アスカとシンジは、空の軌跡の世界で本当の幸せを見つけた ~アスカ・ブライト!~   作:朝陽晴空

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第三十七話 アスカ復活! 黒装束の正体が明らかに!?

 

 エステルとヨシュアとアガットが遊撃士協会に入ると、いつもと変わらない様子の落ち着いたキリカが受付に立っていた。キリカさんもジンさんの見送りに行けばよかったのにとエステルが話すと、それどころでは無い事が起きたと話した。

 キリカが王国軍の司令部があるレイストン要塞に何度問い合わせても、ラッセル博士の誘拐事件についての捜査の進展は一切無いとの一点張り。さらに、犯人をツァイス地方から逃がさないために敷かれていた関所の検問が解除されてしまったらしい。犯人を捕まえた連絡が無いのに、検問を解除するのはあり得ない事だとヨシュアも納得した。

 

「せめて、ドロシーが撮った写真があれば犯人の顔が分かるかもしれないのに……」

 

 エステルが悔しそうな顔でつぶやくと、遊撃士協会の入口からドロシーが姿を現した。

 

「呼ばれて来ました、ジャジャジャジャーン!」

「噂をすれば影とも言うね」

 

 そう言ってヨシュアはクスリと笑った。

 

「そう言えばドロシーさんも災難よね、王国軍にカメラを没収されちゃうなんて」

 

 エステルに言われたドロシーはおよよ~と泣き真似の仕草をする。

 

「だからお仕事にならなくてね、ナイアル先輩に連絡したら王都の本社に帰って来いって言うの。もうちょっと温泉後のフルーツ牛乳を堪能したかったのに……」

 

 本気で残念がるドロシーに、キリカが冷静に声を掛ける。

 

「それでわざわざ遊撃士協会に来てくれたのは、何か話があったのではなくて?」

 

 キリカに聞かれたドロシーはハッとした顔になって自分の鞄から写真を取り出した。

 

「あっ、そうなんですよ。中央工房が火事になっちゃった時、中に居た人を救助してから犯人を追いかけて行った王室親衛隊の人の写真を現像してみたら、おかしな事に気が付きまして……」

「えっ、カメラは没収されたんじゃないの?」

 

 驚いてエステルがドロシーに尋ねると、ドロシーはカメラを没収される前に決定的な瞬間を取った発行クオーツ(ネガのようなもの)をとっさに一枚だけ抜き取ってカノーネ大尉に渡したのだと話した。

 ドロシーが写真を受付のカウンターに広げると、王室親衛隊の制服を着た男性が背中を向けて走り去る姿が写し出されていた。後ろ姿なので当然男性の顔は見えない。男性の顔をハッキリと写してしまった感光クオーツを抜き取ると、カノーネ大尉にバレてしまうと思ってドロシーはこの写真にしたのだと話した。

 

「こんな顔も判らない写真、何の手掛かりになるって言うのよ」

「そもそも、顔が分っても僕達はそれがどこの誰かは判らないよ」

 

 エステルがウンザリとした顔でぼやくと、ヨシュアはそう言った。そんな二人を見てドロシーはニヤリと笑う。

 

「こら、もったいぶっていないで早く言いやがれ」

 

 苛立ったアガットが急かすと、ドロシーは自慢気に話し始めた。

 

「ふっふっふ、注目するべきポイントは靴です! この王室親衛隊の人は、情報部の靴を履いているんですよ」

「なるほど、足元までは変装が行き届かなかったわけね」

 

 ドロシーの言葉を聞いて、キリカは納得したようにつぶやいた。この事件には王国軍の情報部が関与しているとすれば軍の司令部から調査の報告が無い事も、検問が解かれてしまった不自然さも合点が行く。

 

「キリカさん、僕達はレイストン要塞へ直接行ってみたいと思うんですが」

「なるほど、揺さぶりをかけるわけね。許可します、くれぐれも気を付けて」

 

 ヨシュアの提案にキリカは賛成して許可を出した。エステルとヨシュアはドロシーにお礼を言って、アガットと一緒に遊撃士協会を出て、シンジとティータがアスカの看病をしている中央工房の医務室へと向かうのだった。

 

 

 

 

 解毒剤を飲んだアスカは、シンジとティータが見守る中、自らの免疫力で猛毒と戦っていた。二人で苦しむアスカの手を握り、必死にアスカに呼び掛ける。

 

「負けるなアスカ!」

「頑張って、お姉ちゃん!」

 

 アスカは全身に凄い汗をかいていた。シンジは中央工房の地下にあるオーブメント工場まで足を運び冷却水を分けてもらい、タオルを冷やしてアスカの汗を拭いた。服を脱がせる必要がある時はティータに代わってもらっていた。

 そこにエステルたちが姿を現した。今から探りを入れるためにエステルとヨシュアとアガットの三人でレイストン要塞へ行くのだと話すと、シンジとティータも同行を希望した。

 

「大丈夫よ、行って帰って来るだけだから。シンジとティータはアスカを看ていて」

「そうだ、単なるランニングみたいなもんだ」

 

 エステルの言葉に続いて、アガットはそう言った。そう言う事ならば……とシンジとティータはエステルたちを見送った。

 

「そうだ、ランニングと言えば、依頼を受けていたんだっけ」

 

 エステルが思い出したようにつぶやいた。

 

 ◆新製品のテスト◆

 

 【依頼者】ティエリ

 【報 酬】2000 Mira

 【制 限】4級

 

 ストレガー社では新作スニーカーのテスターを募集中です。

 中央工房四階・実験室までお越しください。

 

 確か依頼内容はスニーカーの試作品を擦り減るまで履き潰すと言った内容のはずだ。中央工房に立ち寄ったついでにエステルは同じ四階にある実験室へ報告に向かった。エステルの履いたスニーカーを見たティエリは、かなり靴底がすり減っている事に感激した。テストは大成功だとティエリはエステルに話した。

 

「じゃあ、これは依頼報酬の他に、テストを頑張ってくれた君への僕からのプレゼントだよ」

 

 そう言ってティエリは試作品のストレガー社のスニーカーを渡した。

 

「未発表の新製品、しかも遊撃士モデル!?」

 

 エステルの中央工房全体を揺るがすかのような大声が響き渡った。

 

「こら喜び過ぎだ、手前」

 

 アガットが怒った顔でエステルを注意する。

 

「そこまで感激してくれて嬉しいよ、ははは……」

「ありがとうございました」

 

 ヨシュアはちょっと引いてしまったティエリに頭を下げてお礼を言って、エステルたちは実験室を出るのだった。そしてついでに二階に立ち寄り、資料室の司書のコンスタンツェに『エルベキツツキの生態』の本を渡して依頼を達成したのだが、また新しい依頼を頼まれてしまった。

 

 ◆続・臨時司書の残業◆

 

 【依頼者】コンスタンツェ

 【報 酬】1000 Mira

 【制 限】3級

 

 いたずらで隠された本はまだあるようだ。

 書名は『ハーツ少年の冒険・下巻』だ。

 今度の隠し場所のメモは暗号文ではなく絵文字だった……

 

●    ●

 

×

 

●    ●

 

 

 

 

 

 妙な依頼を頼まれてしまったエステルたちだったが、予定通りリッター街道に出てレイストン要塞へと向かう。エステル、ヨシュア、アガットと戦力は半減してしまったが、街道辺りに居る魔獣相手に遅れは取らないはず……と思っていたが、手配魔獣が行く手を塞いだ。

 

 ◆リッター街道の手配魔獣◆

 

 【依頼者】遊撃士協会

 【報 酬】2000 Mira

 【制 限】3級

 

 リッター街道に凶悪な魔獣【メルクリバイパー】が出没中です。

 当支部所属遊撃士の速やかな退治を望みます。

 

 メルクリバイパーは猛毒を持つ巨大な蛇のような魔獣だった。猛毒と聞くと嫌な感じがしたエステルだが、その鋭い牙に襲われないように回避を重視して、最後にはアガットが重剣でぶった斬るのだった。

 

 ◆リッター街道の手配魔獣2◆

 

 【依頼者】遊撃士協会

 【報 酬】3000 Mira

 【制 限】3級

 

 リッター街道に凶悪な魔獣【ブラディセイバー】が出没中です。

 当支部所属遊撃士の速やかな退治を望みます。

 

 ブラディセイバーはルーアン市長のダルモア邸で遭遇した大型の狼型魔獣だった。クローネ峠の関所やその他色々な場所で出会った犬型魔獣も引き連れて、明らかに黒装束の連中の仕業だ。レイストン要塞に人を近づけさせたくない理由があるのだろうが、手配魔獣となっては遊撃士にとっては逆効果だ!

 厄介な事に、見慣れた犬型魔獣に加えて一回り大きく、鎧のような服を着た犬型魔獣も三人を取り囲んでいた。相手が十匹の群れなのに対してこちらは三人。いくらアガットが強いと言ってもキツイ。

 

(……狼の群れはリーダーを倒せば散り散りになるはず!)

 

 そう判断したヨシュアは、大型魔獣に向かって行く。エステルとアガットも標的を大型魔獣に合わせた。しかしエステルたちの作戦は失敗だった。大型魔獣が断末魔の咆哮を上げると、犬型魔獣たちが逃げるどころか、さらに獰猛になって向かって来たのだ。

 エステルの肌が野蛮な獣の爪に切り裂かれる所など見たくないと思ったヨシュアは、《漆黒の牙》の戦技を使って魔獣達を縦横無尽に切り裂いて行った。体力の無い魔獣たちは次々と絶命して行った。

 

「……おいヨシュア、何だ今のは……」

 

 魔獣を倒し終わった後、アガットは低い声でヨシュアに尋ねた。アガットはヨシュアを人外のものでも見るような目つきだった。

 

「アガット、ゴメン! あたし、ヨシュアの過去を何も聞かない事にしているんだ。ヨシュアが自分から話してくれる気になってくれる時まで」

「ちっ、しゃーねーな」

 

 エステルが真剣な顔で懇願するような目でアガットを見つめると、アガットは頭をかいてため息をついて舌打ちした後、ヨシュアへの尋問を止めるのだった。

 

 

 

 

 リベール王国の中心に位置するヴァレリア湖の人工島に造られたレイストン要塞は、王国軍の司令部があるだけあって、今までエステルたちが見た大きい建物、ボースマーケットの数倍にも及び、さらに侵入者を防ぐ高い壁に囲まれた難攻不落の要塞だった。もちろん、空からの攻撃に備えて警備艇が周囲を飛び回っている。

 ソルダート軍用路を抜けただけなのに、離れた場所からもエステルはその要塞のスケールに度肝を抜かれていた。陸からの入口はルーアンの街にあった導力式の吊り橋で結ばれた正面ゲートだけ。

 

「ヘッ、物怖じするんじゃねえぞ。弱気な所を見せたら負けだ」

 

 アガットはエステルたちにそう発破を掛ける。エステルたちはせめて遊撃士らしく堂々とした態度で、入口の門番をしている兵士に声を掛けた。

 

「ここはレイストン要塞だ。君たちのような民間人が近づいて良い場所ではない。直ちに退去してもらおうか」

 

 今まで会った気さくな兵士たちと違い、兵士はピリピリとした雰囲気を漂わせていた。分厚いゲートの門は閉じている。

 

「わたしたち、民間人じゃないわ。遊撃士なんだけど」

 

 エステルはそう言って胸に付けた準遊撃士の紋章を指差した。

 

「中央工房のテロ事件について、ご報告したい事があります」

 

 ヨシュアも冷静な口調でそう話した。

 

「責任者を出してもらおうか」

 

 アガットは権威を示すように自分の正遊撃士の紋章を指差した。アガットは自分の地位をひけらかすのは好きではないが、この場合は準遊撃士のエステルたちだけだと舐められると判断したのだろう。

 

「残念ながら、この要塞の司令官は今ここには居なくてね。日を改めて訪ねてもらえないか?」

 

 門番の兵士は上官に確認する事無く即座にそう答えた。これはエステルたちの目にも怪しく映った。門前払いをするように指示を受けているのかもしれない。

 

「それならば、リシャール大佐にお伝えしたい事があるので情報部の方を呼んで頂けませんか?」

 

 ヨシュアは門番の兵士にそう頼むと、門番の兵士は無言で固まってしまった。おそらく命令に無い想定外の事態なのだろう。

 

「了解した、上官に確認を取るから待っていろ」

 

 門番の兵士は要塞の別の兵士に向かって合図を送る。門前払いから一歩前進したようだ。予想以上のガードの固さに、エステルたちの表情は引き締まった。鋼鉄製で分厚くて重い要塞の二重の扉が大きな音を立てて開くと、要塞の中から四人の王国軍の兵士を引きつれた王国軍の将校がエステルたちの前に姿を現した。

 

「待たせてしまって申し訳な「にゃ~~ご」」

「にゃ~~ご!?」

 

 アラサーのスキのない目をした将校がエステルたちに声を掛けると、猫の鳴き声が突然聞こえてエステルは驚きの声を上げた。よく見ると、将校の足元に黒猫がじゃれついていた。将校は顔赤くして猫の頭を撫でて、向こうに行っていろと猫にジェスチャーをした。

 

「じ、自分はレイストン要塞守備隊長、シード少佐だ」

 

 照れ隠しに咳払いをしてエステルたちに向き直ったアラサー将校はそう名乗った。

 

「あたし、準遊撃士のエステル・ブライトです」

「同じく、ヨシュア・ブライトです」

「正遊撃士のアガット・クロスナーだ」

 

 エステルたちはそれぞれ名乗ったが、シード少佐に威力があったのはアガットの勇名より、エステルの名前だった。

 

「まさか、()()ブライト!?」

 

 シード少佐はエステルの顔を見つめて目を丸くするほど驚いていた。

 

「あたしの顔に何か変なものでも付いている?」

「いや何でもない、気に障ったのなら謝る」

 

 エステルが不思議そうな顔で尋ねると、シード少佐は低姿勢になった。

 

「それで中央工房のテロ事件について報告があるとお聞きしたが、残念な事に情報部の隊員も全員不在でね。自分から伝えさせて頂こう」

 

 シード少佐の話を聞いたエステルたちは困った表情になった。情報部の制服を着た隊員が居ればドロシーの写真に写った軍靴の事をズバリ指摘出来るのだが、こうなってはハッタリをかまして相手の動揺を誘うしかない。

 

 ◆三択クイズ◆

 

 Q.シード少佐に何て言おう?

 

 【ラッセル博士を誘拐した飛行艇の目撃証言があった】

 【王室親衛隊が襲撃事件に関与している】

 【中央工房の襲撃犯が情報部に変装していた】

 

 

 

 

 ※遊撃士の資質を問うクイズです。

  正解するとボーナスBPが貰えるので挑戦してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな大変な時に、情報部はどこに行っているのよ。中央工房の襲撃犯にされそうだって言うのに」

 

 エステルはそう言って大げさにため息を吐き出した。

 

「そんなバカな!?」

 

 シード少佐が驚愕の声を上げると、エステルは意地の悪い笑みを浮かべてさらに質問を浴びせる。

 

「もしかして、王室親衛隊が襲撃犯かも~とか聞いていた?」

 

 シード少佐はエステルの言葉を否定できなかった、肯定も同然だ。

 

「その、情報部が犯人かもしれないと思わせる証拠はあるのかな?」

 

 シード少佐がエステルに尋ねると、ヨシュアはドロシーから譲り受けた写真をシード少佐に渡した。

 

「これは……襲撃を受けた中央工房から走り去る王室親衛隊の後ろ姿じゃないか。これが情報部とどう繋がるのかい?」

「足元の靴を見てよ」

 

 エステルに指摘されたシード少佐は「あっ」と声を上げた。

 

「分かった、リシャール大佐に報告して情報部を調べさせよう。ご協力感謝する」

「ちょっと、それだけ?」

 

 シード少佐の言葉にエステルは不満を募らせた。

 

「遊撃士諸君には軍の内部調査までする権利は無いはずだ。それでは失礼する」

 

 そう言うとシード少佐は取り付く島もない様子で、要塞の中へと入って行ってしまった。そして要塞の入口の扉が閉じられようとしていた。

 

「ま、仕方ないな。この場は引き下がるしかねえな」

 

 今までエステルとシード少佐の話を黙って見守っていたアガットは軽いため息をついた。

 

「何よ、アガットの根性無し!」

 

 エステルはそう言ってアガットを睨みつけた。

 

「現行犯逮捕でない限り、僕達は手が出せないんだよ。アガットさんもそれは判っている」

 

 ヨシュアに諭されて、元気を無くしたエステルたちの目の前で、閉じようとしていた要塞の入口の扉が、突然動きを止めた。要塞の兵士たちがザワザワと騒ぎ出した。そして再びシード少佐がエステルたちの前に姿を現した。

 

「見苦しい所をみせてしまったね。最近、門の開閉装置の調子が悪いんだよ」

「それなら中央工房の人たちに修理してもらったら? 《ライプニッツ号》を呼べば来てくれるんじゃない?」 

 

 取り繕うように話すシード少佐に向かって、エステルは笑顔でそう言った。

 

「そうだな、助言ありがとう」

 

 エステルたちは固い表情でお礼を言ったシード少佐に別れを告げてレイストン要塞から離れた。オーブメント仕掛けの門が閉じなくなったのは多分、動力停止現象のせいだとエステルたちは考えた。

 

「ラッセル博士はあの要塞に捕まっているとみて間違いないと思う」

「中央工房から奪われた黒いオーブメントも一緒だもんね」

 

 ヨシュアとエステルがお互いにうなずき合っていると、事情が分からないアガットは首を傾げた。二人はアガットがツァイスに来る前に、黒のオーブメントを巡る出来事についてかいつまんで説明した。

 

「ふーん、なるほどな。だが、ここで話していても埒が明かねえ、遊撃士協会に戻るぞ。あのキリカが何か知恵を貸してくれるかもしれねえ」

 

 アガットの意見にエステルとヨシュアも賛成し、早々にツァイスの街へと引き返すのだった。

 

 

 

 

 エステルたちが遊撃士協会に戻ると、キリカはマードック工房長を招いていた。これからの作戦にマードック工房長の協力が必要になると判断したからだ。ラッセル博士がレイストン要塞に監禁されていると知ったマードック工房長は声も出せないような驚きようだった。

 マードック工房長は協力関係を築いてきた王国軍がこのような暴挙に出るとは信じられないと天を仰いだ。王国軍は一枚岩ではないとキリカは話した。帝国との国境を守るモルガン将軍の国境警備隊、リシャール大佐の情報部、ユリア中尉の王室親衛隊などに別れた立場にある。

 

「中央工房のテロ事件の犯人である黒装束の連中が王室親衛隊に変装した意味も、エステルには分かるわよね?」

 

 キリカに突然質問を振られたエステルは驚いた。こんな時でもキリカはエステルたちの遊撃士としての技量を見極めようとしているのだ。

 

 ◆三択クイズ◆ その2

 

 Q.黒装束の連中が親衛隊に変装した意味は?

 

 【親衛隊が事件とは無関係だと思わせるため】

 【黒装束の方が変装で、親衛隊が事件の黒幕だった】

 【親衛隊に事件の罪を着せるため】

 

 

 

 

 ※遊撃士の資質を問うクイズです。

  正解するとボーナスBPが貰えるので挑戦してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしかして、みんなに親衛隊を目撃させて、犯人だったって思わせるため?」

 

 エステルの言葉にヨシュアはうなずいた。シード少佐は情報部の調査をすると約束したが、おそらく調査結果は情報部は無実で王室親衛隊がテロ事件の犯人だとシナリオが出来上がってるのだろうとヨシュアは話した。

 王国軍の中で良からぬ企みがあり、そのためにラッセル博士は誘拐された可能性があるとキリカは話した。黒のオーブメント、謎の薬グノーシス、高性能演算機カペルも根こそぎ奪って行ったのだろう。

 

「どうやら、犯人の手掛かりをつかんだみたいね」

「アスカ!? もう大丈夫なの!?」

 

 遊撃士協会に入って来たアスカを見てエステルは驚きの声を上げた。アスカに付き添っていたシンジとティータも一緒だ。

 

「目が覚めたら、知らない天井でビックリしたわよ。ぐっすり寝たから元気が有り余っているわ!」

 

 アスカは自分の武器である棒を振り回して華麗にポーズを決めた。もう問題は無さそうだ。毒による後遺症も無いようだとティータは喜んでいた。毒舌は相変わらずだとシンジが言うとアスカはいつもの調子でツッコミを入れた。

 エステルたちはアスカたちにもラッセル博士がレイストン要塞に監禁されている可能性が高い事を説明し、今後の作戦について話し合う。

 

「レイストン要塞に忍び込んで、博士を解放して、やつらに泡を吹かせてやるのさ」

 

 今まで黒装束の連中に苦汁を舐めさせられて来たアガットの提案に、エステルたちは諸手を挙げて賛成した。しかしキリカは一筋縄ではいかないと話す。遊撃士協会の大原則として国の軍隊とは干渉してはいけないのだ。ダルモア市長の時と同じで、現行犯でないと調査する権利が無いのだ。

 

「そんなバカな話ってある!? アタシたちは《紅蓮の塔》の屋上で誘拐の現行犯として黒装束のヤツラを逮捕出来たじゃないの」

 

 アスカの言う事は筋が通っているが、王国軍が黒装束の連中を匿っている限り手出しは出来ない。キリカはそんなアスカをなだめるように穏やかな笑みを浮かべて落ち着くように話した。

 

「でも、今回の場合には規則の抜け道がある。遊撃士協会規約第二項、『遊撃士は、民間人の生命・権利が不当に脅かされようとしていた場合、これを保護する義務と責任を持つ』。この意味が分る?」

 

 キリカに尋ねられたヨシュアは納得した様子で答える。

 

「なるほど、博士は『保護されるべき民間人』ですね」

「……工房長さん、あなたがここに招かれた理由はお解りですね?」

 

 キリカに尋ねられたマードック工房長は深くうなずいた。

 

「博士はリベールにとって国宝のような人材だ、救出をお願いする」

 

 マードック工房長の言葉を聞いたキリカは、非公式ではあるが遊撃士協会の依頼としてラッセル博士の救出をエステルたちに要請した。

 

「よっしゃ、これで忍び込む大義名分が出来たぜ!」

 

 アガットはガッツポーズを作って喜んだ。

 

「やっぱり忍び込むんだ……」

 

 シンジは苦笑いを浮かべてため息を吐き出した。次なる問題はレイストン要塞への潜入方法だ。キリカは唯一の陸路である正面ゲートの橋はとても警備が厳しくて無理、要塞を囲む湖にも導力センサーが張り巡らされているから困難、空は警備艇が巡回していると話した。

 そのような難攻不落の要塞にどうやって潜入できるのか……エステルたちは何か見落としていないのか考えを巡らすのだった。

 

 ◆推理クイズ◆

 

 Q.レイストン要塞に潜入できる方法は?

 

 ※遊撃士の資質を問うクイズです。

  今までのツァイス地方での話の中にヒントがあるので挑戦してみてください。

  答えは次回のお話で。

 

 

 

 




 ◆三択クイズ◆

 Q.シード少佐に何て言おう?

 【ラッセル博士を誘拐した飛行艇の目撃証言があった】
 【王室親衛隊が襲撃事件に関与している】
〇【中央工房の襲撃犯が情報部に変装していた】

 ◆三択クイズ◆ その2

 Q.黒装束の連中が親衛隊に変装した意味は?

 【親衛隊が事件とは無関係だと思わせるため】
 【黒装束の方が変装で、親衛隊が事件の黒幕だった】
〇【親衛隊に事件の罪を着せるため】


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