元!海賊王の航海   作:りむっち

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読んでくださりありがとうございます。感想、評価を頂き作者は元気がモリモリです!


第12話

とある島にて、電伝虫から突然やってきた一報の報せによりそこは混乱の渦の真っ最中であった。上の役員から下の役員までその情報が出回っており、落ち着きがなく慌ただしい。その白土の島、名をバルティゴ。革命軍総本部が置かれている島であり、中央で聳え立つ建物こそ各地に散らばっている革命軍支部の本拠地である。その建物の奥の部屋にて、全革命軍の隊員達が全幅の信頼をおいている男、革命軍総司令官モンキー・D・ドラゴンは頭を抱えていた。

『ドラゴンさん!聞こえてる?』

電伝虫から鳴り響いてくる怒号にドラゴンの周りにいた革命軍の隊員達も困った表情をしていた。各々がドラゴンの指示を待つなか、ドラゴンは努めて冷静に言葉を返す。

「ああ、聞いているぞ」

『なら、止めてよ!サボくん、記憶が戻ったと思ったら何故かロジャーさん達と一緒にマリージョア行くってきかないのよ!』

怒りと心配するコアラの声にドラゴンが落ち着くように諭す。

「今、サボは何処にいるんだ?」

『ロジャーさん達の船よ、出航の準備をしてるわ』

「変わってくれ」

コアラだけでなく焦っている自分の心をも周りに悟らせないように落ち着かせる。今までドラゴンは、世界政府打倒のため緻密に計画を重ねてきた。それをロジャーというイレギュラーが出た事で計画を練り直す必要が出た事はまだ何とか修正できる。しかしその計画の要でもあり、何より仲間でもあるサボが自ら危険に飛び込むのは上司として、命をあずかる総司令官としてドラゴンはサボに一言()()をとりたかった。

 

 

『サボか…』

「すみません…、けど俺、行ってみたいんです!」

サボはそう言ってロジャー達を見る。今から行う事に一切の躊躇も、恐れもない目をそれぞれが宿している。そして無意識にロジャーについて行きたいと言った、自分の中に眠る感情の正体をサボは知りたかった。ドラゴンさんを知り、その志に心をうたれた時とはまた違った感情をロジャーからひしひしと感じている。もうサボには、誰にどんな事を言われようと止める気は一切なかった。例えそれが自分が敬愛してる上司のドラゴンさんであろうと。

『だろうな…。だから、確認をしただけだ』

ドラゴンはよく知っている。なんせ、サボを子供の頃から見てきたからだ。人一倍仲間を思いやり、仲間の為に行動をしてきた男が今まさに自分の思うがままに歩み出そうとしている。1人の育て親としてドラゴンはサボの我儘に嬉しさを感じていた。それに、今サボにはロジャーというこの世で1番強い仲間がいる。いくらサボに危険が及ぼうともそれを軽く捻る程の実力を有しているロジャーがそれを許さない。これ程までに安全と思える戦いは、そうは無いだろう。

「ッッ!!」

『いいかサボ、よくきけ。後のことは俺に任せて、革命軍の代表として世界政府共に喧嘩売りに行ってこい!派手に暴れてこい!!』

「はいッ!!」

ドラゴンに最大の敬意と感謝を込めてサボは返事をした。話を終えたサボは電伝虫をコアラに返そうとするとそれを奪いとるようにロジャーが電伝虫に出る。サボを一時期の間、預かる身として一言言っておきたかったからだ。

「話はついたみたいだな」

『ロジャーか…』

ロジャーが電伝虫に出た事でドラゴンの声から緊張する声が聞こえてくる。ドラゴンの後ろでも慌ただしい音が聞こえるに、ロジャーが出るとは思ってもいなかったのだろう。しかし、その音も次のロジャーの一言で静まり返った。

 

「金髪坊主の事は任せろ。アイツは良いもん持ってるぜ」

 

海賊王の男が任せろと言ったのだ。なら、ドラゴンが心配する事はもう無いだろう。ただ一言、ドラゴンは力強くロジャーに言い放った。

『よろしく頼む!』

ドラゴンがロジャーを信頼し、サボを任せた瞬間だった。

 

 

「サボのやつ、海賊王の目に適ったか……。ハッハッハハハ!!」

『どうしてですか!なぜ、サボ君を止めないんですか!マリージョアですよッ!?マリージョア!!本当に行かせていいんですかッ!?』

サボがロジャーに認められた事が嬉しく豪快に笑っているドラゴンの元に電伝虫から怒声が響きわたる。その主は、サボから再び電伝虫受け取ったコアラだ。ドラゴンが止めてくれると思っていたコアラは、止めるどころか発破をかけるようなドラゴンに憤りを感じていた。

「あぁ、問題ない」

『そんな……』

「確かに、マリージョアは危険な所だろう。しかしだ、あのサボが行きたいと言ったんだ。決して生半可な気持ちで、危険地に行くような奴じゃないのはお前も知っているだろう。それに、アイツはちゃんとした覚悟をもっていた。それをロジャーは気づいていたのだろう…」

『……』

行きたいと言ったサボの顔を見た時、コアラもうっすらと気づいていた。絶対に曲がらない性格のサボがロジャーについて行くと言ったあの時、サボは既にマリージョアに行くと覚悟を決めていた事に。だからこそ、コアラは一縷の望みをかけてドラゴンに掛け合った。どうにか止めてくれと……

「サボの事を心配する気持ちはよく分かる。ここにいる俺達もお前達と同じ気持ちだ。だが、ロジャーが任せろと言ったんだ。俺の親父からもよく聞かされてた。ロジャーは仲間を大事にするってな。俺はロジャーを信じる。もし、アイツがサボを傷つけようものなら革命軍全隊員で倒しに行く覚悟も持っている。まぁ、そんな心配は全くしてないがな」

『……はい』

しぶしぶだが、本当にしぶしぶだが納得したコアラの声音を聞いたドラゴンは電伝虫をしまい、部下へと指示を出した。時間は限られているいるのだ。迅速かつ丁寧に指示を出していくドラゴンに周りの隊員もそれに瞬時に対応していく。

「聞いただろう。サボはロジャー達と共にマリージョアに行く。その前に俺達は出来る限りのサポートをする。いいな!」

「「「「はい!」」」」

「あと、モーリーに連絡を通せ。アイツの能力はきっと役に立つ」

「モーリー隊長にですか?」

モーリーとは革命軍の西軍軍隊長のことだ。超人系(パラミシア)オシオシの実の能力者である。色々な物体を粘土のように柔らかくし、攻撃にも防御にも展開でき、果てにはそれを活用し地中に空間を作り自在に動く事ができる。

「あぁ。マリージョアは赤い土の大陸(レッドライン)の上にある。そこに行くだけでも大変だが、もっと大変なのはその前にある。」

「マリンフォード!!」

「そう、マリージョアの近くには海軍本部が置かれている。しかし、電伝虫を代わる際にロジャーからそこは問題ないと言われた。」

そう、マリージョアの近くには海軍本部が立っている。マリージョアには常に海兵が駐屯しているほか、CPという世界政府きっての最強警備部隊がしかれている。それだけでも厳重なのに、その周りを警備する海軍本部があるのだ。マリージョアに一般人、ましてや海賊が行く事すら困難極まりない。

「えっ、問題ないの?……」

他の革命軍の隊員達がマリンフォードの存在に頭を悩ましていたが、特に何ともなしに言ったドラゴンに全員がコケた。難関な筈なのにロジャーには関係ないらしい。どこまでも規格外だと全員が思った。

「問題は、どうやってあの高い壁を乗り越えるかだ。」

「だから、モーリー隊長なんですね!」

地中に空洞をつくる事ができるモーリーがいれば、あの大きな壁の外側からではなく内側から登ってマリージョアへと辿り着ける。誰にも見つからず、内密に行けるという算段だ。

「ロジャーにも話はつけてある。決行は半年後ッ!それ迄に準備を進めるぞ!」

半年で出来る事はそこまで多くは無いだろう。しかし、ドラゴンは半年後に間に合わせる為に急ピッチで急ぐ。ロジャーのマリージョア進行は世界の流れを変えるキッカケとなる。世界の流れに身を投じるドラゴンとしては、この流れに乗らない手はない。これからの未来に思いを馳せてドラゴンは計画を立てていく……

 

 

不満たらたらだったが最後には折れてくれたコアラとハック達に別れをつげたサボは船の上からコアラ達に手を振っていた。我儘な自分を最後は笑顔で送ってくれた仲間に感謝をしながら、船の向かう先の海へ視線を移した。そこには見慣れている筈の海があるにも関わらず、サボには違って見えた。水平線まで続く海がサボを航海へ誘っている。それを肌で感じるサボは、幼き頃のようにキラキラと目を輝かせていた。

「気持ちいだろう、海はよ……」

サボの頭に手をのせロジャーはサボと同じく海を見る。初めて航海に出た様なキラキラとした顔をするサボに、ロジャーが若き日の頃と重ねて感慨深くなる。

「はい」

「これから、お前は俺達ロジャー海賊団の船員(クルー)だ。これからビシバシ働けよ?ワッハハハハハハハ!」

「……はいッ!」

ニヤリとサボにロジャーが笑いかける。ロジャーに船員(クルー)として認められたサボは嬉しくなり、これからの事に思いを馳せて興奮が止まらかった。そんな子供の様なサボを見てロジャーだけでなくレイリー、ギャバンまでもがニヤリと笑う。

「お前ら!新しい仲間も入った事だ!次の目的地、水の都ウォーターセブンへ向かう!」

「「「了解、船長!!」」」

小さい船の帆をはり、旗を掲げる。そのマークはかつてロジャー海賊団の使っていたマークであり海賊である事を表す死の象徴だ。それを掲げたロジャー達はログをたどり、ウォーターセブンまで最短の道のりで航海して行った。

「ウォーターセブンに行くんですね」

ウォーターセブンと聞いて、最初にサボが思った事はこの船の事だった。ウォーターセブンとは船の造船会社ガレーラカンパニーが設立されてるとこであり政府御用達の造船都市である。また、金を払えさえすれば海賊にだって船を売る都市でもあり政府、海賊に愛用されている発展都市だ。

「この船では心もとないからな……」

それに答えたのはギャバンだった。ロジャー達がウォーターセブンに行く目的として、マリージョアまでの道程を安全に航海できる大きく頑丈な船の調達の為だ。ロジャー達が乗る船は多少の嵐には耐えられるがマリージョアへ行くまでの偉大なる航路(グランドライン)前半を渡りきる力がない。だからこそ造船都市であるウォーターセブンに隠しておいた、かつての船をロジャー達は取りに行くのだ。誰にも知られることの無く隠されてきた船、名を海賊船''オーロ・ジャクソン''。唯一その船の在処を知る者とすれば、実際にオーロ・ジャクソン号に乗っていたかつてのロジャー海賊団の船員(クルー)の他存在しないだろう。政府の人間がその船を見つけようと躍起になるも見つける事は叶わなかった。それは一重にその船が厳重に隠されていたのに加え、その船を影から守ってきたある男のおかげにある。その男の名は、船大工''トム''。オーロ・ジャクソン号を作った本人でもありガレーラカンパニーをつくるきっかけとなった人物だ。トムは死ぬ寸前までその船の事を政府から隠し続け、その存在を守ってきた。今も尚、その船が壊されること無くあり続けられるのはトムのおかげであり、ロジャー達の最愛の仲間だ。

「トム……、俺たちの事しっかり見とけよ……」

 

 

━━霧深く、闇夜渦巻く島にて

その島にとある便りが渡った。偉大なる航路(グランドライン)前半にある島。島と島を取り囲む濃霧は入ったら最後、再び出てくる事は出来ない。前半の海にあるにも関わらずその島の危険度は後半の海、新世界後半に匹敵する。その島にて、1人細々と暮らしていた1人の男に便りが送られてくる。

「なんだ?」

その男の名は、ユーイ。元ロジャー海賊団の船員(クルー)であり、元ロジャー海賊団アサシン''霧隠れの兇手・ユーイ''。懸賞金10億8千万ベリーの男。ユーイは浜辺に意図して流れて来た手紙を拾うとその中身を確認する。

-------ユーイへ

よぉ、久しぶり!元気に暮してるか?突然だがよ、これから俺達はマリージョアに行くんだよ。そこでユーイ、お前の力を貸してほしい…。集結は半年後、クオレマ島にて待つ

ps.鈍った体ちゃんと鍛え直して来いよ!

-------ギャバン

「マリージョアだと?ギャバンめ、一体何を考えてる…。それに、俺達だと?」

ユーイはロジャー海賊団解散から、ずっとこの島で過ごしてきた。世から離れひっそりとした生活を送っていたにも関わらず、突如としてやってきた手紙に混乱が隠せなかった。その手紙について幾らかの思考を巡らせても世情に疎いユーイでは、あまり意味が無かった。がしかし、流石は元ロジャー海賊団船員(クルー)なだけあって次の行動は迅速だった。

「フフッ、考えても仕方ない。久々の再会と洒落込むか…」

そう言うと、ユーイは島の奥へと歩いていった……

 

 

「おっ、そろそろ見えてきたぞ!」

「あれが水の都ウォーターセブン!」

サボの視線の先には、水で溢れる綺麗な街並みが広がっている。大きく目立つ所にコップのような大きな噴水があり、それを中心として各地へ繋がる水路がおかれている。その水路は街の住人が住むのに欠かせない移動手段として使われ重宝されている。今、その水路へとロジャー達は船を進めていく。

「久々に来たが、相変わらず綺麗な所だなぁ」

「だが、前に来た時より幾許か水位が上がっているな」

「ほんとだな……」

景色を見渡しながら水路を進み、ロジャー達がやって来たのは近くの海岸だった。そこには、ロジャー達の船の他様々な船が止まっている。そこへやって来たロジャー達は錨を下ろし、荷物を纏め出かける準備をしていた。

「そういや、ギャバン!お前、結局何人に連絡したんだ?」

「6人さ。それ以外の奴らは全員、新世界にいるから連絡も集める事もできねぇ」

「6人か!誰にかけたんだ?」

ふと荷物を準備していたロジャーは、ギャバンが何人に連絡をしたのか気になり訊ねていた。久々に会える仲間に心を踊らせるロジャーにギャバンが親指を立てて笑顔を持って答えた。

「ハハッ!それは会ってからの楽しみって奴だよ!」

「ケチな奴め!ワッハハハハハハハ」




あれだろ?みんなもうマリージョアに行って欲しいんでしょ?分かるよ?俺もそうだからね。でもさぁ、今のロジャー達だけで行ったら多分その前の航路でお陀仏やし圧倒的に数たりなくね?まぁ、ロジャーの力を考えれば行けそうなのが憎い...!それに、ロジャー海賊団のメンバーも書きたいのよ 。だからもう少し長い目で読んで欲しい...。
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