異世界超加速   ~異世界と魔王と超加速~   作:Ryuu65

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第三章   異世界勇者とバグ幹部!
異世界と仲間と大事さ


      〈冒険者ギルド〉

 

 「さっきから聴いてんだろ。何であたしに追いつけた!あたしの俊敏性は、そこらの冒険者の二倍以上はある。なのに何で何の能力もなさそうなお前が電光石火のスキルもってて、あたしに追いつけんだよ!まともじゃないだろ!」

 …まあ何の能力もなさそうに見えちゃうのは仕方ないけど、思ったことを口に出すと人を傷つけることがありますよ?

「そんなのは簡単なことだ。俺がまともじゃないだけ」

そう言いながら自分の冒険者カードを見せる。

「何だよ…マサトって名前なのか………ん⁉俊敏性表示がバグってる⁉何で…何でコイツなんだよ‼」

…?そういえばステータスバグりについてあんまりよく知らなかったな。

「何でコイツってどういう事だ?」

「はあ?そんなことも知らねえのかよ。あのなあ、この世界には必ずのステータスの表示がバグってる奴がいんだよ。筋力だけ、魔力だけ、生命力だけ、知力だけ、器用度だけ、幸運度だけとかな。まあでも、その表示がバグってるほとんどが魔王軍にいるけどな。だから!なんでそんなひょろっちい奴が表示バグってんだって話だ」

 俺が特別ってのは分かったが……思ったことを口に出すと人を傷つけることがありますよ?

「ま、まあその話は置いといて、何か食おうぜ」

「ワニ鳥のチキンとコボルトジュース!」

 ニワトリではなくワニに羽が生えたワニ鳥というモンスターの料理を頼む。

勿論ワニ鳥は飛べません。

「おまちど!」

テーブルの上に結構デカいチキンとジュースが置かれる。

「相変わらず美味しそうですね!」

「何だお前、あたしの前で自慢げに食ってやろうってか?そうやってお前も………」

「何言ってんだ?この料理はお前のだぞ?」

その言葉に盗賊の子は驚いた顔をする。

「いや、腹減ってるだろ?奢りだし食えよ」

「腹は減ってねえ。あと名前はルリテだ」

 ふーん…腹減ってないんだ。

「ちなみに、最後の食事は?」

「……四日前のスープ一杯」

やっぱりな。どーぞたんとお食べ!

 目の前にあったチキンが一瞬とはいわないスピードで無くなっていく。

「別に誰も盗ったりしないからゆっくり食べろよ」

単に腹が減ってただけなんだろうが。

「何であたしを助けた。あたしを助ける事でなんかメリットでもあんのか?」

すぐそういう風に考えるのは良くない。

「メリットが無いと誰かを助けちゃダメなのか?少しの損も許さないで、全て特に生きてかなきゃダメなのか?」

「っ……!別にそういうわ訳じゃ…」

「…で?何でルリテは宝を盗むんだ?ただ盗賊だからって訳なのか?」

「…………何か、お前はあたしの話を聞いてくれそうだから少し昔話をしてもいいか?」

なんとか少し心を開いてくれたみたいだ。

「ああ」

 

 

 「見つけた!これがお宝だ!」

ルリテを初めとした五人の盗賊が、有名な貴族の金庫にいた。

「誰だ!そこにいるんだろ!」

「まずい、見つかったぞ!隠れろ!」

監視に見つかった五人は皆天井の通気孔に隠れる。

「何処にいる!隠れても無駄だ!出てこなければ殺すぞ‼」

今までにない恐怖を味わった五人は、一人の劣《おと》りを出すことにした。

そこでルリテが立候補する。

「あたしが見つかるから、その間に逃げろ」

「分かった。後で助けに来る」

四人の盗賊は通気孔の奥に。ルリテは通気孔を出た。

「お前が泥棒か。……こんな娘が…!よくここに来ようと思ったな。お前は一人か?まあいい安心しろ、殺しはしねえ。俺のストレス発散のサウンドバッグになってもらうぜ‼」

その監視はルリテを殴り、蹴り、痣ができたんこぶができた。

四人の盗賊は悪魔のように微笑みながらお宝を持ち外に出て闇に消えていった。

 

 

「あたしは待った。来てくれる、助けに来ると思って。でも来なかった!牢屋はすごく寒くて腹が減る。あんな思いはもうしたくないと思った。だから、宝があれば暖かい家があり飯も食える。てとこかな」

 少し考えてたことだけど、話を聞いて決意を持った。

「なあルリテ、俺達のパーティーに入らないか?屋敷もあるし、お前の宝の返済でまた振り出しに戻ったけど、ルリテも信頼できる仲間が欲しいだろ?今はまだ無理かもしれないけど、いつかは背中を預けられる同士になろうぜ!いいだろラフィネ?」

「勿論大歓迎です!ルリテさん、よろしくお願いします!」

急な誘いにルリテが戸惑う。

「何であたしを?お前の金盗んで逃げるかもしれないぞ?」

「それならそれで構わないよ。ルリテが俺達のパーティーに入りたくないって事だし。…でも結局のところルリテも気づいてるだろ?宝と仲間、金と優しさ、何が一番大事かさ」

気のせいかもしれないけど、ルリテの瞳が潤っている気がした。

「………まだ全部信用した訳じゃないけど、…よろしくな」

「よろしく!じゃあルリテのパーティー加入を祝って、王都で夕飯でパーっとしようぜ!」

「金ねえんじゃなかったのかよ!」

「お祝いは大事ですよ。それに私、王都の美味しいお店知ってますから!」

流石ラフィネ、ナイスフォロー。

「じゃあ決まりだな!」

テレポート屋に行き王都に飛ぶ。

ルリテは王都に来たことはないらしく最初は驚いたいたものの、今はすっかり落ち着いている。

 ラフィネいちおしの店のオススメ料理を頼み乾杯の準備。

どうかこのお祝いの食事がルリテにとって今までで一番驚く食事になりますように。

「金は無くなっちゃうけど、クエストで稼ごうぜ。じゃあ…かんぱーい!!」

「「かんぱーい!」」

『魔王軍襲撃!魔王軍襲撃!王都にいる冒険者、騎士各員は至急戦闘態勢で西の壁門前に集まって下さい‼繰り返します。王都にいる冒険者、騎士各員は至急戦闘態勢で西の壁門前に集まって下さい‼』

 こんな小説とかアニメみたいなシチュエーションになるなんて…………。

ルリテだけじゃなく、俺にとっても今までで一番驚く食事となった。

 

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