アスカとシンジは、空の軌跡の世界で本当の幸せを見つけた ~アスカ・ブライト!~ 作:朝陽晴空
1
さんさんと太陽が輝く昼下がり、アスカとシンジ、エステルとヨシュアの四人は険しいマルガ山道を走っていた。ロレント地方最大の七曜石が採れるマルガ鉱山とロレントの街を結ぶこの山道は、他に翡翠の塔しか目立ったスポットは無く、鉱山労働者がたまに通るだけだった。
四人は先に街を出て翡翠の塔に向かったルックとパットを追いかけている。子供達の足ではそう遠くは行っていない、すぐに追いつけるだろうと言う考えは甘かった。自然豊かなロレントで育った子供達の脚力は素晴らしいものがあった。山道を行けども行けども子供達の姿は見えない。
「ねえ、この近くで街の子供達の姿を見なかった?」
掘った鉱石を街へと運ぶ、導力車に乗った男性にアスカは声を掛けた。鉱山と街の間に翡翠の塔への分かれ道がある。もしかしたら目撃しているかもしれないと思ったのだ。
「そう言われれば、姿は見えなかったが、子供の声が聞こえた気がしたな。翡翠の塔のある方角だったかもしれない」
「早く助けに行かなきゃ!」
男性の話を聞いたエステルは弾かれたように走り出した。慌ててアスカやシンジは追いかける。その行動の早さに男性は目を丸くする。そして、街の子供達と四人がそう年齢が変わらない事に気が付くと、心配そうな顔でヨシュアに声を掛ける。
「おいおい、大丈夫か? 街に行って遊撃士に任せた方が良いんじゃないのか?」
「僕達も遊撃士ですから」
ヨシュアは落ち着いた笑顔でそう言って準遊撃士の紋章を男性に見せ、エステル達の後を追う。そんなエステル達の後ろ姿に、男性は大声で呼びかける。
「頑張れよー! 小さな遊撃士達!」
その声はエステル達に届いたかどうかは分からないが、ロレントの街の人々に四人の準遊撃士達の誕生が知られるようになって行った瞬間だった。この男性は鉱山労働者の仲間に四人の事を話すだろう。
この山道に出る魔獣は花の怪物のような姿をしていて、近づいたものに種を飛ばす攻撃をしていた。裏を返せば、魔獣に近づかなければ攻撃をされないわけで、子供達二人がすんなりと翡翠の塔に行けた理由の一つだった。
他にマルガ山道には化け猫のような魔獣や、巨大なテントウ虫のような魔獣も居るのだが、ほとんどがマルガ鉱山方面に集中していて、エステル達は魔獣達との戦いもそこそこに、5階建ての翡翠の塔の入口までたどり着いた。
「本当にこの中にルックとパットが居るのかな?」
できれば塔の中に入りたくない、と言った気持ちがありありと出ているシンジが同意を求めるようにエステル達を見回すが、地面を注意深く調べていたヨシュアはその意見を否定する。
「よく見て、塔に入って行く子供達二人の足跡があるよ」
泥の付いた靴で歩いたからなのか、塔の入口の階段にはかすかに靴跡が残っていた。泥はまだ乾いていない、と言う事は二人が入ってから時間は経っていない。
「これは急ぐ必要がありそうだ」
真剣な表情でヨシュアがそう告げる。しかしシンジは二年前の記憶が蘇ったのか身体を震わせている。そんなシンジを見かねてアスカがシンジの手を握る。でもアスカの手も心なしか震えている様にシンジは思った。やはりアスカも怖いのだと。逃げちゃダメだ、自分がアスカを守るんだ、と言い聞かせて、シンジはエステルとアスカに続いて塔の中へと入った。
棒術使いのエステルとアスカが前衛、導力銃装備のシンジが中衛、ヨシュアが周囲を警戒しながら後詰めを務める陣形で四人は戦って来た。奇襲攻撃を受けてもシンジが敵の至近距離にならないように考えた作戦だった。
「く、暗いよ~ こ、怖いよ~」
翡翠の塔の一階に足を踏み入れた四人が耳にしたのは、怯えるパットの声だった。その声は塔の中で反響し、同じ一階に居るかどうかも分からない。幸いな事に入口の広場には魔獣の姿は無かった。
「そんなに怖がるなよ! まだ最初の階じゃないか……」
パットの言葉に答えるようにルックの声も聞こえて来る。どうやら二人とも無事で一緒に行動しているようだ。同じ一階に居ると分かった四人はホッと胸をなでおろした。しかし何を思ったのか、エステルは大きく息を吸い込んだ。
「ルック! パット! 早く出て来なさーい!」
「やばっ、エステルだ!」
慌てるルックの声と共に、ドタドタとした足音が聞こえる。階段を登って二階へ逃げてしまった事は確実なようだ。怒ったアスカがエステルに詰め寄る。
「アンタバカァ!? 余計に面倒な事になったじゃないの!」
「でも、あたしが呼ばなくても同じ結果になったかもよ?」
いがみ合うアスカとエステルを、シンジとヨシュアが身体をつかんで引き離す。喧嘩するほど仲が良いと言うが、アスカとシンジがしていた言い争いを、アスカは家族となったエステルともするようになっていた。それは喜ばしい事だが、魔獣の巣になっている場所でするべき事ではない。
「仕方ない、奥に行ってみるしかないね」
ヨシュアの提案に従い、四人は陣形を組んで二階へ登る階段を探し始めた。通路の角、見通せない闇の先からいつ魔獣が現れるか分からない。アスカとエステルは前と左右をそれぞれ警戒していれば良かった。背後はヨシュアがカバーしてくれると絶対的な信頼があった。
塔の一階はそれなりの広さはあったものの、魔獣の姿は見えず真ん中に柱のある部屋とそれを繋ぐ見通しの良い真っすぐな廊下の一本道で構成されており、二階への階段にあっさりと到着する。
「うわぁぁぁぁぁっ!」
「た、助けてぇぇぇっ!」
塔の二階へ登り終えるなり四人の耳に飛び込んで来たのは、ルックの叫び声だった。間髪入れずにパットの叫び声も辺りに響き渡る。子供達二人の身に危険が迫っているのは明白だった。
「待ちなさい、エステル! ここはアタシとタイミングを合わせて突入よ!」
「了解!」
声がした方に全力疾走しようとしたエステルを、素早い判断を下したアスカがほんのわずか押し留めた。円い部屋に居た子供達二人は五匹の飛び猫と呼ばれる魔獣に、壁際まで追い詰められていた。
「てやぁぁぁぁっ!」
「うりゃぁぁぁぁっ!」
その魔獣達の包囲を背後から突き崩したのは、飛び込んで来たアスカとエステルだった。二人の勢い良く振られた棒に頭から叩き伏せられた魔獣は床へと落下し脳震とうを起こして気絶した。数を半減させた魔獣は恐れをなして距離を取った。
「エステル姉ちゃん!」
「アスカお姉ちゃん!」
絶体絶命のピンチを救った二人に、ルックとパットは感激の声を上げた。そしてシンジとヨシュアも追いつき、子供達二人を守るように陣形を組んだ。ヨシュアの戦技(クラフト)双連撃が炸裂し、一匹目の魔獣は双剣の2×2の四連撃を食らい、さらに双剣に仕込まれた毒によってピクピクと体を震わせ虫の息となった。
そして残りの二匹の魔獣はそれぞれアスカが棒で叩き伏せ、シンジが導力銃で撃って手傷を負わせる。それでも魔獣にはまだ戦う意思は残っているようだ。
「アスカ、シンジ、後ろに退いて!」
二匹の魔獣がアスカとシンジを追いかけ、密の状態となる。そこに飛び込んだエステルの戦技、旋風輪……円の中心で棒を高速回転させる技で弾き飛ばされた魔獣は飛ぶ体力を無くし、その場に落下して気絶した。
「よしっ、上出来っ!」
棒を回転し終えたエステルは棒を後ろ手に持って構え、もう片方の手でピースマークで決めポーズを取る。表情はウィンクをしたドヤ顔である。その堂々とした振る舞いに、ルックとパットはおおっ、と感嘆の声を漏らした。
「もう魔獣はいない様だね」
辺りを見回したシンジがホッとした顔で息を吐き出した。多数の魔獣と戦闘をするのは初めてだったが、タイミングを合わせた奇襲攻撃で数を減らせたので、シンジは落ち着いて導力銃の照準を合わせる事が出来た。
「突入のタイミングが良かったと思うよ」
「そ、そうかな」
「フフン、当然よ」
戦闘の評価をヨシュアが下すと、エステルは少し照れくさそうにはにかみ、アスカは胸を張って鼻息を荒くして答えた。この反応の違いが二人の性格の微妙な差異を示していた。シンジはエステルの素直な謙虚さを、アスカも見習った方が良いと思っていた。本人に面と向かっては言えないけれど。
「凄え強いんだな、エステル姉ちゃん、アスカ姉ちゃん!」
ルックが感激を抑えきれない様子でぴょんぴょんとエステルとアスカの周りを廻る。しかし、エステルとアスカの表情は険しいものになり、エステルはルックの頬を平手打ちにした。
「この馬鹿っ! どうしてこんな危険な事をしたのよ!」
「エステルやアスカ達が遊撃士試験に合格したって話をクルーセから聞いて、オレも負けてられないって思ったんだよ!」
怒り心頭に発したエステルの迫力に圧され、ルックは怯えながら話した。ルックは自分が先に遊撃士になると、エステルと張り合っていた仲である。それに付き合うエステルも大人げないとヨシュアは話していたが、ルックは自分がエステルに置いて行かれたと感じて背伸びをしたのだろう。
「アンタバカァ!? 死んじゃったら何にもならないじゃないの! アンタのママや友達もみんな悲しませる事になるのよ!」
そう言うアスカの口調はキツイものがあったが、目には涙を浮かべていた。子供を失って母親が悲しむのは当然の事だ。特に母親を失ったアスカにとっては、強い思い入れがあった。そのアスカにつられてルックも涙目になり、ごめんなさいと謝った。
ルックが自分で反省しなかったらエステルの事だ、力づくでも謝らせようとしただろう。アスカが居てくれた事に安堵の息をもらすヨシュアだったが、次の瞬間、表情を厳しいものに変える。エステルの背後に浮遊する大型のチョウチンアンコウの様な姿をした魔獣が忍び寄っていた。
「くっ!」
陣形でエステルから一番離れた場所に居るヨシュアは直ぐに駆けつけることは出来ない。バトルスコープでその魔獣を分析をすると、今のエステルではダメージを与える事すら難しい固い防御力を誇る格上の魔獣だと分かった。このままではエステルがやられる、怪我を負わされるか、命を落とすか……ヨシュアの頭に嫌な考えがよぎった。
しかし通路から部屋へと素早く躍り出た人影が、その大型魔獣を切り裂いた!
驚きながらもヨシュアはその剣筋を見極める。2、4、6、8、10、12、14……そして16連撃!!
一度に16連撃も叩き込む戦技など見たことも無い!
ヨシュアはもちろんの事、エステルやアスカやシンジもその剣技にポカンと口を開いて立っていた。16連撃を食らった魔獣は無事で済むはずも無い。その大きな図体はドシンと音を立てて床に沈んだ。無数に付けられた切傷からはドバっと血が噴き出し、出血多量で魔獣が息絶えたのは明白だった。
「二刀流……?」
その戦い振りを間近で見たエステルがポツリと呟く。魔獣を倒したのは二つの剣を振るう黒髪の黒い服を着た剣士だった。シンジと同じ黒色の瞳で、その剣士はサッパリとした笑顔でエステルに話しかける。
「間に合って良かった」
「あ、ありがとう……」
エステルは顔を赤らめてその若い剣士……歳は同じか、一つ二つ上ぐらいだろう、にお礼を言った。その姿を見たヨシュアの胸がざわつく。自分より明らかに力量が上の剣士に遭遇しただけでも衝撃を受けたのに、エステルにあのような表情をさせるとは……。
「エステル姉ちゃんやアスカ姉ちゃんより凄えーーーっ!」
素人には数える事すら困難な16連撃を目の当たりにしたルックとパットは、羨望の対象をエステルからその黒衣の剣士へと移す。熱烈な視線を浴びて困った表情になったその剣士は、シンジの姿を目に止めると、近づいて話しかける。
「君の名前を教えて欲しいんだけど、良いかな?」
アスカはこの剣士はシンジを口説いているのかと、あっけにとられた。しかしその剣士の表情は真剣そのもので、ナンパをしているようには思えない。なぜシンジの名前を聞こうとしているのか、そのアスカの疑問は剣士の次の言葉によって答えが出た。
「ボクの名前は碇シンジだけど……」
「やっぱりそうか。俺は桐ヶ谷和人、この世界ではキリトと名乗っている」
キリトの言葉を聞いたアスカとシンジは大きな衝撃を受けた。自分達以外にもこの世界に日本からやって来た人間が居る……!
エステルとヨシュアには、この三人に共通した話題の内容が解るはずも無く、首を捻るばかり。もちろん、子供達二人にはなおさら分からない。
「この翡翠の塔の屋上に光の柱が降りて来た話を聞いて、俺の探している仲間だと思って来てみたら……君達だったわけさ」
そう話すキリトの表情は、落胆の色が隠せなかった。それほど大切な仲間なのだろうと、アスカとシンジは思った。もし自分達が離れ離れになったら、地の果てまで探しに行くに違いない。
「じゃあ、俺はもう行くよ。他にも光の柱が降りて来た場所があるんでね」
アスカとシンジとしては、もう少しキリトと話をしたかったが、キリトは足早に走り去ってしまった。しかし他にも光の柱が降りた場所があると言う事は、二人の知っている人物がこの世界に来ている可能性も否定できない。エヴァのパイロットと言う地位を捨てた二人にとって、それは良い事なのか判断は下せなかった。
「ごめんエステル、君の事を守れなかった」
先ほどの事が尾を引いているのか、ヨシュアは沈んだ表情でエステルに謝った。しかしエステルがヨシュアに向けたのは、太陽のような笑み。
「油断していたあたしだって悪かった。これから頑張って行けばいいじゃない」
「そうだね、僕も精進するよ」
すっかり明るさを取り戻したヨシュアの姿に、見守っていたアスカとシンジ、子供達二人も嬉しそうに笑みをこぼす。
「さてアンタ達、歩ける? 街に戻るわよ!」
「おーっ!」
アスカの言葉にルックとパットは元気に答え、六人は悠々とした足取りで翡翠の塔を後にする。美味しい所は黒衣の剣士に持って行かれてしまったが、彼を超える強い剣士になるとヨシュアは闘志を燃やすのだった。
2
「大変だったわね、お疲れ様」
子供達をロレントの街に送り届けた四人は、遊撃士協会のアイナに依頼達成の報告をした。油断していた所を黒衣の剣士・キリトに助けられた事も包み隠さず話した。キリトが倒したのは、手配魔獣と言う危険度が高いために遊撃士協会で賞金が掛けられている魔獣だった。その魔獣の戦利品は四人が手にしているため、自分達が倒したと申告することも出来たが、正直に話した事がアイナに好感を与えたようだ。
手配魔獣の賞金は教会に寄付される事になり、手配魔獣以外の魔獣とのタイミングのあった戦闘内容は高く評価され、遊撃士ポイント(BP)に+1点のボーナスが加算された。遊撃士手帳の評価を見て驚く四人。
「アイナさん、このボーナスポイントって……」
「ふふっ、初任務、頑張ったあなた達へのご褒美よ」
シンジの質問にアイナは穏やかな笑顔をたたえてそう答える。依頼の難しさにより基本BPは決まるが、ボーナスBPを稼げば早く遊撃士のランクが上がる。それを知ったアスカは俄然やる気をみなぎらせた。
「この調子で大陸に名をとどろかせるエース遊撃士になるのよ!」
エヴァンゲリオンのエースパイロットの次はエース遊撃士か、アスカらしいや、とシンジは思った。上を目指すアスカの瞳はキラキラと輝いている、それはシンジにとって憧れでもあった。でも、無茶はしないで欲しいともシンジは願うのだった。
「それじゃあ、街で夕飯の材料を買って帰ろう。父さんが家で待っている」
「あ、ちょっと待って。カシウスさん宛に手紙を預かったの」
ヨシュアの言葉に同意して四人が遊撃士協会から出ようとすると、アイナが気が付いたように呼び止めて封筒を渡す。その封筒はどことなく気品があるように見えた。
「何かしら、もしかしてラブレターとか?」
「だとしたら遠距離恋愛だね」
アスカが茶化すように冗談を言うと、ヨシュアはクスリと笑いながらそう言った。アイナの話に拠れば、遊撃士協会はリベール王国以外の国にも支部があり、カシウスは顔が外国にも利くほど広いらしい。それならばカシウスは、キリトの事を知っているのかもしれないと四人は思うのだった。
「ねえねえ、エステル達が会った黒い服の凄腕の剣士ってどんな人? 名前とか分かる?」
遊撃士協会から出た四人は、街の小さな女記者、クルーセに声を掛けられた。このクルーセはルックとパットやユニと同じ年齢でありながら、王国大手の新聞社、《リベール通信》顔負けの取材力をロレントの街では持っている。
多分情報源は街に帰って来たばかりのルックとパットに違いないと思った四人は、クルーセの行動力に舌を巻いた。仮にアスカとシンジがキスなんかした場面を誰かに目撃されれば、次の日にはクルーセによって街の全員に広まってしまうだろう。
「そうそう、珍しい事と言えばね、ジェニス王立学園の女生徒が街を歩いていたわ」
クルーセの話を聞いたヨシュアはとても驚いた顔をした。《ジェニス王立学園》はリベール王国のルーアン地方にある、3年制の学校で、日本の高校と同じ位置づけのものだった。
「ふうん、この世界にも高校があるのね」
自分達が前の世界に居たままだったら、今頃はシンジと同じ高校に通っていたかもしれないとアスカはぼんやりとそんな事を考えていた。そんなアスカの表情を見たシンジはアスカに質問を投げかける。
「アスカは学校に通いたかった?」
「のほほんと学園生活を送るよりも、刺激にあふれた遊撃士の方が断然良いッ!」
グッと手を握り締めて答えるアスカに、シンジは苦笑しながらも嬉しさを感じていた。この世界で暮らすと言う自分の選択にアスカを巻き込んでしまった事に後ろめたさを感じずにすむからだ。
「どうしたのヨシュア、ジェニス王立学園の女の子が気になるなんて、そう言うのがタイプなんだ」
エステルはニヤリとした薄笑いを考え込んでいたヨシュアに向ける。どれだけエステルは鈍感なのかとアスカとシンジとヨシュアとクルーセはあきれるばかりだった。未だにヨシュアとの恋人関係を否定し、姉弟だと言っている所からもそれが分る。それがヨシュアにとって残酷な言葉であるのも自覚していない。
クルーセと別れた四人は街の雑貨屋である《リノン総合商店》で夕食の食材や、カシウスから頼まれていた新聞《リベール通信》02年度第1号を買う。エステルは店主のリノンに《ストレガー社》の新作スニーカーがいつ発売されるのか熱心に尋ねていた。道具袋には魔獣の肉やら骨やら羽やらが入っているので、シンジは店で売られている数点の食材を買って店を出た。
四人が店を出ると、ロレントの街並みは夕陽に染められていた。街の家からは夕餉の煙が立ち昇り、教会の鐘が鳴ると遊んでいた子供達は夕飯の待つ自分の家へと帰る。四人も街の郊外にある自分達の家を目指して歩き始めた。
今回キリトはチョイ役で出ましたが、空の軌跡の化け物級の強さを持つ人達と戦ったりするかもしれません。