【本編完結済】ホロライブ・オルタナティブ~If this is inevitable fate, I will call it a curse~   作:らっくぅ

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短めです。


22話 標的は

 マーシェ撃破からおよそ3時間後。

 

「マーシェの方、どうだった?」

 

「ボディを調査したけど、ダメだった。メモリーが全部破壊されてる」

 

「流石に情報は漏らさないか…」

 

 少しの休息を入れたとはいえ、ほぼ間髪入れず、スメラギ達は魔界を発つことになった。アンドロイド達は休息を必要としないため、のんびりしているとまた被害が増えてしまう危険があったからだ。

 

「でも、奴らの目的がリストの「対象」達なら、動向はある程度把握できる」

 

「じゃあじゃあ、ヘーミッシュ達はどこに向かってるの?」

 

「それを今から考えようかなって」

 

 ぼたんはデバイスを操作し、人間界の地図を投影する。そこには、全ての「対象」の居場所がマーキングされてあった。

 

「おぉ〜、さすがぼたんちゃん!」

 

「ノエルにデバイスの細々とした作業はさせられないよ…」

 

 あっけらかんと褒めるノエルに、ぼたんは呆れながら応える。

 

「…んで、魔界との境界から1番近いのは、アイゼオンにいる…「ときのそら」「赤井はあと」「大空スバル」「アキ・ローゼンタール」「戌神ころね」「桃鈴ねね」…か。けっこう多いな。でも、彼女達は普通の学生にアイドルだし、ヘーミッシュ達の目的を考えると、狙いから外れるだろうな」

 

「メルたちも一応学生だけどね?」

 

「でも、普通じゃないでしょ?」

 

「シオン先輩はそもそも学生ですらないのですけどね…」

 

 実際問題、同じ学生という土俵なら、人間界で高度な魔法教育を行う学校はまずない為、魔界学校の生徒の方が強いのは事実だ。

 

 何にせよ、アイゼオンの「対象」達は選択肢から外れる。

 

 同様に、ギエルデルタにも一般人がいるだけなので排除。

 

「とすると、次に近いギエルデルタ近海の「宝鐘マリン」が狙いだろうか…?」

 

「でも、エルフの森にも2人いるよ? 海で動き回る子より、陸でじっとしてる子のほうが狙いやすくない?」

 

 ヘーミッシュ達は一応追われている身だ。しかも、彼らの目的はリストの「対象」を殺すことではなく、集めること。何かしら細工をしている間に捕まってしまっては、元も子もない。

 

 距離的には前者、効率的には後者といったところだが、どちらもあり得る選択肢ではある。そもそも、ヘーミッシュとマーシェが別行動でどちらも狙っている可能性だってある。

 

「では、二手に分かれて向かうのはどうだ? それならば問題はなかろう?」

 

「確かに良い案だけど、あちらも戦力は控えてあるのかもしれない。そうなったら、こちらの戦力を分散させるのはあまり得策ではないと思う」

 

 

 

 …と、議論が煮詰まりかけたところで、ノエルのデバイスから着信音が鳴る。

 

 それはこの膠着を打破する一手だった。

 

「ん…シェラードくんからだ。ヘーミッシュもマーシェも、エルフの森に向かってるらしいって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 という訳で、スメラギ達は境界を越え、アイゼオンにやって来た。

 

「ええと、ノエルちゃんのお仲間さんがマーシェの動向を知ってるのは分かるけど…何でヘーミッシュのことまでわかるの?」

 

「「映像時間操作(リバイド)〉で知ったんだって。ヘーミッシュは宝鐘マリンを無視してエルフを狙ってるって」

 

「それ自体が罠の可能性は…ないか。狙いは()()()()()()()()()()()()()()()()だもんね」

 

 どのような理由かは不明だが、それが本当ならば、行き先は決まっている。

 

「ここからエルフの森までは遠い。徒歩で向かったら数日はかかるはずだよ」

 

 実際にエルフの森からアイゼオンまで歩いたことのあるスメラギはそう忠告する。

 

「人間界では緊急時以外は魔法は使えないのだったな。〈飛行(フレス)〉で行くことはできないか…」

 

「スメラギさん、ノエルちゃん、ぼたんちゃんは車とか持ってないの?」

 

「一応ジープはあるけど、私ペーパーだし…」

 

「私、ちょっと荒いけどいい?」

 

 ぼたんからやる気を感じるが、同時に彼女に運転を任せてはいけないという謎の危機感を抱いた。絶対事故る

 

「…えーと、じゃあ僕が運転するよ。ジープはどこにあるんだい?」

 

「ん、案内する」

 

 そう言い、ノエルは郊外に向けて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「自動車なんて全然乗ったことないのですが、けっこう速いのですね〜。るしあの〈飛行(フレス)〉じゃ追いつけないかも」

 

「ね。魔界じゃあんまり機械に乗って移動しないから、なんか新鮮!」

 

 ノエルの、もとい白銀騎士団のジープを借りてエルフの森まで向かっているわけだが、どこにでもあるようなジープに対し魔界学校組は珍しい物に出会ったかのような反応を見せている。

 

 ちなみに彼女らのリーダーであるあやめはと言うと、

 

「う、うああぁ…こんなに揺れるのか……や、やばいっ…」

 

「あやめ大丈夫? 窓開けましょうか?」

 

「だらしないな〜あやめちゃん。遊園地のアトラクションと比べたら全然じゃん」

 

 まだ中間地点のギエルデルタにも着いていないにもかかわらず、既に車酔いしていた。魔界では自動車を使うことがほとんどないため、自動車に乗ること自体慣れていないのだろう。

 

「ちょっとー。スメラギも運転荒いじゃん。やっぱ私に代わってよ」

 

「道が舗装されてないから仕方ないんだって…」

 

「ねぇねぇ、ところでエルフの森ってさ、エルフ以外は立ち入り禁止なんでしょ? だったらさ、ヘーミッシュ達も入れないんじゃないの?」

 

 そんな魔界事情もどこ吹く風、と言わんばかりに平然としているシオンがそう尋ねる。確かに、エルフの森は外界と隔絶されていて、人間だろうがアンドロイドだろうが入れないはずだ。

 

「あぁ。あそこには結界が張られているし、入り口には門番がいる。中に入って何か騒動を起こす、というのはできないはずだけど…」

 

「それに、あそこのエルフは他と交流を持たないから、外で何かしても森から出てくることはないと思うなぁ」

 

 と、スメラギとノエルは口々に自分の見解を述べる。ヘーミッシュ達の次の目的をここだと予想したものの、実際どのように目的を達成するのかは未だ判然としていなかった。

 

「それこそ、アンドロイド(彼ら)しか考えつかないような策があるんじゃないの?」

 

「まぁ、それを言ったらおしまいなんだけど…」

 

「近くにソフォレっていう町があるから、そこで聞き込みしてみよう?」

 

「メル達も、着いたら調べてみるよ!」

 

「そうだね。まずは情報を集めないと…」

 

 




ちなみに21話から今回までの期間、話の展開が何も思いつかなすぎて第二部、さらにその続編のことまで考えてました(現実逃避)
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