暗部の矢吹   作:(´・ω・`)しょんぼりくん

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遅れて申し訳ない…急に遊戯王に目覚めましてですね。


破壊の拳

この威圧感、肌に感じる寒気、自分が今まで感じたことのない物だった。それはすべてあの鬼から発せられている。殺意はない、ただの好奇心のようなものを感じる。そのいささかな疑問を感じながらその力に少し怯えていた。

 

「…こうしてみるだけでも嫌だな。」

 

体が危険信号を出し今直ぐにこの場から逃げ出せと言っている。矢吹は相手を観察した、相手の体とそして気配を見た。強い、恐ろしく強い、武器も何も持っていないがあいつの体から出ている血の臭いと寒気がそう言っている。それにあいつの目に三と刻まれている。となるとあいつは恐らく上弦の三だろう。何故ここに上弦がいるのかと言う疑問が出てくるがそのような事を考えている暇はない。

 

「これは…勝てんな。」

 

いやそれは自分一人の場合だ、炎柱と組めば何とかなるかもしれん。炭次郎は負傷、伊之助と善逸はまだ実力が足りん、ともかく間に入らなければ…そしてその場から飛び炎柱に近くに降りた。

 

「…ほう。」

 

近くにいるだけでも圧が重い、それに視線の方が何故かこちらに向いた。しかもこちらを見定めるような目、別に興味を持たれる事はしていないのだが…あまり見られていい気分ではない。

 

「お前も強いな、わかるぞ。貴様の目から俺を殺す心象がいくつも見えた。殺しなれているな?」

 

「人聞きの悪い、私の刀は活人剣だ。」

 

「その殺気でよく活人を名乗る、殺人剣と言った方がまだ聞こえがいい。」

 

「やめてくれないか、矢吹の剣を愚弄することは俺が許さん。」

 

そう口を挟む煉獄、さっきから冷や汗が酷い。煉獄の方も神経を張り詰めているのか凄まじい威圧を感じる。実力は恐らくほぼ互角…いや相手の方が上だ。それもその筈だろう、今まで上弦の鬼を倒したと言う話は聞いた事もなく記録にも残っていない。つまり歴戦の猛者、見た目は若いがかなり歳も取り経験も積んでいる筈だ。

 

「…煉獄様、加勢します。もし負けると悟ったらここにいる隊士を連れて逃げてください。時間は稼ぎます。」

 

伊達に俺も鍛えてはいない、実力は柱に劣るとは言えこれでも柱候補として挙げられたのだ。煉獄は実力があるとは言え十二鬼月との連戦だ。それに俺が寝ていたせいで列車の護衛に回させてしまった。疲れが残っていた状態で上弦の鬼と戦うのは少し不利だ。それに相手が格闘術だったらやりようがある。

 

「悪いがそれはできない、隊士を置いて逃げるなど…」

 

「…今の話は隅に置いていてください。」

 

やはり受け入れなかったか、だがこれは最後の手段だ。もし俺たちが負けた場合のっだ…

 

「なあそこの黒髪の者よ。」

 

「…何だ?」

 

「お前も鬼にならないか?」

 

「なに?」

 

「一目見てわかった、その闘気、横にいる杏寿郎よりは劣る。だがよく練り上げている。だがお前はそれだけじゃない、さっきから伝わっているぞ。お前の殺気を。」

 

「今まで俺を殺そうとした奴は腐るほど見てきた、だがお前ほどの殺気をもった人間を見るのは初めてだ。この身で初めて受けた寒気、一瞬だが俺が杏寿郎から目を離す程にな。」

 

「それは光栄だな。」

 

「お前、名前は?」

 

「…本来なら名乗る必要はないが…俺は夜船矢吹、鬼殺隊 暗部の頭だ。」

 

「俺は猗窩座、なあ矢吹、お前も至高の領域に踏み入れていない。それが何故だかわかるか?人間だからだ、老いるからだ、死ぬからだ。もしお前が強さを求め強者になる事を望むのなら…鬼になれ、そうすれば何年でも鍛錬を続けられるぞ?その剣、磨き上げないか?」

 

「…断る。」

 

「ほう、何故だ?」

 

「…信用できん。それに鬼の駒になる気はさらさらない。」

 

「その言葉、本心ではないな?」

 

「……」

 

「言いたくないのか…仕方ない。」

 

破壊殺・羅針

 

「お前のその本心、力で聞くとしよう。」

 

来る、そう心の声と共に鬼が迫って来る。その加速を乗せた拳を真っ直ぐに煉獄に放つ、煉獄はそれを刀で受け止め反撃するが後ろに飛ばれ避けられる。だがその着地地点に矢吹が待ち構えていた。全身から力を抜き心を静寂にする、冷たき刃、その軌跡はまるで星の如く。

 

居合 一刀両断

 

そう心の中で告げ猗窩座に向け振り下ろす、狙いは首だ。そうはさせまいと猗窩座は二本の腕を盾にした。その瞬間、二本の腕は切り落とされ猗窩座の頬を切りつけた。だが猗窩座はそれを気にせずその場で回し蹴りから入った連撃を矢吹に放つ。矢吹はそれを刀で流しつつ後ろに下がりその間に煉獄が猗窩座に仕掛ける。

 

(何て速さだ、私の居合よりはないとは言え俺が構えをして放つ時とそう変わらんぞ。)

 

矢吹の切り札は居合、つまり凄まじい初速を持った攻撃だ。居合は所見殺しだ、にも関わらずギリギリで見切られた。にしても無茶苦茶な防ぎ方だ、自分の腕を盾にするとは…鬼らしい頭のおかしい発想だ。人間ではできない芸当、これが上弦の鬼、自分の体がよくわかっている。

 

煉獄と鬼の戦闘が始まる、とは言えお互い様子見だ。自身の手を隠し相手の出方を伺い弱い所を探っていく。すると鬼の方が後ろに大きく飛んだ。

 

破壊殺・空式

 

拳を強く握りそれを煉獄向けて放つ、するとしばらくして煉獄の刀に何かが当たる音がした。あの様子からして恐らく拳を放った時に出る衝撃波、その無数の空の拳が煉獄に襲い掛かる。そして煉獄もその技を防ぐため呼吸を放つ。

 

炎の呼吸 ・肆ノ型 盛炎のうねり

 

自信の前に炎の壁を張り虚空の拳を防ぐ、それを見ていた矢吹は駆け出し鬼に向かって突貫する。だがそれを許すはずもなく虚空の拳が矢吹に降りかかる。だが矢吹はそれを回避する、見える筈もない攻撃を矢吹は足取りだけで回避していきついには鬼と戦い始める。

 

「いいぞ!よく見切った!」

 

そう嬉しそうに拳と刀のぶつかり合いが始まる、スピードはほぼ互角、問題なのは威力だ。矢吹は抜刀時はそこまで威力が強い剣技を放てるわけではないのだ。それをすべて脱力から繰り出す刀で弾き攻撃を重ねて行く。これならば威力は申し分ない。

 

「すばらしい直感だ!それゆえ惜しい、貴様が老いればこの剣技もその勘すらも衰えて行くのだぞ!」

 

「くどい!」

 

そう言い放ったと同時に矢吹が吹き飛ばされる、一応刀を盾にしたためガードは成功しているがこのままでは追撃が来る。それを煉獄が変わりに受けその間に矢吹は体制を立て直し二人の戦いに参加する。空を切る拳、炎が舞いそれに夜に輝く銀色の軌跡、その二つがたった一つの拳とぶつかり合っている。とは言え矢吹の方は受けると言うよりかは流している、矢吹は鬼を対峙すると言う点で柱と比べると実力は劣る、特に力が劣っており力で切ると言う芸当もできず鍔迫り合いも苦手だ、そのため居合の勢いを乗せた斬撃で敵を倒す。これが矢吹のやりかた。

 

そのため彼の使う技は居合と脱力を中心とした瞬発力を利用した攻撃、束の間の一瞬ではあるがその隙だけであるのなら矢吹は柱をも超える。

 

■■流・流行

 

そのまま流していき鬼の懐に入りそのまま仕掛ける、銀色の刀の軌跡が走り鬼にそれが降り注いでいく。鬼はそれを煉獄の相手もしていると言うのにそれを自分の腕を犠牲にしながら対処してする。そして矢吹の刀が掴まれそのまま投げ飛ばされた。

 

「チッ」

 

空中で体勢を立て直しそのまま着地をする、その間に煉獄が一人で対処している。

 

炎の呼吸・弐ノ型 昇り炎天

 

相手の腕を切り落とす、そのまま追撃を行い鬼と対峙していた。そのまま矢吹は後ろから襲い掛かる。

 

兜割り

 

矢吹の鞘から放たれた居合が振り下ろされる。鬼はその前にその場から横に転がるように避けるとそのまま矢吹は追撃を放つ、縦に振り下ろされたその刀の勢いを変えるのは造作もなくまるで風に煽られた葉の如く滑らかに鬼に向かっていく。

 

だがそれは鬼の虚空の拳によって相殺される、矢吹もそれを見て防ぐことを優先し迫りくる数発の拳を自身の技で斬り伏せる。

 

五月雨斬り

 

無数の光の軌跡が現れそれが虚空の拳を相殺していく、そして矢吹はその場で深く息を吸う。自身の体にリラックスさせそして吐く。そしてそのまま鬼に向かって仕掛ける。出すは同じ五月雨斬り、鬼も同じように拳の連撃を放ちぶつけ合う。そして一瞬の隙を見つけ居合を構え放つ。

 

居合・横一文字切り

 

矢吹の使う技の中でもっとも出しやすくつなげやすい技、不意に放たれた技なため回避が少し遅れた。膝を崩し上半身を後ろに下げることでやり過ごしたが矢吹はそのまま技を繋げる。

 

縦横二文字切り

 

そのまま横一文字の勢いを乗せその場で大きく踏み出し上に刀を持っていき振り下ろす。兜割りとは違い威力は無いがそれでも横一文字と組み合わせるとほぼ動作がない。そのため本来なら防ぐ事なんてできないのだが流石は鬼と言う所だろうか、その場で蹴りを放ち縦一文字の軌道を反らした。縦一文字は何もない地面に振り下ろされ鬼はその間に体制を立て直しそのまま正拳突きを放つ。ほぼ直撃コース、だがそれを煉獄が止めた。

 

炎の呼吸・弐ノ型 昇り炎天

 

矢吹に迫る拳を切り落とし止めるとそれを見た矢吹は後ろに下がり煉獄と交代する。矢吹は今の状態を確認した、手にしびれが残っている。流していたつもりが流しきれていなかった。先生のようにはまだできないか…いや今考えることは弱音ではない。まず鬼を倒すことを考えろ。

 

状況はまだそこまで劣勢ではないが長期戦は不利だ、こちらは疲れるのに対して相手は疲れを知らない鬼なのだから当然だ。だが上弦と言うだけあって中々隙と言う物を出してはくれない、作ろうにも相手の対処が早くこちらもそれに応じなければいけない。そして不意に後ろから敵意を感じた、むろんこちらに向けられたものではない。どうやら炭次郎と伊之助がこちらに加勢しようとしているようだ。

 

「動くな!!傷が開いたら致命傷になるぞ!待機命令!」

 

そう不意に煉獄が視線を相手から外してしまった、優しさから出た甘さ。それを見ていた鬼は見逃すはずもなかった。だがそれをさせる程矢吹も馬鹿ではなかった。煉獄に放たれた拳を矢吹は刀を当てる、そしてそれを当てながら相手の体の内側に移動させていき威力を流した。

 

■■流・流行 潜

 

そしてそのまま相手の腕で刀を滑らせて行き首元目掛けて刀を振るう。

 

■■流・流行一閃

 

本来なら避けられる筈もない矢吹の得意なほぼ予備動作のない初見殺しの攻撃、だがそこは流石は上弦の鬼と言った所だろうか、自分で姿勢を低くしそのまま膝を付き回避した。矢吹は攻撃するために一歩踏み出したので鬼から少し通り過ぎてしまう、だが矢吹はすぐさま下がった相手の首元目掛けて刀を振り下ろす。流行一閃の勢いを殺さずそのまま上に持っていきそのまま振り下ろしたのだ。だが鬼も黙って見ている訳ではなかった、低くなった姿勢だが体制は崩してはいなかった、そのまま矢吹の一撃に拳をぶつけ止め空いている片方の手で矢吹に目掛けて拳を放つ、矢吹はそれを冷静に捉え後ろに小さく下がる事で回避した。膝をついている状態では拳が届く範囲には限りがある。そのためただ後ろに下がるだけでも回避できたのだ。鬼の方はそれでは終わらなかった。

 

破壊殺・空式

 

そのまま矢吹の方を向き虚空の拳を無数に浴びせる、ほぼ至近距離から撃たれたそれは矢吹では対処が難しい。煉獄が割って入りその拳を止める。

 

炎の呼吸 ・肆ノ型 盛炎のうねり

 

「助かりました。」

 

「それはお互い様だ。」

 

一緒に戦った事もない、会話もまともに行った事がなかった二人なのにこの連携力、その二人の戦いに伊之助は見ているだけであった。

 

(隙がねぇ、入れねぇ、三人の動きは早すぎてついていけねぇ。次元が違う、間合いに入れば死しか見えてこねぇ。割って入りたいのに今の俺たちじゃ足手まといにしかならないから入れねぇ…)

 

だから伊之助はただ黙って見ているしかなかった、炭次郎の方も同じで今の自分の状況では何もできないことを悟っている。そして伊之助たちよりも遠くで見ている善逸も同じ状況だった。

 

(や、矢吹さんの技…初めて見た。)

 

今まで矢吹と手合わせしてきたが矢吹は自分の技を見せた事はなかった、見せたとしても居合の一部だけ、自分の流派など話すら上げた事がなかった。そのため三人とも矢吹の技を見るのは今回が初めてだった、自分たちとは違い異様に洗礼された動き、その光景が少し怖く見えた。

 

「まだわからないのか!攻撃を続ける事が死を選ぶ事だというのが!杏寿郎!矢吹!」

 

すると鬼の方が押し始めた、理由は明白で二人の体力が落ち始めたのだ。煉獄は列車での連戦で疲れて始めた、矢吹の方は二人の戦いについて行くだけで精一杯だった。そして煉獄の額に鬼の拳が当たり傷がつく。矢吹の方も少しだが受け止めきれず肩に鬼の拳が当たる。そして追撃の拳を見て矢吹はその拳をこちらに来る前に相手の腕目掛けて突きを放つ。

 

■■流・新堂一段突き

 

そしてそのままその場で回転し技を放つ。

 

■■流・回転兜割り

 

腕を切り落としそれと同時に脚も切り落とす、そしてそのまま回転し首を狙う。だが鬼の方は片足だけで踏み込みをしてそのまま蹴りを放ち刀に当て軌道をずらした。兜割りはそのまま空を切り地面に叩きつけられる。そして脚と腕を再生した鬼が矢吹目掛けて反撃の拳を放つ。

 

炎の呼吸・弐ノ型 昇り炎天

 

それを煉獄が鬼の腕を切断して止める、矢吹もそのまま鬼の足元目掛けて居合切りを放つ。すると鬼の姿勢が崩れそこに矢吹と煉獄の追撃が入る。

 

炎の呼吸・参ノ型 気炎万象

 

■■流・居合 二閃

 

左右から来る連続の攻撃、だが鬼の方はその技も対処してみせた。煉獄の重い攻撃をそして矢吹の早い連撃を流し反撃を放つ。煉獄は防ぐ事ができたが矢吹は鬼の蹴りの直撃を受け吹っ飛ばされる。

 

「夜船さん!」

 

「黒丸!!」

 

地面に叩きつけられる、全身に痛みが走る。特に左腕が酷い。

 

(左腕が動かん。腹もいったか…)

 

懐から刀を隠すための布を取り出しそれを使い左腕の応急処置を行う、その場にあった列車の残骸を使い左腕を固定する。本当は首に布をかけた方がいいのだがそうすると邪魔になる。

 

「負けられん、せめて日の出まで持たせなくては…」

 

また鬼との闘いを続ける、だが傷が深く腕が負傷しているせいか動かしずらい。そのためバランスが取れない、居合を主軸にしている矢吹にとっては致命的だった。

 

(日の出まで後少しと言う所で!)

 

後少ししたら太陽が顔を出す時間になる、だがそこまでの時間戦うのは少し長いと矢吹は判断していた。そのため最終手段として自分が盾になり時間を稼ぐと言う方法もあった。だが正直戦ってみてわかったことだが自分では恐らく10分が限度だろう。せめて後一人柱がいれば…

 

その時矢吹の頭にしのぶの姿が通り過ぎる。

 

それに少し戸惑ってしまい鬼の拳が腹に入ってしまった。

 

「かっ!?」

 

肺にあった息がすべて吐き出され吹き飛ばされてしまう。このまま地面に叩きつけられるのは不味い、受け身を取り体勢を立て直す。

 

(くそ…まさか俺が呆けるとは…)

 

煉獄の方も不味い状況だ、自分が吹き飛ばされている間に片目が潰されている。自分がついていながらなんと情けない。矢吹は吹き飛ばされながらも見ていた、煉獄が自身の呼吸を連続で使い鬼に攻撃するもそれすべて対処されてしまっている。

 

「生身を削る思いで戦ったとしても、すべて無駄なんだよ。お前たちが俺にくらわせたすばらしい斬撃も、既に完治してしまった。だがお前はどうだ?潰れた左目、砕けたあばら骨、傷ついた内臓、もう取り返しがつかない。そんなもの鬼ならば瞬きする間に治る、そんなもの鬼ならば、かすり傷だ。どうあがいても人間では鬼に勝てない。」

 

その言葉を聞き矢吹は少し恐怖を感じた、これでは体を切っても意味がない。さんざん首元を狙ってこのざまなのだから恐怖するのも当然だろう。矢吹は炭次郎たちの方を見る、加勢は出来そうにない。

 

(日が出るまで見逃しては…くれないだろうな…ならその前に勝負をつける。)

 

例えどれだけ傷をつけられようとも死ぬよりはましだ、殺されるくらいなら自分の手をすべて出し切って死んでやる。立ち上がり鬼の方を睨み、刀を鞘に納め深く息を吸い構える。それを見ていた鬼はその矢吹から出る闘気に驚いていた。

 

「俺は…俺の責務を全うする!ここにいる者は、誰も死なせない!!」

 

そう言い煉獄の方も構え始めた、どうやら矢吹と同じ考えのようだ。ならばそれに自分も答えなければいけない。

 

「あぁすばらしい闘気だ、それほどの傷を負いながらその気迫、その精神力、一分の隙もない構え…ハハ、ハハハハ!」

 

「やはりお前は鬼になれ!杏寿郎!俺と永遠に戦い続けよう!」

 

心を燃やせ 限界を超えろ

 

精神を穏やかに 狙うはただ一つのみ

 

俺は炎柱、煉獄杏寿郎!

 

その首 暗部頭、夜船矢吹が貰い受ける。

 

炎の呼吸・玖ノ型 煉獄

 

破壊殺・滅式

 

そして矢吹を除いた二人が駆け出しぶつかり合った、巻き上がる土煙にそして二つの技がぶつかりあった事で風に煽られ二人の周りは炎に包まれる。そのため中を見る事は外からではかなわない。だが矢吹はしっかりと見えていた、二人の気配を感じ取りどのような事が起こっているのか、そして鬼の拳が煉獄に当たりそうになった時、矢吹が駆けだした。

 

居合 龍王一刀両断

 

そのまま相手の腕ごと切り落とし首元目掛けて振り下ろした、だが相手は自分の片方の手で軌道をずらし既に煉獄が真っ二つにした方の腕を肩ごと切り落とした。そして鬼の方はそのまま腕を再生させようとしているが居合の威力を殺さずにそのまま第二の刃を鬼の方に放つ、煉獄の方も体にめり込んだ刀を無理矢理首元目掛けて切りつけた。そして炎が激しく舞い二人を包み込み炎の竜巻が夜の世界を照らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして竜巻が晴れ舞っていた土煙も消えようとしていた、あの戦いを見ていた炭次郎たちは二人がどうなったのかわからず状況を確かめようとしていた。

 

「二人はどうなった?」

 

痛む体も我慢し状況を確認しようと必死に体を起こす、そして土煙が晴れて行きそこに煉獄が現れる。

 

「煉獄さん!」

 

「黒丸はどうした!?」

 

炭次郎は煉獄の方を見て安堵し伊之助は矢吹の姿がみえないのが気にかかっているようだ。そしてはっきりと煉獄の姿が見えるようになった。そこには腹を貫かれた煉獄の姿があった。

 

「煉獄さん!」

 

そう炭次郎は思わず叫んでしまう、そして近くには矢吹が刀を杖にして血を吐きながら下を見ていた。

 

体が不調を訴える、恐らく二発の拳で中にある骨と臓器をやられた。全身打撲そして複座骨折、摩擦裂傷などであろう。体が動こうともしなかった。

 

「鬼になると言え!杏寿郎!!」

 

そう鬼が叫ぶ、煉獄はただ唖然の表情を浮かべながらただ鬼の方を見ていた。だが急に表情を変えたと思ったら鬼の首目掛けて刀を切りつけた。

 

(腹に腕が貫通しているのに…)

 

『俺は…俺の責務を全うする!!』

 

その言葉通りのことを行おうとしている、あれほどの重傷を負いながらも自身は今でも人を守るために戦っている。その志は矢吹は誰かと重ねていた。

 

『局長、どうして人を守る職についたのですか?』

 

『人を守りたいからだ。』

 

『では何故流派等を伝えているのですか?あれは人を殺す技では…』

 

『いいか矢吹、刀には二種類の心得がある。

 

人を殺すための殺人剣

 

そして人を守るための活人剣だ。』

 

『俺は人を守るために自分の流派を活人に変えた。』

 

『それは何故?』

 

『刀でも人を守ることを証明したかったから…かな。』

 

『ですが私の刀は違います、私の剣は…』

 

『…古今より流派とは変わっていくもの、例え昔は人切りの刀と言われようとも、それを人を守るために使うこともできる筈だ。人が悪の心を持たなければ力は悪に染まることはなく。俺の子供の頃に教わった言葉だ。』

 

『矢吹、確かにお前の技は人殺しの技かもしれない。けどなそれを使うのはお前なんだ、だから人を守ることにも使える筈…だろ?』

 

その姿が局長と、瀬戸さんに似ていた。人を守るために力を振るうその志に矢吹は感心して自分ももしかしたら同じことができるのではないかと…

 

(私が…私がやらねば!)

 

幾ら再生ができるとは言え日の出さえ上がればこっちの物だ、だが逃げられる可能性を潰すため煉獄を援護しそのまま倒す。もはや満足に動かない腕を使い鬼の首目掛けて振るう。

 

「何!?」

 

この状態ではもう居合は使えない、左腕が動かない以上腕や脚を切り飛ばす事はできない。なら狙うは首だ、これさえ落とせばすべてが終わる。それにもう長く戦えるほど体力もない、それは煉獄も同じ筈、ならば逆側から切断を始めれば早い。

 

(くっそ、相変わらず人を切る感触は気持ち悪い…)

 

相手も必死に抵抗しているので矢吹はノコギリのように動かしながら切断しているため尚更そう感じる。脚と右腕に力を入れる、鬼の方は離脱したいが腕が煉獄の腹を貫通しておりさらに埋まっていない方の腕も煉獄が掴んでおり逃げられない。全身から悲鳴が上がっている、腕に力も入らなくなってきた。

 

その時上から声が、横からも聞こえてきた。どうやら三人が仕掛けてきたようだ。上からは善逸が攻め横からは炭次郎と伊之助の二人が技を放つための準備をしている。それを見て上弦の方もそれを見てかなり焦っている、今は煉獄が鬼を抑え矢吹と二人で首を切ろうとしている直前なのだ。流石の上弦でも焦るのは当然だろう。かなり良い手だ。これなら矢吹たちが抑えていさえすれば切り落とせる。

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

「なっ!?」

 

炭治郎たちの攻撃が来る前に鬼が動いた、自身の両腕を自分で引き千切りその場で飛び上がり離脱した。しまっま、相手が鬼であると言うことを忘れていた。あいつらにとって自身の腕など髪を切るようなものだ。直ぐに生えてくる。相手はそのまま着地すると近くにある林の中に逃げようとした。日の出はもう上がろうとしている、ここで逃がす訳にはいかない。

 

脚を動かす、全身が痛む。それに構わず相手に向かって走り出す。鬼の方は矢吹の方を向きながら林の方に向かって下がっていく、林との距離はかなり近い、早めに手を出さなければ逃げられる。居合は使えない、脱力だけで戦うしかない。相手が浮足だっていることからこちらにあまり攻撃はきていない、だが怪我が酷すぎるため矢吹だけでは時間すらかせぐ事もできない。

 

だが動く事のできる鬼殺隊員は矢吹だけではない。

 

雷の呼吸 霹靂一閃

 

その稲妻の音とともに鬼に雷が落ちる、だが実力が違い過ぎたためか鬼はその攻撃を避けた、だが善逸もその事はわかっていた。

 

雷の呼吸 霹靂一閃 六連

 

壱ノ牙 穿ち抜き

 

その追撃に善逸は鬼を追い詰める、相手が林に入らないようにしながら動いている。伊之助の方も善逸の攻撃の邪魔にならないように攻撃を行っている。だが…

 

破壊殺・空式

 

その努力も鬼の技によって薙ぎ払う、善逸は四連目でそれを受けてしまい吹き飛ばされる。矢吹の方は怪我は負ってはいたが何度も見た技だ、しかもこれは追撃ではなく逃げるために使用しているのでほぼバラバラに飛んでいっているので避けるのは簡単だった。だが特に一番近くにいた伊之助は集中砲火を喰らってしまう。幾らでたらめで撃った物でも近くにいれば避けることはできない。しかも伊之助と上弦の鬼では実力が違い過ぎる。伊之助が攻撃を避けることはできる筈もなかった。だが矢吹は伊之助をかばった、途中まで伊之助を掴んで一緒に避けていたのだが流石に完全に避ける事はできない。そこで矢吹は自身を盾にして守る事にしたのだ。伊之助とともに吹き飛ばされてしまう。

 

「あっが…」

 

「黒丸!黒丸!!」

 

「私の事に…構うな!!あいつを追うんだ!!!」

 

今やるべきことは上弦の鬼を追うことだ、矢吹を心配することじゃない。今ここで逃したらもう倒すことが出来なくなるかもしれない。今があいつを追い詰めている唯一の機会なのだ。そんなことは伊之助にもわかっていた。だが何故か伊之助は矢吹の傍から離れなかった。そして伊之助が迷っている間に鬼は逃走してしまった。

 

「逃げるなああああぁぁ!!!」

 

そう炭次郎が林の中に消えた鬼に向かって怒声を浴びせる、それで鬼が見つかる訳でもない。だがそれでも炭次郎はやめることはなかった。その怒声を聞きながら矢吹は意識を保つことができず手放してしまった。




矢吹の技

矢吹の技は呼吸と言うよりかは剣術に近い、鬼殺隊に入った時に呼吸法を取り入れた。居合と脱力を中心とした技で居合はほぼカウンター技であったが呼吸を取り入れたことで多少の距離なら移動しながら放つ事ができる。得意技は突きと居合

■■流

矢吹の師が教えた流派、矢吹の技のすべてはその師が教えた物でありこの流派は返し・弾きと言った防ぎなどがあり技のすべては教えられなかったがそれでも鬼殺隊の上位に食い込む程の実力を身に着けた。

流行

流しを中心とした技、相手の攻撃に合わせて軌道をずらしそのまま次につなげる事でほぼ予備動作の無い攻撃を繰り出す事ができる。流行には相手の懐に潜る”潜”と外側に流す”脱”があり潜から繰り出す”流行一閃”などはほぼ予備動作が無い技になる。

新堂〇段突き

師曰く新選組の技を再現した技であるため本来の回数は三段、だが矢吹は現段階でも二段しかできなく使う際はほぼ一段しか使わない。名前の由来はその技を作った人物が新堂と言う人物であったためこの名になった。

回転兜割り

本来であれば脱力を利用した手首を使い刀を回転させる技なのだが矢吹の師が自身をその場で回転させる事によって勢いを乗せる事によって通常の兜割りよりも威力が増した。だが師には合わなかったようで使わないが鬼を狩る矢吹にとってはたまに使用する時がある。

居合・〇閃

矢吹が師の技を再現しようとして作り出した、数を減らしていくことで早く威力も上がる。

居合・龍王一刀両断

■■流に伝わる秘剣の一つ、最大限までリラックス状態を作りだしそしてその状態から居合を放つ。相手の体ごと両断する威力がありさらにほぼ目で視認することもできない。

居合・一刀両断

居合の基本技、カウンターとしても使える。

兜割り

矢吹の攻撃の中で動作が大きいがその分威力がある。

五月雨斬り

その場で脱力によって生み出した連続切りを放つ、矢吹にしては珍しい手数を用いたもので矢吹とも相性が悪い。だが牽制と言う点では強く隙を作りだす時によく使用する。

居合・横一文字 縦一文字

出しやすくそして別の技につなげやすい、特にこの二つの技が相性がよく縦横二文字は隙もすくなく強い。
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