東方不敗、中央に立つ   作:物書きのゴリラ

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 予定通り8時に更新しようと思ったんですが、なんか自分で納得出来ない部分があったので少し訂正したため遅れました。申し訳ナス!

 それはそうと今回は「!」の後に全角スペースを入れずに書いてみました。見やすいでしょうか?
 もし見にくかったら感想で教えてください。戻します。


東方不敗、強敵に敗れる

 日本ウマ娘トレーニングセンター、通称『トレセン学園』

 ウマ娘達が日々切磋琢磨する学園のトレーナールームの一室は、緊張感に包まれていた。

 

 東条トレーナーは机に座り、書類仕事をしながらある方向を見る。

 そこには机に座りながらまるで強敵にあったかのようなオーラを出してペンを握る東方不敗と、それを後ろからなんとも言えない顔で拳を震わせながら見守る沖野トレーナーの姿があった。

 

 東方不敗はペンを握り、筆先をゆっくりと机の上の書類に近づける。

 そしてペンの筆先が書類の上に載った瞬間、ペンが粉々になって弾け飛んだ。

 

 

「ぐっ…ぬぅ、この東方不敗が……手も足も出ないとは……」

 

 

 脂汗を滲ませながら顔を歪める東方不敗。彼の書類の横を見てみると、他にも真っ二つに折れたもの、指の形に潰れたもの等々、かつてペンだったものがいくつも散乱している。

 

 それを見ながら沖野トレーナーと東条トレーナーは頭の中で考える。

 

 

((どうしてこうなった)のかしら……)

 

 

 

 

30分前

 

 

 サクラバクシンオーと師弟になった次の日。東方不敗は朝早くに沖野トレーナーと学園を散策していた。学園に登校している生徒は少なく、その代わりにトレーナーや職員の姿が多く見られる。

 

 

「ここが大樹のウロ。レースに負けた悔しさとか、人に言えないモヤモヤした気持ちとかをここで叫んでスッキリする場所だ」

 

「ふむ、トレーニングセンター学園という割にはトレーニングと関係ない場所もあるのか」

 

「ウマ娘の心のケアも大事だからな。気が張りっぱなしだったり、気持ちが沈んでたら勝てるレースも勝てない。適度にガス抜きをさせるのもまたトレーニングの一つだ」

 

「勝負事の真理よな。それにしても施設がよく揃っているものだ」

 

「なんせここは日本一のトレセン学園だからな、いわばエリート校だ。その分施設も充実しているし、トレーナーの給料も高い! ……ま、俺の今月の給料は昨日半分くらい吹っ飛んだがな……」

 

「ワハハハハ! 武道家に迂闊に奢るなど言ってはならんぞ。ま、授業料だと割り切るのだな」

 

 

 駄弁りながらも二人はいくつかあるトレーナールームの一つの前にたどり着いた。

 

 

「他にも色々と紹介したいところはあるが、ここが俺達トレーナーにとって一番大事な拠点であるトレーナールームだ。

 ここで資料を取り寄せたりレースでの戦略やらトレーニングメニューやらを建てたり、言ってしまえばトレーナーの仕事場だな」

 

 

 そう言って沖野トレーナーはトレーナールームのドアを開ける。そこには書類を眺める東条トレーナーの姿があった。

 彼女は仕事の手を止め、沖野トレーナーの方を見る。

 

 

「おはよう、いつもより早いわね。あら、東方不敗トレーナーも一緒なの?」

 

「ちょっと先輩として色々と教えて回ってたんでね。

 東方、あそこがお前さんの机だ。そんでこれがお前さんの初仕事な」

 

 

 そう言って沖野トレーナーは一枚の書類を東方不敗の机の上に置く。

 

 

「む、なんだこれは?」

 

「トレーナーがウマ娘と担当契約を結んだときに提出する書類だ。学園側も誰がどのウマ娘を担当してるか把握する必要があるからな。

 とは言ってもトレーナーは自分の名前を書くだけだが……はいこれペン」

 

 

 そう言って沖野トレーナーは机の上に書類を置いた。

 

 

「……書類か」

 

「どうした?」

 

「いや……筆と硯はあるか?」

 

「何で書類書くのに筆を使うんだよ。普通にペンを使え」

 

「ぬぅ……」

 

 

 渋りながらも東方不敗は椅子を引いて座り、ペンを手に取る。

 その瞬間、東方不敗からとてつもないオーラが溢れ出した。

 そのオーラに沖野トレーナーと東条トレーナーは思わず息を呑む。

 

 そしてペンの筆先が書類の上に乗った瞬間、

 

 

パキィン!

 

 綺麗な音と共にペンが真っ二つに折れた。

 

 

「………」

 

「……?」

 

 

 東方不敗は無言の圧を出しながら沖野トレーナーに手を差し出した。それを見た沖野トレーナーは目の前の現実に理解が追いつかずに取り敢えず新しいペンを渡す。

 そしてまた筆先を書類に近づけると、

 

 

グシャァ

 

 

 ペンが指の形に潰れた。

 

 

「………」

 

「………」

 

 

 見て東方不敗は顔を歪ませ、現実を理解し始めた沖野トレーナーは東方不敗に詰め寄る。

 

 

「おいおい!おまっ、俺のペンを「黙って見ておれぃ‼︎」

 

 

 ペンを壊されたことを怒ろうとした沖野トレーナーを一喝してペンを寄越せと催促する東方不敗。

 そうして東方不敗は一つ、また一つとペンを壊していき、遂に壊れたペンの数が2桁に到達した。

 

 

「ぐっ…ぬぅ、この東方不敗が……手も足も出ないとは……」

 

「こっちはお前に手が出そうだけどな?」

 

 

 理不尽にペンを破壊された怒りのあまり拳をわなわなと震わせる沖野トレーナー。

 

 

「ていうか筆圧で紙が破れるとかなら分かるけど何で書類を書くだけなのにペンが折れるんだよ!」

 

「仕方なかろう!儂は武道に一生を費やしてきた身ぞ!ペンなどまともに持てると思うな!」

 

「なら何で最初にそれを言わなかったんだよ!そうと分かってたら代わりに俺が書いたのに!」

 

 

 そう言われて東方不敗はその身にたぎらせていたオーラをシュン、と萎めた。

 

 

「……いや何、トレーナーになるならばこのような仕事を出来るようにならねばと思ったのだ。この程度でお主の手を借りてはこれから仕事があるたびに手を借りることになる。それは良くないだろう。だから挑戦してみようと思ったのだ。……だがおぬしのペンを壊したことは謝ろう。すまなかった」

 

 

 素直に頭を下げた東方不敗に沖野トレーナーは頭を掻き毟りながらも渋々溜飲を下げる。

 

 

「あ〜そういう事ならもういい。お前さんも悪気があってやった訳じゃないんだな?まぁ色々と言いたいことはあるが……仕事に関してはこれからできるようになれば良い。しばらくは俺がやろう」

 

「すまん、恩に着る「その代わり!」む?」

 

「お前にはウチのチームでサブトレーナーをしてもらう!」

 

「サブトレーナー?」

 

 

 沖野トレーナーの言葉に東条トレーナーは疑問を示す。

 

 

「そんなの初めて聞いたわよ?」

 

「サブトレーナーってのは俺が今考えた役職だ。東方不敗、お前さんはまだトレーナーとしてはヒヨッコだろ?だから取り敢えずウチのチームでサブトレーナーとしてトレーナーのなんたるかを学べ。別に一人でやっていくのはそれからでも良いだろ?」

 

「成る程、それはいい考えね」

 

 

 沖野トレーナーの提案に賛成する東条トレーナー。

 

 

「ふむ、ならばサクラバクシンオーもおぬしのチームに入るということか?」

 

「そうなるな。でもあくまでこれはお前さんがトレーナーとして一人前になるまでの提案だ。一人でもやっていけると思ったら何時でも抜けて良いぞ?」

 

 

 沖野トレーナーの提案に東方不敗はしばらく考え込み、

 

 

「その提案、ありがたく受けさせてもらおう。宜しく頼むぞ、沖野よ」

 

「おう!よろしくな!」

 

 

 東方不敗はチームスピカにサブトレーナーとして入る事になった。

 

 

 

 

 

「あなたがそんな提案するなんて思わなかったわ」

 

「先輩として、手のかかる後輩はちゃんと導かないと、な?」

 

「……本音は?」

 

「あいつがウチに来れば食費を割り勘出来るかなと思って……」

 

「……ハァ」




Q:何で沖野トレーナーはこんなたくさんペンを持ってたの?
A:なんかとにかく持ってたんだよ(ガバガバ理論)

 来週の更新は予定のせいで少し厳しくなりそうです…
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