【本編完結済】ホロライブ・オルタナティブ~If this is inevitable fate, I will call it a curse~ 作:らっくぅ
それはそうと、ここ数回お別れから始まる回多いですね…
長い階段を降り、麓へ降りたスメラギ達は、みことミオに別れを告げる。
「また公演の時に会おうね!」
「うん、頑張って弾いちゃうから! 待ってるよ〜」
その時、みこがスメラギに近づき、ひっそりと伝える。
「まだ力を使うのは難しいと思うけど、いつか誰かを守るために使わなきゃいけない時が来るかもしれない。その時は…」
「…あぁ。その時はちゃんと」
「大丈夫。スメラギならきっと使いこなせるよ」
「うん。…ありがとう、みこ」
「2人ともさっきから何話してるの〜?」
と、そこへわためがやってくる。スメラギは気持ちを切り替え、もう一度みことミオに挨拶する。
「何でもないよ。…2人とも、ありがとう。またいつか」
「うん。じゃあね、スメラギ!」
*
街道に戻り、少しばかりアイゼオン方面へ歩くと、紅白色の大きなサーカステントが見えた。
「ここだぁ〜! 付き合ってくれてありがとうございます、スメラギさん!」
わためは安堵の表情を浮かべ、礼を言う。
「せっかくだし、少しだけ中、見ていきます?」
「じゃあ、お言葉に甘えようかな」
既に寄り道をしてしまったのだ、もう少しくらい本道から逸れても問題ないだろう。スメラギはそう考え、了承した。
ただ、一つだけ懸念点があるとすれば、
「こっちです!」
わために連れられ、スメラギも中へ入る。
テント自体は既に設営が完了しており、観客席も設置されていたが、当然そこには誰も座っていない。にも関わらず、中はサーカスの演目の練習や内装の飾り付けで忙しなく、活気に満ちていた。
中を進んでいくと、わためは近くにいた座員に声をかけられた。
「お、無事に着けたか羊の嬢ちゃん」
「無事じゃないですよぉ! 途中で魔物に襲われたんですよぅ。この人が助けてくれたんで何ともなかったんですけど」
わための言葉に、座員はスメラギの方を見る。
「いや〜、悪かったな。テント設営のために早く行ったんだが、嬢ちゃんも連れて行きゃ良かったかもな。兄ちゃん、この子を助けてくれてありがとな」
「いえ、大丈夫ですよ。無事に辿り着けて何よりです」
「座長さんにご挨拶したいんですけど、どこにいますか?」
「おぉ、それなら呼んでくるよ。ちっとばかし待ってくんな」
そう言われ、しばらく待っていると、奥から左右で赤と青に色が分かれたドレス? のような服を見に纏った派手な少女が現れた。彼女が座長なのだろうか。
(やっぱり…)
「お! 君が今度の公演を手伝ってくれる子かぁ! 私は尾丸サーカス団の座長、尾丸ポルカ! よろしくぅ! …ってこの人は?」
「角巻わためって言います! よろしくです! この人、スメラギさんって言うんですけど、ここに来るまでの間私を守ってくれて…」
「スメラギ・カランコエだ。街道で魔物に襲われてるところにたまたま遭遇してね。付き添ってたんだ」
「ありゃ、そうだったのかっ!? 怖い思いさせてしまってごめんよわためぇぇぇ!! ポルカが設営を優先させたばかりにぃぃぃぃ!!!」
ポルカは謝罪しながらわためを抱きしめる。…申し訳なさより、わためを愛でたい欲が勝ってしまっているのは言及しないでおこう。
「い、いえ…! 大丈夫ですよっ。お陰で神社でお祈りできたので!」
「お兄さんにもお礼をしないとだっ! ありがとうね、スメラギさん」
「とんでもない…困っている人を助けるのは当然さ」
「でもお兄さん、傭兵でしょ? 報酬を出さないと」
そこで、わためはハッとした表情を浮かべ、慌てだした。
「あ、わ、忘れてた…! そっか、傭兵さんを雇ったって事になっちゃうんだ…!」
「あはは…僕が勝手にやった事なんだから、報酬なんていらないのに」
「そうもいかないよ、こっちの面子に関わるからさ。
「うぅ…ごめんね、ポルカちゃん。スメラギさんも…、何も考えずにあんな事お願いしちゃって」
しょんぼりとした様子でわためは2人に謝罪する。
「気にしなくていいのに。僕こそ安易に引き受けてしまったから。ごめんね、わため」
「はいはい、そこまで! 謝り合いは1回までだよ。それはそうと、お二人さんここまで歩いてきて疲れたんじゃない? 空の楽屋があるからそこで休みなよ」
ポルカにそう言われ、スメラギとわためは近くのプレハブ小屋へ案内される。いくつも建てられた小屋は楽屋や物置として機能しており、2人はそれぞれ別々の空いた小屋で休むことになった。
*
「ふう…」
パイプ椅子に腰掛け、一息つく。別に疲れたわけではない。ただ、頭を整理する必要があった。
「ねぇ、APRIL。不思議に思わないかい?」
『と言いますと?』
手に持ったデバイスから、ヴヴッとバイブ音が鳴り、APRILが応じる。
「僕たちがこれまで会ってきた人達さ」
スメラギは、今まで会ってきた人物を思い浮かべる。
ぺこらから始まり、今さっき会ったポルカに至るまで。
「
前の世界の知り合いだけならば、ラミィやわためには会っているはずはない。
それに、単なる偶然で片付けるにはいささか不自然な頻度で出会っている。
つまり、だ。
『何者かが仕組んでいるのでしょうか。』
「けど、一体誰が、何のために?」
仮にゼノクロスがそう仕向けているとしても、意図が分からなかった。
『不明です。しかし、それ故に警戒すべき事案ではあります。』
「…そうだね。気を付けておくよ」
この問題について考えるにも、まず情報が足りなかった。そもそもが憶測に過ぎないし、かつての仲間と会うというのも、本当にただの偶然である可能性が無いわけではない。
(結局、謎ばかりが積み上がっていくな…)
前の世界では、ゼノクロスを倒すことに集中していたために解明しようとしなかったが、よく考えてみると、ゼノクロスに関して、分からないことが多すぎる。その上、また新たな問題も発生した。これらの謎が解明する時が来るのだろうか。否、自分たちは、その謎を解明できるのだろうか。
*
プレハブ小屋で一、二時間程度休憩すると、スメラギは隣の小屋にいるわために声をかけた。
「わため、いるかい?」
ドアをノックすると、すぐにわためがドアを開けて来た。
「あ、スメラギさん。どうしたんですか?」
「そろそろここを出るから、挨拶をしようと思ってね」
「えっ、もう行っちゃうんですか⁉︎残念だなぁ…」
「君たちの公演を見れないのは惜しいけど、僕はアイゼオンに行かなきゃいけないんだ」
「そうなんですか〜…」
わためは寂しそうにしながらも、スメラギに応えた。
「わため、この公演が終わってもしばらく都心部うろうろしてるので、近いうちにまた会えるかもしれないですね」
「うん、また会おう。その時は君の演奏、聞かせて欲しいな」
「はい! 楽しみにしておいてください!」
「ありゃ、もう行っちゃうの?」
「元々、アイゼオンに用があったからね。日が暮れないうちにここを発つ事にするよ」
「そういう事なら引き留めても仕方ないね。公演を見てもらえないのは残念だけど。ま、今度また見に来てよ!」
「もちろん。楽しみにしてるよ」
こうして、スメラギはわため、ポルカにそれぞれ別れを告げ、アイゼオンへと向かった。
しかし、それは同時に平穏の終わりも意味していた。
*
つまるところ。
「なんで…ッ!!?」
ガッッッッゴォォォン……‼︎‼︎‼︎
展開したシールドから響く鈍い音と衝撃に耐えながらも、スメラギは相手を見据える。
考えたくなかった。でも、その可能性は十分にあった。
メイスを持った銀髪の騎士少女はこう訊ねる。
「あなた、何か隠し持ってるよね?」
ようやく本格的な戦闘だ!と思ったらホロメンと戦うんかーい
ポルカの出番がめちゃんこ少なくて申し訳ないです( ´・ω・`)
ちなみに、ポルカのテントはマイクラで本人が作ってたものを参考にしてます