暗部の矢吹   作:(´・ω・`)しょんぼりくん

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ながらくお待たせしました、いやねストーリー作るのに時間がかかってね(汗)


幻覚の見え隠れ

『な、何なんだよ、何なんだよお前ぇ!!』

 

『……』

 

薄暗い夜の中月明かりが指したのはおぞましい光景だった、周りにある木や地面には血が付いておりまた鬼の方は自身に巻いてあった手もほとんどが切り飛ばされていた、その大きな目を見開きながらその切り飛ばした張本人の方を見ていた

 

『何がしたいんだよ!何でいっつも俺について来るんだ!!?』

 

『……』

 

手鬼は後ろに後退りながらそう相手に投げかけたが矢吹は何も表情を変えなかった、ただそれに静かに答えるように手鬼の方に歩いていく、すると手鬼は怯えた声を上げながら後ろに向けて逃げ出した

 

『来るなぁ、来るなぁ!!!』

 

何なんだあいつは!?あの日と同じ時期になり鱗滝の弟子を食った後にあいつは現れた、ただ腰に指していた刀に手を置きながら静かに歩いていたところを後ろががら空きだったから手を出した、そしたら何故かその伸ばした手が切り飛ばされていた

 

『な、なんだ?』

 

相手はいつの間にか後ろを振り返っていた、いつの間にか抜いていた刀を下げたままこちらを凝視していた、黒髪から覗かせていたその黄色の瞳はただこちらに向けられている

 

『おいおい俺とやる気か?』

 

舐めていたあいつからは何も感じなかったのだ、生気も敵意もなかった、最初は腑抜けかと思ったのだ、自信に付いてある腕を何本か相手に向ける

 

『まあいいか、開始そうそうガキは食っちまったし遊びたりなかった所なんだ』

 

それと同時に腕を相手に伸ばした、最初はこいつをどう殺してやろうかと考えていた、腕や脚を引きちぎりながら食ってもいいし全身の骨を折りながら食うのもいい、そう不気味な笑みを浮かべながらその腕が矢吹の目の前に迫っていた

 

だがこの後全てが変わった

 

『くそぉがぁ、来るなぁぁぁぁ!!!』

 

何なんだあいつは!?早いし不意打ちも効かないし何より刀を振っているはずなのにその振っている動作がまったく見えない、それにあいつ俺に止めをさせるはずなのに何故か俺を殺さず回復するまで見下ろし続ける、その見下ろされた瞳からはさっきまでなかった殺意があるのに表情は何も変わっていない

 

『……』

 

その時矢吹の心には目の前の鬼が逃げている様を見ても何も感じなかった、ただ刀を下げゆっくりとした歩調で歩きながら次はどの技を出そうかと考えていただけだ、脚は動き手も揺れ髪は風に煽られているのに顔の表情は何一つ変わらない、ただただ目の前にある異物を試し切りするためだけにそのまま暗やみに消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉっ」

 

「……」

 

「……」

 

竈門炭次郎は目の前にいる人物を見ていた、家での激闘の末ようやっと外に出た炭次郎だったがそこであの猪の皮を被った男が善逸えを蹴り続けていた、それを止めたのだがその男、伊之助と言う奴ががこちらの話を聞かず殴りかかって来た、炭次郎の方も怒るように応じていたのだがその間に入って来た人物がその人はその男の大事な所を蹴り飛ばし無理矢理止めたのだ、その男の方は今蹴られた場所を抑えながらその場で蹲っている

 

「馬鹿が、隊士同士での対立はご法度だと知らんのか?」

 

そう蹲る伊之助の方を見下ろししばらくするとその目が炭次郎に向けられた、その瞳からは怒りも感じ炭次郎の鼻からもそれが嗅ぎ取られた、炭次郎の方はそれに押されてしまい思わず謝ってしまった

 

「す、すみません!自分はやりたくなかったのですが自分の友人が蹴られていたのを見て怒って殴ってしまいました!!」

 

そう何も包み隠さず素直に全部話した、矢吹の方はそれに多少それに驚いているのか目を見開いていた

 

「(こいつ間違いない、クソ真面目な奴か)…まあいい、次からはするなよ」

 

「はい!もうしません!!」

 

「あ、あぁ、そうか」

 

姿勢を真っ直ぐにし手を揃えこちらを見ながら大声を上げて宣言した、矢吹の方は勢いに押されて少し押され気味の返答をした

 

「おいてめぇぇ」

 

「ん?」

 

そう足元にいた男が矢吹の方に声を掛けてきた、大事な所を蹴られたためまだそこを抑えており表情を見る限り少し強すぎたようだが矢吹はそんな事別に気にしてなかった

 

「俺の股蹴りやがって、てめぇ後で殺してやる」

 

「…期待しないでおく、そんな事よりそこの奴」

 

「は、はい」

 

そう地面で寝ている男の方は放って置き炭次郎の方に声を掛けると少しぎこちない声が返ってくる

 

「ここから少し先に宿がある、ここにいる全員は俺と一緒に宿に向かってもらう」

 

「あの~何故宿の方に?」

 

「見るからに怪我をしているからな、次の作戦行動に支障をきたさないためにも宿で休息を与える事にした」

 

流石に鬼殺隊で傷を負わせているのに仕事に出し続けるほど鬼畜ではない、上か鴉の判断で休息を与えるので本来は鴉の仕事なのだが今回は矢吹が訳あって引き受けたのだ、それを聞いた炭次郎は嬉しそうに元気に返事をする

 

「あ、ありがとうございます!」

 

(こいつ何でこんな元気なんだ?)

 

鴉の報告ではかなり重症の筈なのだが今回が初対面なのだがここまで元気が良過ぎると何だか調子が狂うのだが…

 

「…まあいい」

 

「おいそこの黒玉野郎!!」

 

その声を聞いた矢吹は思わずため息を吐き後ろを振り返る、するとそこにはさっきまで寝ていた男がこちらに指をさしながら大声を上げていた

 

「よくもこの俺様に不意打ち食らわせやがったな!!褒めてやる!」

 

「隊士の喧嘩を止めてやっただけだ」

 

「違う喧嘩じゃねぇ勝負だ!!喧嘩みたいなちゃちなもんと一緒にすんな!!」

 

(同じだろうが)

 

思わずその言葉が漏れそうになるがそれを口の中に留めて置く、恐らく言った瞬間買い言葉が飛んでくるのは予想できたからだ

 

「それより貴様!!この俺様と勝負しろ!!」

 

「何故そうなる?」

 

自分の親指を自身の顔に向けそう高らかに宣言する、矢吹は思わず無意識に返答してしまい直ぐに返事が返って来た

 

「決まってるだろ、俺が戦いたいからだ!!」

 

(…帰りたい)

 

もはや会話かどうかも少し怪しかった、相手の方はやる気満々なのか腕をブンブン振り回しこちらに迫ってくる、矢吹の方は心の中で逃避し始めどうこの場を切り抜けようかと考えているとその男が急に眼を見開き矢吹の少し先で立ち止まった

 

「あっぎぃ」

 

「ん?」

 

男の方はその場で数秒立ち止まると何故かその場で口から泡を吹きだしながら倒れた、矢吹はもはや意味がわからず頭に?の字を浮かべながらその光景を見ていると子供の後ろに隠れている隊士が声を上げた

 

「死んだ!?…死んだ?」

 

「いや多分脳震盪だ、俺が思いっきり頭突きしたから」

 

(頭の中も固いと思ったが頭そのものが固かったのか)

 

矢吹が最初に来た時何故頭から血を流しているのかと思ったらどうやら炭次郎から頭突きをもらっていたようだ、矢吹は何故か頭が痛くなり思わず顔を手を当てため息を漏らした、さっきから宿に行こうと言う話から一向に動いていないからだろうがその気も知らない子供たちは炭次郎の頭を撫でている

 

「…もういいか?」

 

「あ、いえそれよりもやりたい事があるのですが…」

 

「忘れ物でもしたのか?」

 

「死んだ人たちの埋葬をしたいんです…ちゃんと埋めてやらないと成仏できないと思うので」

 

そう目を細めた視線の先には血だらけの人間が横たわっていた、少し懐かしく感じた、何故かはわからないがあの姿を何処かで見たことがあったのだ、何故かそれで炭次郎の方を凝視してしまった

 

(無駄だな、そんな事をしても…)

 

死んだ人間には何もできない、夢もなければ意思もなく動きもなければ熱もないただそこに横たわるだけの物だ、そんな事をした所で何も…

 

『可哀想だろ?』

 

(っ!)

 

不意に思い出したある言葉を思い出してしまった、それのせいで思わず顔を渋らせてしまう、誰にも気づかれていないのが幸いだった

 

「…早く片付けるぞ」

 

「え?」

 

「人数は多い方がいいだろう」

 

そう返事を待たず死体の方に歩いていく、さっかの言葉を聞いて気が変わったのかそれともそれを紛らわしたいのかはわからないが矢吹の顔はとても寂しそうな顔をしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後炭次郎たちは死体の埋葬を行いその途中で起きた伊之助と共に矢吹が言う宿に向かっていた、道中子供たちは別れて帰ったが矢吹が一応護衛を着けたため無事にたどり着いたらしい、そして炭次郎はと言うと宿についていざ夕食を食べようかと思ったら矢吹がいないので探している所だった

 

「何処いるんだろうか?」

 

中の方は見たのだが何処にもいなかったので恐らく縁側にいるのだろうか、そう思い縁側に出ると外は夕日が沈みかけ薄暗くなっていた、塀の近くには草も生えておらずあの木が間を置かれて綺麗な花を咲かせている、縁側を探していると入口から見て近くにある客室の縁側に矢吹が座っていた

 

「えっと、そういえば名前は何ですか?」

 

「…夜船だ」

 

「ありがとうございます、夜船さんそろそろ夕食ですし一緒に食べませんか?」

 

「…私は別にいい、皆で食え」

 

顔をこちらに向けずただ空を見ていた、風が矢吹の髪を撫でその下からは少し悲しそうな目がただ何もない虚空を見つめている、炭次郎はその表情と彼から出る臭いからもそれは感じ取れていた

 

(怒りと何処か悲しい匂いがする、あの時亡くなった人の死体を埋葬しようとした時にもこの匂いがした)

 

「…何かあったんですか?」

 

「何がだ?」

 

「その、あなたから悲しい匂いがして…」

 

「いきなり声を掛けてきたと思ったら人の心をとやかく言うのは失礼じゃないのか?」

 

「でも本当に…悲しい匂いがします、そういう時は誰かに話した方が軽く、なりますよ?」

 

矢吹はそれを聞いて一度向けていた顔をまた前に戻し炭次郎から目を反らした、見えたのは塀と薄暗い平坦な庭が広がっていただけだった、それでも炭次郎は放っておけないのか矢吹の隣に立った

 

「あの…隣いいですか?」

 

「…構わん」

 

矢吹の了承を得て隣に座る、矢吹の方は炭次郎を見ずにただ空を見続ける

 

「…綺麗な空ですね、月がよく見えます」

 

「…そうだな」

 

「空が好きなんですか?」

 

「…あぁ…月が見える日はこうして眺めている」

 

そう矢吹は初めてまともに返した、それが嬉しかったのか炭次郎の方は笑みが浮かんだ

 

「よかった話してくれた、何だか嫌われたのかと思ってました」

 

「…お前が鬼何ぞ連れているからだ」

 

「っ!?」

 

それを聞いた炭次郎は飛び上がりそうになりそれを抑えても表情までは隠しきれなかった

 

「心配するな、この事は黙っておこう」

 

「な、何故ですか?」

 

炭次郎にとってはありがたい話だが何故だか顔がそう言っていない、目を細めにらみつけるように炭次郎の方を見ている上に炭次郎の方からも若干敵意のような臭いを感じた

 

「さっき妹の様子を見させてもらったが敵意と言うより無邪気な子供の感じがした、まだ確証材料はないが今は心配はしなくてもいいだろう…何か文句でもあるのか?」

 

「いえすごくありがたいです、宿の件といいわざわざありがとうございます」

 

「宿の件は別に鴉の仕事を俺が変わりにやっているにすぎん、それに主に世話になってるのはここの家主のばあさんのおかげだ…俺は特に何もしていない」

 

「いえそれでも宿に案内してもらったのは確かです、それに鬼滅隊であるのに禰豆子の事も黙ってくれるだなんて…」

 

「禰豆子?…あの鬼の事か」

 

炭次郎は頷きそれに答える、外はもう暗く月明かりと客間から出る明かりが彼らを照らしている、矢吹の方もいつの間にか炭次郎の方を向いている

 

「…妹が鬼になったのは辛いな」

 

「はい、けど俺は諦めません、必ず禰豆子の事を人間に戻してみせます!」

 

そう決意を声と表情で表した、矢吹の方もその熱意を感じとても嘘とは考えなかった

 

(こうして見ると不思議な奴だ)

 

鬼に対して敵意こそはあるものの倒した時の顔が悲しい表情をしている、鬼と言うのは人間からなるものな上にだいたい憎悪の念は向けられるものが多いが炭次郎のように慈悲の目を向けるものは少ないだろう…それこそカナエさんぐらいな物だ

 

(考え方がカナエさんに似ているのに…どうしてあの人の事を…)

 

死体を埋葬しようとした時に聞こえた幻聴、懐かしくもあり炭次郎と同じように悲しそうな眼をしていたのを覚えている、それが重なってしまったのだろうか?

 

「どうしました?」

 

そう少し考えにふけっていたのか炭次郎が気になって聞いて来た、矢吹の方はなんでもないといい取り敢えず流す事にした

 

「…夕食はあいつらと食え、俺は遠慮しておく」

 

「そうですか…お時間をいただいてすみません」

 

「気にするな」

 

その場から立ち上がり縁側を歩きながら自分の部屋に行く、食事の方は自分の部屋でとると家主に話を通してあるのでそろそろ運ばれてくる頃だろう、炭次郎の方は少し残念そうに立ち上がるが直ぐにいつもの顔に戻り矢吹とは反対の方向に歩くが何か思い出したのか矢吹の方を振り返った

 

「今日はありがとうございました、また気が向いたらいいので話をしてもよろしいですか?」

 

「…気が向いたらな」

 

そう言い残し矢吹は部屋の戸を開け中に入っていった、炭次郎の方も皆と食事をとるために部屋に急ぐのだった、矢吹の方は部屋に入ると既に家主が既には廊下の方の戸を開け食事を横に置き待っていた

 

「既に来ていましたか、お待たせして申し訳ない」

 

「いえいえお気になさらず、それよりも本当によろしいのですか?食事は人が多い方がよろしいのに」

 

「申し訳ない、私の癖のような物でしてね…身勝手ながらお許しください」

 

「そうですか…もし皆さんと食べる時はお声をおかけください」

 

「感謝します」

 

綺麗な礼で感謝を示し家主の方は食事を机の方に並べるとそそくさと去っていった、矢吹の方は机の前にある座布団の上に座る、そして箸を取り目の前にある食事に手を付け始める、特に何も変わらないいつもの事なのだが何故か今日は少し寂しさを感じていた

 

「…食事か」

 

一瞬箸が止まり自分の机を見る、そこには綺麗な食事が並べられているだけで他にはなにもない、その筈なのだがその食卓に一瞬だけ幻影が見えた、矢吹はそれを振り払い消すとため息を吐き前にある食事に目を移す

 

「…早く寝るか」

 

まるで逃げるようにその言葉を吐きだし食事を続ける、さっきまであった綺麗な空には雲が浮かび調度月が隠れてしまっていた




初接触ですがまああまり話す訳ないよね、にしても中々進まなくてすまねぇ
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