隠すもの無くて突入しちゃったのな。そんでもって俺、さっき舐められないように見栄張っちゃったから、もう下バッキバキなんだわ。めっちゃ反り返ってるんだわ。そりゃそうだよ、だって男の子だもん。だから、こういう状況ってこの後どういうことが起きるか何となく予想出来るじゃん?でもね、そこで言い訳するのは二流なの。本物は……何事も無かったかのように振る舞う、これが正解なわけ。邪な心を持ってるから争いになるのです。その証拠にほら、みんな憤怒の表情で俺に襲いかかってきてぎゃあああああっ!!!
「紹介が遅れたね。ここは星間女子大学生寮の“女神寮”だよ。そしてあたしは大学四回生のみねる、宜しくね。んで、さっきの鬼女どもが…右からきりやちゃん、フレイちゃん、せれねちゃん……そして、奥で鼻血出して悶えてるのがあてなちゃん。どう、ちゃんと覚えた?」
あぁ、ちゃんと分かったさ。お前らがグルになって俺を嵌めたってことがなぁ!!全部予定調和だったんだろうがしょうもねぇ小芝居しやがって……結局、俺童貞食われてなかったじゃんかよ!良かったよ逆に!そこはドッキリで済ませてくれてどうもありがとう!だがそれとこれは話が別だ!断固として文句を言わせてもらうぜ!!
「あうえ〜!!えあういおあうううあおえいあっえうおおえんうあうえ〜!!」
「あはははっ!何言ってるか全然分かんないよ〜。じゃあ、特別に猿轡だけ外してあげる」
俺の口にジャストフィットされていた猿轡が外され、俺は漸く発言の自由を得たようだぜ。死刑囚がこれをされるのは側から見たら滑稽だからかもしれねぇな。
「ぷはっ…!お、俺は無実だ!そこの悪魔に唆されて洗脳されてただけだー!!だから今すぐ椅子の後ろで手縛ってんのと目隠し外せーっ!!」
俺の訴えを嘲笑うかの様に何処からともなく取り出したカメラでパシャパシャと俺の情けない写真を撮りまくる悪魔女。くっ、俺史上……最大の屈辱!!これなら野良犬のうんこ食えって言われてる方がまだマシだった。いやそっちも嫌だけどせめて尊厳は保てた気がする。俺、何もしてないじゃん…。
「さーて、ここからはお楽しみの尋問タイムと洒落込もうかなぁ。孝士くんが帰ってくる前に済ませとかないとねぇ……多分、刺激強めだからさ♪まず、自己紹介してくれるかな?因みにさっき書いた調書は確認済みだから嘘言ったら分かるからね。その時は……くふふ、ぐふふふ…」
くっ……このみねるとかいう女、抜かりない!ということは俺が所々空欄で出した調書の意味が分かってないようだな。いや、こいつらだけじゃない……この世界で俺のことを理解してくれる人間なんて1人もいないんだ。だから俺はあの日からずっと1人で生きていかなくちゃいけなくなったんだ。それを今更……この生き方を変えるなんて情けねぇこと、俺には選べねぇ!!
いいぜ、ここからお互い我慢比べだ。俺がお前らに話したくなるように仕向けてきな。もし俺が折れたその時は……全部包み隠さず話してやるよ!さぁ、かかってきな!!
「…俺は、俺だ。名前なんか無ぇよ。歳は20、住所職業ついでに明日の飯も全部無し。普段は世界中の色んな所を点々としてる。以上」
どうだ、面食らって何も言えねぇだろ。そうだろそうだろ……こんな特異な人生歩んでる奴なんてそうそういるわけがな
「ふーん、何か孝士くんと被ってんなぁ。最近流行ってんのかねぇ無一文になるのって。みんな、どー思う?」
えっ!?
「そうだねぇ……確かに孝士くんと似てる、のかな?でも流石に成人してるなら働いた方がいいと思うけど。まぁ行くあてが無いんだったらここに居ればいいんじゃないかな」
はぅ!?
「う〜ん、あっ!もしよければ私の作ったコスプレ衣装のモデルになればいいのでは〜!孝士くんより身長もあるしがっしりしてるみたいだし……うふふ、作業が捗りそうだわ〜っ」
い、いや…ちょ、ちょっと待って…。
「夜食……作れる?出来るなら、居てもいい…」
は、はぁ…?いやいやいや、何なんこの人たち!?何であんな怪しい自己紹介あっさり受け入れちゃってんの!?仮にも年頃の娘たちだろ!?そんな反応してくるなんて……
「ち、ちょっと待って下さい!!皆さん、なんか自然とこの人受け入れるみたいな流れになってますけど、おかしくないですか!?孝士くんだけでも今大変なのに、それより歳上のお、男の人までなんて……」
……そ、そうだよ。その反応が欲しかったんだよ。当たり前じゃないか、どうして俺なんかが受け入れられると思えるんだよ。普通、無理だぜ……一瞬でも、そんなことを夢見た俺がいけないんだ。始めから分かってたことじゃないか。この世界に俺を受け入れてくれる場所なんかない、だからこそ俺が生きたその場所を自分の場所にしなきゃ駄目なんだ。ねだるな、勝ち取れ…!俺なら出来るはずだ。
「……くっ、ふふっ、ふふふははっ……あはははははっ!いや、面白いものを見せてもらったよ。そこの“早乙女 あてな”の言う通りだよ。君たち、危機感無さすぎなんじゃないの?若い女が若い男をどうこう出来るなんて本気で思ってるわけ?全くお笑いだよ…」
「ち、ちょっとあなた!そんな言い方…!」
さっきの子が俺に僅かながら怒りの感情をぶつけてくる。そうだ、それでいい……そうすれば別れが辛くなくなる。一瞬でも彼女たちに心を許してしまった俺の落ち度だ、なら最後は派手に花火をあげようじゃないか!
「気に障ったかい?悪いね、こういう言い方しか出来なくて……残念だったな“和知 みねる”!どうやら俺はあんたのお眼鏡に叶いそうもないらしい。それに“戦咲 きりや”、“八月朔日 せれね”、そして“フレイ”……あぁ、それは偽名だったな。そして、今この場に居ない“南雲 孝士”くん……あんたらに俺の生き方は邪魔させないよ。いつだって俺を助けてくれるのは……俺自身だ。あばよ」
俺は話してる途中に布で結んであった手の拘束を外して見せて、徐に目隠しをとる。ふぅ……漸く視界がスッキリするわい……って、うおっ!?
「お、お前ら……何でまだ服着てねぇんだよ!?ってか、今まで黙って裸のまま聞いてたんか……み、みねる!?お前なんでさっきより服脱いでんだ!?それより俺のパンツ返せ!!アレ一個しか持ってねーんだぞ俺!?く、くっそぉおお!!こんな所、二度と来るかぁああ!!」
俺はなりふり構わず一目散にその場を立ち去った。途中、若い男の子とすれ違ったけど多分アレが孝士くんなのだろう。あんな破茶滅茶な女どもに振り回されるなんて可哀想な子だ。一体どんな弱みを握られているんだか………いや、違うな。彼女たちはそんな悪どい人間じゃない、それは嫌でも分かってたさ。だからこそ怖いんだ。そんな彼女たちでさえ、俺は打ち解けることが出来ないんじゃないかって……全部話せば、楽になるのか…?いや、駄目だ!これは俺の中でしか生きられない、そして墓場まで持っていかなきゃいけない秘密だ。危うく大事なことを忘れる所だったよ………俺のテント、あの悪魔どもの巣窟に置き忘れて来たことを。
男(名前はもう無い)
20歳 住所不定 無職
特記事項 無し