MASKED RIDER DECADE ~Another story~ 作:平坊
「お前を倒す・・・絶対に・・・・いつの日かそのマスクはぎ取ってやる・・・・。だから・・・・覚えてやがれよ。」
どこかの世界のどこかのビルにある部屋、王室とも呼べる長い階段の上に置かれた立派な椅子に座る男に向かって剣は左腕を伸ばし叫ぶ、だが徐々に意識が遠のいていき周囲が暗くなっていった・・・・・。
「はっ!!ゆ、夢か・・・・・。」
剣は体を起こす、どうやら眠っていたようだ。
「っ!」
剣はベットから起き上がろうとした、だが体に激痛が走り動くことができなかった。
「・・・どこだ・・・?ここ。俺は何をして・・・・・!そうだ!!あのカブトムシ!!」
剣が動こうとしたその時。
「無理しないでください。」
静かな声が響き、剣は声のした方を見た。するとそこには長い黒髪の女性が立っていた。
「め・・・ぐ・・・・み・・・?」
剣は静かに女性の名前を呟いた。
「えっ!?な、なんで私の名前を知ってるんです?」
女性は驚いた表情で剣に近寄った。
「えっ!いや、あの・・・・知り合いの女性に似てたんで・・・つい・・・」
剣はしまったという表情でうつむいた。
「すごい、当たってますね!!じゃあ、あなたの名前教えてもらって良い?」
「剣《つるぎ》です、宮本剣。」
剣は顔を上げると笑顔で恵に向かっていった。
「へぇ~、剣さんかぁ~。偶然ですね。私の知り合いも剣って名前なんですよ!名字も一緒なんて奇遇ですね。」
恵は笑顔で剣に向かって言う、しかし剣の表情は強張った。
「じゃあ、剣だから・・・ケン・・・・剣君で良い?」
恵は笑顔で剣に尋ねた。
「ええ、俺も仲間や親、兄弟にはケンて呼ばれてますし、ツルギって名前は正式な場面で使うだけで、普段はケンで構いません。」
剣は笑顔で答えた。
「あっ、急にびっくりしたよね、ベットで寝てて。実は3日前に、君が家の目の前で倒れてたんだよ。それはビックリしたよぉ~。大きな音がしたから出てみたらイケメンさんが傷だらけで倒れてるんだもん。」
「そうですか・・・・すみません。助けていただいて・・・・そう言えば俺の荷物とかは・・・?」
「ああ、これ?君の近くに落ちてたよ、何かの箱・・・・?」
恵は剣に向かってディケイドライバーを渡した。
「ええ、友達にもらった大切な俺の宝物みたいなものなんです。」
剣はディケイドライバーを受け取ると笑顔で恵に答えた、だがその笑顔は悲しそうな物だった。
「そうなんだ・・・あっ、そう言えば。君行くあてとかあるの?無いなら・・・・家に居ていいよ。」
「えっ、しかしそういうわけには・・・・。」
「怪我してるよね。お医者様の見立てではしばらく動かない方が良いって言ってたよ、だからここに居て?」
恵は剣の手を握ると笑顔で・・・だがどこか悲しそうな、表情で剣に尋ねた。
「・・・・分かりました。しばらくここに居させてください。恵さん。」
「うん、あっ、目が覚めたことをお兄ちゃんに伝えてくるね。待っててねケン君。」
恵は笑顔で言うとその部屋から出て行った。
「・・・・・恵・・・・か・・・・そうだよな・・・世界はいくつも広がってる・・・・似たような世界があっても不思議じゃない・・・・なんか苦しいな・・・・恵を見てると・・・・・。」
剣は切なそうにつぶやくと窓から空を見上げた。