上手く戦闘シーンが書けずに色んな方々の作品を拝見しながら四苦八苦しながらやっと書き上げることが出来ました。
稚拙な文ですが人生で初めての戦闘シーンですので何卒温かい目で見ていただけると幸いです。
「おぬしら、こんな所で何をしておる?」
岩の下から聞こえた渋い声、その正体は昨日スピカに入ったばかりの新人トレーナー、東方不敗であった。
「なんだおっさんかよ」
「そりゃこっちのセリフだ東方!てか何でそんなデカイ岩背負ってるんだ!?」
「”かよ“とは何だ“かよ”とは。ワシはただ訓練用の岩を採りに来ていただけだ」
東方不敗はそう言って背負っていた巨大な岩をゆっくりと地面に降ろす。
「訓練用の岩ぁ?そんなの何に使うんだよ?」
「昨日少しお主らのトレーニングを見させてもらったが、あの娘……ウオッカが引いていたタイヤがあったであろう?」
「あぁ、パワーをつけるために理事長がポケットマネーで用意したトレーニング道具だが……あれがどうかしたのか?」
「いやなに、ワシも引いてみたがあれではあまりにも軽すぎて訓練にならんと思ってな。こうして手ごろな岩を採りに来たという訳だ」
「いや軽すぎるって……あれウマ娘達でも引くのに苦労するんだぞあのタイヤ」
「あんなものワシの弟子でも簡単に投げ飛ばせるわ。だがこの岩はかなり中身が詰まっとる。鍛えるにはそれなりの重さだ」
「へぇ?因みにどれくらい重いんだ?」
「どのくらい、と言われると難しいが……学園にあったタイヤの20倍はあろうな」
「20倍ぃ!?よく持てるなそんなもん!というかそんな重さじゃマトモに引けないし訓練にならないだろ」
「何を言うておる、バクシンオーにはこの程度軽く引けるようになって貰わねば世界の頂など夢のまた夢よ。それにワシの一番弟子ならこのくらい余裕で持ち上げられるぞ」
「武道家ってもしかして全員人間辞めないとなれなかったりするのか?……」
東方不敗の非常識っぷりに沖野トレーナーが絶句している横でゴールドシップは岩を触ったりハンマーで叩いたり謎の機械を当てたりと自由に動いていた。
「へぇ、中々に詰まってんなこれ。この岩で永遠に壊れない栄光の金メッキゴルシ像を作りたいぜ。……ん?」
そんなゴールドシップだったが、ポケットにしまっていたL字型ロッドが激しく動いているのに気付く。
「おっ!ようやく反応アリ!何処だ何処だ〜っと……お?」
ゴールドシップが軽くロッドを握るとロッドは震えながら東方不敗の方向を、正確には腰についている巾着袋をさした。
「なぁおっさん、ちょっといいか?」
「む、何だ?」
「腰につけてるその袋ってもしかしなくても伝説のアワビが入ってるんじゃないか?」
「伝説のアワビ?何を言っておる、これはそこの川で獲ったただのアワビだぞ」
「あれ、マジ?おっかしいなぁ?確かにゴルシちゃんロッドは反応してるんだが……そのアワビはなんかこう……伝説っぽいことなかったか?デカくなったり襲ってきたり真銀斬撃ってきたりとか!」
「確かにいきなり巨大化して生えてきた手足で襲いかかってきたな。中々の実力だったが倒したら小さくなったぞ。ここのアワビはそういったものではないのか?」
「そんなアワビがホイホイ居てたまるか!」
「何を言っておる。ギアナ高原の奥地では人よりデカイ魚なぞそこら中にいたぞ。ワシもよく襲われたものだ。ここでもそういうものだと思っていたが……」
「どんな魔境だよギアナ高原……」
東方不敗の非常識っぷりに呆れ果てる沖野トレーナーの横ではゴールドシップが目を輝かせていた。
「それだよそれ!あの胡散臭いオチ要員みてーな奴が言ってたウマ娘にしか獲れない伝説のアワビ!何でも人間が獲ろうとすると襲いかかってくるって言ってたから間違いねぇ!
おっさん、それアタシにくれ!代わりにメジロマックイーンのダイエット失敗写真集初回生産版あげるから!」
突然のゴールドシップからの要求に東方不敗はムッとした顔になる。
「そんなもんいらん。これはワシが今日酒の肴にするのだ。そうホイホイと渡さんぞ」
「えー、頼むよーまた新しいセグウェイ買って改造したいんだよー」
いくら断ってもなかなか引き下がらないゴールドシップに面倒くさそうにしていた東方不敗だったが、ふと脳裏に名案が浮かんだ。
「のうゴールドシップよ。そんなにこのアワビが欲しいなら条件がある」
「お、マジで?さっすがおっさん話がわかるじゃねぇか。で、条件って?」
その言葉に東方不敗は意地悪そうにニヤリと笑う。
「今から3分以内にワシからこのアワビを奪ってみせよ。もし奪えなかったらお主が先程言っていた写真集とやらを貰い受けるぞ」
そう言って東方不敗は腰につけた袋を右手で掲げた。それをみたゴールドシップは不思議そうに首を傾げる。
「ん?なんだおっさん、そんなにマックイーンの写真集が欲しいのか?」
「いや、それが欲しいわけではないがワシだけアワビを賭けるというのも不公平であろう?それにお主がどこまで“できる”のかも気になる」
「……へえ、そっちの方が本音か?丁度いいぜ、アタシもどれだけおっさんが
「何でもありだ」
「言ったな?後悔すんなよ!」
闘気を体から漲らせながら岩から離れるゴールドシップと東方不敗。そんな二人に沖野トレーナーが慌てる。
「おいちょ、やめろ東方!ゴールドシップも怪我したらどうすんだ!」
「大丈夫だ、そこまでせん。選手生命……いやウマ娘生命に影響がない程度に収めるから安心せい」
「何一つ安心出来ないんだが!?」
「トレーニングに支障が出ない程度にするから大丈夫だって。このゴルシちゃんが怪我で休んだことあったか?」
「……確かにお前が休むときは大抵サボりだな……じゃあ頼むから程々で頼むぞ?いやマジで怪我だけはするなよ?」
ゴールドシップのこれまでの悪行を振り返り渋々納得した沖野トレーナーは岩の陰に体だけ隠した。
「ではゴールドシップよ、準備は良いか?」
「モチのロンよ。今のアタシは、阿修羅すら凌駕するぜ!」
「では行くぞ、ガンダムファイト、レディィィィィゴォォォ!!」
東方不敗が試合開始の合図をすると同時にゴールドシップは勢いよく踏み込み、アワビを持つ右手を掴もうと手を伸ばしてくる。
だが東方不敗はそれを体を少し逸らして回避した。
それを読んでいたのかゴールドシップは体を捻って回し蹴りを放つ。
「甘いわ!」
「知ってらぁ!」
東方不敗は繰り出された蹴りを片手で受け止め、そのまま投げ飛ばす。投げ飛ばされたゴールドシップは空中で体勢を立て直して危なげなく着地すると、体を捻ってオーバースローで溜めていた気弾を投げ飛ばした。
それを東方不敗は腰につけていた布でゴールドシップに弾き返す。ゴールドシップは弾き返された気弾を蹴り飛ばすと、少し息を入れる。
「やっぱり思ってた通りの強さだったな、アタシの目に狂いはなかったぜ!」
「お主こそ、いくつ流派を取り入れておる?それでよく無茶苦茶にならないものだ」
「ゴル真流は日々進化してるからな!昨日はパンジャンドラム拳を取り入れたぜ」
お互いに喋りながらも隙を探り合う二人、そして無言になった時同時に踏み込んだ。
そこからは二人とも激闘を繰り広げた。ゴールドシップが残像が見える程の速度で動くが、東方不敗もまた分身が見える程の速さで避け続けた。
沖野にはお互いに拮抗しているように見えているが、東方不敗はかなり余裕を残しているのに対し、ゴールドシップは余裕が無い様子だった。
「クッソ、そんな余裕残しやがって。ゴルシちゃんやんなっちゃう……ぜっ!」
「動きに余計な力を入れすぎておるぞ?まだ動きの最適化が出来ていないようだな」
更に制限時間が段々と近づいてきていた。それがゴールドシップからより余裕を奪う。ここでゴールドシップは勝負に出た。
「シャァッ!」
鋭い声と共に勢いよくゴールドシップは踏み込み、鉄山靠を放つ。それを苦もなく東方不敗は同じ鉄山靠で受け止めて弾き返す。だがゴールドシップは飛ばされながらも後ろに回した手であるものを東方不敗に投げた。
それはエビに似た甲殻類、多くのダイバー達の指を壊した破壊神、シャコだった。
シャコは貝などを食べる際、筋肉を弓矢のように引き絞り一気に解放してパンチを放つ。パンチの速度は時速80km/sに達し、その威力は貝殻を破壊する程である。そのパンチに多くのダイバーや漁師が迂闊に触ってしまい指を破壊されてきた。
当然東方不敗もその知識は知っている。水中でありながらとてつもない威力のパンチを放つその原理は、流派東方不敗に通じるものがあったからだ。
だがそれと同時にその弱点も知っていた。シャコは空気中ではあまりの破壊力にパンチを放つ捕脚が耐えられないため、自分自身を傷つけないように力を抑えるのである。
故に東方不敗は飛んで来たシャコを左手で弾こうとした。それを見たゴールドシップは口元をニヤリと歪める。
「かかったなアホが!」
その言葉を聞いて急に嫌な予感がした東方不敗は、アワビの袋を持っていた右手を離し左手に添え構えた。
そしてシャコの手がブレた瞬間、東方不敗とシャコの手の間で爆発的な衝撃が発生した。
そう、実はこのシャコはゴールドシップによって品種改良と超特訓を施され、厚さ12mmのガラスを軽く粉砕する程のパンチ力を手に入れ、更には空気中でも水中と変わらないパンチを撃てる肉体を手に入れた最終兵器なのである。
因みに開発にはあるマッドウマ娘が関わっているのだが、その話はまた別の機会に。
そうして発生した爆風によって東方不敗が手を離してしまったアワビの袋は吹き飛ばされ、ゴールドシップの手へと渡った。
「獲ったどおおお!」
東方不敗から奪い取ったアワビの袋を嬉しそうに掲げるゴールドシップ。それを東方不敗は受け止めたシャコをそっと地面に下ろして讃える。
「確かに何でもありとは言ったが……まさかあのようなシャコを投げてくるとは……驚いたぞ」
「そりゃなんたってゴルシちゃんがロシアの海で獲った奴を品種改良しまくった最強のシャコだからな!この前はツキノワグマとタイマンで勝ったぜ」
ゴールドシップが自慢げシャコの事を語っていると、岩の影から避難していた沖野トレーナーが顔を出した。
「終わったか……なんか明らかに人から出ちゃいけない音が聴こえてたけど大丈夫か?」
「問題無い、あの程度なら弟子と毎日しておったわ」
「……俺はもうお前が実は宇宙人でしたって言われても驚かないぞ」
現在危機契約には一切手をつけておりません……ていうかどう進めれば良いか分からない。
マンハッタンカフェは無事星5まで引きました。
来週は余裕を持って書き上がりそうです。
この世界線は
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しっとりしてる
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しっとりして無い
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読者に聞くとは、このバカモノがぁぁぁ!!