頑張ったよね。私。
とても頑張ったと思うの、私。
HQ書きてぇぇぇ!!!!(pixivの別垢も一個作って書いてる人間)
呪術廻戦とのクロスオーバーでHQを書いた私を誰か殴って欲しい。どうやっても過去暗くなる。ぴえん。
「よし」
大きな音と共に、0Pの腕二本と頭から尖った地面が突き出た。何とも不思議な光景だ。もう二度と見たくない。
〔終了〜〜!!!!〕
実技試験終了の声が全体に響いた。この声、実技の説明とスタートの時と同じだ。よく働くな、あの先生。
そんなことを思っていると、関節部分が微かに光出した。0Pが爆発寸前。汚れるのは勘弁してほしい。
退散するべく、踵を返して飛び去ろうとした。
その時である。
「やってやる、ボクだって」
そんなことを呟きながら、下を向いて走る奴が一人。さらに言うと涙目である。顔を一度もあげず、私に見向きもせず通り過ぎてった。
なぜ??終わったんだが???
0Pさんも、もう爆発寸前というか、心做しか自爆して巻き込んでやる的な気すら感じられる・・・いや、そんなことは置いといてだね。
お前何しに行く気?緊張しすぎて前見えてない?
っていうか
アイツ、0Pの方に走ってね?
「・・・・・・・・・・・・・え・・?・・・・えぇぇぇええ!!?」
ちょっと待て!
終了したというのに、何をする気だコイツ。というか、0Pがもう限界。心做しか少し待ってくれている気がする。ごめん、さっき自爆とか言ってごめん!!
ここは結界の中、外にいてくれなければ爆発に巻き込まれるし、そばにいてくれなければ庇えもしない。こんなことならもっと丁寧に結界作るんだった。
慌てて猛ダッシュして追いかける。後ろからソウセイも追いかけてきていた。ソウセイを振り切るとかナニモンだあの受験生。
足速い系の個性かな、それ違うとこで活かしてほしかったなぁ!!(ヤケクソ)
とはいってもこの受験生の個性はあくまで憶測だ。大賢者に頼んで解析している時間もない。下手に私の個性で拘束して、相性が悪ければ最悪殺してしまう。蔦伸ばして拘束するのだって、あの受験生の底力が知れない以上難しい。五元素操作の“空”は衝突したら危ないし、重力操作だって振り切られる可能性がある。
受験生の個性、受験生の力量、個性の相性。これらが分からない今、私がどれほどの力で何をするべきか下手に決定はできない。
でも、それは走っている受験生に
つまり、何が言いたいかというとだね。
体張るしかないんだよ!!!!
重力操作と風を使って何とかギリ追いついた受験生の腕を左手で掴み、足を踏ん張って後ろへぶん投げる。
「ソウセイ!!」
後を追いかけてきていたソウセイが私の意図を理解して咄嗟に止まる。ソウセイに受験生を託し、すぐさま座標をソウセイに設定して結界を一つ張った。ソウセイは受験生の服を咥えて受け取り、0Pへ背を向けて受験生を庇う姿勢をとった。結界に耐性を加えてやる時間がないからだ。結界が壊れた時は盾になってもらうしかない。
次に私、と言いたいところだが・・・・
悲しいことに、間に合わなかった。
「・・・あ〜ビビった」
爆発をモロにくらったわけではないけど、巻き込まれた。火力も風力も思っていたほど大きくはなかったから、体になんら問題はない。耐性持ってるから火傷もしてないし。ただ、塵だの何だのを吸い込んで、目と口と鼻の中が気持ち悪い。体も服も煤で汚れて気持ち悪い。
「主様!」
「あぁ、ごめんねソウセイ。助かったよ」
「いえ。申し訳ありませんでした」
「いや、あんなの誰も予想してなかった。お前のせいじゃないよ」
「・・・はい」
納得していないのか、返事まで間があった。責任を感じるのは分かるけど、今回は本当に予想外。ここまで周りが見えなくなる奴がいるとは思わなかった。
受験生は今、ソウセイの背中に乗っている。突然のことで気を失ってしまったらしい。このまま避難場所まで連れてって、あとは学校側に丸投げしよう。私は知らん。
「ソウセイ、乗ってもいい?」
「無論です。私の背は主様のためにあるのですから」
「そりゃ心強い」
二人乗るのはキツいかなと思ったのだけど、意外と余裕らしい。遠慮なく背に股がった。
ソウセイに乗せてもらって、急いで避難場所に向かう。実技試験が終わってからかなり時間が経ってる。誰か先生が怪我人の確認や案内に来るはずだから、結界張った私がそこに居なきゃね。
「さすがソウセイ。足が早くて助かるわ」
「もったいないお言葉、ありがとうございます」
ビルの合間や上を器用に走り抜け、避難場所に秒で着いた。さすがとしか言いようがない。でも、今度安全な人を乗せた走り方について教えておこう。少し生命の危機を感じた。
受験生をゆっくり下ろし、綺麗にした地面に寝かせる。結界の中にも外にも人がいて、何故かここが最終的な集合場所のような感じになってしまったようだ。
中には怪我人に肩を貸してる受験生もいる。この実技試験は同中を分けてるはずなので、初対面の可能性が高いはず。もちろん知り合いの可能性もあるが、それでも周りを見る余裕を持てる奴がいたらしい。思っていた以上に受験生のレベルが高かった。
「実技は終わった。動ける奴は来た時のバスに戻れ」
後ろから男の声がした。
黒い服と首を覆う細長い布。特殊な服装だ。首の部分を守るでも、温めるためでもない布。ヒーロー兼教職かな。
ひげをそってないし、気だるそうだからズボラな性格かと思ったけど、服装や活動に使う小物は動きやすく使いやすいものばかり。ちゃんとヒーローしてるらしい。
あと、細い布には見覚えがある。それを使っているのは確か──
《解。“抹消ヒーロー・イレイザーヘッド”と推測します》
だね。なかなか
周りの動ける奴らがゾロゾロと出口へ動き出した。顔つきは様々で、手応えの有り無しが丸わかり、少し面白い。
「あ!いたいた!」
ザワザワと話し声が混雑する中で、聞いたことのある声が耳に入った。それとほぼ同時に手の裾をクイと引かれる。
「助けてくれたのアンタだよね」
「あぁ、君か。足、平気だった?」
数分前に別れたプラグ女子だった。そういえばサポートで使った水の操作、切ってなかった。合金竹刀も貸したままだったし、忘れてた。危ない危ない。
「うん。あとコレも、ありがとう」
「わざわざありがとね。役に立てたんなら良かったよ。
「んー・・・軽くて振り回しやすかった。どんだけ強く振っても折れなかったし」
「そっか。こっちも助かった、ありがと。あ、それと、その足のサポート。それ個性だから切んなきゃないんだよ」
「そうだった。もう大丈夫だから」
「ん、ごめんね」
確か痛めてたのは足首に近いとこだったはずだから、サポートを外したら絶対歩けない。
となると、途中で手を貸した私が最後までやるべきだよね。
「ちょっと失礼しますね」
「え、ちょっ!!」
脇と膝裏をひょいと抱えて横抱きにする。軽いね、ちゃんと食べてんのかな。
《解。個体の重量は───》
ちょっと、何を言おうとしてんの大賢者。女子に対しての発言じゃないよソレ。
「すこーし我慢して。痛がってるの見て見ぬふりしたら、後が寝覚め悪くなっちゃうの」
「う・・・」
笑顔の圧でプラグ女子を押し切り、運ばせてもらう。歩けないのは立派な怪我人だし、我慢ね我慢。
とまぁ、抱えたはいいけど、怪我人達どこに運べばいいんだろ。見回してみても、どこに運ぶでもなさそうなんだけど。
「んーー」
うん、聞くのが早いかな。
この場にいる学校関係者はイレイザーヘッドだけだから、あの人に聞くか。
動く人並みの中感知してみるけど、イレイザーヘッドは最初の位置にいなかった。最初の位置から何mか離れたビルに背中をつけて、動ける受験生たちが撤収するのを見ている。
個性が個性だからか、目力凄い。怖がられてるよ、受験生少し萎縮してるよ。
プラグ女子連れてくのはハードル高いかな。
「ソウセイ、この子頼むよ」
「畏まりました。主様はどちらへ?」
「動けない受験生達どうするのか聞いてくる。足動かせないから、負担かけないように」
「心得ました」
ソウセイにプラグ女子を預けて、小走りでイレイザーヘッドの所へ向かう。受験生の数が減ってきた、時間が無い。
「イレイザーヘッド」
ヒーロー名を呼びながら駆け寄ると、本人は少し驚いたようにこちらを見た。きっと、アングラ系のヒーローだからヒーロー名呼ばれることないんだろうな、たぶん。自分で驚くってよっぽどだと思うけど。
「怪我人はどうします?」
「・・・この場でリカバリーガールが来るまで待機だ」
「気を失っている受験生は?」
「そっちは搬送用のロボが来る。気にせず早く移動しろ」
追い払うような手つきでシッシされた。私ゃ野良猫かなんかか。でもまあ、聞きたいことは聞けたんだから良しとしよう。
一度ぺこりと頭を下げて、その場を離れた。
「怪我人はこの場で待機だって。私は移動しなきゃダメっぽいから行くよ。最後までいれなくてごめんね」
「いやいや、マジでありがとう。色々、してくれて」
「いいのいいの。んじゃ、次は雄英で会えるといいね」
バイバイと手を振り、ソウセイを影に戻した。ビルに背中を預けられるように座らせたから、足に負担はないはず。
「ん〜・・・終わったぁ〜」
受験生たちと同じ方へ歩きながら、グーッと背伸びをしてストンと肩の力を抜く。疲れてるわけじゃないけど、何かしたくなった。
今日の予定、一個は終わり。
帰ったらまだやることがあるし、受験は筆記も実技も大丈夫だろうから心配ない。というか、残りの予定の方が私にとっては心配だ。
そのまま家へは帰らず、ある所へ直接向かう。持つのが面倒になったカバンを亜空間にしまって、身軽に歩いた。
向かった先にあるのは、何とも大きなビルが建っている門の前。門は大小と二つあり、大きい方は車用、小さい方は人間用だ。小さいといってもバリアフリーにそこそこ対応してるけども。
小さい方の門に近づいて、認証装置に手を重ねて魔素をほんの少しだけ流す。二段階の認証システムだ。指紋と魔素の二段階。安全性を極限まで高めた結果だ。
<確認完了しました。お帰りなさいませ>
潜った先には先程見えた大きなビルが待ち構えていて、その入口もまた大きい。自動ドアを通って入ったら、忙しなく動く人が大勢目に入った。今日も皆懸命に働いている。
その内一番近くを通った女性が、私を見た。
「知慧様!お帰りになったのですか!」
「そ。受験終わったからね。ただいま」
私との会話を耳にして、周りの人も足を止めてこちらを見始めた。キラキラした笑顔でおかえりと言ってくれる。今日も皆優しくて知慧は嬉しいよ。
さて、何故私がスラスラと設備の説明ができ、なぜこれほど違和感なくこの人達と会話出来ているかと言うと──
「はいはい、そこまで。皆、持ち場へ戻ってね」
コツコツとヒールの音がして、フロアの奥から女性がこちらへ歩いてきた。ワインレッドのワイシャツに、黒のジャケット、スカートは嫌いらしい。丸い大きな銀のピアスと長い紫の髪が特徴的だ。あと黄色のメッシュ。
「ただいま、ビオラ」
「お帰りなさいませ、知慧様。目を通していただかなければいけない書類があります。
お早めに社長室へ」
──さて、答えは出ただろうか。
私はこのビル改め、〖エストレーザ〗という会社の社長・CEOとして働いている。
ビオラと共にエレベーターで社長室がある階へ向かう。ビオラはその、目つきが少々アレなため誤解されやすいのだが、とても話しやすい明るい性格をしている。ので、ビオラとの会話に困ったことがない。
「知慧様、雄英高校ヒーロー科の受験はどうでしたか?」
「どうって?」
「合格されるのは分かっていますが、退屈でつまらなかったのでは、と思いまして」
前言撤回しよう。返答には困る。
いやまぁ確かに楽勝だったのは事実だけども、仮にもあの雄英高校のヒーロー科だぞ。その受験が退屈ではなかったのですかってキミ。
信頼されてることに喜ぶべきか、その度合いに悲しむべきか。
「あのねぇビオラ、あのヒーロー科だよ?大変だったろうなぁとか思わないの?」
「それはもちろん。知慧様が
とんでもねぇ。前々から思ってはいたけど、
これ、私が五分しか動かなかったこと知ったら大変そうだな。黙っておこう。
「そ、そうでもなかったよ。思ったより視野を広く持ってる受験生もいてね、雄英側も喜んでるんじゃないかなぁーアハハ」
「そうですか。ですがやはり知慧様がご入学されることに雄英高校は感謝するべきですね。それはもう涙して
ダメだ。それとなくカバー入れてもダメだ。ビオラの中で雄英高校の評価どうなってんの!?世間一般的に見てどう考えてももっと高いでしょうが!なんで雄英が泣きながら頭下げるレベルまで蹴落とされてんの!?そのシチュエーション明らかに私が悪者だよね!?
「あ、あぁそうだ。目を通す書類ってどのくらいある?場合によっては徹夜確定なんだけど」
エレベーターを降りて、廊下を歩きながら聞いた。これで無理矢理でも方向を変えられるはずだ。
「その心配はないかと。量はそう多くありません。定例のコスチュームの製作願、ヒーローからのコスチュームの修繕及び予備製作願、同じくヒーローから戦闘で損傷した武器・小物の修繕及び新たな入荷願、そして同じくヒーローからコスチュームの改造願、また同じくヒーローから新しい武器・小物の製作願、科学研究・薬品班から回復薬及びその他の一般薬品の確認申請、事務から知慧様のお写真をいただきたいとの申請、同じく事務から社内恋愛の許可申請、あとは──」
「まてまてまてまてっ!!」
おかしい。明らかにおかしいっ。最初の方は良かったのに、真面目だったのに。途中から明らかに必要ない申請入ってたよね。どこでどうとってんのその申請書たちは!アレか、学校によくあるご意見箱か!?設置したかそんなもの、記憶にないんだけど。というか社内恋愛禁止にした覚えもないんだけど!!
「どうされました?」
「どうされましたじゃないよ!?写真の申請と社内恋愛の申請何!?何ソレ!!」
「どうも何も、キチンと社内の申請を通って届いてますが」
「何で通ってんの!?何で通してんの!?社内恋愛禁止にしてないよね私!!」
「知慧様のお写真はとても貴重なものですし、カメラ目線のお写真はさらに希少ですから」
「出回ってんの?私の写真売買されてんの??」
「まさか!そんなことしていたら私が許しませんよ!?地獄の底まで追いかけて吊るし上げます!」
怖いよ。
ていうかカメラ目線は希少って、明らかに盗撮されてるよね。何で本人が知らないとこでこんなことなってんの!
ちょっと大賢者!万能感知に引っかかってないんだけど!?
《解。殺意などの害があるもの以外は通知は不要だと指令を受けています》
あ、そうだっけ。ごめん。
というか害意も敵意もなく盗撮してたの
「それと社内恋愛については、知慧様公認の恋仲になりたいとの意見でして」
私公認て何!?新しいブラック企業か何か!?
とりあえず、まともな書類の方から片付けないといかないな、と思いつつ社長室の扉を開けた。
見た目は完全に普通の社長室だ。ちょっと高級そうな部屋みたいな感じ。机と肘置き付の椅子、接待用のソファとテーブルなどなど。社長室と聞いて皆が思い浮かべるような部屋だ。
その机の上に置かれた書類たちを見て、私ははぁとため息をついた。痛覚無効が機能してないのかな。気のせいかな頭が痛い。幻覚も見えている気がする。
「ねぇ、ビオラ」
「なんでしょうか」
「社内からの申請って、何個ある?」
「知慧様に関する申請が47件、設備に関する申請が3件、その他の申請が2件。合計52件の申請が届いています」
ほら見ろ。ほら見ろ!!!!
私の感は当たっていた。受験よりも大変なことが待ち受けていた。
大切な部下たちの申請を無下するわけにもいかない。徹夜まではいかないけど、そこそこ時間はかかりそうだ。とりあえず目を通さなければ。
ビオラに、暖かいココアをお願いした。