もしもヴァーリがドラグソボールのファンで、かつHIPのYOUに欲望を持ったら 作:ベジタブル
ラーメンを食べていた時、赤の波動を感じ取った。
(あのおっぱいを見るまで!
死んでも死にきれない!)
声からして若い男なのは確かだ。
その悲痛な叫びには、強い意志を感じた。
「フッ、この真紅のスープが運命を導いたか」
『いや、絶対違うからな。赤いのは別にラーメンと関係ない』
辛党というわけではないが、いい担々麺だった。
あとでリストに加えておこう。
それにしても。
情けないやつだ。全く、たかが戦闘力1000ちょっとの奴らに殺されるなんてな……
『今代の赤龍帝はどうやらハズレだったようだな。だがヴァーリ、その台詞は言ってみたかっただけだろう?』
相棒のアルビオンはそう言ってきたが、気を感じ取れば分かるのだ。まあ、弱々しい赤のオーラだったため、このエリートの俺でもだいたいの方向しか分からない。もし黒歌だったならば、詳しい位置を把握してくれただろうし、まだまだ俺も精進しなければならないな。
はぐれ堕天使の件からするに、隣町といったところか。
ラーメンのお代を支払い、『ごちそうさま』をして店を出る。
「よし、行こうか」
『生死は分からんが、神器をはぐれ堕天使に奪われた可能性もあるか』
そこは『赤龍帝を生き返らせるんだな?』とでも言ってほしかったが、そういう類の
ドラグソボールで俺が好きなのは
『分かった分かった……』
息子と別れるシーンとか、まだまだ語り足りないのに、残念だ。
鳶雄もラヴィニアも、ピーコロだの
さて、はぐれ堕天使による
「駒王町って言ったな。なかなかの戦闘力を持ったやつらがいるな」
『……あれは確かリアス・グレモリーか。なるほど、今代の所有者は下僕悪魔になったらしい』
溢れ出る龍の気を抑えることのできる俺を、今のリアス・グレモリーが見つけられるはずはない。彼女は魔法で血の処理をした後、意識を失ったままの赤龍帝を抱えて、魔法陣でどこかへワープしていった。
「フッ、今代のライバル君は、どうやら下級戦士にも満たないらしい」
『不服か? ヴァーリ』
以前までの俺だったなら、そうだったかもしれないな。だが、今の俺には、神滅具持ちのライバルがいるし、正真正銘の宇宙最強になる夢だってある。相棒には悪いが、別に赤龍帝にこだわる必要もないさ。
『
それに、あいつの作る料理は美味い。ドラグソボールを見た俺は、食事量の多さは強くなるために重要なのだと気づいたのだ。食事など単なる栄養補給だと思っていたのだがな。
「さて、彼は空孫悟のように、この俺に追いついてこれるといいな」
『ルシファーの血を引き、仙術や魔法も研鑽してきたお前との差は、まさしく天と地だがな』
ちなみに、ルシファーの話をしたら、何人かに中二病設定だと言われた。解せぬ。
『さて、これからどうする?』
なに、急ぐ旅でもない。
この町のラーメン屋でも巡りながら、彼の動向を見ることにするさ。
「龍を宿す者はいずれ闘争に巻き込まれる運命にある。それまでに彼も最低限の力をつけていなければ、後悔することになるだろう」
どちらも、暴走の危険性が高い
いまだ神器の残留思念の全てを掌握はできていないし、覇の力も完全に制御できているわけではないのだ。俺自身、さらに高みを目指すために、どうにかして彼ら彼女らにドラグソボールとラーメンを布教しなければならないだろう。
「フッ、俺はまだまだ強くなれる」
『別の方法を考えてくれ……』
相棒はなんだか
「はわう!」
「いいヒップだ」
『……は? 待てヴァーリ、ドラグソボールのクサい台詞はまだ良いとしよう。だが、お前は恥ずかしげもなくそんな言葉を口にするようなやつだっただろうか、いやない』
この日本という国では珍しく、シスターの格好だ。まあ、アキバを中心としてコスプレという文化があるのだとアザゼルから聞いたことはあるが、並みの悪魔なら思わず逃げてしまいそうな、神への祈りを感じ取れる。
「あうぅ、転んでしまいました……」
「手を貸そう」
シスター服に隠れたヒップが気になるが、ラヴィニアには『女の子に優しくしなさいです』と口すっぱく言われてるので、手を差し出すことにする。少し力を入れれば、折れてしまうような柔らかい手だが、少しザラザラした感触もした。
水仕事を頑張ってきた証拠だ。
俺も幼少期はこういう手だったな。
「はわっ、ありがとう……ございます……」
俺から遠慮がちに手を離して、少しもじもじし始めた。ヴェールから覗いている金色の髪を見ているとラヴィニアを思い出すが、翡翠の色というべき瞳だ。
さて、このシスター服がロングスカートなのが、非常に残念だ。
『どうしたヴァーリ、お前はイキでクールなナイスガイじゃなかったのか!?』
相棒が弱々しい声でそう尋ねてきたが。
そんなことを言った覚えはない。
「君も旅をしているのか?」
彼女が落とした旅行鞄を持ってみたが、その
「あなたは旅行に来ているんですね……あっ、私はこの町の教会に赴任することになりまして」
なぜだか少しシュンとしたが、気を取り直してそう告げる。
それにしても、教会は天使勢力だが、悪魔が担当しているこの町に来るとは、その話は穏やかそうではない。はぐれ堕天使絡みなことは予想できるし、それに、この少女はなかなかの魔力を持っているようだ。
それに。
『ああ。
「それにしても、ようやく言葉が通じる人に出会えました! えっと、母国語、なのでしょうか?」
「いや。俺は悪魔とヒューマンのハーフだからだな」
嬉しそうにしていた彼女は一瞬キョトンとしたが、納得したような表情を見せた。
どんな国の言葉でも通じるという悪魔の特性は、旅の時にはいろいろと役立っている。世界各地のラーメンの食べ歩きをしながら修行をしていたら、様々な仲間ができた。いつか、鳶雄たちのような、チームを結成するのもいいかもしれないな。
「良い悪魔さんなのですね。こんな素敵な方と会えたこと、神に感謝しないと」
手を組んで、祈っているらしい。
純粋に、信心深いようだが。
『なかなか珍しいタイプのシスターらしいな』
教会勢力のシスターならば、『悪魔裁くべし』みたいな教えを受けるはずだ。聖水や聖典といった弱点などすでに克服しているが、もし敵意を見せたのなら、男女関係なく反撃させてもらうつもりだった。まあ、悪魔といっても、堕天使勢力に付いているが。
祈り終えたことで、やがて目を開いた。
「あ! 私、アーシア・アルジェントと言います! ぜひアーシアと呼んでください」
アーシア・アルジェント、良い名だ。
ラヴィニアの禁手化を思い出す。
「ヴァーリだ」
名字は黙っておけと、アザゼルに言われたこともある。それに、あまり好きなものでもない。
「はい!ヴァーリさん!」
アーシアは嬉しそうに笑顔をこぼす。
だが、ふと何かに思い立った。
「あっ、えっと、教会に向かわないといけないんでした」
「申し訳ないが分からないし、日本に来たばかりなのだから休んだほうがいいだろう」
そう言うと、少し俯きながら頷いた。
仙術で気を診たところ疲労も溜まっている。
旅行鞄を代わりに持って、駅前を目指す。アーシアをホテルに案内する途中で、俺も思い付いたことがある。
「ところで、お尻を見せてくれないか。可能な範囲で、望む対価を渡そう」
「……はい?」
『ヴァーリの……エリートの誇りはどこへ……』
相棒は涙した。
それはもう、俺が寝る時間まで神器に引きこもった。
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下着姿のヒップを見せてもらえたので、寝床を提供した。
ちなみに対価は、『責任』らしい。
※ただしイケメンに限る。