【本編完結済】ホロライブ・オルタナティブ~If this is inevitable fate, I will call it a curse~   作:らっくぅ

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次回との兼ね合いで、今回は少し短めです



18話 真の目的

「ヘーミッシュ…あれが街を襲った…!」

 

 あやめは目の前に立つアンドロイドを睨みつける。奴が恐れ知らずにも魔族の街を襲った張本人か。

 

「ヘーミッシュ! 何故街を襲った!?」

 

「あぁ…フフッ。()()()()()()()()()()()()()()()()()? そりゃあ、教えるわけにはいかないな。お前だって()()()()()を隠しているんだろう?」

 

 と、ヘーミッシュははぐらかし、逆にスメラギに問いかける。

 

「それは…」

 

 それに対し、スメラギは言葉に詰まる。

 

「スメラギ。本当の目的って?」

 

 不審に思ったぼたんはスメラギに訊ねる。

 

 が、これについては教えたくなかった。この事に、これ以上彼女たちを巻き込みたくはなかったのだ。

 

「っ……」

 

 スメラギが押し黙るのを見て、しかしヘーミッシュはニヤリと笑い、口を開く。まるで、そうはさせないと言わんばかりに。

 

「どうしても自分の口からは言いたくないらしいから代わりに俺が言うことにしよう。そいつはゼノクロスという兵器を追っている。今までに世界を2つ滅ぼした兵器をな」

 

 

 

「ゼノクロス…?」

 

「聞いたことがあるような、ないような…」

 

「世界を2つ滅ぼしたって…」

 

 と、魔界学校の生徒はゼノクロスという単語に心当たりがないようで、口々につぶやく。

 

 ただし、るしあだけが違った。

 

(もしかしてあの巨人が、ゼノクロス…? 別のるしあ達を殺した…。じゃあ、スメラギさんは…)

 

 対して、傭兵2人の方はまた異なる反応を呈した。

 

「ゼノクロスって、あの最強の古代兵器…?」

 

「アレは実在しないか、異世界大戦期に消失したって話だったけど…?」

 

「封印から目覚めたのさ。世界を守るためにな」

 

 ぼたんの疑問に対し、的を得ない答えを返す。

 

「白銀ノエルに獅白ぼたん。お前たちなら馬鹿正直に依頼をこなすことはないと思っていたよ」

 

「やっぱりまともな依頼じゃないと思った! 私たちを使って何をするつもり!?」

 

「矛盾してない? 世界を守るのにどうして世界を滅ぼしたのさ」

 

「フフ。全てはじき分かることだ。その時には、我々の方が正しいと思うようになる」

 

「御託はいい! 何と言おうと、お前は市民を襲った犯罪者だ。さっさと捕まえて矯正施設にぶち込んでやるからな」

 

 意味深なことばかり言うヘーミッシュにしびれを切らしたあやめは刀を抜く。

 

「いいだろう。俺とて逃げ切れるとは思っていない。月並みだが、ここでお前たちを返り討ちにしてやろう!」

 

 その言葉と同時に。

 

 

 

 バリバリバリバリバリバリッッッッ!!!!!! と。

 

 青く煌めく雷光と共に巨大な魔物が空から降ってきた。

 

「また上から!?」

 

「やっぱ魔物出してくるか〜…」

 

「アレ、二つ名よ! 『青電主(せいでんしゅ)ライゼクス』! 皆様、気をつけて!」

 

 

 

 

 

「…スメラギ、アンタについてはまた後で聞く事にする。今はヘーミッシュを」

 

「…分かった。奴を倒そう」

 

 覚悟をしなければならなかった。でも、今は。これ以上奴に好きにさせるわけにはいかない。スメラギは戦闘態勢に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 ライゼクスの方は魔界学校組に任せ、スメラギ、ノエル、ぼたんはヘーミッシュと対峙する。

 

「なるほど、お前達が相手か。人間と獣人が俺に勝てるとでも?」

 

「勘違いしないでよね」

 

 ノエルはギュンッ! と地を蹴り、一気にヘーミッシュの懐に迫る。

 

「私、ただの人間なんかじゃないから」

 

 目にも留まらぬ速さでメイスが突き出される。破壊力よりも速度を重視し突きを繰り出したのだが、しかしそれは寸前で躱され、腹部にわずかに傷をつける程度に終わった。

 

「回避狩り失礼…っと!」

 

 ぼたんはスナイパーライフルを構え、飛び退いた着地の瞬間を狙って弾丸を放つ。弾はベクトル操作により途中でぐんと加速し、ヘーミッシュの左肩を貫く。

 

「よく当てる!」

 

「ふっ!」

 

 そこへスメラギが肉薄し、右腕に形成したプラズマナックルですかさず追撃を加える。しかし、

 

「会って間もない割には上手く連携を取っている…が、相手をもう少し観察すべきだな!」

 

 ガヂッ! と動かないはずの左腕でスメラギの攻撃を受け止める。

 

「腕が…⁉︎」

 

「機械相手なら再生しないと思ったか!」

 

「ナノマシンか…!」

 

 今度はヘーミッシュが右腕にカタールを形成し、右脇腹を突き刺そうとする。

 

 スメラギは寸前でリパルサーレイの出力を上げて放ち、逆にヘーミッシュを吹き飛ばす。

 

「アイツ…!」

 

「ナノマシンで傷を再生してるのか。厄介な相手だなぁ…っ!」

 

 ただし。

 

(ヘーミッシュ…前に戦った時はこんな事してこなかった。僕の戦闘データから強化を施したのか…? いや、僕と戦ったのはあれが初めてじゃないはず。だとしたら、何故…?)

 

 経験故に気づく小さな違和感。だが、その違和感が確信に変わるのには遅すぎる時間を要するのだった。

 

 

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