同日_12時45分_中央自動車道下り線・河口湖IC付近_
「zzz・・・・・・藤くん?もう現場着いた?」
法定のスピードで動いていた車が止まる感覚と一緒に、アイマスクの下で何かしらの夢を見ていた俺は目を覚ます。今日の撮影は山梨の樹海と聞いていたはずだけど、何だか思ってた以上に早く現場に着いたな・・・
「・・・って、まだ着いてねぇじゃん」
と、そんな感じで呑気にアイマスクを外して周りを見渡すと、運転席に座る藤井がちょうど料金所で通行料を払っているところだった。普段の俺は一度車で眠ったら目的地に着くまでしっかり寝れているが、どうやら今日は早とちりしてしまったみたいだ。まぁ、いつもより短時間だけどぐっすり眠れたことでハードスケジュールで寝不足気味の脳は良い具合に回復したからそこまで不満はない。
「あ~あ、この車の行き先が“富士Q”だったらなぁ」
とはいえ予定よりも推定で2,30分は早く起きてしまった若干のイライラは否めないから、ちょうど左の窓に映る遊園地へ視線を移して冗談半分で運転席の藤井に愚痴る。
「今から行きますか?“富士Q”?」
「えっ?マジで行ってくれんの?」
「その代わり仲良く2人揃ってアリサさんや各方面から“お灸を据えられる”ことになると思いますが」
「お灸だけで済めばいいんだけどなー」
運転席の窓を閉めた藤井は、後部座席に座る俺からの冗談半分の愚痴にしっかりと乗りながらもハンドルだけはちゃんと逆方向の出口へと向けて車を走らせる。俺的にはこのまま“富士Q”のほうの出口に出て駐車場でチケットを取るところで”あ、間違えた“みたいなことをやってくれたら最高に“おもしれぇ”けど、さすがにそういう一発芸をただの専属マネージャーに求めるのは行き過ぎた“我儘”だから無論やらないし、マジでやるのは俺だって求めてない。
「けれども十夜さんはついこの間の日曜日にお台場であずささんたちとお忍びで映画鑑賞などをして過ごしていたのでは?」
「あれはどっちかっていうと“仕事の延長”だからさ。ほら、オレらって来月から『ユースフル・デイズ』の撮影入るじゃん」
「なるほど、共演者同士の親睦を深めるみたいな?」
「まーそんな感じよ」
それに来月からは“あのドラマ”の撮影が始まるから、はっきり言って余裕をこいている暇なんてない。一応今回のドラマは出演者の大半がリアルな“高校生”のためなるべく平日は避けて学校でのシーンは土日に集中させるらしいとアリサ伝手で聞いてはいるが、常に出ずっぱりの俺たち“メインキャスト”に、そんなのは関係ない。
「あのさ藤くん、ひとつ聞きたいことがあるんだけど」
「はい。何でしょう?」
特に俺みたいな“事務所の広告塔”となると、1つの作品に一極集中する暇すらもない。
「ぶっちゃけオレって“このまま”で良いんかな?」
なぜなら俺は、他の三人とは違って求められる“
「・・・どうされました?」
出来レースも同然のオーディションを勝ち抜き、俳優としてスターズから芸能界に入り、“スターズの王子様”として業界からも世間からも持て囃されて、分刻みで組まれたハードなスケジュールを歯車のようにこなしていく日々。
「いや・・・なんかいま入ってるスケジュールが全部終わったら1ヶ月ぐらい“お
ぶっちゃけた話、21世紀を迎えてから3月に一回だけしか学校で授業を受けた日がないくらいには忙しい“超有名人”の日常を送っていると、休みの日に楽しいことだけを考えて遊園地のアトラクションや観覧車に乗っている一般人が“自由”に見えてつい羨ましく思える瞬間が不意にやってくることがある。
“・・・結局忙しすぎて“千夜子”ともまだ会えてないしな・・・”
「・・・さすがにお疲れですか?」
「いいや、体力もメンタルも余裕綽綽。ただぶっちゃけスターズ的に
「なるほど・・・確かに芸能事務所の所属俳優やタレントで1人だけ突出して注目されているという状況がずっと続くのは、“この後”のことを考えるとあまり良いことではないかもしれませんね」
「ハハッ、さすが藤くんは話が早いから助かるわ」
「いえいえ、滅相もないです」
別に身体も心も疲れてなんかいないし、
「それにさ・・・・・・このオレがずっと“スターズの王子様”でいるとは限らないじゃん?」
俺はいつまで、“スターズの王子様”と言われ続けるのか。果たして今いる“この場所”が、役者として生きていく上で本当に正解なのか・・・
「・・・アリサさんには私の方から相談しておきますか?」
「いや、機会が作れたらオレが直接話すから藤くんは何もしなくていいよ」
後部座席からの言葉にただならぬ気配を感じてか、普段のどこか余裕そうな雰囲気から急に珍しく本気で心配気な口調になって聞いてきた運転席の藤井に、俺はいつも通りの感じで言葉を返す。
「あとこっから寝れるかどうかわかんないけど、やっぱ現場着くまでもうひと眠りするわ」
「承知致しました」
そしてこの後の撮影に向けて気分を切り替えるため、俺は一旦開けた視界を再びアイマスクで・・・
ヴゥゥ_ヴゥゥ_
閉じる寸前という嫌がらせとしか思えないタイミングで、ポケットに入れていた俺の携帯が揺れて着信を知らせてきた。
“『_おつかれ先パイ。そっちの調子はどう?_』”
下ろしかけていたアイマスクを頭にかけて画面を開くと、杏子から一件のメールが来ていた。向こうは今ごろお昼休みか、はたまた休憩時間か移動時間か・・・は置いとくとして、どうやらそっちはそっちで来月の撮影に向けて順調に頑張っているみたいなのは、自分が“曰く付きのドラマ”でメインキャストの1人に抜擢されたとは思えないくらい能天気なメールの一文で何となく分かった。
もちろんそれは、俺も同じだ。
“『_絶好調ナリ_』”
杏子からのメールを速攻で返して、俺は今度こそ頭にかけていたアイマスクを下ろして瞑想に入った。
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霧生学園高等学校_弓道場_射場_
「只今より、1年I組・環蓮、2年I組・堀宮杏子による射詰競射を執り行う・・・競技内容は立射による二手勝負。二手以内に先攻が失中し後攻が的中、あるいは先攻が的中し後攻が失中した場合は実際の規則に従い競技終了とみなすが、先攻後攻どちらもが失中した場合は、遠近競射による決着とする・・・」
「ははっ、平仁ったらいっちょ前に仕切っちゃってカッコイイ~」
射場の控え室。左手に
「大丈夫ですか?集中力を高めないで余裕なんかこいてて?」
「集中力の高め方なんて人それぞれよ。ま、あたしは“天才”だし切り替えるのも一瞬で終わるから
主将が試合内容の説明をして、ここからいよいよ入場という場面でも、隣に立つ堀宮さんは試合前とは思えないくらい余裕綽綽な感じで私からの僅かな心配を跳ね除け飄々と笑ってみせる。
「はいはい。それはまたお気楽なことで」
全く、これじゃあ真面目に集中力を高めてる私が馬鹿みたいだ。そもそも堀宮さんは“本気”で私と憬の関係を賭けているわけじゃなくて、あくまで私自身の“覚悟”がどれくらいかを見極めるためにわざとああいうふうに発破をかけているだけって可能性も十分に考えられる。だってそうじゃなかったら、“本音”を選んだ私のことを本気で怒るようなことは、きっとこの人だったらしない・・・100パーセント言い切れる根拠はないけれど、それが本当だとしたらここまで力んで勝負に挑む必要なんてあるのか?と思わず疑問が浮かぶ。
「蓮ちゃんは蓮ちゃんで気負い過ぎじゃない?」
「・・・そうですか?」
もういっそのこと、選択体育の授業で教わったときみたいにサクッと勝負を決めるぐらいの意気込みで行くのも手かもしれない・・・だって中学のときはそれで同じクラスの元主将と良い勝負をしたんだから。
「武道に“雑念”は禁物だよ?」
“もちろん・・・これはそういう問題じゃない”
「心得てますよ・・・・・・今日は“勝ち”に来たんで」
試合前でもマイペースを貫く堀宮さんを尻目に、私も私なりの“マイペース”を貫く。この人の言う“賭け”が本気なのか“試し”なのかなんて考えない。そんなもの、勝負に勝った後に問いかければいい。
「・・・そっか」
改めて最後の宣戦布告をした私に堀宮さんは静かにそう呟くと、両手に自分の弓と矢を持ったまま足音を立てずにスッと背後につく。その一連の所作は普段の堀宮さんからは想像がつかないほどおしとやかで、まるでもう10年以上は弓道を極めているんじゃないかと思えるくらい無駄がなく洗練された動きに感じた。
“・・・空気が変わった・・・”
そして試合前に2枚の紙を選んで“後攻”になった堀宮さんが背後についた瞬間、控え室の空気が一瞬にして変わる。何が起きたのかは振り返らなくても、背後から伝わる“殺気”にも似た気配で分かる。つい数秒前まで必死に集中力を高めていた私を横目にお気楽なムードで大真面目に試合を仕切るスミス先輩を遠目で見ていた人が、この後の二手勝負に向けて私以上に集中力を研ぎ澄ましている。
“・・・雅?”
振り向くことすら無意識に躊躇ってしまうほどの気配に堪えながら、私は背後を一瞬だけ一瞥すると、視線の先で堀宮さんは凪子との勝負を目前にした“雅”と全く同じ表情を浮かべて私を睨むように見つめていた。同じようなではなくて“全く同じ”なのは、この人の気迫ですぐに分かった。
“いや、そうか・・・この人は最初から・・・”
『もう、さっきから顔怖いよ雅?大会でも練習試合でもないのに気負い過ぎじゃない?』
「・・・堀宮さんこそ大会でも練習試合でもないのに気負い過ぎじゃないですか?顔、怖いですよ?」
心の“スイッチ”を切り替えた堀宮さんの表情を見て意図を察した私は、新主将をかけた射詰競射を前に雅へ声をかけた凪子と同じ意味を持つ言葉を、視線を前に向けたままぶつける。
『・・・ナギにだけは黒星なんて付けられたくないから・・・』
「蓮ちゃんごときに黒星なんて付けられたくないからね」
返ってきた言葉は口ぶりこそ雅とは反対に余裕さが見えるが、台詞自体は雅の言っていた言葉とほとんど同じで、向けられている感情はもはや“雅”そのものと言っていいほどリンクしている。堀宮さんにとってはこれからやる射詰競射の単純な勝敗はどうでも良くて、“本当の狙い”はあくまで雅の役作り・・・だから今ここにいる私は、言ってしまえばこの人の役作りにまんまと“利用されている”だけの状況だ。
“・・・なんだ・・・私はただこの人に“騙された”だけか・・・”
私や憬が専門のトレーナーや経験者からの特別指導に加えて役作りのために実際に演じる役と同じ部活動に入ったのと同じ感覚で、
“『あたしを“負かす”んでしょ?だったら“負かせる”だけの覚悟を見せてくれなきゃ』”
この人は目的のためなら手段なんか選ばないで必要とあれば人を欺く真似も厭わない
“そっちがその気なら・・・・・・“こっち”もなりふり構わず利用するだけ”
『・・・そう簡単には勝たせないよ。雅』
「・・・そう簡単には勝たせませんよ。堀宮さん」
雅の言葉を交えた堀宮さんからの挑発に、私は“凪子”の言葉を使って振り向かずにそのまま返す。もう魂胆が分かってきた以上、何の迷いもなく正々堂々と勝負できる。バトルロワイアルのときみたいに挑発にまんまと引っかかって“じゃんけん”に負けて黒星をつけられた弱い私はもういない。この私をまた易々と都合よく騙せるなんて思ったら・・・大間違いだ。
“『それ・・・本当に“必要”か?』”
「射手、入場」
スミス先輩の合図がすぐに掻き消してくれたが、こんな大事な時に
『ブレたら終わり・・・全ての神経を
矢を構えたときの凪子の独白を思い起こしながら心の中のスイッチを切り替えて、先攻の私は先陣を切って足音を立てず床を沿うように一歩を踏み、静かに下座側から射場へと出る。左手に持つ練心の
“・・・スミス先輩・・・”
上座へ一礼すると、ほんの一瞬だけ私たちの勝負を取り仕切ることになった主将のスミス先輩と目が合った。確か堀宮さんとは“はとこ”の関係で、顔をよく見ると共通点があると堀宮さんは言っていたけど、言われてみれば面影はある。顔立ちはやや強面でいかにも外国人との“ハーフ”っていう感じだけれど、鮮やかな亜麻色の髪と青空みたいに綺麗な碧眼は“はとこ”と本当にそっくりなのは、意識すればするほど感じる。
“はとこが相手ですが、容赦なく勝たせて頂きます”
そんなスミス先輩に、初日から体配*3や射法八節*4、手の内*5など基礎的な感覚を取り戻して弓道に身体を慣らす私を真摯に指導してくれた“恩”を心の中で返して、私は再び身体の向きを前に戻し立ち位置となる本座へと歩を進める。自分の立ち位置が近づけば近づくほど、緊張感は大きくなっていく。どんなに感覚を振りほどこうにも、部員全員が私と堀宮さんに注目しているのが平常心を保つ意識に入り込む。
“久しぶりだな・・・こういう感覚”
部員全員が、私と堀宮さんの一挙手一投足に注目している。それは選択体育のときだってそうだった。女優の私はいつも学校の中じゃ注目の的で、実技の延長でたまたま同じクラスにいた弓道部の元主将と今みたいに射詰をしたときも、こんな感じでみんなから注目された。結果は5射目で後攻の私が外して試合終了になったけど、まさかここまで狙い通りに矢が的に当たるとは思わなかったし、何よりもその瞬間だけは自分が“主役”になれていた気がして、負けたことなんかどうでもよかった。
“・・・でも今回ばかりはそうはいかない”
数歩後ろを全く同じスピードで本座へと歩を進める“本当の主役”の気迫が、背後からズシリと圧し掛かる。考えても見れば中学の選択体育でやったことがあるだけの未経験に羽が生えたぐらいの素人が、いっちょ前に中学のときに都大会で3位になったこともある“
“『このまま弓道続けたら主将どころか都大会で優勝できるくらいの素質はあるよ。環さん』”
本座の立ち位置に両足を揃えて、自分の背丈分ほど離れた立ち位置に堀宮さんが立ったことを左から聞こえる僅かな足音をたよりに感じ取って、的に向かって一礼する。昨日の練習終わりにやや強面な見た目に反して親身で優しいスミス先輩から言われたけれど、どうやら私は都大会で優勝できるぐらいの素質があるらしい。幸か不幸か、私には弓道の才能が“ある”みたいだ。
“そんなもの持ってたって・・・・・・芝居が出来なきゃ意味がない・・・”
心の奥にある“負の感情”が出てくる前に意識を眼前に戻して、上手側に立つ堀宮さんと同時に視線と意識を再び的へと向ける。
“違う・・・大事なのは意味とかじゃなくて、
“武道に雑念は禁物”・・・試合前の堀宮さんからのさり気ないアドバイスを合図に、私は堀宮さんと共に左足から踏み出して三歩目で顔だけを的の正面に向けたままつま先を揃え身体を右へ90度向けて、射位に立つ。沈黙と共に押し寄せる緊張をゆっくりとした呼吸で払いのけ足踏み、胴作りの順で構えをとる。視線と顔を的から正面に戻した瞬間、これから“
“慌てることはない・・・これしきの緊張感、カメラの前で誰かを演じるときの緊張に比べたらどうってことないのは分かってる・・・”
次の動作に移る直前、小さく深呼吸を一回挟んで心身に溜まっている余分な力を抜け切り、所作に神経と思考を“全集中”させる。
“・・・ここから先は・・・“ブレたら”終わり・・・”
呼吸と共に身も心もフラットにして、“礼射系”という作法に乗っ取って“
「・・・ふぅ」
“引き分け”*9の動作に入る前に、一息を吐いて少しだけ溜まった緊張を再度解く。ここで下手に的を意識して力んでしまうと、次につながらなくなる。
「・・・っ」
腹を決めて息を吸い込むのと同時に左手と右肘を“斜め上”に上げて、身体の左右が的の正鵠*10と綺麗に“縦横十文字”の一直線上になることを意識しながら押し開けるよう左手で弓を押し、右手の親指と人差し指で挟むように支えながら右肘で矢を引き、狙いを定める。
“『弓道は“筋肉”で引くものではなく、“骨”で引くものです』”
中学の授業のときに担当の先生から教わり、スミス先輩からも昨日改めて教わった要となる“引き分け”の極意。これは“腕の筋肉を使うな”と言っているわけではなく、“腕の筋肉に頼るな”という意味合いのほうが正しい。安定した軌道で矢を射るにはそれ相応の力は必要だけど、だからといって腕の力だけを頼りに弓と矢を引こうとしても身体全体が力んでしまい、狙いは思うように定まらない。大事なのは体幹と、腕から肩にかけての関節を意識し徹底して無駄な“筋力”を使わずに力を込めること。こうすることで身体のブレはなくなり、狙いも定めやすくなる。もちろんこれは中学の授業の時点でコツは掴んでいたから、昨日の練習でも割とすぐに感覚を取り戻せた。
“経験値だけはどうにもない・・・・・・でも、二手までならやり合える”
謙遜と過信の狭間を行き来する自信を両腕に乗せて、視線と意識を“正鵠”へ向けて、引力に逆らい余計な力を入れようとする上半身の筋肉を理性と集中力で力み過ぎないよう抑え込みながら“十文字”がブレないように正しい力を込め続け、引き分けの姿勢を続けて狙いを定める。ここで少しでも心身が引力に負けてしまえば、全てが水の泡だ。
“・・・弓道は“ブレたら”終わり・・・”
呼吸を整え、決して焦らず、自らの身体と対話をしながら“時”を待つ。緊張はしない。意識の全ては、28メートル先の“
“・・・・・・ここだ”
的に向けて研ぎ澄ます意識の中にほんの一瞬だけ矢の軌道が視える瞬間が訪れる。その一瞬を狙い撃ち、最後の“残心”*12へ繋ぐことを頭の片隅に置きながら矢を抑える
キャンッ_
独特な乾いた音を立て、放たれた矢は一直線に軌道を描きながら的へと吸い込まれるように空を切り、二の黒に的中した。もちろん狙っていたのはど真ん中の中白だったから理想の軌道からは少し逸れてしまったけど、感触は良好。
「おぉ・・・」
私の放った矢が的中した瞬間、上座で勝負を見届けている部員の何人かが小さく驚いたような声を上げる。ひとまずこれで多少はプレッシャーをかけることができたと信じたいが、油断はせずにすぐさま残心の所作をとり本座へと戻り、二本目に気持ちを備える。堀宮さんに勝つためには、最低でも四本の矢を全て的に的中させなければいけない。
“・・・射詰で雅に勝ってこそ・・・“凪子”なんだから・・・”
憬と奢りを賭けた二手勝負は、ここからが本番だ。
この的を、矢を射よ_
しれっとですが、おかげさまで100話に到達しました・・・・・・厳密に言うとキャラ紹介で2話分を費やしているので“本当の意味”での100話は“102話”になるのですが、誠に勝手ながら“前祝”とさせていただきます。
正直言ってこの小説は皆さまに好かれるようなお話というよりは、好き嫌いや賛否がハッキリと分かれるような自分勝手なお話だと、書いている作者自身は勝手に思っています。だって100話まで進んで何をやっているのかと言われたら、高校生の環蓮がオリキャラと弓道をやっているようなお話ですよこれ。もちろん“アクタージュ”というわけでお芝居はちゃんと絡んでいるんですけどね・・・ていうか注釈多すぎだろ今回・・・・・・すいません今のは独り言です。はい。
とまぁ、こんな感じの自分勝手なお話ではありますが、それでも作者の自分勝手を受け入れて下さるばかりか“お互い頑張って行きましょう”とエールまで送って頂いた方をはじめ、最新話まで根気強く読んで下さっている読者の皆さまの支えもあって、100話という一つの大台に何とか辿り着くことができました。
最後にこれからも作者の自分勝手は“愛”も変わらず続いていきますが、何卒よろしくお願い致します。