腹を切ってお詫び申す!
「という訳で、今日から新しくスピカに入ることになった……」
「サクラバクシンオーです!学級委員長たるこの私が入ったからには連戦連勝百戦錬磨、入部者千客万来待ったなしでしょう!いわゆる期待の大型新人というやつです!よろしくお願いします!」
「東方不敗だ、この大言壮語を吐く阿呆の師匠をしておる」
「そういう訳で、みんな仲良くしてくれよ!」
胸を張りながらとんでもない自己評価を叫ぶサクラバクシンオーとそれに呆れる東方不敗。
そんな新メンバーを見たチームスピカの面々の反応は三者三様だった。
ダイワスカーレットとウオッカは目を輝かせ、ゴールドシップは沖野トレーナーを訝しみの目で見る。
「サクラバクシンオー先輩!あのタイキシャトル先輩にも勝るとも劣らないスプリンター!そんな人がうちのチームに入るなんて……」
「おっとダイワスカーレットさん!私はスプリンターとしてこのチームに来たわけではありません!」
「え?サクラバクシンオー先輩ってスプリンターじゃ……」
「私は全ウマ娘の頂点、ウマ娘theウマ娘になるため師匠の弟子としてついてきたのです!」
「ウマ娘……the……ウマ娘??」
ダイワスカーレットが困惑する横ではウオッカが東方不敗に詰め寄っていた。
「東方不敗トレーナー!オレ、ウオッカっていいます!今日学校でサクラバクシンオー先輩に勝ったとか、第二のオグリキャップとかすっげー話題になってました!どうやったらそんなに速くなれるんですか!」
「フフフ、やっていることはおぬしらと何も変わらんよ。日々鍛錬をし、飯をたくさん食べてよく寝る。わしの場合はそれが人より少し上手かっただけだ」
そんな光景を見ながらゴールドシップは沖野トレーナーに肘打ちしながら小声で話しかける。
「おい……どうやって騙したんだ?」
「だましてねぇよ!双方合意の上だ!ちゃんとおハナさんも同席の下だから安心しろ」
「なんだよ……あんなスゲー奴らを騙しこめる話術ならゴルシ流交渉術の127番目に加えようと思ったのによぉ。それにしても……」
一つ間をおいてゴールドシップはじっとウオッカの質問に答える東方不敗を観察した。そんなゴールドシップを見て沖野トレーナーは不思議そうに聞く。
「ん?どうした?」
「いや、あのおっさんカラリパヤットでもやってんのかと思ってよ」
「カラリ……なんだって?」
聞き覚えのない単語に沖野トレーナーは疑問を浮かべる。
「カラリパヤット、インドの武術だぜ。このゴルシ様自慢じゃぁないが柔道三段、空手三段、剣道二段、ムエタイ、少林寺拳法、サンボ、骨法、ブラジリアン柔術、カポエイラやらなんやら修めてるんだが、なんかあのおっさんの動きの節々にそれっぽい……源流の名残みたいなのが見えるんだよ。たぶんすんげー強いぞ!」
「お前の謎は深まるばかりだなほんとに……まぁ本人も武道家を名乗っていたから何かしらの武術を修めてるんだろ」
「いつか河原で拳を交えながら好きな郷土料理の話でもしてぇな……ちなみにアタシはうまかっチャーハンが好きだぜ!」
「郷土料理って何か知ってんのか?」
ゴールドシップによってその実力を見抜かれた東方不敗。
そんな東方不敗もチームスピカの面々を注意深く観察していた。言い合いを始めたダイワスカーレットとウオッカを見る。
(あの娘……ダイワスカーレットと言ったか、なかなか情熱に溢れておる。ネオフランス代表を思い出すわ。ウオッカはネオアメリカ代表のような快活さだが……まだまだ青いな。互いに言い合いをしてはいるが、あれは嫉妬や憎悪では無くお互いへの敬愛と競争心から来るもの。良きライバル同士だ。そして)
ダイワスカーレットとウオッカを見定めた東方不敗はゴールドシップへと目を向ける
(あのゴールドシップとやら、あの娘が一番わからぬ。全くもって正体が掴めん。まるで料理の材料を全部混ぜて奇跡的な味になっているような気配。不気味な娘だが、かなりの実力者だな……)
東方不敗が思わぬ出会いにニヤリとすると、それに気づいたゴールドシップも目線を向け不敵な笑みで反応する。
そんな二人の間で火花が散っているのに気づかず、沖野トレーナーは手を叩く。
「よし、そんじゃぁ自己紹介も済んだ事だし、歓迎会するぞ!料理はウーマーイーツで頼んだから安心しろ」
沖野トレーナーのその言葉に睨み合いをしていたダイワスカーレットとウオッカ、それを見て笑っていたサクラバクシンオーは顔を輝かせた。
「ホント⁉︎」 「マジか⁉︎」 「それはホントですか⁉︎」
「マジマジ。もうすぐ来ると思うから準備するぞー」
「よっ、太っ腹ぁ〜」
ゴールドシップが茶化しながら片付けの手伝いをし始める。それに倣おうとした東方不敗だが、ふと視界の端に気になるものを見つけた。
「む、これは何だ?」
それは大きな看板だった。表にはダートに埋まった六本の足が写っている。
「それか?ウチのチームの募集看板だぜ。他のチームはポスターとか使ってるけど、ウチはインパクトが足りねぇと思って看板にしたんだよ。あとは筆を使って誘い文句を書くだけだぜ!」
ゴールドシップはそう言って筆と赤色のペンキを持ち出した。
「ほう……その役、わしにやらせてはくれんか?」
「別にかまわねぇぞ!」
そう言ってゴールドシップは東方不敗に筆とペンキを渡した。
他のメンバーが片付けをしているなか、東方不敗は筆で看板にゴールドシップから教えられた誘い文句を書いていく。
「よし、これはこっちに……ってお前ら、何やってんだ?」
「おうトレーナー。今オッサンに誘い文句を書いてもらってんだよ」
「片付け手伝えよ。で、どれどれ?」
沖野トレーナーが床の看板を覗くと、そこには迫力満点の達筆で『チームスピカ 入部せぬ者 地に埋める』と書かれていた
「うわぁ……」
「迫力あるなこれ!」
「フフ、筆の腕には少し自信があってな」
看板に書かれた文字のあまりの迫力に沖野トレーナーが言葉を失っていると、沖野トレーナーの電話に着信が入った。
「っと、来たな。皆、料理を取りに行くぞ!」
「「「はーい」」」
数分後、チームスピカの部室には色とりどりの料理が並んでいた。
「おおお!!」
サクラバクシンオーは目の前の料理に目を輝かせる。そんな目の前の料理を見た東方不敗は沖野トレーナーを心配する。
「中々に豪勢な料理だが、代金は大丈夫なのか?昨日で今月の給料が吹っ飛んだと言っていたが……」
「今日歓迎会やるって言ったらおハナさんが代金の半分を出してくれたんだよ。何でも
『先輩として、後輩に良いところを見せないとね』
だそうだ。だから代金に関しては心配すんな!まぁ若干お財布が寂しいけどな……」
そう言った沖野トレーナーは「歓迎会」と書かれたホワイトボードの前に立つ。
「よし、じゃあ料理も来た事だし、お前ら、あれやるぞ!」
「分かったわ!」「おう!」「あいよ!」
そう言ってチームスピカのメンバーが沖野トレーナーの前に並ぶ。
「じゃぁ改めて、東方不敗、サクラバクシンオー」
「「「ようこそ!チームスピカへ!!」」」
感想と誤字報告はすんごいやる気出るのでドシドシ下さい
T.W.Lさん、ほすさん、くるまさん、雪城産さん、豚バラ煮込みさん、アルゼニスさん、タクロスさん、マガミさん、N2さん、テキーラさん
誤字報告ありがとナス!
ゴールドシップは
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アニメ版が一番
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アプリ版が一番
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漫画版が一番
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人の数だけゴルシがいるから自由